こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

考 え ぬ 人

2012-10-28 08:01:06 | Weblog
日本の行き詰まったこの現状は

知識の量的拡大を目指して

ひたすら

突っ走ってきた教育の結果として

国に与えられたもの

知識をどんなに充実させていったとしても

その本来の意味を

まったく知らずにいたのであれば

望まない経過の果てに

愚かなる結末を

受け容れなければならなくなる


あらゆる分野で

望ましからざる現象が

既に

多数起きている

環境は温暖化という問題で夙に劣化し

国際経済は財政赤字を募らせていった挙句の果てに

増税と公債の発行残高を高めて

劣悪化するという

負のスパイラルへと

陥落した

ここから抜け出すのは

容易ではない


政治は対症療法を講じることしかできず

悪化と小康とを交互に繰り返しながら

緩慢に

衰弱する道を国に歩ませている


すべての問題は

互に関連し合うことで

支え合い

成り立っている

温暖化は

炭化水素系地下資源の酸化プロセスに他ならず

信用経済に対する不審は

基軸通貨であるドルに対する不信任に異ならない


価値の基準は金から石油へとシフトし

裏付けとなる根拠は

絶対的な価値から

相対的な価値へと

変化した


金の価値は古来不動といえるほど安定しているのだが

石油の価値は

イラク戦争による投機で

大幅に変動するようになった

地下資源を必要としない再生可能エネルギーの登場で

ドルに対する依存比率は若干変化した

価値基準となっていた石油は

爾来

次第に見劣りしたものとなっていき

それを埋め合わせるための補完措置として

相互間の信用供与という方法が

編み出されるようになったのだった


環境に負荷を与えないエネルギーの発見は

環境と経済

そして

政治に胚胎する諸課題を

たちどころに

一掃してしまうものとなる


有効解

が示されたその段階で

過去の価値はたちまち相対化され

真実を再発見するための

意識の行脚が始まる


知識に汚染されている当の意識が

健全性を失っている

というその事実に気づこうとしなかったということが

健全なエネルギーを

文明から遠ざけていた


知識は使い方を誤ったとき

認識を劣化させる

交流電流の意味を知らずに

足りないから発電所を増やす

という選択を徒に積み連ね

最終的に

効率の最も高い原発へとたどり着いたことが

あの原発の水素爆発へと繋がっている


指導体制を待ち構えていたのは

放射能がもつ有害性に対する

容赦ない批判であった

核の応用に関するさまざまな知識が

正しいものであったのなら

原子力の平和利用が

有害な結果を残すことがある

という事実について

ヒトカドの見識は国内に醸成されていた


知識の表層だけをみて

深層に潜んでいた有害性に目を瞑り

経済性の高さと

環境負荷の低さとを

前面に置き

原発の推進を国策として

正当化し続けてきた


交流送電がもつその意味を知っていたのであれば

電気を増やす方法のあることは

早い段階で

察知されていなければならなかった

現実は役に立たない自然エネルギーで

問題を解決できると思わせておきながら

せっせと

有害な旧来の方法で

貴重な地下資源を

大量に消費し続けていた

経済合理性が不在であったということが

温室効果ガスの濃度を高め

あらゆる経済対策から実効性を奪っていた


たった20年という短い期間に

国の借金は200兆円から

五倍の

1000兆円を突破するまでになり

大気中の二酸化炭素濃度は

340ppmから400ppm超へと

一方的に増加した

温暖化対策が一貫して講じられていたにも関わらず

現実は

実効の不在を伝えることしかできなかった


無効な温暖化対策が

国の財政状況をより早く悪化させ

有効需要を生み出せなかった経済対策のすべてが

赤字国債の発行残高を積み上げさせた


これら一連の経過は

認識能力の欠陥に基づいて起きている

誤った認識を政界に蔓延させたものとは

教育制度のあり方に見られる偏向に

ホカナラナイ


知識の量的拡大は

思考力の急速な低下をもたらした

ものを考えなくなった人類は

権威によって方向付けを施されると

迷いなくその方向へとただ突き進む

過去の大戦がそうだった


進化した人類に特徴的なこの偏向は

修正できない頑迷な教育システムが

生み落としたもの

これらすべての解決できない諸課題は

優良なエネルギーが見出されたとき

一挙に大団円へと向かって

寄り集まる


混迷の時代を経た後でなければ

ひかりの時代はやってこない

ものには手順というものがある

対症療法で問題を解決しようとしてきたということが

文明を追い詰めたのだ

貧すれば貪し

貪すればやがて窮するのはものの道理

しかし

窮すれば

即ち通づ

ということは古来よりよく知られていたことである


ブレークスルーは

いつの時代でも

必ず用意されているものなのだ
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現 実 認 識

2012-10-21 08:31:34 | Weblog
電力九社はこの冬

節電を求めない方針で

一致した

原発を再起動させなくても

必要な電力を確保できることが

わかった

からである


節電は電力会社にとって

量的に同一の売上金額の低下

となって

経営を圧迫するものとなる

消費者が節電していながらも

発電所では化石燃料の消費を

まったく減らせない

という仕組みで交流送電が成り立っているからである


