イズミルからは少し遠いけれど以前から行ってみたいと思っていたAYDIN(アイドゥン)県GUZELCAMLI(ギュゼルチャムル)を目指しました。近くにはクシャダスやプリエネ、ミレトス、エスキドアンベイ村があり、近くを通ることはありましたがあらためて訪れたことはありませんでした。GUZELCAMLI(美しい松のある)という名前になんとなく惹かれて憧れの地でした。
いつか夫が引退したらどこか静かな海辺の街で暮らしたい、その為の下見もかねて(?)ドライブです。6月中旬から夏休みに入ったトルコ、大学入試も終わり世間は完全にTATIL(休暇)モード。でも我が家の旅は日帰りです・・・。イズミルから約120km、まずは町の中へ。普段は人口5000人ほどですから、中心部の商店街もこじんまり、そしてトルコになくてはならないおじさんカフェがいくつか。そこから徒歩で海岸へ10分ほど歩くとサマーハウスやペンション、ホテルが建ち並ぶ光景にかわります。
海沿いの家を「こんな家いいねえ」「ここにはただでも住みたくない」などと気ままにお散歩。海風はイズミルに比べてひんやり冷たく気持ちがいい。GUZELCAMLIの昔の名前はPANIONION(パニオニオン)、玉ねぎみたいな名前ですがかつて紀元前700年頃このPANIONIONにイオニア同盟の各都市の代表が定期的に集まり重要な戦略会議を開いていたそうです。
GUZELCAMLIの畑の中にPANIONIONの11段の劇場跡が残っていました。1950年代に発掘されたそうですが、修復もされずに松林の中にそのまま残っているせいで想像力がよけいに膨らむ様な気がします。
ここから私の本来の目的地KOY SOFRASI(キョイソフラス=村の食卓)を目指しました。GUZELCAMLIからイズミルへ20kmほど山の中へ入りKIRAZLI KOY(キラズルキョイ=さくらんぼのある村)を探します。二つの山に挟まれたKIRAZLI KOYは海から吹く風と美味しい空気で一日に8回でも10回でもご飯が食べられると言われたそうです。この村に住んでいたFADIME NINE(ファディメおばあちゃん)は村の結婚式の料理を一手に引き受けていました。結婚式で出されたFADIMEおばあちゃんの料理の美味しさは何日間も村の話題になるほどだったそうです。
ある日息子の1人が「今まで家族の為、村の為に作ってくれた美味しいお母さんの料理を僕達のレストランで作ってくれないか」と頼みました。FADIMEおばあちゃんがTAMAM(タマム=わかった)と言うまでに3年かかったそうですが、家族経営のこの小さなレストランは今では娘さんやお嫁さんの代になり美味しい村の味を伝えています。
メニューはなくキッチンでお鍋の中を見ながら決めるという私の一番好きなスタイル、つい頼みすぎてしまいますが日頃自分では作ることのない土鍋料理や子山羊料理、日曜日だけ作るというピラフなどを頼んでおなかいっぱい。二人だとそんなにたくさん種類を頼めないのが悲しいところです。
食べきれなかった料理やパンはちゃんとお持ち帰りにしてくれます。店頭では認証オーガニックの野菜や果物も販売、村の名前になったほどのさくらんぼを買ってみましたが甘くて美味しい。1kg5TL(約220円)ということでしたが家に帰って測ったら1300gも入っていました。イズミルまでの道路脇では農家の人たちがもぎたての桃を売っていました。これも一箱22個7TL(約310円)で甘い!日本のような名物お菓子などはあまりないけれどその土地の新鮮果物を食べられるのがトルコの旅のいいところです。
あと2週間で今年もラマザンが始まります。
KOY SOFRASI→http://www.koysofrasi.net/
☆現在のイズミル☆
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