プーチンの祝電が意味するもの

ロシアのプーチン大統領が、北朝鮮の建国６９周年記念日にあたる９月
９日、金正恩に祝電を送ったという。

朝鮮中央通信は９日、ロシアのプーチン大統領が金正恩（キムジョンウ
ン）・朝鮮労働党委員長に祝電を寄せたと伝えた。プーチン氏は祝電で、
「ロシアと朝鮮の関係は友好と相互尊重の立派な伝統に基づいている」と
し、「二国間関係を全ての分野でさらに発展させることが両国人民の根本
の利益に合致し、朝鮮半島と東北アジア地域の安全と安定の強化に寄与す
ると確信する」と指摘した。プーチン氏は国連安全保障理事会で６回目の
核実験を受けて検討中の新制裁決議に否定的な姿勢を鮮明にしている。
　　　　　　　　　　　　　　　　（朝日新聞デジタル ９月９日配信）

本ブログで先日、私は次のように書いた。ロシアと北朝鮮の関係は、ヤク
ザの親分と子分の関係に似ている、と。北への軍事的圧力を強める日米韓
に対して、「戦争よりも平和的・外交的交渉で」と主張するプーチン大統
領の言い草は、こんなふうにも聞こえる。
「あの暴れん坊のチンピラですがね、あれはうちの組で面倒を見ているか
ら、世間様に迷惑をかけずに済んでいるんです。なのに、みんなで寄って
たかって爪弾きにしたら、反発してドンパチやり始めるに決まってますぜ。
大変なことになりますよ！」

暴れん坊のチンピラを使って、組の勢力を拡大しようとするプーチン大統
領の底意は、きのうの時点で、その発言の真っ当な表向きのタテマエを台
無しにしてしまいかねないほど露骨なものになった。

子分のチンピラにこっそりハジキ（拳銃）を手渡した親分は、この子分が
ハジキを振り回して「どうだ、凄いだろう」と自慢する姿を見て、「よ
し、頑張れよ。お前にはわしらがついているからな」と、激励の言葉をか
けたに等しい。この親分は、しのぎを削る大組織のアメ組に対抗して、そ
のプレッシャーを退ける楯の役割を、この子分に期待しているようでもあ
る。

「戦争ではなく、平和的・外交的手段で」とするプーチン大統領の美辞麗
句を、我々はそのまま真に受けることはできない。とすれば、我々に残さ
れた選択肢はどういうものなのか。やはり強硬手段しか残されていないの
だろうか。

う〜ん、事態は八方塞がりの真っ暗闇。難しいところである。