蟋蟀庵便り

山野草、旅、昆虫、日常のつれづれなどに関するミニエッセイ。

コロナ・ワクチン顛末記

2021年06月11日 | 季節の便り・虫篇

 昨日の33.9度の炎熱が嘘のように、戻り梅雨の雨が降りしきり、気温は26度まで下がった。

 24時間が経過した。夕方頃から接種痕の周り掌サイズの範囲が重く痛み出し、今朝がた、いつもの早朝ストレッチで腕を上げるのがつらいほどの痛みとなった。しかし、36.3度の平熱であり、倦怠感もない。重く曇った空からは、今にも雨のしずくが零れそうだが、気にせずに歩きに出た。日の出が早くなり、今までの時間帯では日差しが当たって汗になるから、昨日から6時にウォーキングに出ることにしている。
 午前中の重い痛みが、24時間過ぎるころには殆ど軽減し、夜には治まりそうな様子である。インフルエンザ・ワクチンでも腕が腫れ上がり、時には熱発することがあるカミさんも、まだ痛んではいるがひどくはなっていない。今朝方、36度8分あった微熱も落ち着いた模様である。心配していたコロナ・ワクチン接種の副反応は、こうしてさほどのこともなく通り過ぎていこうとしている。

 5月18日夕方、郵便で届いたワクチン・クーポン、開封するなりパソコンを立ち上げWEBを開き、10分足らずで予約を取った。その日が昨日、6月10日木曜日の14時30分~15時だった。
 茹だるような炎天下、近くのドラグストアの駐車場に車を置いて、会場に向かった。廃業した元スーパーに間仕切りして、誘導看板と床に描いた矢印で、2階の接種会場まで誘導される。ニュースで見た首都圏など大規模接種会場の大行列に不安があったが、人っ子一人いない誘導路に、少し拍子抜けする。エレベーター下に係員が一人いるだけで誘導され、2階の受付に立った。手前半分のブースに並べられた椅子は30脚ほどであり、多分30分刻みで30人が予約数なのだろう。整理番号37番をもらって椅子に掛けた。
 10分ほどで呼び出しが始まる。31番からの呼び出しだった。多分、私たちの前の組、14時からのグループが1番から始まったのだろう。5分も待たずに37番が呼ばれ、係員の前で検温、クーポン確認、問診票チェック、マイナンバー・カードを示して身分確認が終わると、バインダーを抱えて別室に誘導される。並んだ椅子に座る間もなく個室に導かれ、医師による問診表のチェックが1分で終わる。
 念の為「発熱した場合は、すぐ解熱剤を服んだ方がいいのでしょうか?それとも、自然に下がるのを待った方が、ワクチン効果が上がるのでしょうか?」と問うと「38度超えるようなら、解熱剤を服んでかまいませんが、掛かり付け医に相談してください。そのままでも、熱は数日で下がりますから心配ありません」と明快な返事が返ってきた。
 再び誘導路に導かれて別室に移り、ここも座る間もなく個室に招かれて、女医さんか看護師か、若い女性の前に横を向いて座り、あっという間に左腕肩に近い辺りにワクチン接種が終わった。

 誘導路の矢印に沿ってさらに別室に進む。指示された番号の椅子に坐り、15分間の待機となる。バインダーの書類には、「接種時間:14時37分、経過観察所の座席番号19番、14時52分まで経過観察所で待機してください。時間になりましたら退室してください」と記載されている。 
 待つ間に係員が回ってきて、2回目の接種予約を取ってくれる。原則、3週間後の同じ曜日、7月1日の14時30分に予約可能だが、少しひどくなるかもしれない2回目の副反応に備え、カミさんの予約時間より3日後の4日日曜日の9時30分に予約させてもらった。係員も、「お二人同時より、その方がいいと思います」と言ってくれる。
 退室して外に出たら、まだ15時前だった。30分足らずで全てを一瞬の滞りもなく進めた手順に感服して、安心感・信頼感が一段と増した。お風呂もよし、お酒も適量ならよしと、インフルエンザ・ワクチンより制約が少ないのもいい。

 Y農園を営む友人から、1枚の写真を添えて「これは何ですか!?」というLINEが届いた。初めて見る虫だった。頭の鮮やかなピンクが、輝くように美しい!中学生の頃から好きだったイタドリハムシにも似ている。ハムシの一種と思ったが、気になって九州国立博物館のボランティアをやっていた頃に世話になったYさんにメールで送った。虫の知識は半端なく、「昆虫博士」と私が名付けた女性である。
 一発で返事が返ってきた。オオキンカメムシだった!この歳になっても、初めて見るものは嬉しい!夕飯後のひと時、痛み始めた腕も忘れて、綺麗な姿に見入っていた。
                      (2021年6月:写真:友人が撮ったオオキンカメムシ)

《追記》  翌朝、腕の痛みは完全に治まっていた。