日本の皆さんは年の暮れが迫り、忘年会に仕事納め、年賀状書きや大掃除と忙しい毎日をお過ごしでしょうね。クリスマスも知らぬ間に通過してしまったトルコではサンタクロースが大晦日の夜に活躍します。一応イスラム教徒が人口のほとんどをしめるトルコですからいくらなんでもクリスマスはダメなんじゃないの?と思ったのか大晦日から新年にかけてクリスマスもどきな飾り付けをしたり、プレゼントの交換をしたり、ホテルやレストランでの新年特別プログラムで盛り上がったりするようです。
私は大晦日のNHKの「ゆく年来る年」のような静かな雰囲気の中で新年を迎えたいのですが、荘厳な雰囲気は一切期待できそうにありません。そもそもお正月と言うのは家に歳神様をお迎えし、祝う行事、歳神とは1年の初めにやってきて、その年の作物が豊かに実るように、また、家族みんなが元気で暮らせる約束をしてくれる神様。
農耕民族の日本人ならではの行事であって、かつて草原を走り回っていたトルコ人に期待するのは無理と言うものですね。今年最後のJIKADの行事としてイスタンブル総領事館主催の「JAPON FILMLERI FESTIVALI(日本映画祭)」がFUAR(フアル=見本市公園)内にあるIZMIR SANAT大ホールで週末に行われました。
例年通りJIKAD会長の挨拶に始まり、初日は「南極料理人」「カッパと三平」「のんちゃんのり弁」「ハッピーフライト」の四本、二日目は「秒速5センチメートル」「時をかける少女」「たそがれ清兵衛」の三本でした。私が見たのは「南極料理人」「のんちゃんのり弁」「秒速5センチメートル」。
公園内のほかの会場ではこんな光景も。
「南極料理人」はペンギンもアザラシもウィルスさえ生きることが出来ないほどの極寒の地で食べることだけが楽しみな観測隊員たちの物語、美味しそうな日本食の数々は目に毒、トルコに住んでいる私達よりもよほど日本な「南極ドームふじ基地」でした。隣で見ていた日本人は「私南極に行きたくなったわ」と。「のりちゃんのり弁」も美味しそうなのり弁当やお惣菜の数々に彩られた映画、トルコ人には珍しかったのではないでしょうか。「秒速5センチメートル」はイスタンブル・ボスホラス海峡に海底トンネルを作る「大成建設」のCMを作った新海誠監督の作品と言うことで興味がありました。これが泣けたんだなあ。遠い昔の中学生時代を懐かしく思い出したのでした。
今年もあと残すところ3日です。会うことができた方も出来なかった方も、メールや手紙で連絡を取り合えた方も出来なかった方も、ありがたい救援物資を送ってくれた方、はるばるイズミルまで来てくれた方、そしていつも「イズミル便り」を訪問して下さる皆さんに心からありがとうございます。皆さんとご家族が2013年も元気で楽しく幸せに過ごせますように。来年もよろしくお願いいたします。
2010年に植樹したFUAR内の桜の木
☆現在のイズミル☆
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