交流電流は周波数を維持することで

電流となることが許される

その本質的なことが

電気を貯めておけないものにしていたのだった

発電した電気は

すべて

使ってしまわなければならない

使い残した電力は

ただ単に

地底へと消え去ることしか

できない

フクシマの後公開されるようになった

「使用率」とは

節電で余らせた電力の「不使用率」を

同時に明確にする

という皮肉な結果を

業界にもたらした

有効利用された電力と

無為に捨てられた電力との

比が

明瞭な陰影のかたちとなって

くっきりと映し出されていた


周波数とは発電機に貼り付けられている磁石の

N極とS極とが

一定の間隔で

入れ替わるその周期のこと

50ヘルツの交流電流は

毎秒50回

S極とN極とのあいだで

磁場変化の発生を維持させることにより

安定した周波数をもつ交流電流を

生み出すことがうまくできている

このことは発電機の回転数を

いついかなる時でも

安定に維持していなければならない

という制約が交流送電にはある

という意味になる


節電しても発電所では

発電機の回転数を

勝手に減らすことができない

消費量の変化を意味する負荷変動で

発電所にかかっているその負担を

減らすことはできない


消費者がどんなに節電したとしても

発電所では安定した廻転

という磁場変化を

常時

維持し続けていなければならない

省エネ節電をどんなに推し進めていったところで

それは捨てる電流をただ増やす

だけのことでしかなくなっている


一向に減らない二酸化炭素が

大気中のその濃度を

340ppmから

400ppmへと

観測地点すべてに於いて

京都会議の年から

一貫して増やし続けていた


国は1kwhの発電に必要な化石燃料から

節電で減らしたことになっている電力が

毎時0.34kgCOという単位で

減ったと看做すことにより

二酸化炭素の発生量を減らすことができた

と強弁している

それを可能にする裏付けのない法律を

予めつくっておいたという事実が

節電が温暖化防止に有効だ

とする誤った認識を国民に植え付けている


温暖化対策から実効を取り去っていたものとは

節電で二酸化炭素が減らせる

とした認識の誤り

そのものであったのだった

この事実は変圧器の仕組みを知ればよくわかる

本項目のlogの中には

そのときに書かれた内容の記録が

タイムスタンプつきで

残されている


交流電流の場合

節電に化石燃料の消費を減らす効果は

まったくない

自然エネルギーについても

また同じ

外部電源からの流入電流は

電流同士の衝突を生まずにはおかない

メガソーラーの電力が

どの地域で活用されているのか

どのようにして連携を保っているのか

という項目について

具体的な情報が開示されたことは

一度もなかった


出力変動のある電源を

周波数変動を起こさずに

安定供給する技術は

地球上に存在したことがない

自然エネルギーは直流出力であり

電力会社の発電所では

交流を選択的に出力している

周波数を調整するためには

複数の余分な機器の関与が

絶対的に必要なのだ

二次電池とインバータの関与を

メガソーラーで確かめた形跡は

どこにもない

風力発電でもおなじこと

周波数調整を

直接行うためのデバイスは

かつて確認されたことがない


発電機があれば

電力が賄える

ということは

つまり

できない


直流の電源で

交流を条件とする電気製品を動かすことは

不可能

電気抵抗で点灯するタイプの電灯だけが

そのまま単純に使えるだけなのだ


交流の高圧長距離送電という方法では

省エネと節電で

化石燃料を節約することは

本質的にできないことだった

再生可能エネルギーにも

同じことがそっくり当てはまる

使えない電流は

捨てる以外に方法がない


電力会社が買いとっているからといって

それがエネルギーとして役立っている

ということにはならない

それが事実であるとする証明を

これまで確かめたことが

一例もない


電力会社は

ただ買い取っているだけであり

発生した損失を埋め合わせるために

太陽電池の恩恵を受けていない

一般の家庭にまで

電気料金の値上げするよう

求める次第となったのだった

その上

今月から

環境税が更に上乗せされた


真実を知らないものが

法律を作ると

効果のない対策を続けて

資本を無駄に浪費するだけという

実に粗末な結果を招く


そのことが失われた20年

という愚かさの見本となる時代を産み落とし

その短い期間に

200兆円に過ぎなかった国の債務を

五倍の1000兆円以上へと引き上げていた


国の借金は国会が国民に与えたもの

国民が真相を察知する時代がくれば

国会から迷妄は消え去る


指導体制が正しい判断を下すとき

国は繁栄へと向かって歩みだすだろう

不正な判断を握りしめているとき

国は劣化を極めるための下り坂を

駆けくだる


現状をどう見るかによって

国の将来が占える

政治家は有能なのだが

判断能力の使い方に

未解決の課題を残していた


健全な判断は

真相を知ることからはじまる

誤った情報を根拠に

法律を策定すると

国が危殆に瀕するようになる

現状はその証拠


過去の経過から

何を学んできたのか

を知ることによって

国の繁栄と

国民のしあわせとが

手を携えて

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やってくる
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不 健 全 性

