猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

エスパー一族、禁句に笑う。

2009年04月15日 23時06分21秒 | ハ~プニング!

ある日曜日のことだった。

いい型の鯛が、まるまる一匹、安く手に入ったので、
「鯛しゃぶをしよう」と。

ゴンザが頭や骨といった『あら』で丁寧にダシをとり、
私はいただきものの、おろしたての包丁で身を薄切りに。

 

横浜は今日、すごい暑さ!
畑へ向うサイクリングロードには、もう藤の花が咲いていました。
ここは公共の場所なれど、誰かが藤棚を仕立て.....
その下に椅子まで二客置いて、
誰でもそこで小休止が出来るようになっている、粋な場所♪

 

.....と。

ゴンザが「エスパー弟も呼ぼうよ。俺、電話してみる♪」と言い出した。

エスパー弟が、大の魚好きであるのを知っている彼は、
「せっかくの鯛だから」と、いそいそと携帯を手にとり、
何やら楽しそうに話をしてくれている。

「もう少ししたら迎えに行くからさ♪」

我が家からは、車で5分ほどの距離に住むエスパー弟は。

私がその他もろもろ、鍋の具を用意している間に、
迎えに行ったゴンザに連れられ、やってきた。

 

昨日も登場しました、『ポーズカフェ』の、バナナのタルト。

 

「おお、すごいね~」

「でしょ、でしょ?ゴンザが丁寧にダシをとったんだよ。きっと美味いよ」

ご馳走を目の前に、期待は高まる。

「どれどれ」 「うっま~い♪」 「やべぇ!鯛」

ゴンザ特製の骨ダシで軽くしゃぶしゃぶし、
たっぷりの青ネギを入れたポン酢で食べる鯛しゃぶは、おそろしいほどの美味さ。

「刺身もイケるよ~♪」「おお、ほんとだね!」

芯から魚好きの三人は、
貪るように鯛を食べつくし、あったかで幸福な余韻に浸る。

 

あ、そうそう、今年はこんな茄子を植えました。
まっちゃん★~、お勧めの水茄子、育ててるよー♪

 

そして、楽しい時間はあっという間に流れてゆき.....

エスパー弟を送る段になって、我々はわいわいと車に乗り込んだ。

「そういえばさ~」

弟宅に近づいたころ、ふと私は思い出す。

「あの女の子...やっぱり一年経ってもお金を返しに来なかったね」

後部座席の弟は「へっ!?」っと言ったまま、しばらく無言になり.....

私が何のことを言ってるのかわからずに、戸惑っている様子だ。

 

畑の数か所で、ますます巨大化してゆくローズマリーのそばには、
なぜかタンポポが食い込むようにたくさん咲きます。
これは、飛んできたタンポポの種が引っかかりやすいからなのか、
それともコンパニオンプランツ的に、互いを好むからなのか...不思議。
「なんか、自然のフラワーアレンジメントだねぇ♪」

 

「ほら!あの『そりゃ寸借詐欺じゃん?』って言ってたヤツ!
 結局お金は返してもらえなかったんだし、
 もう一年経ったから、そろそろ『エスパー弟を励ます会』を開きたいんだけど」

.....と。

エスパー弟は、突如、「あぁ!」と大きな声で反応し、
「そんなのすっかり忘れてた!」と言った。

「あっ.....あれ!?余計なこと思い出させちゃった?」

「ご.....ごめんねぇ~」

その間があまりに面白くて、思わず吹き出しながら焦った風を装い、
私とゴンザは茶化すように言う。

 

「そうそう、erimaは酷いヤツにゃのよ。ちゃあこはよく知ってる」

 

当事者であるエスパー弟とはといえば、
これまたエスパー一族らしく、

「あ~、もうね。せっかくね、忘れてたのにね。
 傷口に塩を塗りこまれたというかね。広げられたというかね」

と、自虐的に笑いを取りにきて.....

「ひどい....酷すぎる」

三人は、笑っては呟き、また、呟いてはげらげら笑い、
こうなるともう止まらない。

 

畑に咲く花を持ち帰って飾ってみました♪

 

結局、エスパー弟を車から降ろすまで、一族は笑い続けた。

「じゃあね、またね!美味しいものが手に入ったらまた電話するからさ」

あまりに可笑しくて、
笑いで肩を震わせながら、私とゴンザは言い、
言われたエスパー弟も、笑いながら車のドアを閉める。

互いに手を振り、その姿が見えなくなっても.....

一族のことだ。

きっと笑っているのは同じだったろう。

(そしてこれを読んだエスパー妹もPC前で大笑いしているだろう)

その後も私とゴンザは、ついに家に帰り着くまで、笑い続けた。

コメント (6)
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