こ と の 端

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共 同 幻 想

2008-09-24 05:16:53 | Weblog
攻めてくる敵とは どういうものなのだろうか

どこかの国が 仮に日本を攻撃するようなことがあったとしたとしても

その行為によって得るものは少なく 失うものの方がはるかに多い


エネルギー資源はもともと欠如している国なのだし

全体の借金は 1000兆円を既に超えてしまった


このような劣化した国を占領したがる国が 

どこかに存在するのだろうか


日本が必要としていたのは アメリカの庇護などではなく

アメリカからの 自立の方だったのだ

主題がどこかで まんまとすり替えられてしまったようなのだ


実際には アメリカの方が 寧ろ日本を切実に必要としている

地理的には 

対共産圏からの防波堤という役割を 日本が担っているからであり

経済的には 

一億三千万人という人口が生み出す消費市場と

優れた製品の開発能力などを生みだしている その総合力があるからだ


その日本を末永く従えておくためには 

敵がいつ攻めてくるか分からない

という抽象的な恐怖を与えて 常に怯えさせておくことが有効であった

その意味で 北朝鮮はアメリカにとって

とても意義のある 欠くべからざる貴重な存在になっている


軍事力を行使できない立場の日本を 敵の幻影を与えて怯えさせておけば

日本の内閣は アメリカのいうことをよくきく

郵政の民営化だって タイミングを無視して強引にやってしまったのだし 

外資を政策として導入することだって それを善と信じて喜んで行っている

三兆円規模の海兵隊の再編費用さえ 率先して負担することにした事実もある


拉致問題の解決が長引いていたというのは 

日米間の利害関係の調整作業に 多くの時間をかけていた所為なのだ


その虚を衝いて 北朝鮮はあの核実験を強行したのだ

そんな経緯が 記録にある

その後アメリカの態度がどのように変化したのか 

ということは だれの目にも明らかなことである

六カ国協議が急遽設けられ 必要のない譲歩をアメリカが重ね続けている間に 

拉致問題は 

自動的に 棚上げされてしまったのだった


日本が独自に交渉を進めている形をとっていた日朝ピョンヤン宣言は

総理の訪朝から 被害者の一部解放まで

アメリカの了承を逐一求めるかたちで 交渉が進められていた

その経過を確認すれば 

待機していた無駄な時間があまりにも多すぎた

ということが よくわかるはずである

当事者が直接行う決断であれば 間髪を入れないタイミングで

交渉を有利に進めることができていた

隔靴掻痒の感を覚えたのは 一人だけではあるまい


日本にとって 敵と呼ぶべき意味を持つ存在がもしどこかにあるとするのなら

それは

アメリカ以外の国ではない


中国の軍事力はたしかに拡大を続けているが これはドル安政策の結果なのだ

大量のドルを売り浴びせたドル資本が播いた種が 実になったものなのである

為替の安定を望んでいた中国政府は 対抗上安くなったドルを買い支えて

人民元の通貨価値を 元のレベルにまで頻繁に引き下げなければならなかった

この時に買わざるを得なかったドルが 中国の軍事費を強大なものにしている


中国が日本を攻めてくるという可能性は とても低い

攻撃して日本を占領したとしても 

自分たちがかつて味わった同じあの思いを

再生産することになるということを 国民の多くが知っているからだ


侵略をうけた経験をもった国では その思いの何たるかをよく知っている

報復するよりも 日本がもっているその他の要素

経営資源や食の安全に関する多くの財とノウハウなどを

友好裡に移転してもらう方が 遥かに有益なことなのだ


常に敵を必要としていなければならないのは 米政府だけなのだ

平和になって

やることがなくなった米軍を維持しておくことは 

無駄以外の 何の意味ももち得ないこと


その状態になることを最も恐れているのは

米政府に圧力をかけ続けている 

軍産複合体制 と呼ばれる無形の存在であった


ドルの発行権は とりもなおさず 米軍を増強する目的のために

IMF体制によって 強力に支持されるようになって久しい

その結果 世界は貧困化するスパイラルへと陥ってしまったのだった


ドル資本がやってくると その国は間違いなく貧しくなるのだ

反米国家の誕生はその事実を 伝えていたものだった

日本でも徐々に経済の劣化が起こりつつあるのだが 政府と国民には

そのことのもつ意味が まだよくみえていない


過剰発行して市場で大量に余っているドルは 外資の手によって

強制的に 諸外国へと売りつけられるようなものになっている

市場にドルがダブついていなければ 石油を買うという行為だけで

ドルの需要は応分に増加する


その結果 富の一極集中が継続的におきるようになり

米軍と関連する軍需産業は 利益を獲得することができるようになっている

反対にエネルギー資源を買った国では

ドル資本に売り渡した自国通貨で 

その後買収攻勢を受ける立場へと追いやられる


ドル資本のビヘイビアを問題だと指摘してきたのは

投資した資本を直ちに回収しているという現実があり 

そこに不具合を生み出した原因というものが潜んでいたからだった

だから ローカル市場が育つ前に 

そこから活力源となる流動性の厚みが 消えなくなってしまっていたのである


ドル資本がやってくると その国の経済は活性を失って 衰弱するのみとなる

その被害が具体化している南米諸国の間から 

反米国家が 相次いで生まれでようとするようになったのだった


アメリカは 米軍を単に維持するだけでなく 

常に増強し続けていなければならない国となる道を自ら選択した

これが グローバル経済にできているシステム全体にバイアスをかけて 

貧富の差を拡大し続けている根源になっている

同時多発テロは その結果の一つとして起きたものだった
 

破壊活動を実行させていたのは 他でもない

国土を先住民族(ネイティブ・アメリカン)から奪取し 

血塗られた歴史を開闢当初から作ってき国だったからなのだ


これが 

侵略の歴史をもつ アメリカと呼ばれている貪欲な国の影の姿



侵略者は 侵略者を最も恐れる


という業病を患うのだ 


アメリカが銃社会から一向に抜け出そうとしないのは 
精神を病んだ状態を続けざるを得なかったからである
その病いの事を精神病理学では「強迫神経症」と呼ぶ
軍事予算の増加を止められないのは その結果なのだ
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