2012-10-14 07:20:58 | Weblog
ドルを基軸とする資本主義体制は

俗にIMF体制

と呼ばれることもあるほど

相互に密接不可分な関係の上に成り立っている

この枠組みが

戦後67年という時を経て

国際市場に

著しいドル余り現象

を生み出していただけでなく

与信の成立を前提とする

マネーゲームを誕生させたことによる

裏付けをもたない

根拠のない漠然とした価値の総体を

徒に膨張させながら

経済情勢を

きわめて剣呑な状態へと導いてきた


金融危機とは

とりもなおさず

ドルに依存する金融と経済の

それぞれのシステムが

撚り合わされたことによって

現実化させてきたその結果


利が利を生む

というこれまでの資本主義

を前提としたグローバルな経済システムは

ドルの需要を必要以上に拡大させ

ドル余り現象を起源とする

さまざまな不具合を

先進諸国の市場に於いて

率先して派生させるようになっている

アメリカではサブプライムローンのデフォルトが

2008年秋に起きており

日本では40年以上にわたって

理解を超えた円高が

延々と続くような事態になっている

EUではその後債務ショックが起き

異なった国家ごとに成立していた財務体質の不統一が

信用不安を一層募らせるようにまでなっている

中国ではドル安政策の途中経過として

元売りドル買いをドル資本が

中国政府に推し進めさせたことにより

外貨準備高を僅か三年で

それまで世界一だった日本のそれを追い抜き

二倍の差をつけるほどまでに増やしていた

使い道の限られているドルを買わされた中国では

米国債を買って敵に塩を贈るより

軍事力を増強させるための支出を

より篤くするほうがよい

という認識を高め

その結果

米軍を擁するアメリカの負担が増す

という鼬ごっこのゲーム

が始まるようになったのだった


過剰流動性がドルに備わるようになったのは

実体経済の枠を超越して

信用で行うさまざまな取引が

世界中で拡大するようになってから後のこと


それまでは価値の基準となる金の絶対量を大きく超えて

取引が成立するようなことはなかった

ドルの通貨価値を補償するものが

金から石油へと変わっていったことから

資本は物理的制約から解放されることとなり

裏付けが希薄化した分を

相互間の信用を前提とするようなものへと変化させた

この経過が資本の遊戯

つまり

マネーゲームというものを

世界中の市場で育み

独自の市場を

ドル資本が構築することを許す経過を生み出した


金の絶対量

という重い桎梏から解放されて

自由の身となったドルを基軸とする国際経済は

その後

急速に拡大するようなものとなり

アメリカの株式市場では

平均株価が二倍の一万ドルへと

ほぼ一瞬で膨張するが如き経過さえ

生み出していたのだった

現在の米国の株式市場にみられる高値水準は

この時から持続して維持されるようになったもの

ドル余り現象の一部が

アメリカの国内市場へと

意図的に還流するようなものになってから

既に多くの時が流れた


国際経済はドルの市場への浸透を強めていったことで

基礎的な資本力を

信用が膨らませたその分だけ

より多く身につけることができるようになったのだった

だが

ドルを供給した側の代表であるドル資本は

国際金融資本へと変身を遂げていた

ドルの供給者が獲得した外貨を

ローカル市場で

効率よく運用することを可能にし

収益と元本とを

四半期ごとに回収する仕組みを整え

本国にいる投資家へと

利益を速やかに還元する目的で

利を生む市場であったものを

率先して枯らす行為を急いだことが

世界中を貧困化させ

石油消費国すべての政府税収を著しく阻害して

国債依存度を高めさせるという経過を

産み落とす原因になっていた


ローカル市場で再投資へと回される

と思われていた資本資源は

