こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

社 会 秩 序

2011-04-24 07:49:54 | Weblog
すべての系は

エントロピー増大の法則に従う
 
民主主義と呼ばれている

意志決定をおこなうための政治システムも

また

おなじ経過を辿っている


時が過ぎ去る変化と共に

かならず

劣化していき

元の状態へと戻ることは

決してできない

というのがこの不可逆性の法則が示す




民主国家の総てが

混沌へと向かう道を歩み

その歩を早めている

日本の国会で起きているこの現状に

それは既に顕在化しているほどである


千兆円に達しようとするようになった累積債務の総額が

その事実をよく国民に伝えている

これほどの規模の債務に発展するまで

誰ひとり

おきていることの深刻さを

理解しようとしなかった


その事実を知った後になっても

まるで

ひとごとのようにして

当面の課題を消化することに注力し

債務残高が増加するにも関わらず

それで善し

とする経過が続けられている


いざとなれば

増税という方法を採用すれば

カタがつく

問題が深刻化すればするほど

その導入実施を急がせることが可能になる

そんな思惑さえ

露骨に見えるほど低劣な政治家が

おおぜい蠢いている


大多数が賛同する意見は

常に誤る

正しい認識は

少数意見の側に埋もれ

失敗を認識する多数意見が整った後で

改めて再発見されるようになっていく


民主主義の欠陥は

夙に貧困を募らせるようなものになっており

多数決という民主的な制度が

判断を誤っても

誰も責任を取らない

で済むような

劣化する一方の社会システムを

いつの間にか築きあげていたのだった


民主化は確かに

正しい選択のひとつではあるのだが

運用の方法に

健全性が保たれていなければ

緩慢にただ劣化するのみという展開を辿るようになる

国の現状がまさにそうなっている点に

変化の行先が

終着駅として書きこまれている


当事者が問題の所在を自覚していない場合

国の劣化は急速に進む

自然災害に襲われたとき

放射能をばら撒くという二次災害まで

生み出すに至った

慢心を戒めることができれば

核が生む熱エネルギーを

放念すべきことが

分かってよい


原子力エネルギーに執着する時代は

ここに 終わった

未来エネルギーの開発に着手する

そのときが

きている


自然エネルギーという方法では

ものの役に立たない

安定性と汎用性とに

夫々大きく欠けているからだ

ローカルエネルギーとして有効であっても

インフラを形成するほどの能力は

そこにない


問題点をよく理解することが

肝要なのだ

自覚なき認識は

エントロピー増大をより加速する

ひとの思いもエネルギーのひとつ

解放系のエネルギーは

秩序だった状態を

単に狭め劣化させていく

という特徴的なベクトルをもつ


現実を正しく認識する

努力を行うことから

新文明の建設がはじまる
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分 か れ 道 ②

2011-04-17 09:34:50 | Weblog
核分裂がうみだすそのエネルギーは

生命にとって

最も

有害なものだった

劣ったシステムを前提として成り立っている文明の姿は

野蛮であることを

自ら吹聴しているようなものになっていた


放射能を撒き散らす事故は

これまで何度もあったのだが

それが

原発の存続を

妨げるものとはならなかった

効率の高いエネルギーの利便性に誘惑され

その危険性に目を瞑ってきたからだった


先月 福島で発生した

四基の原発が

ほぼ同時に破壊されるという

結果が招いた

類例のない放射能汚染事故は

大気中と海洋中へも

高い放射線源となる物質を

同時且つ大量に放出することとなった


事故を引き起こしたすべての原発では

未だに放射能の発生を喰い止めることができず

時の経過に伴って

放射線が与える被曝線量は

毎日

毎時間 ごと

着実に増え続けている


放射能を

そこに密閉しておくことができないまま

冷却することによってのみ

崩壊熱の昂進を

かろうじて抑制することができている

というのが現状なのだ


冷却系が機能不全に陥ると

原子炉の内部で

崩壊熱の昂進がおき

日ならずして

熱暴走という状態へと突入する

高められた熱は

冷媒の水を蒸発させ

更に

それぞれの元素にまで分解し

化合物だったものを

水素と酸素とに

切り分ける


