ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

米朝開戦をめぐる夢のような話

2017-09-04 16:48:58 | 日記
北朝鮮がついに核実験を強行した。ICBMに搭載する弾頭用水爆の実験だと
いう。水爆を搭載したICBMが撃ち込まれるとなれば、アメリカにとって言
い知れぬ脅威だろう。今度こそ、北朝鮮はレッド・ラインを越えたのでは
ないか。トランプ大統領は黙ってこれを見過ごすわけには行かず、米軍の
爆撃機にGO!の指令を発するに違いない。米朝戦争は必死の情勢だ。

米朝戦争となれば、同盟国の日本もF-15戦闘機を発進させないわけにはい
かず、そうなれば、北朝鮮による日本へのミサイル反撃は避けられない。
う〜ん、ヤバいぞ、これはヤバい、マジでヤバいよ!

ほとんどの日本人がそういう危惧と恐怖の念にとらわれたはずだ。日本の
リーダー・安倍首相も同じ思いだったようだ。このタカ派の元締めは、ト
ランプ米大統領との電話会談で、こう述べたという。
「北朝鮮と戦争するのは、絶対に止めていただきたい!有事になれば、日
本に甚大な被害が及ぶことになる」
これに対して、トランプ大統領はこう答えたという。
「私は金正恩と話し合うことにした。マティス(国防長官)がいろいろ理
由をつけて、『いまは戦争準備が整っていません』と言うから、そのアド
バイスに従うことにしたのだ」
(「現代ビジネス」 9月3日配信《トランプが安倍首相に告げた北朝鮮危機
の限界点》)

ニュースサイト「現代ビジネス」に掲載されたこの記事(筆者は『週刊現
代』特別編集委員の近藤大介氏)を読んで、ホッと胸をなで下ろした人は
多いだろう。ただし、この記事がホントならばである。

ここに書かれたことを、そのまま信じる気になれない理由が、二つある。
一つは、この安倍首相の言葉が、終戦記念日の8月15日に、日本武道館で
執り行われる全国戦没者追悼式を控えた安倍首相が、そのすこし前に行っ
た電話会談での発言だとされていることである。つまり、北朝鮮が核実験
を強行する以前の発言であり、日本列島越しにミサイルを発射する以前の
発言であるから、この言葉は、安倍首相が(攻撃強行論へと)立場を変え
る前の発言だった可能性がある。

もう一つは、この話のソースはだれか、という問題である。筆者の近藤氏
は、この話を一体だれから聞いたのか。日米首脳会談ともなれば、その内
容はトップ・シークレットの極秘事項であるはず。それが1ヶ月も経たな
いうちに漏れ伝わるとは、にわかには信じがたい。はっきり言うと、ガセ
ネタじゃないのか、という疑いを拭えないのである。

大手出版社が発行する看板週刊誌の、その特別編集委員でも、夢を見るこ
とはある。近藤氏は夢でも見たのではないだろうか。願望が夢に現れたの
だろう。安倍首相の発言といい、トランプ大統領の返事といい、そうで
あってくれたらなあ、とは、私も思うところである。
コメント
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