まだ朝早かったので太陽がまぶしい。煙突から石炭ストーブの煙。
普段あまり通らない道を車で通っていた時のこと、「何これー?」と騒いでしまいました。ちょうど逆光で詳細がよくわかりません、でも何かが岩盤に施されているようです。近づくにつれ「えええええぇ、アタトュルク?」と全貌が見えてきました。
見えましたか?像の下には「YURTTA BARIS,DUNYADA BARIS=祖国に平和、世界に平和」の文字が。
アタトュルクとはご存知(?)トルコ共和国の初代大統領です。トルコのいたるところでアタトュルクの像や写真、レリーフを見ることができますが、こんなに大きいのは初めて。ちょっとショック状態。だって回りの光景はGECEKONDU(ゲジェコンドゥ=一夜で建てられた、と言う意味で、実際には不法に建てられた家などのこと)の様な壊れかけたような家々が建ち並ぶ地区の上に聳え立っているのです。アタトュルクに相応しいんでしょうか。
家に戻って調べてみると、BUCA(ブジャ)市(イズミル県に属する)が建築しているものらしい。有名な「マウントラシュモアの大統領像」やブラジルの「コルコバードのキリスト像」のように「世界に聞こえるトルコ、イズミルのシンボルとなるものを作らねば、ここはやっぱり世界のリーダーアタトュルクしかいない!」とBUCAの市長が始めたプロジェクトでした。
この完成予定図を見た時点でかなり脱力状態。
完成予定では40mの高さになり世界一の高さになるとか。これを見に世界から観光客がやってくることも見込んでいたそうですが、その前にこのGECEKONDU的光景をどうにかしないとアタトュルクが泣くのではと思うのは私だけでしょうか。当初、昨年の10月29日「共和国記念日」の祝日完成を目指していたそうですが、それが間に合わずに今年の1月末には完成予定とBUCA市のHPにはありました。3月1日現在この状態。まさかトルコによくあるパターンでこのまま朽ち果てるのでは?と私は思いましたが、トルコ人には珍しく「アタトュルク命」ではない夫ですら「いや完成する」と断言していました。
BUCAにはメブラーナの巨大像もあります。巨大彫像が好きな市長だった?
ところが先日久しぶりにBUCA在住の友達と話した時にこの写真を見せたところ「ああ、この工事止められたの」と。トルコは目下3月29日に行なわれる地方選挙戦真っ最中。各政党の不正あら探しにそれぞれが躍起になっているあおりを受けたのか、BUCA市長も汚職に関係していたのではと逮捕され取調べが始まったのです。その為、このアタトュルクもこんな憐れな姿でGECEKONDUの上に取り残されることに。市長は釈放されましたが取調べは続いています。選挙後に選ばれる新市長(現在は元助役が市長になっています)がこのプロジェクトをどうするのか気になるところです。
ちなみに釈放されて刑務所から出てきた市長は市民の大歓迎を受けて
こんな感じで市役所へ凱旋したそうです。・・・・・。
☆現在のイズミル☆
今までのようなアタトュルク一辺倒じゃないとか・・・・
どこの国もいろいろあるね、
工事中に、きちんと足場かシートを張って、内が見えない状態にすれば良いのに、こんな風に作られた像は、何だか価値観がないですね。(あ、余計なお世話言っちゃった。)せっかくのアタチュルクなのにね。
メブラーナの像もあるんですね。宗教的な像は、トルコでは造らないものだとばかり思っていました。私は、あの旋舞は好きなんですよ。
日本も、政争がらみでゴチャゴチャしてます。
純粋にアタチュルク命で作ったなら、まだしも、「これ見に観光客来る?」とか「世界せ一番目指す」とかこの短絡思考・・・
あ~でも、トルコ人観光客なら見に行くのかも???
不法でも家が建っちゃって、人が住めるところが何とも言えない。夏の間、海辺沿いに建ち並んでいた掘っ立て小屋が、秋頃行ったら全部なくなっているのも見ました。キャンプしてるのかと思ったら、漁をして生活してると聞いて、へぇ~と納得。
変わってきているのでしょうか。アタトュルク一辺倒は変わらなくてはいけないのではと私も実は思います。本当に色々ありますね。
メブラーナの旋舞、ご覧になりましたか?私は日本で見ました。
日本も人材不足ですねえ。
不法で建っちゃう家、この辺の家はまだわかるけれどどーんとアパートが建っちゃうんですよ。しかも人海戦術。トルコ人ってすごいと思っちゃう。