これまで、北朝鮮の核武装問題に関するプーチン露大統領の発言は、さし
て気にもとめず、漫然と聞き流してきた。ロシアには、アメリカに対抗す
る独自の思惑があり、北朝鮮をアメリカとの間の緩衝地帯にしたい独自の
思惑がある。プーチン大統領の発言には、それなりのバイアスがかかって
いるので、鵜呑みにすることはできないと思っていた。
だが、ここ数日間でなされた彼の発言には、聞き捨てにできない重要な指
摘が含まれていると、そう思うようになった。日本の新聞が社説で連日、
馬鹿の一つ覚えのように書きたてる「制裁を!圧力を!」の主張などよ
り、数段も鋭く、気が利いていると思ったのである。
プーチン大統領が存在感を見せつけたのは、中国で開かれた新興5カ国
(BRICS)首脳会議で行った、北朝鮮に関する発言によってであ
る。この発言をめぐる報道は、以下のようなものである。
新興5カ国(BRICS)首脳会議が開かれた中国・福建省アモイで、
プーチン大統領は5日に記者団に対し、「安全を約束されたとの感触を得
ない限り、北朝鮮は草を食べることになっても兵器開発をやめないだろう
」と述べた。戦争ヒステリーをあおり立てる政策が高じれば、「世界的な
破滅と甚大な数」の人的被害に至りかねず、「北朝鮮の核問題では平和
的、外交的解決以外に道はない」と続けた。
(Bloonmerg 9月5日配信)
米朝が戦争を始めれば、「世界的な破滅と甚大な数」の人的被害に至りか
ねない、との指摘は、トランプ米大統領にも安倍首相にも見られない視点
からの指摘である。原爆によって悲惨かつ甚大な被害をこうむった唯一の
被爆国・日本の新聞にも、残念ながらこの視点は見られない。相変わらず
「戦争の被害は日本にも及ぶ」といった近視眼的な指摘にとどまってい
る。
被爆国・日本の新聞こそ、全世界を破滅に導きかねない、核兵器の恐るべ
き破壊力に、もっともっと注意を喚起して然るべきではないだろうか。
て気にもとめず、漫然と聞き流してきた。ロシアには、アメリカに対抗す
る独自の思惑があり、北朝鮮をアメリカとの間の緩衝地帯にしたい独自の
思惑がある。プーチン大統領の発言には、それなりのバイアスがかかって
いるので、鵜呑みにすることはできないと思っていた。
だが、ここ数日間でなされた彼の発言には、聞き捨てにできない重要な指
摘が含まれていると、そう思うようになった。日本の新聞が社説で連日、
馬鹿の一つ覚えのように書きたてる「制裁を!圧力を!」の主張などよ
り、数段も鋭く、気が利いていると思ったのである。
プーチン大統領が存在感を見せつけたのは、中国で開かれた新興5カ国
(BRICS)首脳会議で行った、北朝鮮に関する発言によってであ
る。この発言をめぐる報道は、以下のようなものである。
新興5カ国(BRICS)首脳会議が開かれた中国・福建省アモイで、
プーチン大統領は5日に記者団に対し、「安全を約束されたとの感触を得
ない限り、北朝鮮は草を食べることになっても兵器開発をやめないだろう
」と述べた。戦争ヒステリーをあおり立てる政策が高じれば、「世界的な
破滅と甚大な数」の人的被害に至りかねず、「北朝鮮の核問題では平和
的、外交的解決以外に道はない」と続けた。
(Bloonmerg 9月5日配信)
米朝が戦争を始めれば、「世界的な破滅と甚大な数」の人的被害に至りか
ねない、との指摘は、トランプ米大統領にも安倍首相にも見られない視点
からの指摘である。原爆によって悲惨かつ甚大な被害をこうむった唯一の
被爆国・日本の新聞にも、残念ながらこの視点は見られない。相変わらず
「戦争の被害は日本にも及ぶ」といった近視眼的な指摘にとどまってい
る。
被爆国・日本の新聞こそ、全世界を破滅に導きかねない、核兵器の恐るべ
き破壊力に、もっともっと注意を喚起して然るべきではないだろうか。