趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『民王』 池井戸 潤

2012年04月03日 | 
話題の新刊本を図書館で予約して読む、というスタイルで
ここ数年読書が続いていたのです。
そうして予約した本が、うまい具合に順番通り手元に来るはずも無く
続けて何冊も来たりして、しばしば追い立てられるような読書になっていました。

おまけにせっかく苦労して読んでも、なかなか心にヒットしないものも少なくなくて、
ちょっとトーンダウンしています。

今年は、少し読み方を変えようと思っています。
昔読んだ本を読み返したいものもたくさん有るし、
何より書棚に並んだ本を手に取り、選ぶ楽しみは読書の醍醐味でもあるのです。

そうして選んできた、池井戸潤さんの『民王』です。


主人公の、首相・武藤泰山は、
ある日突然大学生のドラ息子・翔と中身が入れ替わってしまう…。
と、中身が入れ替わる設定の物語多いですよね~
でも、この本はこの‘入れ替わる’というのがキーワード。
しかも、読んでいると痛快ギャグ小説のようなのです。
池井戸潤さん、こういうものもお書きになるんだ~と
ちょっとびっくりしました。

でも、私は面白く読みました。
何と言っても肩がこらずすいすい読めちゃうのです。
ですから、読書の苦手な人にも大丈夫な感じで、朝読書にオススメかも。

ちなみに、こんな政治家たちが登場するのだけれど、
いずれもどこかで聞いたことのある、記憶に新しいスキャンダル?を思い出させます。

 就任後すぐ、投げ出すように辞任してしまった首相
 愛人とのスキャンダルを報じられた官房長官
 酒を飲んで国際会議に出席してしまった経済産業大臣
 売春クラブの利用が発覚した議員
 用意された原稿の漢字が読めない首相

読みながら、池井戸さんがこの小説書かれた訳が、
なんとなく分かる気がします。
こんな風にお書きになるのが、一番いいようにも感じました。


~本物の大人とは何か、国を動かす政治とは何か。~
さて、若者達に正しく説明できるかどうか、甚だ自信がありません。。