こ と の 端

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自 助 努 力①

2008-09-21 08:30:03 | Weblog
地下資源に恵まれなかった国は 工夫を凝らして

生き残る道を探らなければならなかった

そのツケが 物価の上昇となって国民の生活を

いま

苦しめている


エネルギー資源である原油価格の高騰は

輸送や熱加工を必要とする食品だけでなく

ガソリン、電気、ガスなどの公共料金の値上げを迫り

あらゆる分野にインフレ圧力を 大きくかけることとなった


地下資源は いずれにしろ

この先どこかで枯渇して使えなくなることがわかっていた

炭素資源が採掘できなければ 

水素資源があると

人類は タカをくくっていた


水素は 単独で存在することのできない元素なのだ

化合物となっている状態から 取り出してこなければならない二次資源

それだけでも 抽出するための費用が余計にかかる道理


純水素の状態(H2)にまで精錬すると

水素分子同士が互いに他を忌避するという性質が顕著になり

とても希薄なガスにしかならない

単位当たりのエネルギー密度を高めるには

高圧をかけて水素分子を圧縮しておかなければならない

液化する方法もあるが 

冷却するプロセス と 断熱状態で保冷するシステム とが必要になる


これらが コストアップ要因として作用していたため

水素を資源とする燃料電池の価格性能比は 

既存のものよりも 大きく劣ったものになっていた

温暖化がすすんだのは 水素に 炭素を代替する能力が

備わっていなかったからだった


問題は 更にある

先行している自動車用の燃料電池の効率は 一般に30%程度

これでも化石燃料による熱エネルギーよりも大幅に 高い


エネルギー転換された30%の水素は

発電したあと液体の水を排出する

エネルギー転換されなかった残りの70%の水素は

そのまま大気中へと漏出して 気体の水である蒸気になる


温暖化対策として水素エネルギー社会が作られると

地球がもっていた水の絶対量が どんどん増えてゆくことになる

その過程で 大気は湿潤化し 雲を増やし 日光を遮る

降水量は増加し 今よりも激烈な集中豪雨を至る所で生み出すことになる


海岸線は縮小し 耕地面積は狭まる

温室効果が止まったとしても 

その結果である海面水位の上昇は急速にすすむのだ

一度できた水は分解したとしても 再び元の水へと戻される


こうして地球は 

日ならずして

水没するときを迎えるようになるのである


エネルギー資源の選択を間違えると

温暖化と水没とを 最終的に 自らの手で招くことになるのだ

ここがわかっていれば

健全なエネルギーを開発しなければならないということは

早くから 広く理解されていなければならなかった


その必要性を最も痛感しているべきはずだった国が この日本なのだ

実際は どうなっているのだろうか?

やるべきことを怠ってきたために 

原油高騰の煽りをうけたインフレに いま 苦しんでいる


これが 判断能力の欠如という現状がもたらした

その結果だった



地下資源に恵まれない国は、その他の資源を活用するしか方法がないのだ

経済資源 と 人的資源である

そのどちらもが 止めどなく劣化し続けているのが現状だ


教育システムというものが 

答えの用意されている問題だけしか扱ってこなかったからだった

思考能力は 鍛えることによってのみ開花する


誰かが知っている範囲の中だけを 

立証可能な世界だと確信していると

将来への活路を切り開くことが おのずからできなくなる 


この世の中は 解の用意されていない課題で満ち溢れている 


不具合が山積するようになったのは 世界を矮小化したその結果だったのだ
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