ドルへと戻されたその段階で

流動性の厚みをローカル市場から消し去るだけとなる


金の回らなくなった市場は衰弱する循環へと陥り

やがて枯れてやつれてしまうのだ

ドル資本が上陸したすべての国を

貧困へと陥れていたそのメカニズムの起源は

ここにあったのだった


石油を買った国は

ドル資本に自国通貨を売って

必要なドルを手に入れる

ドルがなければ

地下資源を輸入することはできない

産業は廃れ

国民は所得水準の低下に悩み

基底状態の貧困生活に喘ぐのみとなる


エネルギー消費国が

ドルの価値を必要以上に高める

最大の原因になっていた

アメリカの輸出産業は

高くなり続けるドルの影響で

輸出競争力を大きく殺がれる

という巡り合わせへと陥った

この状況を打破するために

ドル安政策をとることが

求められるようになったのだった


石油消費国の需要を満たすために

アメリカはドルの供給を緩め

市場に大量のドルを浸透させなければならなかった

この経過が主要国にドルを一時的に買わせるよう仕向け

基軸通貨の需要の底上げを促すように作用した

過剰流動性と呼ばれる基軸通貨であるドルは

その通貨価値を自ら毀損する安売りをすることによって

望まないインフレを勝手に引き寄せる

これを避けるためには

余っているドルを速やかに回収し

どこか豊かな国へと

それを押し付けてしまわなければならない


ドルを売りつけるための市場として位置づけられていたのが

この日本であった

余ったドルで円を買えば

過剰流動性を直ちに消すことができる

高くなった円で安くなったドルを後で買い戻せば

それだけで為替差益がごっそりと手に入る

先進諸国の投資家は

ドルを押し付けて獲得した円で

不動産市場へと一斉に投資していた時代があった

土地に対する投資が投機へと発展し

やがてバブル経済を日本市場に生み出した


異常なほどの好景気は

しかし

四年半ほどで潰えさった

国会がバブル退治の対策を

安易に考えたことにより

膨張の最大期に

風船に針を突き刺す対策を

善と信じて

導入実施したからだった

バブルを破裂させた震源である国会が

未だに行為の総括を避けている

この姿勢がドル資本に更なる利益を供与することになり

日本国民は失われた20年

という粗末な経過に

今なお苦しみ続けていなければならなくなったのだった


経済対策の意思決定者が

バブルを潰しただけでなく

その事実に

まったく気づこうとしなくなっていた初期の

五年間というものが

それに続く誤った経済対策を前提とする

あとの5年間を継ぎ足して

当初の失われた10年

と呼ばれる時代を生み出したのだ


後の更なる10年間に実施された経済対策が

悉く実効のないものであったことから

国の債務を五倍の規模である

千兆円へと押し上げると同時に

失われた20年

という不毛な時代を確定させることとなったのだった


国会を含む当事者の全ては

これら一連の経過をまったく理解しておらず

実効のない対策を

盲目的に

ただ繰り返しているだけなのだ

この事実は

認識能力の欠如

という状態を明瞭に映し出していた


温暖化防止対策でも国は判断を誤った

効果のない省エネ節電や

自然エネルギーの導入拡大などを推し進め

国の予算を結果のでない対策に

30年以上の長きに亘って

注ぎ込み続けているという現状を

今なお続けさせている


大気中の二酸化炭素濃度は

すべての地点で増加しており

まったく減ってなどいなかった


地下資源を節約したその分だけ

電気料金は値下げされていなければならなかったのだが

現実になったのは

値上げという

正反対の

お粗末極まりない結果であった


交流の高圧送電という方法で

二酸化炭素を減らすには

原発への切り替え以外に

有効な手立てはない

ここに電力業界の限界が設定されていた