酸素の16分の1しかない軽い水素は

閉鎖された屋内の上層に貯まり

次第にその濃度を高めていく

ある一定の値にまで濃縮が進むと

そこにある熱を起爆剤にして

突如として爆発する

水素のエネルギー密度はきわめて高い

頑丈なあの圧力隔壁を破壊し

コンクリートで分厚く覆われた原子炉建屋を

一瞬で粉々に吹き飛ばしてしまうほど

その破壊力は濃縮を経て

巨大化していた


原子炉の熱交換システムは

反応熱の高まりを抑えることができていたからこそ

安定した蒸気発電を

制御裡に実施することができていたのだった

冷水を循環させるポンプが動いているためには

ディーゼルエンジンで発電機を回していなければならない

それには燃料となる軽油と熱だけ用意されていればよく

ガソリンエンジンのように

スパークプラグなどはまったく必要がなかった

水をかぶっても復旧に大きな困難はないのだが

しかし

燃料である軽油がタンクごと失われてしまったために

冷却を維持すること自体が

不可能になってしまった


その後の経過は報道が具に伝えている通り

放射能の拡散は一か月たっても

まったく止まっていない


ポンプを駆動するための外部電源が

何らかの理由で遮断されてしまうようなことがあると

原子炉は勝手に熱暴走を始めてしまう

自らの熱で水素爆発を誘発し

原子炉建屋を破壊するのだから

それだけで

効率のよい破壊活動が可能になる

人が立ち入れない地域が拡大すると

国の恒常的な安定性は失われる


このことは

熱交換システムのどこかをテロ組織が破壊すれば

原子炉が放射線を発散する破壊兵器へと変身する

ということを示していた

原子炉を持つあらゆる国は

それがあるというだけで

自国民に対する破壊圧をもつということになる

核に対して無防備だったこれまでの牧歌的な認識は

福島原発が放射能災害を生みだした時点で

安全保障を成り立たせていた枠組みを

すっかり台無しにしてしまった


きわめて脆弱な社会基盤の上に成り立っているこの文明は

放射能による脅威に常時晒されていたのである

原子力という名の文明の利器は

使い方次第で

自らを滅ぼす破壊兵器へと反転してしまうものなのだ


核は

文明を

最終的に

破壊する

こんなものに依存していてはならない

人類は

まったく別の

第三の方法を探るべきだったのだ

有効解は既に用意されたものがある

それにいつ

文明が気づくのか

ということが

健全な未来へと向かうための

分かれ道になっている
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世 迷 い 事 ①

2011-04-10 08:26:50 | Weblog
巨大地震によって生じた未曾有の津波が

東日本沿岸の原子力発電所すべてを襲い

それまで

円滑且つ正常に運転されていた

核分裂によって得た熱による

蒸気発電システムを

一瞬で

役に立たない無価値なものに

してしまった


津波が襲ったこのときを境にして

管理体制に課題を抱えていた原発では

冷却するための熱の制御が事実上不可能になり

崩壊熱の増長を

職員たちはただ扼腕するのみで

呆然と眺めていることしかできなかった


経緯は省くが

結果として水素爆発がおき

頑丈この上なく作られた原子炉建屋の多くが

一瞬で粉々に吹き飛んだ

映像資料はまことに雄弁であった


そもそもの原因は

冷却水を汲み上げるためのポンプに

電力を供給していたディーゼル発電機へ

燃料である軽油を届けられなくなったことにある

津波が

タンクを設置していた場所から

移動させてしまったからだった

瑣末な変化が

厳重に管理されていた原発を

あれよあれよという間に

破壊させてしまったという

想定外の経過が

放射能汚染の発端になっている

まさに

千慮の一失というべきできごとが

国と電力会社の浅慮のほどを

もののみごとに浮き彫りにした


関係者の一部は

ことの重大性を当初より悟っていたようだが 

なす術がなかった

その初期段階から

放射能を拡散させる漏洩事故がおきるまで

さして多くの時間はかからなかった


その後になっても管理する側の不首尾はつづき

進捗よりは停滞

という状況がしばらくの間

維持されていた

報道各社は

その事実を克明に伝えている


原子炉の内部でおきるであろう

諸種の反応形態の変化が検討され

当座

水素爆発を遅らせるための措置として

不活性ガスである窒素N2を封入することにより

可燃性ガスである水素H2の比率を引き下げる

という方法がとられた


水素爆発をおこすための水素ガスの濃度は

