こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

二 割 五 分

2009-09-27 07:14:24 | Weblog
温室効果ガスの排出削減が困難である現実を国が認識するようになるのは

まだ何年か先

京都会議COP3から既に十年以上経ったというのに

二酸化炭素が減ったとするデータは

証明されたものがない

その間手を拱いていたという訳では 

ないのだが

大気圏の二酸化炭素濃度は着実に増え続けている


温暖化対策を講じるための予算は

十分な金額が毎年割り当てられていたのだったが

これまでの経過をみると

膨大な国費が成果をあげることなく

ただ投じられていた

と言わざるをえない結果だけが残された


効果がでていない対策であれば

その方法は無効

だが

日本では効果の有無を検証しようともせずに

同じ対策を

毎年 毎年

飽きることなく

熱心に繰り広げていた


当然のことだが

6%の削減で済んでいたものが

2012年までに15%以上減らさなければ

京都議定書の定める国際公約を

果たすことができない

という状況へと嵌まり込んでしまった

利益共同体が意図的に招いたのは

このような実に拙い結末であった


京都議定書を批准した国で

排出削減を達成することができなければ

国際公約を破ったことになる

6%という低いレベルの削減さえできずにいるのだから

それを25%に増やすことなど

実行不可能であることが今の段階でもう確定している

どのタイミングでギブアップ宣言をするのか

というのが目下のテーマとなっており

排出削減など夢のまた夢という状態になっている


正しい現実認識ができたとき

有効な対策を講じる準備が整う

温暖化にブレーキをかけられるようになるのは

それから後のことなのだ

迷妄は状況を単に悪化させるだけのこと

生命に淘汰圧をかけて得た経済成長は

ドル余り現象を生みだして

国際経済の一部を壊死させただけでなく

温暖化を募らせながら

貧困とそれによるテロを生み出していくものとなる


この愚かなるサイクルを断つためにこそ

再生不要エネルギーというものが

いまこそ

必要なのだ

消費する資源をもたない古くてあたらしいエネルギー創出法が

日本という国で目覚めようとしている 
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無 限 軌 道 ①

