ずっと気になっていることがある。日本と中国が南太平洋で繰り広げている陣取り合戦の、その鍔迫り合いは、今後、どうなるのだろうか。
こんなニュースを聞いたからである。
「ことし夏に東京で開催される『太平洋・島サミット』の準備会合がフィジーで開かれ、ルールに基づく国際秩序を堅持することの重要性などを確認しました。
『太平洋・島サミット』は、南太平洋の18の国や地域の首脳らを日本に招き、3年に1度開催している国際会議で、10回目となる会合がことし7月に東京で開かれます。
これに先立ち、12日、フィジーで開かれた準備会合には、日本の上川外務大臣や各国の外相らが参加しました。
(中略)
ただ、日本以外で実際に外相が参加したのは、パプアニューギニアやパラオ、ミクロネシアなど6か国にとどまり、2019年に台湾と断交し中国と国交を結んだソロモン諸島は外務次官、キリバスは現地大使の参加となりました。
また、1月、台湾総統選挙の直後に台湾との断交を発表したナウルも副外相の参加にとどまっています。
それぞれの国の外相がなぜ参加しなかったのかは明らかになっていませんが、ソロモン諸島の外相はNHKの取材に対し『今週は体調が悪く、参加を見送った』と、代理の派遣になった理由について釈明しました。
ほかの国も、別の国際会議との調整がうまくいかなかったとか、天候が悪く飛行機が欠航になってしまったなどとしていますが、中国との関係を重視する国が増えるなか、前回、前々回の会合と比べると外相クラスの参加人数は大きく減る形となりました。」
(NHK NEWS WEB 2月12日配信)
問題は、なぜ「日本以外で実際に外相が参加したのは、パプアニューギニアやパラオ、ミクロネシアなど6か国にとどま」ったのか、である。
理由ははっきりしている。「太平洋・島サミット」は、南太平洋で覇権をふるう中国を牽制するために、日本が構築を企ている中国包囲網だからである。中国は日本のこの企てを阻止するために、参加予定の各国に働きかけ、包囲網の一角を切り崩そうとしているのだ。
南太平洋の諸国が中国の切り崩し工作に応じざるを得ないのは、中国がこれらの国のインフラ整備を経済的に支援するなどして、「エサ」をばら撒いているからである。「こっちの水は甘いぞ〜」と中国がささやけば、必ずしも裕福でないこれらの国は、ついグラグラとよろめかざるを得ない。外相を派遣しなかったこれらの国を自陣に取り込むには、日本はそれなりの対処をしなければならない。
先日、麻生副総裁に変な形でヨイショされた上川外務大臣だが、この問題は、上川外相一人が頑張っても、どうにもなるものではない。このところ翳りを見せている中国経済だが、中国の底力を甘く見てはならない。岸田政権は全員が火の車になって、もとい、火の玉になって、この問題に対処しなければならない。
こんなニュースを聞いたからである。
「ことし夏に東京で開催される『太平洋・島サミット』の準備会合がフィジーで開かれ、ルールに基づく国際秩序を堅持することの重要性などを確認しました。
『太平洋・島サミット』は、南太平洋の18の国や地域の首脳らを日本に招き、3年に1度開催している国際会議で、10回目となる会合がことし7月に東京で開かれます。
これに先立ち、12日、フィジーで開かれた準備会合には、日本の上川外務大臣や各国の外相らが参加しました。
(中略)
ただ、日本以外で実際に外相が参加したのは、パプアニューギニアやパラオ、ミクロネシアなど6か国にとどまり、2019年に台湾と断交し中国と国交を結んだソロモン諸島は外務次官、キリバスは現地大使の参加となりました。
また、1月、台湾総統選挙の直後に台湾との断交を発表したナウルも副外相の参加にとどまっています。
それぞれの国の外相がなぜ参加しなかったのかは明らかになっていませんが、ソロモン諸島の外相はNHKの取材に対し『今週は体調が悪く、参加を見送った』と、代理の派遣になった理由について釈明しました。
ほかの国も、別の国際会議との調整がうまくいかなかったとか、天候が悪く飛行機が欠航になってしまったなどとしていますが、中国との関係を重視する国が増えるなか、前回、前々回の会合と比べると外相クラスの参加人数は大きく減る形となりました。」
(NHK NEWS WEB 2月12日配信)
問題は、なぜ「日本以外で実際に外相が参加したのは、パプアニューギニアやパラオ、ミクロネシアなど6か国にとどま」ったのか、である。
理由ははっきりしている。「太平洋・島サミット」は、南太平洋で覇権をふるう中国を牽制するために、日本が構築を企ている中国包囲網だからである。中国は日本のこの企てを阻止するために、参加予定の各国に働きかけ、包囲網の一角を切り崩そうとしているのだ。
南太平洋の諸国が中国の切り崩し工作に応じざるを得ないのは、中国がこれらの国のインフラ整備を経済的に支援するなどして、「エサ」をばら撒いているからである。「こっちの水は甘いぞ〜」と中国がささやけば、必ずしも裕福でないこれらの国は、ついグラグラとよろめかざるを得ない。外相を派遣しなかったこれらの国を自陣に取り込むには、日本はそれなりの対処をしなければならない。
先日、麻生副総裁に変な形でヨイショされた上川外務大臣だが、この問題は、上川外相一人が頑張っても、どうにもなるものではない。このところ翳りを見せている中国経済だが、中国の底力を甘く見てはならない。岸田政権は全員が火の車になって、もとい、火の玉になって、この問題に対処しなければならない。