ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

中台戦争のトリガーになるのか

2024-02-19 17:06:24 | 日記
・ロシアによるウクライナ侵攻が始まってもうじき2年。ロシア軍の攻撃から国内外に避難したウクライナ人の数は、約800万人にのぼる。
・ロシアの反政権運動指導者・ナワリヌイ氏が獄中で死亡し、プーチンに抹殺されたのではないか、との疑惑が広がっている。
・イスラエル首相がパレスチナ自治区への地上侵攻の方針を表明して以降、ラファへの攻撃が激化している。
・ゼレンスキー・ウクライナ大統領がミュンヘン安全保障会議に出席し、「人為的な武器不足が生じている」として、さらなる支援を訴えた。


きょうの朝日新聞は、こうした国際的話題で盛り沢山だが、その中にひっそりと小さくこんな見出しが顔をのぞかせていた。


漁船転覆、中台非難の応酬 中国、取り締まり強化表明


記事本文によれば、事件は中国と台湾との小競り合いから生じた、何の変哲もない漁船の転覆事故である。


台湾が実効支配する金門島の沖合で台湾当局の追跡から逃れようとした中国漁船が転覆し2人が死亡した事故をめぐり、中台双方が互いに批判の談話を出し合う状況になっている。中国海警局も周辺海域の取り締まり強化を表明。新たな緊張の種になりつつある。」
(朝日新聞2月19日)


この小さな事件が、中国による台湾侵攻の口実になり、引き金(トリガー)になりはしないか、ーー私はそんな懸念をいだいたのである。


記事は「台湾当局の追跡から逃れようとした中国漁船が転覆し、2人が死亡した」と書くが、この転覆事故だって中国が意図的に引き起こしたものと勘ぐれなくはない。台湾当局が中国漁船を追跡したのも、中国漁船の挑発にのった結果かもしれないのだ。


約85年前の盧溝橋事件が示すように、敵対勢力同士の小競り合いは、往々にして両勢力間の全面戦争へと発展する。「どちらが先に仕掛けたか」は、戦争のどさくさの中でうやむやになる。


そうならなければよいが、と私が心配するのは、中台戦争が始まれば、我が日本もそのとばっちりを受けるからである。


まあ、幸いなことに、今の中国は深刻な経済不況のど真ん中。台湾に軍事攻撃を仕掛ける余裕があるとは思えない。台湾に戦争を仕掛ければ、日本を、そしてアメリカをも敵にまわさなければならなくなることを、ドンの習近平が知らないはずはないだろう。


ただ、軍隊は、国家指導者の意思など意に介さず、独自の論理で動く自動機械のようなものである。中国軍に特有の膨張主義の論理が、私は大いに気にかかるのである。

コメント
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