2009-09-19 06:23:30 | Weblog
国家として自立しているところの政府は

独自の戦略に基づいた計画をもっていなければならない

独立した状態にあることを証明するには

明確な哲学をもち

長いスパンの行動計画を実行する体制が整っているかどうかを

みれば よい


国際社会の中で

日本が

アメリカの属国という身分に甘んじていたのは

この度終息した旧政権が奉っていた

日米同盟のカタチに歪みが生じていたにもかかわらず

55年体制を構成していた

くぐつ

のまま従順に振る舞って

しかも恥じない歴代の内閣とその成員たちの行動の結果であった


特異な政治を行ってきた者たちに共通する

防衛に関する偏った認識が

敗戦を受け容れた時代に刷り込まれていたのだったが

その事実に目をふさいで

アメリカのためにしかならない不正な愛国心を醸成しようとし

防人として機能するための軍事力を急いで整えただけでなく

太平洋海域における米軍を再編するための費用さえ

負担することに率先して応じてきたその経過には

属国以外のなにものでもない日本の姿が明瞭に映し出されていた


その桎梏となっていた主なものは

安全保障政策と呼ばれていたのだったが

この国に最もふさわしくない

条約となっていた


日本とアメリカの関係は

日米和親条約に始まり

戦後の安全保障条約を経て

連綿と続く不平等条約が成り立たせてきた近代史にみるごとく

顕著 な優劣の関係が成り立っていた

安全保障に基づく日米同盟が不平等なものでなかったのなら

国民がこれほどの困窮生活に陥ることはなかったであろう


平等性の欠けた条約を押し頂いてきたこれまでの戦後政治の経過が

アメリカのいいなりになって恥じない政権を育んでいたという事実

自覚なき者どもが国民から拒絶されたことにより

この国は

ようやく健全化へと向う道を遅ればせながら歩みだせるようになった

国家としての戦略をもつ必要がある

という認識は

核の傘の下に入ることで得られていた不健全な安全性から離れ

独自の方法で安全を保障する制度を確立する

という意志を体現させることを意味している

運用方法が正しければ

日本は世界を指導する立場へと

嫌でも押し上げられていくであろう

健全な認識は国をたすける


誤った方法に準拠していると

止まらない軍拡と温暖化

そして貧困に国民が苛まれる結果を招くだけとなる

アメリカ型の資本の論理と

力による防衛力の増加に基づく見かけ上の平和状態とは

密接不可分の関係にある

それを生み出してきたのはアメリカ建国に始まる

歴史的な背景にあった


正視に絶えない血塗られた過去の存在は

米国民に自衛しなければならないという強烈な意識を与え

有害であることが分かっている銃の保持を

法律で規制しようとする運動を繰り返し拒絶する結果を生んできた

アメリカがもつその強迫神経症ともいえる病根は

その建国の歴史に原因をもっている


アメリカの防衛本能に

日本が倣う必要などなかったのだが

同じ病に罹ってしまった

侵略するという行為を歴史にもつ国は

侵略された状態の意味を体験から学んでいる


侵略者となったことがある国では

未知のあらたな侵略者からの襲撃に備えなければならないのだ

自分たちがかつて行ってきたのと同じことを

どこかの第三国がやらないというという保証は ない

同盟を結びたがるのは

侵略という経過をどちらかの形で体験したことがある国に限られる

ネイティブアメリカンを滅ぼしたのは

アメリカ人たちの祖先に他ならない

その時から

インディアンの逆襲が永遠のテーマとして

米国人の深層心理に重大な影響を与えるようになったのだ


日本は  

ドイツ第三帝国がやったような人種の殲滅工作こそ行わなかったが

東アジアの複数の国から支配権を奪ったという歴史をもつ

一度でも侵略を行ったことがある国は

侵略される事態となることを

恐怖するようになるのだ

防衛力を強化しなければならない

と思い込んでいったのは

自衛する以外に侵略を防ぐ有効な手段がなかったからである


アメリカが防衛力を強化すると

ミリタリーバランスを維持しておくために

その他の国々までが

自動的に防衛予算の比率を基本の状態へと戻そうとする

軍拡が止まろうとしないのは

力の政治を行ってきたアメリカに通底する宿痾の病が

防衛予算を増やし続けることで

世界一優れた軍事力を誇る国へと押し上げていたからだった


アメリカは最高の軍隊をもつことで

敵からの攻撃を防止していると信じているのだが

民間組織に過ぎない拠点なきテロリストの集団を

中東から排除することさえできずにいる

防衛力の増強という単純な構造の枠組みから離脱しない限り

地球に平和という状態はやってこない


ドルの発行益を与えている原油の価値が高まっていれば

アメリカはエネルギー資源を供給するビジネスを

円滑に運用管理することで

軍事力を高めていくことができる身分を継続しようとする

