山野颯想

山野走、山野歩、山野逍遥など、山野にかかわる事柄を中心に記載しています。

六甲山(目的地は六甲高山植物園)

2023年10月25日 | 山野歩
2023年09月03日(日)
『山野歩』
<六甲山>
<目的地は六甲高山植物園>
[コースタイム]
◆[阪急・六甲駅]9:18 → [六甲登山口] → [六甲台南口] → [炭山橋] → 10:00 [六甲ケーブル下駅]10:20 → (油こぶし・方面へ) → 10:31 [道標(これより山道)] → 11:48 [道標(六甲ケーブル山上駅 1.5㎞・油こぶし)] → 13:12 [休憩所・椅子あり(お昼)] 13:56 → 15:20 [車道合流] → 15:30 [六甲ケーブル山上駅] 16:05 → (先へ進むが戻る) → [ 六甲ケーブル山上駅]
◆所要時間:6時47分
<辿り着けなかった>
目的地は六甲高山植物園。それはネットで、六甲高山植物園に、僕が知らない、“シチダンカ”や“キレンゲショウマ”、そして“ヒゴダイ”という三種の開花する花の紹介が、3回に亘りあり、
他にもまだまだ僕が知らない花が高山植物園にあるに違いないと思ったからだ。また、六甲山に高山植物園が存在すること自体、今まで知らなかったので、一度覗いて見たいと思った。
そんな訳でやって来た久し振りの六甲山。しかし六甲高山植物園には辿り着けなかった。それは、こむら返りが生じたのが原因で、3度芍薬甘草湯を服用することになる。
1度目は油コブシの道を歩くときで、2度目は車道との合流地点。3度目はケーブル上駅で服用する。こむら返りが生じると、一歩たりとも歩けない状態に陥ってしまう。
痛みに耐えながら、直立して脚を伸ばし、薬を呑んでこむら返りが治まるのを待たなければならない。
山は自分の脚で上り、自分の脚で下らねばならないという思いで、阪急六甲駅をスタートし、一路、六甲ケーブル下駅へと向かう。
いつものことだが僕は、山におけるその日の行動予定表を、我が家に置いてくるゆえ、その予定表通り歩かねばならないので、地図を見ながら上り勾配の街中の歩道を進む。
その行動計画表のコースタイムは、昨年の白山山行以降、“山と高原地図”に記してあるタイムの2倍で設定することにしていて、
今日は“六甲高山植物園”到着が14時30分の予定であり、その後、“有馬温泉”へと下山する計画であった。
阪急六甲駅から続く街中の道を懸命に上るときに、“ムラサキカタバミ”が眼に留まり、カメラに収める。そして漸く辿り着いた“六甲ケーブル下駅”のベンチに腰掛けゆっくりと休憩する。
これに乗れば、直ぐに山上に着くよなと思いつつ、後ろ髪を引かれる思いで右手の坂道を歩むと、10分程で道標が現れた。
その道標には、「← 六甲ケーブル山上駅(油こぶし)」と「渦森台(高羽道)1.5㎞」と書いてあり、これより山道になるのだが、
さて、この“油こぶし”とはどういう意味なのだろうかと思ったが、分る筈もない。
山道に入ると、次から次へと花が現れる。先ずは“メマツヨイグサ”、そして次は“ツユクサ”、次は“ヤブラン”、そして“ヘクソカズラ”、“ヒヨドリバナ”、“カタバミ”、“アキノタムラソウ”へと続いたのだが、
唯一つ、初めて目の当たりにする花があった。それは、山吹色の数多の小さな花を付ける6花弁の植物であったのだが、
帰宅して、アプリで検索すると“カエデドコロ”との回答、植物図鑑を紐解くと、間違いなく“カエデドコロ”であった。
それ以降も、花を探しつつゆっくりと足を進めるが、樹林中の道が続く所為か、それとも我が身体が疲労困憊状態にあり、花を探す心身の余裕がなくなっている所為か、
“アキノタムラソウ”以降、山上の車道に着くまでの間、まったく花を眼にすることがなかった。
また、かなり疲れた身体を休める為に、腰を下ろせる恰好の場所がないだろうかと探していると、眼前にその場所が現れたのだ。
それは、額ほどの広場の草叢中の、1㍍四方くらいの床几状の2ツの腰掛で、僅かに日陰になっている様子の奥の方のそれに腰を下ろしてお昼にする。
しっかりと休憩したし、そろそろ歩かねば、目的地に辿り着けないかも知れないと思い立ち上がると、眼前の低木に、僅かだが花がくっ付いているのに気付く。
ハギのようではあるが正確な名前が分からない。その花をカメラに収めてザックを担ぎ歩き始めると、足下にハギのような花が眼に留まる。
しかしやはり名前が分からない。帰宅してこの2ツの花を、植物図鑑で確認すると、前者は“ヤマハギ”、後者は“ミヤギノハギ”と判明。
それまでの疲れを癒さんと、ゆっくりとお昼を済ませる。そしてだ、其処より十数歩歩むと、左手に東屋が現れた。
目と鼻の先にこんなに良い休憩所があったなんてと残念に思い眺めていると、そこに坐っておられた男女二人と言葉を交わすこととなった。
「若く見えますが、もう還暦なんですよ」「今夏は、二人で乗鞍に自転車で行って来ました」とおっしゃる。
「昔、上さんの家族と、車で乗鞍スカイラインを走りましたよ」と僕が続けると、「今は、マイカー規制で車は入れませんよ」との返事があった。
また「山上までどのくらい掛かかりますか」という僕の問いには、スマホの六甲の地図を見せてくださり、「今、真ん中くらいですね」とおっしゃった。
その10分間ほどの会話中に、2頭の“モンキアゲハ”が飛翔し、華麗な姿を見せてくれたし、ツクツクボウシ主体のミンミンゼミとの合唱が、其処彼処で続いた。
まだ真ん中やねんと思いつつ歩き始める。今の歩き方で、さて、山上には何時頃に着くのだろうかと、疲れ切った脚を鼓舞し只管歩く。
1時間くらい歩いたときに、1度目のこむら返りが生じる。2度目のこむら返りは、車の走行音が聴こえ始めてからであった。
車道との合流地点で薬を呑み、六甲ケーブル山上駅へと向かい、人形が横たわる椅子に坐り、脚を伸ばしてゆっくりと休む。
ケーブルの最終便が21時10分であることを確認して、山上の起伏のあまり無い道なら、昭文社の案内にあるタイムで歩けるに違いないと考えた。
案内では、ケーブル山上駅より高山植物園往復で1時間くらいゆえ、17時過ぎには帰って来られるだろうし、その後、ケーブルで下山すればよいと思い、高山植物園へと向かうが甘かった。
ほんの少し歩いたところで、また脚が攣り始めたので、ケーブル山上駅へと戻らざるを得なかった。








コメント
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