趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

映画「ヤコブへの手紙」

2011年06月06日 | 映画
最近あちこちにシネコンができた事もあり、
昔からあった映画館は一つを残して全部廃業してしまいました。

その、残った映画館がロードショー館を閉鎖して
ミニシアターのように小さなスクリーンを残したのです。
先月辺りからそこで評判の良かったものなのかな?
遅れて幾つか上映するようになりました。

上映スケジュールを見ていて、目にとまったのが「ヤコブへの手紙」です。
確か評判の良かったヨーロッパの映画だと記憶していました。
早速観に行ってきました~

この映画館子ども達が小さな頃から利用していたのです。
ポイントも貯まったままになっていて、無料で観られました。

舞台は1970年代のフィンランド。
登場するのは、恩赦によって放免となった元囚人のレイラと、

彼女が身を寄せる事となる盲目の老牧師ヤコブと、

ヤコブの元に手紙を届ける郵便配達人の3人。

レイラに与えられた仕事は、
ヤコブのもとに毎日届く様々な悩みの手紙を開封して朗読し、
返事を代筆することです。

明るい映画ではありません。
世の中に打ち捨てられたような気配の中で、生きて、生活していくということ。
片や神に仕える人間、方や神に背く犯罪者。
静かに進む物語の中で、やがてそれぞれの関係性が微妙に変わっていく・・・。

心にしみじみしみ込んでくるいい映画だと思いました。
人間誰しも道に迷い、孤独におびえ、年老いていくことに変わりはありません。
どのように人と関係を持ち、どのように役に立っていくか
きっと自分自身が一番分かっていないのかもしれません。
静かな感動に包まれる映画でした。。