防衛能力が平和の基礎だと信じられている世界では

軍拡と温暖化とはセットで同時進行する循環へと

必然的に陥る定めとなる

貧困化とテロリストの増加とは

その結果として

産み落とされたものだった
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真 相 究 明

2009-09-12 06:23:23 | Weblog
太陽電池が世界の注目を集め

資本の力でその普及を急ごうとするようになった

温暖化防止にそれが有効だと信じられているからだ

PV と呼ばれるこの発電装置は

能力に於いて確かに優れてはいるのだが

使い方が正しくなければ

その特徴を活かすことは

できない


日が照っているときでなければ発電しないのは固よりのことだが

入射光の密度が変化するだけで

発電出力に大きな変動が現れる

安定性を担保するための工夫が必要なのだが

交流送電に繋ぐことで

電流密度や電圧に影響を及ぼす出力変動が

吸収されている

と勝手に思いこまれているようだ

事実関係を検証するプロセスをきちんと経ていれば

単純な誤りを犯すことなどありえないことだった


この両者

すなわち

交流送電とPVとは

それぞれ単独で

温暖化を防止する能力を持たない

交流送電は 二酸化炭素の最大の発生原因となっており

その排出量を減らすために導入されたPV は

火力発電の稼働率を減らす効果があると信じられている

だが

実際に二酸化炭素が減ったという事実は

確認されたものが何一つとして

ないのだ

理論値を積み上げて得た名目上の数字に実効があるはずもなく

従って

地球表面の大気層にある二酸化炭素の濃度は

毎年20ppmずつ着実に増加し続けている


人類が交流送電をこのまま継続していくのなら

二酸化炭素の排出量は一貫して増え続ける

遠隔地にある発電所から輸送されてくる電気は

変圧が容易な交流でなければならない

高い電圧にしておけば

電流損失を減らして遠くまで電力を効率よく届けることができる


遠路はるばる需要地までやってきた電力は

電機製品を動かすために必要な電圧へと落とされる

住宅なら電灯用電力の100ボルトが一般的

その変圧の役割を果たしているのがトランスの中にあるコイル

高圧のコイルから

低圧の電流を「誘導発生させる」コイルへと

電流は「非接触」状態で転移していく

この作用を「電磁誘導」という


交流送電では電線が繋がっていたのでは

変圧することができない

間に磁場を介することによって

電流を変圧しながら移転させているのだから

コイルを磁化するための電流は

そのまま地底へと消えていく

一方 誘導されて生まれ出た電流は

次の変電所まで下って行き

そこで別のコイルに電流を発生させるための地場を形成し

そのまま地下へと落ちてゆく


交流送電とはこの電場と磁場の連携で成り立っているもの

消費者が節電したところで

地下へ落ちた電流を引き返させることなどできはしない

変圧行程はひとつだけではない

100万ボルトから100ボルトの電圧の間に

いくつもの変電所を通過してこなければならない


コイル間同士が直接繋がっていると

変圧を成り立たせることができない

電気エネルギーは磁気エネルギーとなることによって

電圧を変えた電気エネルギーとなることができるのだ

高圧側のコイルが電磁石となって磁場を発生させているからこそ

低圧側のコイルに電流が誘導される状態が保たれている

この誘導電流は

消費者が電気製品のスイッチを入れた時にだけ

その製品が要求する消費電力に相当する電流を

電気製品の回路へと最終的に誘導発生させている


電力需要がそこに発生しなければ

高圧側の電流はエネルギーを転移させることなく

そのまま接地点から地下深くへと直行しなければならない

節電で二酸化炭素を削減したという実際の結果が得られていなかったのは

交流送電の仕組みに潜む欠陥を誰も指摘しなかったからである

発電に要した炭素系資源が

節電したその時間の分だけ削減されている

と勝手に決めつけてきたのは

事実関係を確かめもせずに

問題を引き算で解こうとしていたからであった


発電所では

絶えざる燃焼を続けていなければならいという切実な事情を抱えている

蒸気発電では

一定の蒸気圧を維持していなければ

巨大なタービンを高速で回転させておくことはできない

電磁誘導では タービンを回転させることで磁場変化を与え

永久磁石がもつ磁束密度に対応した電流を

発電機のコイルへと誘導発生させている


周波数とはタービン軸が回る周期のことなのだ

磁石のS極とN極とが切り替わるその頻度が

毎秒50回であるのなら

50ヘルツの周波数をもつ交流電流をそこに誘導発生させることができる

消費者が節電したからといって

発電機の回転する速度を落とすことはできない

異なった周波数を混在させることになるからだ

発電所では安定した電力を得るために

蒸気圧を常時一定に保っていなければならない

つまり

