趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『かなたの子』 角田光代

2012年04月11日 | 
この本、内容は全く知らずに予約しました。
表紙の絵が印象的だな、と思っていました。

角田さんの本は、図書館でも大人気で、
やはり予約しないとなかなか読めないのです。
新しい本なら尚更です。

この本は、「文學界」と「オール讀物」で交互に掲載された8篇からなる、短編集です。


最初の1篇を読んで、怖くなりました。
えっ?こういうお話なの?と、ページをめくる手が震えます。
2篇目を読んで、これは夜読めないなと思いました。

最初印象的に感じた表紙の絵が、怖くて見られなくなったり。

8篇に繋がりはないのですが、読んでいくとお書きになりたいものが
何となく見えてきます。

読みながら、民俗学という言葉が浮かびました。
地方に伝わる風習だとか、たたり、だとか伝説といった物を
調べられたのかな、と。

そのように古くから伝わる物は、何故だか吸引力があって、
怖いのに逃げられないというような、夢の中で追いかけられている気分に陥るのです。

私はこういうお話は苦手なのです。
どうしても頭の中で映像にしてしまうし、囚われてしまい、
夜が、闇が、怖くてたまらなくなるのです。

そして何より一番怖いのが、その中に真実が見えることです。
ああ、ダークサイドに落ち込んだ気分。。