日本ではGWも終わり新緑が青空に映える美しい季節ですね。ピッカピカの1年生や新入社員もそろそろ新しい環境に慣れる頃、トルコでは日本のような学卒社員の入社式なんて聞かないし新学期も9月からなのでいまいち季節の節目感がありません。
日本の百花繚乱、花咲き鳥歌う、と言った心躍る春を懐かしんでいる私ですがトルコにも春のお祭りがあるということを今年初めて知りました。その名も「HIDRELLEZ(フドレルレズ)」。今まで聞いたことがないというのも不思議なのですがおそらく3月にある「NEVRUZ(ネヴルズ)」とごっちゃにしていたのかもしれません。
5月5日の夜、突然近所の通りで激しいリズムでdarbuka(ダルブカ)と言うトルコの太鼓を叩く音と子供たちの嬌声があがり、向かいのバッカル(雑貨屋)のおじさんは火を燃やしていました。何があったのだろうとその日はあまり気にもせず翌日偶然TVのニュースを見て「ああ、HIDRELLEZだったのか」と知った次第。夫も同様だったそうです(一応トルコ人なのに…)。
HIDRELLERZとはフズルとイリヤスという預言者が地上で出会い春を目覚めさせた日である5月6日を祝う日。トルコではフズルとイリヤスと言う言葉が庶民の間で一緒になりフドレルレズという形で呼ばれるようになったそうです。
フズルは「生命の水」を飲んで不死の身となり、特に春になると人々の間を歩き回り困った人を助け、富や豊穣をもたらしたとされます。フズルは善行を愛し植物の芽吹きを助け、動物を繁殖させ、人間の繁栄をもたらすなど吉兆や幸運のシンボルとされてきました。
さすがに21世紀のHIDRELLEZ、オンラインでも願い事受付したようです。
HIDRELLEZ前夜は家を掃除し衣類を清潔にし、食べ物飲み物を準備します。家中をきれいにしないとフズルは立ち寄ってくれないからです。新しい服や靴を買います。地域によっては願い事や希望がかなえられるように喜捨をしたり断食をしたり犠牲の動物をささげたりする習慣があります。
HIDRELLEZの行事は緑の多い場所、水際、陵墓や聖者の眠る場所などで行われます。春の新鮮な植物や新鮮な子羊の肉、内臓を食べる習慣もあるそうです。その春一番の子羊を食べると健康になり病気は全快する、野原から花や草を集めて煮た水を飲むとすべての病に良く効く、この水で40日間身体を洗うと若く美しくなる、などなど…。また願い事を紙に書いてNAHIL(ナフル)と言う願い事の木に貼り付けたりバラの苗木に下げたりするのだそうです。写真を見ると日本の七夕に似ていませんか?
HIDRELLEZの夜、フズルが立ち寄りさわったところには豊穣がもたらされると信じられていることから食べ物を入り口に置いたり、倉庫の入り口やお財布の口をあけておくのだそうです。家、畑、車などを望んでいる人は自分が望んでいるものの小さな模型を作るとフズルが手助けをしてくれると信じられています。
メソポタミアやアナトリアの文明、そしてイスラム以前の中央アジアに住むトルコ民族の民間信仰から伝わって来ているという「HIDRELLEZ」、日本の昔からの行事や庶民の信仰に通じる親しみを感じてしまいました。春がもたらすあらゆる植物、生き物の息吹を謳歌し豊穣を願う古くからの人間の営みは世界に共通と言うことでしょうか。
私が見たニュースで紹介されていたイスタンブルで
最も古い地区と言われる「AHIRKAPI(アフルカプ)」のHIDRELLEZ。
今回の写真は全てこちらのHPから拝借いたしました。
クリックするとHPが開きます。
☆現在のイズミル☆
皆さん、すごく願い事をするのですね☆
日本だと、七夕の短冊に願い事を書くのは、幼稚園児か、小学生まで。
オンラインの願い事 と言うのも、時代を反映していますね。
yukacanさんは、どんな願い事をされたのかしら?
みんなどんな願い事をしたのでしょうか??
オンラインで願い事の受付もOKなんて・・・笑えました。私も何か願い事したかったな~
これでお祭りのいきさつがわかりました。貴重なお話でした。年中行事で日本と似ているものもけっこうありますね。私は民俗誌学というものと縁がないのですが、こういうお祭りを網羅して調べた本がかならずやあるんでしょうね。
元トラキア住民としては、毎年友人達とお祝いをしていたのが懐かしいです。風の通り道と言われる海岸に行って願をかけて、バラの小枝に短冊をくくりつけたり...。もちろん、5/5の夜には火を焚いたりね。
イズミルでも、空き地とか公園で、皆集まって火を焚いてるんですけど、見たことなかったですか?
あと、トラキアではチンゲネのお祭りだとかも言われていましたよ。チンゲネの人達がより盛大に祝っていたし。
そうそう、アフルカプも一度行こうかと計画したんですけど、当時は子供がまだ小さかったんで、断念しました。あそこは、アルマダ・ホテルなどが音頭をとって、年々派手にお祭りやってるようですね。
懐かしいなぁ~!
一般的に言われる イスラムの厳しい国とは違って
いろんな土着の祭りや文化があって面白いですね!
食べ物もいろいろ楽しいし~♪
で、欲張りな私は、窓際に財布やカバンを並べまくり、ついでに家にあった小さなお城の飾りも並べておきました。
オットは「そんなに窓際に並べて泥棒に入られるのがオチ」と笑ってましたが・・・
いずれにしろ、オットをはじめ、ここらのトルコ人たちも、イマイチちゃんと理解してなかったようで・・・。
七夕の短冊は大きくなったらあまり書かないけれど神社の絵馬には大人も願い事を書いたりしますよね。
私も来年は願い事をしようかなあ。