電力を貯めておくことができない代わりに

増やすことは簡単にできる

誘導法則はその事実を証明していた


円高対策だけでなく

総合的な経済対策と

環境対策のそれぞれの異なった局面に於いて

国会は対策の選択を完全に誤った

その結果が債務総額と二酸化炭素濃度の上昇

という数字のデータとして既に確定している以上

同じ方法を踏襲する理由はどこにもあるまい


誤りの意味に気づいた者は

責任をとらなければならない

問題に気づかないふりをしている限り

日本経済の復興は望めない

地球環境の回復もまた同じ

原因は人そのものの内にこそある


続けられてきた教育制度がもつ特殊なバイアスが

知識を偏重して顧みない荒んだ時代をもたらした

誤った判断は

不健全な教育の結果以外のなにものでもない

知識だけあっても

その正しい使い方を知らなければ

意味はない

クイズで経済と環境の問題を解くことは

できない

このことにさえ

まったく気づかない


問題はとても単純なものなのだが

しかし

極めて深刻な本質からできている
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バ カ の 積

2012-10-07 08:59:18 | Weblog
平成二十四年度の国家予算に占める

利払いの総額を意味する国債費は

22兆円に迫る規模にまで高まった

翻って税収の予測値の方を眺めると

それは42兆円

ということになっていた

一般会計に占める歳入の半分以上が

発行済国債の利払いに費やされる

というのが今年の国家予算の特徴になっている


債務の総額が1000兆円であるとき

支払い利息が22兆円なら

金利は加重平均で2.2%ということになる

国民はその血税の50%を

過去に無駄となった経済対策を支えるために

政府が割り当てることを

結果として承認した

ということになるはなしなのである

この経緯は

国の記録に残される

だが

来年度の予算編成に

学んできた諸事実が

活かされるようなことは

ない

これまでがそうだった

これからもそうである



本年度予算の総額が90兆円となっていることは

税収外収入である4兆円弱を除いて

44兆円の欠損を補填するための

赤字国債の新規発行に

財政が依存する

ということになる


この現実を導いたものとは

それが

失われた20年

と呼ばれるようになった

長いながい

迷妄の時代の連続であった


起点は1990年四月一日の時点にある

それは既に特定されていることなのだ

このとき

不動産融資に対する総量規制が

満を持して実施されたのだった

この措置が土地神話に基づく

バブル経済を破裂させた起源となったのだが

それに市場参加者が気づくまでに

2年以上の歳月を要したのだった

国が現実を理解するようになるまで

更に多くの年月が

無為に流れ去っていた


バブル後の経済対策が打ち出されたのは

六年後の96年度予算が最初のことになっている

この時の経済対策が

旧来の手法を踏襲したものであったことから

国の財政は一向に改善されようとせず

進む円高圧力に

限られた手段で応ずることしか

できなくなっていた

それが為替介入という方法だったのである


この措置は

当時

財務省が短期証券を発行することにより

その財源でドルを大量に買い進め

円の通貨価値を

強制的に下落させる

というものであった

効果はしかし一過性のものでしかなく

円高が募るたびごとに

買い集めたドルで

アメリカの公債に投資せざるを得なかった

このため日本の外貨準備高は

当時

邦貨換算で100兆円に達するほどまでに

膨らんでしまっていた

その後円高が一層進んだことから

その債権は80兆円以下にまで

目減りした

現在では為替介入のための予算は

特別会計の方に

20兆円の予算が

