イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

MAKET KOY(マケットキョイ=模型村)

2009-10-14 00:33:13 | 


イズミルから約100キロ、エフェス遺跡の近くにこの「MAKET KOY」はあります。以前TVでチラッと見て以来ずっと行きたいと思っていたのに近くまで行っても場所がわからなかったりで機会がありませんでした。今回別の場所へ行こうと思っていたのですが、行く途中でMAKET KOYの入り口を発見、ついに念願がかないました。




KUNDRACI(靴屋さん)。


KALAYCI(錫細工屋さん)。

この村はAYHAN CETIN(アイハンチェティン)さん個人の博物館です。AYHAN CETINさんは1940年にKONYA(コンヤ)県のAKVIRAN(アクヴィラン)村で生まれました。1959年までこの村で教育を受け、その後数学と理科の教師としてトルコ各地で教職につきました。定年後1988年からこの場所で小さな人形を作ることから始めた作業は、次第に生まれ育ったAKVIRAN村の1950年代の伝統や生活を再現する模型となり、ついに2000年にこの地で博物館を開くに至ったのです。人形と風景はAYHANさんが、衣服やその他の細々とした道具などは奥さんのNAZMIYE(ナズミイェ)さんの手によるそうです。







インターネットなどでこの村のことを見てはいましたが、実物を見るとそのすばらしさに今まで来なかったことを後悔しました。入り口を入った瞬間、子供の頃に戻ったような興奮を全身で感じたのです。


塀の上にのっている木の枝は、夫曰く「雨が日干し煉瓦にしみこまないように樋の働きをしている」のだとか。


割礼の様子。左側に逃げ出す男の子が見えますか?


DEMIRCI(鉄屋さん)。

外には、鉄屋、仕立て屋、靴屋などの店舗や村の家を再現した等身大の模型があります。見学者が来るとセンサーでそれぞれが作業を始めるのです。ここだけでも十分驚きでしたが、室内の展示室に入るとさらに興奮。こちらは手のひらほどの人間が村のさまざまな場所でそれぞれの生活を送っています。


KANDILという特別な日には子供たちが棒を持って家々を回ります。BIZIというお菓子をもらってこの棒に挿します。


AYICI(熊屋)が村に回ってくると、人々は熊に背中を踏ませました。背中の痛みが治るのだそうです。


この遊び、小さい頃しませんでしたか?名前は何だったかなあ。トルコでは「UZUN ESEK=長ロバ)。

農作業をする人たち、庭で麦をつく人たち、結婚式のある家、孫と写真屋さんで記念撮影をするおじいさん、割礼式の日にはお父さんと小さな息子が順番を待つ横で、逃げ出す子供もいます。庭に座り込んで家事をするおばさんや村の広場で四方山話に精を出すおじさんたちの声まで聞こえてきそうです。ここまで!とびっくりするほどすべてが細部まで再現されており、AKVIRAN村に行った事もないのに村のにおいや音、風までが感じられるのです。


素焼きの鍋を泥で作る人。


お隣さんにバクラヴァのおすそ分け?


糸屋さんが来たようです。

ある人は幼い日を思い出し、ある人はおじいちゃんやおばあちゃんを思い出し、ある人はまったく見たこともない新しい世界を見たかもしれません。私もあたかもまだ見たことのない自分の村を訪れたような時をすごしました。また訪れる日が今から待たれます。


写真屋さんで記念撮影する人の後ろのスクリーンには「AKVIRAN村の思い出」と書いてあります。


これだけの展示室に村のすべてが・・・。

小さな写真では雰囲気の一部もお伝えできないと思いますので、今回は初の試みとして「デジブック」に写真を入れてみました。スライドショーでご覧になることができます。興味のある方は下の写真をクリックしてみてくださいね。






デジブック 『MAKET KOY1』

デジブック 『MAKET KOY2』

    
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