イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

あってはならないこと

2006-05-27 06:32:00 | Weblog
 イズミル「共和国広場」の花壇

この記事をブログに書こうかどうか実は迷いました。このブログとは別のところでトルコに住んでいる方だけに読んでもらおうかとも思いました。日本に住んでいる方たちがお読みになってトルコへの誤解が生じたり、よけいな心配をさせてはいけないとも考えましたが、やはり対岸の火事ではないしこんな世の中になってしまったということを読んで頂きたいと思いました。今日はいたましい事件のお話です。

日本にいた時は理由のわからない殺人、誘拐などの事件が世間をにぎわせていました。トルコでも連日のように殺人事件の報道はあります。でもその理由は、恨み、怨恨、復讐、嫉妬、家族の名誉を汚した、強盗など誠に単純なそんなことくらいですぐに発砲?そんなことで遠くからイスタンブルまで殺しに来る?そんなことで実の娘を実の息子に殺させる?と言う事件ばかりでした。だからいいというわけではもちろんありません、あってはならないことに違いはありません。でもこの事件はそんなトルコにあってもう背筋が凍りつくような内容で聞いた時からショック状態。子供がのびのびと(多少甘ったれ度は高いとしても)表で走り回っているトルコが好きだったのに、窓に鉄格子をはめた家に閉じ込めておかなければならなくなってしまったのだろうかと恐ろしく思います。

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ある日あるアパートの上の階に新しい賃貸人が越してきました。その1ケ月後に下の階の住人のドアのベルが鳴ります。ベルを鳴らしたのは上の階に新しく引っ越してきた女性でした。彼女が言うには、「今日は息子の誕生日で学校の友達が来るのだけれど、まだ最近越して来たばかりで友達がそれ程いないのでよかったらお宅の息子にもパーティーに来てもらえないか」。それを聞いた下の住人もなるほどと思い「わかりました」と言って息子をパーティーに送り出します。それからかなりの時間が発ちますが息子が帰って来ないので上の階へ行ってみるのですが、ガンガン音楽の音はするのにドアを開ける気配はありません。そこへ他の住人もやってきてドアをノックしますが開く気配は全くありません。そこで女性は夫に電話をすると同時に警察へも連絡をします。
ドアを壊して中に入るとそこにはただ1台のミュージックセットがあり、窓にはレースのカーテンがかけられているだけで誰もいませんでした。
家の中を見回った末に女性は息子をバスタブの中で見つけます。全ての臓器を抜き取られた状態で。

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トルコのアパートで音楽の音がガンガン鳴っていたら上の階や下の階まで響き渡るんじゃないの?だからこれはただのお話、と思おうかとも思いましたが、実際に臓器マフィアの話はここイズミル地方でも誘拐されて殺された子供のニュースが最近報道されたばかりですしネヴィシェヒルにお住まいのmikiさんのブログトルコ子育て生活でも書かれていたように実際にすぐ近くで起こっている事件なのです。




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34 コメント

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はじめまして (TOMO)
2006-05-27 10:48:05
はじめまして。TOMOと申します。



高橋由佳利さんの『トルコで私も考えた』が好きで好きで好きで、また訪れたこともないトルコにハマっています。



・・・トルコの子ども事情、恐ろしいですね。私も5歳の息子がおり、今はいいとしても、親から離れて外でお友達と遊ぶようになったら・・・、と思うと今から不安です。



漫画を通して、日本と比べて、トルコは何て人間らしい暮らしをしているのだろう、と羨ましく思っていましたが・・・、トルコならではの社会的背景があるのですね。



臓器売買。買うのはアメリカや日本のような豊かな国なのだよな、と思うと、人の生まれてきた意味って何だろう!?と考えてしまいます。



社会的背景といえば、『少女ヘジャル』を少し前に見ましたが、ああいった人種問題は日本ではありませんしね・・・。

しかしながら、とてもいい映画でした。



では、またちょくちょく伺わせていただきますね!
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こわいですね・・・ (will2)
2006-05-27 20:30:20
こんにちは。トルコは子供好きは尋常ではないからね。あっという間に誰かが抱えてもってっちゃいそうで怖いです・・・。人情があって良きトルコはなくなっていくのかなぁ・・・
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むご過ぎる! (turkuvaz)
2006-05-28 05:20:35
そのニュースは見逃してしまったようです。読みながら胸が詰まりました。アパートのすぐ上の階で自分の子供がそんなむごい形で殺されているのを、自分の目で確認してしまったら・・・。