予め組み込まれている


ドル建ての債権のすべては

円が安くなっていない限り

換金することができない

塩漬け状態のまま

円高が進むにつれて

債権の価値は減り

不良債権となるばかり

国の債権残高は時価換算で

円高に伴って

同一歩調で

目減りし続けるようになっていく

為替介入という方法は

ドルを買うための国内債務を一方的に増やし

取り崩すことのできない不良債権を

在外資産として

大量に積み増す

という意味を持つ

愚かな行為


実に不毛な対策というものになっている

この方法から財務省が逃れることは

できない

損失だけを肥え太らせ

一方的に増やすのみ

国民は円高がもたらすデフレによる

収入の減少に

打つ手なく

甘んじていることを強いられた


デフレは収入を確実に減らすものとなるのだが

物価は総体的に下がるようになるため

可処分所得は返って増加することとなる

1971年暮れから始まった円高の流れは

丸40年を経過した今年になっても

いまだに続いている

当初1ドル360円だったレートが

この年

308円へと急遽切り上げられた

その後一進一退しながら

現在では1ドル70円台半ばで

推移するようになっている

円の通貨価値は

五分の一にまで

ドル安効果

即ち円高の持続で

大きく減価することとなったのである


円高が輸入品の価格を引き下げる効果を持つ

ということから

国内市場にデフレ圧力を与えるようになり

金融緩和を一層迫る情勢となったのだった

これ以上緩和することができない

ところにまで金融政策が達していることから

金利ではなく

量的緩和へと日銀は方針を切り替えざるを得なかった


この措置が金融機関に資本を集約させているのたが

銀行はそれを国債の購入へと振り向けた

高い金利と低いリスクが

資本を切実に必要とする民間企業から

活力を奪うためのカウンター攻撃を加える

という皮肉な経過を

政府と金融当局とは

意味を知らずに

こぞって生み出してしまっていた


円高を止める有効な手段を知らない金融当局は

結果としてデフレを放置させざるを得なくなる

負のスパイラルを延々と続けてきた

ということが

失われた20年

という不名誉な名称を

国家経済全体へと与えてきた最大の原因であった


円高を止める実効性のある対策を早急に実施し

量的緩和を実施するに当たっては

銀行に国債への投資を控えさえ

日銀が資本の供給を高めたその分だけ

民業へと資する制度へと改めてかなければならない

民間活力を賦役するための量的緩和であれば

日本経済の再生は

短期間で上向く

銀行を優遇するだけの量的緩和は

景気の回復を遠ざける


民間に流動性の厚みが戻れば

税収は上がり

赤字国債への依存比率は下がる

財政の健全化を具体的に推し進めることが

このように配慮することで可能になる


失われた20年をこの国に与えてきた当事者のすべて



経済を語る資格は

ない

現状を理解する能力をさえ欠いているのだから

どのような対策を講じたとしても

それは

無益

損失を増やすという点では

寧ろ有害なものとなるばかり


状況をどんどん悪化させるだけとなる

当初

それは失われた十年と呼ばれていた

今では倍の二十年と呼ばなければならなくなった

2020年頃には

失われた30年という形容が

妥当だということになりかねない


経済を知らない者共が

どんなに数多く寄り集まったところで

それは

バカの質量を

かけ算して満足する行為にひとしい

日本の破綻は

もはや

目前にまで迫っている


どんなに優れた頭脳でも

使い方を誤れば

ただの無知

教育投資は

国の劣化となって

国民へと戻される

まことに愚かなことではなかろうか
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