燃焼炉の火を小刻みに落とすことができない

ということ


24時間365日稼働している発電所をベース電源と呼ぶ

その割合は約65%に達する

残りの35%が需要の増加に対応するために待機している発電所

このグループは調整用電源と呼ばれている

電力需要の減った深夜になっても

ベース電源では安定した発電がおこなわれている

需要が50%以下になっても

65%の電力が供給されている

このため

電力会社では深夜電力料金制度を設けて

深夜の電力需要を創出しなければならなくなったのである


消費者が節電した分だけ発電機を止めておけたのなら

温暖化がこれほど早く深刻化することはなかっただろう

交流送電という方式では

二酸化炭素の排出量削減は

火力発電の比率が60%になっているため

要するに不可能なことであった


日本の場合 電力分野で生み出している二酸化炭素の比率は50%

既存のインフラに依存する現在のシステムのままでは

二酸化炭素の80%削減などタワゴト以外のなにものでもない

輸送と工業炉などの各分野

そして家庭用のガス器具などの合計で100%になっている

自動車がすべてモーターで走るようになったとしても

それで節減できるCO2は30%に満たない


しかし

80%削減を可能にする術がないという訳ではない

既存の温暖化対策の欠陥を知れば

対応の拙さとその限界とが見えてくる

真実にはやく気が付けば

温暖化を止める有効な方法を突き止めることができる

問題を誤って理解したままでいるのなら

ソリューションの総てが実効のないものとなっていく

温暖化がすすみ 生命が奪われていくだけではなく

経済も委縮し

貧困の蔓延によるテロまでが増えていくようになるだろう


有効な対策は一つしかない

残されたその方法を知るには

交流送電の限界を早く見極めて

実効ある対応策を見出す努力をする以外に

歩むべき道はない 
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身 中 の 虫

2009-09-05 12:04:18 | Weblog
誤った政策を続けてきたことによって

国民が失ったものは

取り戻せない

だが

富を失わせていたそのメカニズムの実態を

政府と国民は承知しておかなければならない

起きていたことの経過の意味を知らなければ

これからも同じ失敗を繰り返し

貧困化するプロセスを永遠に続けるようになる


この国がもっていた経済活性を奪っていったのは

ドル資本と呼ばれる一群の行為

主に土地や企業買収などの工作の結果であった

その方法は

市場でだぶついているドルを回収し

それを売って円を買う

というドル安政策に則っていた

ドル余り現象を解消しながら

海外資産を増やすビジネスを世界中で繰り広げ

為替介入を誘発して

米国債を石油消費国に買わせてきた


あらゆる国がドル資本の跳梁跋扈に苦しんでいるのだが

先進諸国の国民が豊かであるうちは

貧困化する事実をそれと察することができない

最もその被害を大きく受けたのはタイであった

外資の流入を政府が急遽禁止したことによって

富の国外漏出を阻止した実績をもつ最初の国となった


当然ながらドル資本が一斉に引き揚げる対抗措置をとったのだが

それが却ってタイの経済を早く回復させることになった

外資がでていけば ドルを買い戻さなければならない

外貨の方がドルよりも下がっていたのであれば

ドルによる再投資の波がおきたとしても

それで獲得した収益を還流させることは困難だ

資本を回収するためには

ドルが相対的に安くなっていなければならない

このため海外からやってきたドル資本は国外へは出られず

ローカル市場に流動性の厚みを残し

それをより力強いものへと復活させることができたのだった


買収された土地の値段は

ドル資本が引き揚げる際売り急ぐと

必然的に値下がりする

このため

不動産市場を活性化させる効果や

企業買収だけではなく

その反対である企業売却が優勢となり

資産価値は若干低下しはするものの

購買力が上がることによって

適度なインフレ圧力が生じ

健全な経済成長を促すようになっていった


発行し過ぎて余らせたドルを手段として

ドル資本という勢力に

外貨を大量に手に入れさせる戦術のことを

ドル安政策というのである


この政策のもつ目的の意味が分かっていなければ

際限なく外貨準備高を増やす展開へと陥るのだ

濫発したドルが市場に滞留した状態のまま

そこに残されていると

ドルの需要がおきても

その市場にダブついているドルと交換されるだけとなり

ドルそのものの新規発行はできない

基軸通貨の発行事業で生計を立てている米政府にとって

ドルの追加発行を阻害するものはすべて

不利益の原因となる


ドルの需要を高めるために原油相場を

高値へとどれほど誘導していったとしても

ドルの発行権を拡大する効果を誘発できなければ

米政府が得るメリットはゼロなのだ

