こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

塞 翁 が 馬

2008-10-26 09:30:57 | Weblog
アメリカが作りあげてきた資本制度が 

ついに

崩壊をはじめるようになった


ドルを手段とする資本システムには 重大な欠陥が潜んでいる

アメリカにだけ富を集積するという結果ひとつをみれば

それで十分なものがあるだろう


アメリカは石油価格の決定権をもち

軍需産業で栄えてきた国である

その土台の上に民需がのり

経済を大きく発展させてきたのだった


投資が投資を呼ぶ展開が

ささいな瑕疵をきっかけとして

総崩れする様相を深めている


資本制度そのものを変えなければならない時代が

ついに 

やってきたからだ


アメリカ型の資本システムは 

利益追求能力を高度化させていったことによって

はしなくも

自ら瓦解するようになったのだ


ソ連が自己崩壊したのと なにやら似ていなくもない話である

システムに潜む欠陥は

いつか 

必ず 破壊圧となって顕れる


尻に火がつくまで問題に気づこうとしない人類は

傷を負ってから

ようやく動き出すのである


問題の本質がみえているのなら

有効な対策を引き出せるのだが

そうでないのなら

いつまでたっても 困難な状況を続けていなければならない


温暖化対策がそうであったように

問題の本質を見誤ったままで放置していると

健全だった個所にまで病根が転移する


文明が生き残るものであるのなら

現実認識の正しさを 自らの努力で検証しなければならない

CO2の増産が一向に止まらないままであるというのは 

この検証作業を蔑にしていたからだった


経済と環境を同時に解決するよう

人類は 迫られている

ソリューションがない という訳ではない


真実のかたちに気付けば 

問題とその答えは 一瞬で姿をみせる


豁然


トレードオフの関係だった経済と環境の回復は

平和の実現という第三の要素を付け加えると

鼎立状態が生まれ 

対立点だったものは 消え去る


混沌への逆行は 止揚へと至る最初の道しるべ
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天 網 恢 恢