4乃至5%から75%の範囲

とされている

窒素ガスの封入は

水素ガスの濃度を

5%以下に引き下げるための

便宜的な措置

水素ガスの濃度が今後上がれば上がるほど

窒素ガスによる内圧の増加が

際立っておきる


原子炉容器の内圧がより高まれば

どこかでガス抜きを行って

安全を確保しなければならない

炉外排気を強行すれば

放射性を帯びた窒素ガスが

大気中へと撒き散らされる


水素ガスを発生させたそのメカニズムを

管理する側が理解できていないと

対策の有効性は失われる

窒素ガスで水素ガスの濃度割合を変えることができたとしても

時の経過とともに

水素ガスが更に増えていくのであれば

爆発の危険性は

常に生じていることになる


やるべきことは水素を生成させた原因を特定し

容器内の水素濃度を

速やかに減らす

ということでなければならない

それを可能な状態にすることができれば

窒素ガスを関与させる必要性は消える


問題が見えていないときには

対症療法に活路を見出そうとするものなのだ

応急措置で小康を得ることができたとしても

それで問題が解決した

ということはできない

設計者が見逃していた

水素を生成させたその理由を

いま 

突き止めておかなければ

根本的な解決を図ることは

で き な い


窒素ガスを封入したからと言って

安心していられる場合ではない

それは

何の解決策にも

なっていないからである
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責 任 能 力

2011-04-03 09:01:47 | Weblog
原発が安全だというこれまでの説明が

そもそも

偽りであった

ということが明白になってからというもの

批判の矛先が

東京電力という名の企業と

その経営陣だけでなく

一般の社員に対しても

一斉に向けられるようになった


ボードメンバーの責任が追求されるのは

当然の経過だが

文系の被雇用者にまで

それを求めようとするのは

筋が通らない

非技術系の社員には

責任能力が基本的に備わっていない

企業業績が急落すれば

失業としいう酬いを受ける


責任を問われるべき者の代表は

寧ろ

原発建設を積極的に推進してきた

議員たち



そのお先棒を担いで省益を太らせてきた

監督官庁の一連の官僚共

更に尻馬に乗って

安全保障を側面支援しようとしてきた

保守系マスコミの論旨に誘導されていた

不特定多数の国民であった



批判されるべきは

これら事象の背後に潜みつづける

黒幕のうしろに控えている一群なのだ


原発推進を謀ってきた議員がどこの誰なのか

ということは

検索すれば分かること

一部のマスコミとその関係者なども

同じ網にかかってくる


当事者である東電の責任は

まことに重大ではあるのだが

それを成り立たせてきた連中すべての罪を

決して見逃してはならない


真っ先に糾弾されて然るべきは

自らは安全な場所に隠れたまま

表に出ようとしない

指導的役割を果たしてきた

悪辣な首謀者と

その一味


批判の対象の絞り込みを誤ると

咎のない大多数がみせしめに批判され

最も有害な首謀者が

その陰で易々と肥え太る

冤罪は

真犯人の追求を打ち切るという点で

きわめて不幸な結末を押し付ける


責任を取るべきもののリストは

犯した罪に対して

公平かつ公正なものでなければならない


誤った解釈は

不幸を増幅し

正しい認識は

最適解の在り処へと

文明を導く


根拠のない誘導を風評という

薄っぺらな知識が

被害を拡大する


視点の健全性が担保されていない情報は

きわめて危険である

バイアスをそれと認識することができていれば

補正することは容易であろう


今回のケースで重要なのは

真犯人を特定することであって

責任能力のない人々を

感情の高ぶりから

槍玉にあげることではない


価値は真実にのみ宿る

原発に代わり得る優良なエネルギーは

既に存在している

人類にはその形を

まだ見ることができない


判断基準を成り立たせている傾斜の存在を

知ったとき

冤罪をそれと理解することが可能になる

つまり

真犯人を補足することができるようになる


問題の所在を闡明することができたとき

あのとき

どうすればよかったのか

ということが

誰の目にも見えてくる


学習は失敗の関与を必ず求める

成功体験から得られるものは

満足感以外の何ものでもない
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