ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

喉を鍛える

2017-09-06 13:57:42 | 日記
嚥下障害という症状をご存知だろうか。老化に伴って生じるもので、飲食
物の飲み込みがうまくいかなくなる症状である。口に入れた飲み物や、食
べ物が食道ではなく、気管の方に入ってしまうので、肺炎を引き起こす。
最近は肺炎が原因で亡くなる老人が増えているが、その大半は嚥下障害に
よる肺炎、つまり誤嚥性肺炎だという。

私も最近は、飲食物、とくに飲み物の摂取がうまくできなくなった。6年
ほど前に発症した脳出血の、その後遺症である半身麻痺と関係があるのだ
ろう。脳出血を発症して半年後、リハビリ病院に入院していたとき、嚥下
の訓練もずいぶんやらされたが、嚥下障害はまだ完治していないようだ。

嚥下障害によるQOLの低下を痛感するのは、飲酒の折、とくにビールを飲
むときである。豪快にグビグビッと呷りたいのだが、それをやるとビール
を食道ではなく、気管に注ぎ入れることになり、激しく咳き込んで苦しい
思いをすることになる。だからビールを飲むときには、度の強いバーボン
をストレートで飲むように、うつむきながら、ちびり、、、ちびり、、、
とやるようになった。しかし全然旨くないのである、これが。

これはビールだけでなく、焼酎の水割りを飲む場合も同様で、こんな飲み
方をしてもちっとも旨くないから、寝る前に飲む焼酎の量は激減し、病前
の4分の1になった。肝臓の健康には悪くない話だが、ストレスは募る一
方で、精神の健康にははなはだよろしくない。

冷えたビールをグビグビッと呷りたい。焼酎の水割りを心おきなく胃袋に
注ぎ込んで、酔っ払いたい。そんな気持ちから、新聞のテレビ番組欄を広
げると、つい健康番組に目が行き、「嚥下障害」という文字を見つけると、
何をおいてもその番組を見るようになった。

数日前に見たテレビの健康番組では、こんなことを言っていた。嚥下障害
を治すには、喉の筋肉を鍛えることが肝要である。男女比でみると、男性
よりも女性に嚥下障害が少ないのは、女性はおしゃべり好きだからであ
る。男性は高齢になると交友を避けるようになり、おしゃべりの機会が減
るので、喉の筋肉が衰え、嚥下障害になりやすい。だから男性の場合は、
カラオケなどをして、極力、喉の筋肉を使う機会を増やすことが大事であ
る。

そのことが頭に残っていたのだろう。昨夜、突然、「そうだ、こいつを
使ってカラオケをやることにしよう!」と思いついたのである。中国から
届いた中華製TVBOXで、Youtubeのサイトを開き、「懐メロカラオケ」と
入力すると、私の部屋はさながら昭和時代のカラオケ・スナックに早変わ
りする。昨夜は裕次郎の曲を何曲か歌って喉の筋肉トレーニングに励ん
だ。中華製TVBOXが鳴らす歌謡曲のサウンドは、深さというより、音の
厚みを感じさせて非の打ち所がない。

このTVBOX、ネットへの接続に難があったが、この難点はどうにかクリア
できた。家の中で使っていたWifiの中継器を、こいつのすぐ近くに移動し
てみたら、あら不思議、難なくつながるようになったのである。

喉の筋肉トレーニングが功を奏し、焼酎の水割りが旨く飲めるようになる
かどうかは、もうすこし様子を見ないと分からない。私の歌が上達しない
ことは、よく分かっている。
コメント
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