映画『アラビアのロレンス』を春以来、繰り返し観た。デヴィッド・リーン監督が描いた壮大な叙事詩。
映画のポスターから
T.H.ロレンス。中野好夫著『アラビアのロレンス』によれば、頭が異様に大きく、足が短い男だったと・・・
私が参加している勉強会で仲間と一緒に観た。
映画館で通り一遍の鑑賞をするのではなく、登場人物や場所、時代背景について、資料と突き合わせ
ながら観るのだ。映画はロレンスの自著『智慧の七柱』からロバート・ボルトが脚色したもの、
したがって、映画のための多少の潤色はあるだろうが、大筋では史実を遠くは離れない。
実際に行ったことも見たこともないアラブの国、砂漠に生きる人々の様子を少しでも理解しようというわけ。
なぜ、このような映画を観て、何を勉強しようというのか?
お仲間は今年3月、戦争と捕虜の問題を勉強した。
その前年は、北アイルランド紛争について学んだ。
そして、来年3月に向けて、シリア難民、ISIS: イラク・シリア Isramic State の問題に取り組む。
『アラビアのローレンス』を手掛かりに私たちは砂漠の国々の歴史や人々と出会おうと試みる。
私に課せられた課題「ISについて思うところを述べよ」というテーマ。そのテーマについての準備!
きょうは午前5時起床、「“ISIS(イラン シリア イスラミック ステート) ”と“思いやりの国”」という
テーマで作文を書く。今週開催の勉強会で発表をするよう言われている、その原稿!
この数か月、急激に増加したシリアからの難民、先週、海で遭難した小さな子どもの遭難した写真が瞼に
焼きついている。
内戦前、シリアの大学進学率は31%、ダマスカスなど古代からの歴史遺産が蓄積された国。
平和であればまことに豊かな国であった。
10月、ヨーロッパを目指すシリア難民のボートが遭難、幼い3歳の男の子がトルコの海岸に流れ着いた。
人口22000のシリア、果てしなく続く内戦、政府軍、反政府軍、そしてIS三つ巴の戦争が続く。
アメリカが、さらにロシアがロケットで攻撃を続ける。
すでに400万人が難民となって国外に脱出、その中で上記記事のような痛ましい事故が続く。
第一次世界大戦のあと、トルコが支配していたアラブ地域、そのアラブをイギリス、フランスなどが分断をはかる。
大国のエゴと利権が交錯、ロレンスはその中でアラブの人たちに約束したことがことごとく踏みにじられる現実に
傷つき悩み続ける。
苦難が続くシリアやアラブの国々と私たちの国のありようを私は語ろうと準備している。
中野好夫著『アラビアのロレンス』岩波新書改訂版を手元において、呻吟中。