ドルを常に追加発行することができる状況こそが

アメリカにだけ富を積み上げさせる結果をもたらすのである

このような効果をもつドル安政策を続けてきたことによって

アメリカは軍備を拡張するための資本を

そこに集約することができたのだった


米政府はドルを新規に発行し続ける目的で

既発のドルを金利を上げて速やかに回収し

世界中から富をかき集めつつ

その外貨を用いて

当該国の市場でドル資本に利益を上げさせることによって

その収益が生む税収で潤っていたのだった


ドルを外国に売りつけるだけで

高くなった外貨で

ローカル市場で得てき収益を

より効率よく

ドルへと戻すことができたのだ

ドルの価値が利益回収の段階で相対的に下がっているのなら

少ない外貨でより多くのドルを手に入れることができる


ドルを押しつけられた国の政府と中央銀行とが
 
為替対策として高くなった自国通貨を売って

価値の下がったドルを有利な条件で買えるよう

米政府とドル資本とが共謀して

誘導してきたという一連の経過が

ドル安政策に更なる合理性を与えているのだが

それは見掛け上の利益であるに過ぎなかった


ドルの価値が下がっている間

ドル建ての在外資産は

アメリカから本国へ戻ることができない

損失が確定することになるだけだからだ

しかもドルの資産価値はドル安政策で次第に逓減していく

このため

債権国の保有資産は目減りする一方となり

資産価値は年々軽くなっていく

ドル建ての債券を処分することができないのは

損失を確定させることができないのと

長期金利を急騰させるという結果になるからだ


ドル資本がやってきた国の政府は

一見有利な条件で買ったはずの大量のドルを持て余し

安全確実な方法で運用する必要に迫られる

このため

米国債を好んで買うようになっていったのだった


国が所有するドル建ての債券や

ドル預金

金塊 などを総称して

外貨準備高と呼ぶ


これらはドル資本と呼ばれる勢力が

市場で余っているドルを回収し

投資する先の国がもっている固有の資産を

買収する目的で

再利用してきたその結果を表す指標でもあったのだ

ドルの通貨価値は

このようにしてファンダメンタルズの結果として

表向き一定の水準を保つよう

安定的に維持されていたのである

これが国際経済から公平性を奪っていた


ドル高外貨安という状態は

ドル資本が計上した外貨建ての収益が

大量にその国から流出した

ということを示す結果を伝えていたのである

ドル安外貨高という状態は

余ったドルの大量流入ということを意味していた

外貨準備高の累増とは 経過の推移を表すための指標であった


大量のドルが濫発されていたにも関わらず

原油相場を決定する機関であるWTIで

原油価格が高騰を続けていたブッシュ政権の間

ドルの需要は果てしなく高められていたのだった

サブプライムローンの破綻は

その経過を形成する氷山の一角

それが崩落しただけのことに過ぎなかった


日本がもつ外貨準備高は

一昨年の段階に於いて

邦貨換算で100兆円を超える規模に達していた


日本はこの外貨準備高を取り崩すことが

永遠にできない

何故なら

一旦回避したはずの円高が

政府日銀の手によって

たちまち再現されてしまうことになるからである

また

ドル建ての長期債を市場で大量に売却しようとすれば

その利率は高くならざるを得ない

売り急ぐ場合なら

長期金利の水準を急伸させるという結果さえ生むのだ


これは長期借入金で成り立っている企業の収益を

直接圧縮することでもあるため

法人が得るはずの収益を急速に低下させてしまうことになる

その企業の株価は従って急落し

市場経済システム全体に急ブレーキがかけられる

そのような展開を辿った事実を実際にひき起したのは

ほかならぬ日本の橋本元総理本人であった


日銀が為替市場に介入するための資本は

財務省が発行した短期証券である

毎年財務省は借り換えを行わなければならない立場なのだ

ドル安政策が続けられている間を通じて

日銀は円高を回避するために

市場介入を行なっていた

そのきっかけは ドル安政策のきっかけとなった

あのプラザ合意であった

85年秋のこと


回収される惧れのないドル資産がその結果アメリカに積み残され

外貨準備高は恒常的に増加するようになっていった

中国ではイラク戦争がはじまったころから

この経過が顕著になっていき

今では世界一だった日本を急追して抜き去り

今年その日本に倍の差をつけるまでに巨大化した

中国が軍事力を大幅に増強することができたのは

ドル資本によって売りつけられたドルで米国債を買わずに

軍備を増強するためにそれを使うようになったからなのだ

この間の経緯を知れば

アメリカが中国の軍事力をドルという通貨を用いて強化した

ということができるのだ  

まことに愚かな結末であった 
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