趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『荒野』 桜庭 一樹

2010年10月18日 | 
この本の題名は‘こうや’で、主人公の名前です。
井上荒野さんのお陰で、どうしても‘あれの’と読んでしまいます。
読みながらずっと‘言い直し’繰り返していました~
こんな所にまで荒野効果絶大!

これまで読み損ねていて気になっていた桜庭一樹さん、
直木賞受賞でお名前と、女性であることを知りました。
この本は、図書館の書棚で偶然目にして、借りてきました~
題名と、装丁がきれいでかわいいので目に留まったのです。



恋の、物語でした。
少女から大人への過渡期、
多感な心を丹念に掘り返し、丁寧に描いて見せてくれる・・・。

主人公山野内荒野が、12歳から16歳になるまでの
3部構成となっています。
父親が恋愛小説家で、尚且つ超モテ男という普通とはちょっと違う環境に育つ。
日々の生活のこまごました小さな出来事を
丁寧に拾い上げ、描写していくところにとても惹かれました。
少しずつ少しずつ成長していく様がよく分かるのです。

読み進めるうちに自分自身も振り返りたくなりました。
細かなことはまだぼんやりなのですが、
その当時のときめきやら、きらめきやらがフツフツ湧いてきて
年甲斐もなく、なんだかとても胸きゅんな感じ・・・。

若い人にもオススメですよ~