このお母さんは一生心の傷が癒えることはないでしょうね。息子さんも、すぐ下の階にいるお母さんのところにどんなに戻りたかっただろう。



同じアパートの住人も、簡単に信用してはいけない社会になったんですね、トルコも。近所付き合いは、トルコの長所のひとつだったはずなのに。
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TOMOさん (yukacan)
2006-05-28 06:41:04
こんにちは、ご訪問&コメントをどうもありがとうございます。私も「トルコで…」好きですよ~。子供を外で遊ばせることが出来ないなんて本当に嫌な世の中ですよね。

日本にいた時は、トルコは人間的でいいなあ!と思っていましたが、やっぱり住んでみるとそりゃあ色々ありますね。そこが面白いところでもあるのですが、日本のよさも改めてよーくわかります。



幼い命をそんな形で終わらせてしまうなんて本当に許せません。

「少女ヘジャル」知りませんでした。トルコでは一時上映禁止になったとのことですが、今はどうなんでしょうね。日本でもアイヌの方達などがいますけれど少数過ぎて問題にならないのでしょうか。

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will2さん (yukacan)
2006-05-28 06:42:00
こんにちは。ご訪問&コメントどうもありがとうございます。トルコ人ってあんなに子供好きなのに子供に対する暴力や搾取のようなことも絶えないですよね。どこか感情をコントロールすることがうまく出来ない人が多いような気がします。世の中の仕組みがもう少しうまく機能しないとトルコはどんどん悪循環に陥ってしまうかもしれませんね。教育を何とかしなければ。
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turkuvazさん (yukacan)
2006-05-28 06:42:57
ちょっと現実離れしているような結末で本当に寒気がします。先日聞いたのは、赤ん坊を誘拐されたある両親が探しにアンカラからイスタンブルへ向う列車に乗ります。たまたまその列車に同乗している別の夫婦が赤ん坊を吊って(何て言うのかな)ずっと揺らしていたのだそうです。あまりにもずっと揺らしているので不審に思った両親、その揺り篭の中に我が子を発見します。でも赤ちゃんは亡くなっておりおなかには麻薬が詰められていたのだそうです。

なんかもう言葉がありませんね。

子供にみんなの目が届いて地域で育てているようなトルコだったのに、知らない人とは口をきいてはいけない日本と同じになってしまいましたね。
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Unknown (miki)
2006-05-28 17:40:23
昨晩この記事を読んでゾッとしました。

ベランダの鍵もちゃんとかけて寝ました。

うちの町で起こった事件、やっぱり嘘だったのかなーなんて油断したところでした。

油断禁物です。
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読んでいて鳥肌が。。。 (めぐっち)
2006-05-29 05:31:31
本当に 現実離れしているとしか言いようがないけれど、でも 実際にこんな恐ろしいことが起こっているのですね。。。

turkuvazさんのコメントに涙。

その子どもが、どれだけ怖い想いをしたか、どんなにお母さんの元に返りたかっただろうか。。。

私にも子どもがいるので、更に 胸がつまる想いです。



臓器なんか売ったって、稼げるお金はたかが知れているのだろうに。。。良心の呵責はないのかしら???
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mikiさん (yukacan)
2006-05-29 05:41:14
ベランダの鍵までかけてしまったのですね。昼間だって心配ですよね。ああ、もう本当にこんなに心配しなければいけない世の中、おかしいです。どうかしています!
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めぐっちさん (yukacan)
2006-05-29 05:46:09
ホラー映画のようですよね。最後がむごすぎます。私も今日考えていたのですが、臓器を買う人はどこから来たものなのか知っているのかなあ。それとも病院、医者もぐるで「あなたに合うドナーが見つかりましたよ」と言わているのでしょうか。そんな臓器を移植されて幸せになれるのか、と思うのは日本人的な発想なのかしら。臓器を移植しなければ助からないと言われたら…とか色々考えて頭が混乱します。
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