暮れなずむ西の空に、細い眉のような月が傾いでいた。それを掠めるように、イエコウモリ(アブラコウモリ)が幾何学模様の飛跡を描いて軒下に消えた。我が家の住人夫妻である。
もう棲みついて何年になるだろう?昨年は育児にしくじり、2頭の子どもを地面に落として喪った。今年こそ、という期待と祈りを籠めながら夕空を見上げていた。
午後7時半、昼間の38度の灼熱地獄の余熱で、まだ32度を超える熱気が肌に纏わり付く。昼間の日差しは、暑いというより痛かった。焼けた石ころに躓いただけで火花が散って、一気に空気が燃え上がりそうな暑さだった。
しかし、すぐ南の久留米市が38.4度という全国一の記録を出したために、小さな市の太宰府はニュースにもならない。(と言っていたら、「太宰府は全国で3番目の暑さ」とニュースに出た!……こんなところで自慢してどうする。)
「来た~ッ、38度!」と長女にメールを打つ。長女の住む横浜市都筑区は33.7度……「ふ~ん、涼しくていいね!」と、嫌みのひとつも言いたくなるような一日だった。
熱波を押し上げるように、台風8号が九州直撃コースで急速に近付いている。今年は凄まじい夏になりそうだ。
生い茂り、花が咲き、種になりはじめたパセリに、漸くキアゲハの幼虫が姿を現した。若齢の鳥糞状の姿から、緑の身体に黒い帯、その上にオレンジの斑点をちりばめた終齢の鮮やかな模様に脱皮していた。まだ2頭を育てるくらいの葉は残っている。よしよし、安心して見守ることにしよう。
この苛烈な日差しを、あの小さな身体で耐えている不思議!おそらく体温もかなり高くなっているはずなのに、灼熱をものともせずに黙々とパセリの葉を貪っていた。
スミレのプランターは、いつの間にか裸になっていた。ツマグロヒョウモンは蛹まで育つことが出来たのだろうか?
これだけ暑いと、藪蚊も寄ってこない。蚊の活動適温は26度~31度で、35度を超えると葉陰に隠れて活動しなくなるという。
「ざま~見やがれ、38度じゃ動けまい!(呵呵)」
「蚊に刺されやすい人、7つの条件」というネット記事を見付けた。
①暗い色の服装はターゲットにされやすい
②蚊は「動くもの」に反応する
③体温が高いほうが刺されやすい
④蚊は人間の吐く二酸化炭素を50m先から見つけている
⑤ビールを飲むと蚊が寄ってくる!
⑥「O型」が最も刺されやすい
⑦肌や汗の成分も要注意(遺伝による影響大!)
カミさんも私も血液型はO型である。しかし、カミさんの方が遥かに蚊に弱い。体温は私の方が高い。但し、私は外気温に敏感に反応する自称「変温動物」である。
さて、カミさんが蚊に弱い要因は何だろう?……そんなことを考えていたら、余計に暑くなった。
撒水のホースを思い切り高く掲げて、小さな虹を描く。束の間の、ささやかな暑気払いである。しかし、蛇口を閉めた途端、頭頂にガツンと炎の矢が突き刺さった。箱庭のような虹の彼方に、涼はなかった。
(2019年8月:写真:キアゲハの幼虫)
蚊に刺されやすい、刺されにくいって、本当に何で決まるのかしら・・・
と、言うのも、我が家の夫、どうも蚊アレルギーらしいのです。ほんの少し、蚊に刺されただけで、その痒みが腕全体とか足全体に回る、しかも、それが3時間、いやそれ以上続くかな・・・勿論、刺された部分は、結構プックリ脹れてるし・・・「腕(足)斬りたい」とまでいう始末です。可哀そうだけれど仕方ありません。
血液型は夫がB型、私はO型
体温も夫の方が低め、私が高めなのですが・・・
台風近づいているようですね。また、肩透かしになってくれると良いのですが。でも、一雨は欲しいところでしょうか。
連日の猛暑、どうか熱中症にならないようにお気をつけてお過ごしください。