風になれたら

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山を歩いて風になる

大雪山・十勝岳連峰縦走 2019 3日目

2020-01-07 | 徒歩の旅

7/2 (火) 晴れのち曇りのち雷雨

テントから顔を出すと晴れ間が見えた。ここだけぽっかりと雲がないようだ。キャンプ指定地から昨日歩いた忠別岳の頭が見えた。気持ちのいい朝となった。

隣人に挨拶をしてテン場を後にする。今日彼女は行けたら南沼、天気が悪かったらヒサゴ沼まで行き次の日にトムラウシにアタックするとのことだった。僕は南沼まで行く予定だ。

忠別岳避難小屋前の雪渓を横断して尾根を目指す。尾根からこれから向かう化雲岳方面が見えた。山はやっぱり晴れがいい。

五色岳を経て低いハイマツの登山道を抜けると木道が現われた。途中エサを求めて動物が掘ったと思われる穴があった。熊ではないかもしれないが、一度熊を見てみたいなと思う、近くではなく遠くからだ。

先に見えたのが化雲岳だと思ってこの写真の先の雪渓を登ったら違っていた。雪渓ではよくあることだ。雪渓を降って登山道に戻り先に進むと化雲岳への分岐に出た。

化雲岳はパスして分岐点から少し行くと大きな雪渓の左から人が歩いてきた。その若い男性とすれ違った時に挨拶したが、この先の状況を聞かなかった。そしてその雪渓に突っ込んで行った。大きな雪渓は稜線をトラバースする近道に見えたのだ。眼下に彼が歩いて来たヒサゴ沼が見えてきた。ヒサゴ沼には向かわずそのまま標高を保って歩いて行くと雪が途絶えてハイマツの海になってしまった。うーむ、登山道まで300メートルほどだと思うがハイマツ帯を抜けるのは現実的ではない。そこで進路を反対に取って雪渓の切れ間にヒサゴ沼から化雲岳へ向かう登山道を探した。登山道が見つかって元々予定していた稜線のルートに戻った。結局1時間ほど余分にかかってしまった。これもまたよくあることだ。

ようやく稜線の登山道に戻ると化雲岳のあたりに小さく人影が見えた。もしかすると忠別岳避難小屋のテン場で一緒だった人かもしれない。

その後天沼がある日本庭園と呼ばれる場所を行く。天気が良ければ素晴らしい景色だろう。

雲は垂れ込み小雨が降っている。日本庭園の先のロックガーデンあたりは残雪も多く道がよくわからない。地図やGPSを頼りにトムラウシを目指した。少し雲が切れて北沼が見えてきた。
北沼に着いた。天気も相待ってとても寂しい雰囲気が漂っていた。この辺りは10年前に大きな遭難が発生した場所で8名の方が亡くなっている。少しの間冥福を祈った。

トムラウシ山の頂まではもう少しだがガスっていて距離感が掴めない。

トムラウシの頂上に着いてホッとしたが周りは全く見えない。写真をLINEで家族に送って足早に下山する。

標高を200メートルほど降れば南沼のキャンプ指定地だ。半分ほど歩くと本降りとなってしまった。

キャンプ指定地は川の横にありどこも濡れていた。雨の降るなか少しだけ高い場所にテントを張った。浄水器を使って横の川で水をたっぷり汲んだ。その後濡れた服を着替えてご飯を食べて身体を温めた。何かを食べることは精神を落ち着かせてくれる。
その間にも雨は強まり雷雨となった。すぐ近くで雷が轟き、結露がボタボタ落ちるくらいの雨がテントを叩き続ける。風がないのがせめてもの救いだ。
しばらくするとテントの下を水がジャカジャカ流れてテントの中もビショビショになってしまった。ここは水の通り道だったようだ。なんてこった。結局明け方までスポンジで水を抜く作業を続けることになったのだった。

コメント
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