米朝首脳間の罵(ののし)り合戦がますますエスカレートしている。今度
はトランプ米大統領がツイッターで、北朝鮮の金正恩を「常軌を逸した人
物」と呼ばわったとか。
罵り合戦がここまでエスカレートしたからには、この表現などとりたてて
論(あげつら)うほどの言葉ではないように思えるが、「常軌を逸した人
物」の原語は madman 、つまり気違い、狂人である。このニュースを伝
えたNHKは、「気違い」や「狂人」が放送禁止用語に当たると考えて、
「常軌を逸した人物」という穏当な表現を使ったのだろう。穏当な表現に
「意訳」したぶんだけ、トランプのツイッター発言のインパクトは薄めら
れているが、要は、米大統領が北の独裁者を「狂人」呼ばわりしたという
ことである。
「狂人」と聞けば、すぐに思い浮かぶのは、「狂人理論」である。「狂人
理論(madman theory)」とは、ゲーム理論の一種で、「オレは激情に我
を忘れて、キレると何をしでかすか分からないアブナイ男なんだぜ」と相
手に思わせることで、相手をビビらせ、優位に立とうとする交渉戦術であ
る。
トランプは金正恩を「狂人」呼ばわりすることで、「オレは狂人理論を知
らないわけじゃない。お前は気違いのフリをして、核のボタンを押しかね
ない危険人物だと思わせ、世界を恐怖に陥れているが、それが演技だとい
うことくらい、オレは見抜いているんだぜ」と言おうとしているのではな
いか。「オレはお前とは違って、お前なんかよりずっとアブナイ人間なん
だぞ!フリじゃないぜ。本気でお前を潰してやるからな」とも。
罵り合いの非難合戦は、どうやら狂人(の演技)合戦の様相を呈してきた
ようだ。
そうそう、我々の身近にも「欲求不満が昂じて、怒りをまき散らす人物」
のフリをして、自分の嫉妬心や暴力への意志を、相手にぶつけようとする
「困った人」がいるよね。
はトランプ米大統領がツイッターで、北朝鮮の金正恩を「常軌を逸した人
物」と呼ばわったとか。
罵り合戦がここまでエスカレートしたからには、この表現などとりたてて
論(あげつら)うほどの言葉ではないように思えるが、「常軌を逸した人
物」の原語は madman 、つまり気違い、狂人である。このニュースを伝
えたNHKは、「気違い」や「狂人」が放送禁止用語に当たると考えて、
「常軌を逸した人物」という穏当な表現を使ったのだろう。穏当な表現に
「意訳」したぶんだけ、トランプのツイッター発言のインパクトは薄めら
れているが、要は、米大統領が北の独裁者を「狂人」呼ばわりしたという
ことである。
「狂人」と聞けば、すぐに思い浮かぶのは、「狂人理論」である。「狂人
理論(madman theory)」とは、ゲーム理論の一種で、「オレは激情に我
を忘れて、キレると何をしでかすか分からないアブナイ男なんだぜ」と相
手に思わせることで、相手をビビらせ、優位に立とうとする交渉戦術であ
る。
トランプは金正恩を「狂人」呼ばわりすることで、「オレは狂人理論を知
らないわけじゃない。お前は気違いのフリをして、核のボタンを押しかね
ない危険人物だと思わせ、世界を恐怖に陥れているが、それが演技だとい
うことくらい、オレは見抜いているんだぜ」と言おうとしているのではな
いか。「オレはお前とは違って、お前なんかよりずっとアブナイ人間なん
だぞ!フリじゃないぜ。本気でお前を潰してやるからな」とも。
罵り合いの非難合戦は、どうやら狂人(の演技)合戦の様相を呈してきた
ようだ。
そうそう、我々の身近にも「欲求不満が昂じて、怒りをまき散らす人物」
のフリをして、自分の嫉妬心や暴力への意志を、相手にぶつけようとする
「困った人」がいるよね。