2008-10-19 11:46:25 | Weblog
敵という名の具体的な対象を

常に

必要とするのは

アメリカ という名の国ただひとつ


ドルは 世界中からローカル通貨をアメリカへと呼びこむための

手段

基軸通貨をもつことの 特別な優位性は

アメリカの軍需産業を育み 世界中に軍拡圧力をかける原因になっている

ミリタリーバランスがシフトするのを好まない国では

アメリカが軍事予算を増やすと

同じ比率かそれ以上の費用をかけて 均衡を保とうと努める


世界中から集まってきた地域通貨をドルと交換して

兵器 と 石油 とを供給する

というのが アメリカのやってきたビジネスモデル


それを可能ならしめているのが IMF体制と呼ばれているシステム

世界銀行と国際決済銀行は IMFの機能を

より円滑に成り立たせるために編入された 傍系の組織


ドルが基軸通貨になっていられるというのは

IMFとそれに連なる連合体が連携を取り合って

ドルを決済手段とするシステムを作り上げてきたらだった


金は通貨価値の基準となる唯一のものだったのだが

ドルショックでは 

それが

石油という 欠くことのできないエネルギー資源へと振り替えられた


原油の取引価格を決定しているのは WTIと呼ばれるローカル市場

だが

そこで扱っているテキサス産の軽質油は 

アメリカ全体の産油量の数%程度でしかない

世界全体の取引量からみても 

西テキサス産の軽質油は NETで1%に届かない


WTIとは 輸入した原油をアメリカ産の軽質油として

取引価格を制御するという目的をもった

量的拡大(底上げ)を実施するための特殊な市場になっている



WTIが膨らませている原油の取引量は

世界全体の産油量からみれば 

それでも

6%程度のものであるにすぎない

この小さなマーケットで 

世界の原油価格というものが決められている ということなのだ


原油市場を制御する権能を 

アメリカという国だけがもっている

イラクで使うための戦費が足りなくなれば

ドルを必要なだけ追加発行すればよい


それには原油価格を引き上げて 

ドルの需要を拡大するというのが有効な方法であった


ドルの発行量が増えすぎると貨幣価値は下がるのだが

ドル資本が余剰のドルを速やかに回収して

日本や中国などの資産を買収するために 大量に資本投下している

日本では 愚かにも 外資を導入する政策さえとられている

このため 

円(元)高ドル安という状態が恒常化するようになったのだった


ドルが安くなるとおおいに困るこれらの国では 

ドル資本の買収工作によって高められた自国通貨を調達して

通貨価値の下がったドルを 中央銀行が間接的に買い支えなければならない

この時に買ったドルの総額が いわゆる外貨準備高と呼ばれているもの

日本の場合 

外貨準備高に占めるアメリカの公債の割合は90%になっている

その総額は 既に 100兆円を超える規模にまで達した


この在外資産は 不良債権そのものなのだ

ドル安政策でドルの価値は下がる一方なのだし

それを円に戻そうとすると

回避したはずの円高を再燃させてしまうことになるからである


米国債などに世界中から買い手がついていたことから 

その増えた需要の中から

米政権は 

議会の承認を経ないまま

米兵に支給するための給料を 

滞りなく 自在に支払うことができていたということなのだ


これが イラク戦争がはじまったことによって

原油価格が高値へと誘導され 

世界規模のインフレを生み出してしまったその理由なのだった


原油相場がイラク戦争から一貫して上げ続けてきたという背景には

米政権が行ってきた 通貨戦略というものの存在があったのである


そのお陰で 米国民は増税されることなく

戦時下であっても 平時の生活を営むことができたのだ

この通貨メカニズムの存在を察知した国際金融資本とオイルマネーとが

原油相場へと陸続として参入してきたため

原油価格が急速にあがりだし

世界は唐突におきたインフレで 一斉に苦しむようになったのだった



さいわい 国際金融資本が債務不履行の状態へと陥り

衰弱を早めたことから

原油相場は 値上がり前の価格帯へと短期間で50%押し戻された

投下した資本を 速やかに回収しなければならなくなった投機筋が

原油市場から逃げ出していったことが 相場に安定感を取り戻させたのだ


株式市場で 現在 おおきな変動がおきているのは 

これら一連の変化が 集中したということがその原因になっている


資本制度の在り方そのものが問われているときに

有害化したそのシステムを温存するための方法が とられた



これが おおきな判断ミスになっている

あたらしい時代には あたらしい枠組みこそが必要なのだ

さまざまな問題を次々に惹起させた旧弊な仕組みを保守する 

ということは 

状況を 単に 悪化させることにしかなっていなかった


人類はこれまでに学んできた多くのことを 未来に生かさなければならない

それが可能になったとき 


不可能だと思われていた恒久平和が 勝手に実現してしまうのだ 
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拘 束 思 考

2008-10-12 08:04:30 | Weblog
宇宙の大きさを 

高い精度で

光学的に確認するための方法が

人類に与えられるようになった

二年ほど前のことである


この宇宙の年齢が

約137億であるということが 確定した


ビッグバンは その更に前へと遡るのだが

確認することは困難だ

宇宙の年齢を 140億年とする表現も 決して不当なものではあるまい

これまでは 150億年というのが通説になっていた


宇宙の始まりが何故おきたのかということは

まだ わからない


分かっていることは 

原子をつくっている素材が 誕生すると同時に

すぐさま消滅した ということ

そして 急激な膨張(インフレーション)があった ということ


ビッグバンの直後に

対生成と対消滅が同時に発生した 

はずだったのだが

なぜか片方の成分だけが 消え残ったのだった


それがこの宇宙を構成している物質のことである


宇宙創成期におきた謎を解くカギの一つが 

原子核をつくっているクォークの中に潜んでいた

今年のノーベル物理学賞は この一連の発見とその証明手段の提供に対して

授与されたもの


137億年の光学的広がりをもつこの宇宙が

その最も小さな粒子であるクォークを調査することで

明らかとなった


ビッグバンでは

物質と反物質とが対生成したとされるが

物質だけが 対消滅から逃れてこの宇宙空間に残された

ここに 

壮大な謎とその答えとが隠されている


本来なら真空が存在するだけの宇宙であったはずなのだが

対象性が「偶然」失われていたために

物質が存続することを許されたのだ


その結果 宇宙には様々な物理現象が生じ

中でも 

地球には 生命が誕生することとなったのだった


この物質からなる宇宙を 現象界と呼び

真空だけからなる宇宙を 実相界と呼ぶ考え方がある

 
さまざまな現象が顕れる反応場でなければ 生命は存在することができない

ここに未知の謎を解くヒントが あるように思われる


クォークの素がひも様のものだとする仮説が 超ひも理論(超弦理論)

なかでもM理論と呼ばれるものが導いた解からは

宇宙は11次元構造でなければならない

ということが数式によって示されている


ここから先は 証明する手だてが与えられていない分野

最先端の科学は その手段であった証明を超越するところにまで達した

現在の規範では 証明できないものは 一切が科学ではないとされる


クォークまでは加速器を使って確認することができたのだったが

「ひも」に関する仮説を実証する装置は 未だ開発がなされていない


思考力が自由であれば アインシュタインや南部陽一郎のように

自在に アイデアを飛翔させることができる

だが 人類はその能力を失いつつある


証明に拘る教育モデルで育てられた頭脳は 

即物的な制約の内側に留まろうとする


このような姿勢を標準化してきた

という歴史が

科学をつまらないものにし 

こども達の理科離れを促している



思考空間は 137億年のこの宇宙の外をさえ


包摂する容量をもっている  
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自 業 自 得 ①

2008-10-05 17:13:56 | Weblog
世界の金融市場で いま おきていることは

そのむかし

アメリカがまいた種が 

遅れて今 

発芽するようになったもの


71年夏には 金本位制から一方的に離脱し

ドルショックと呼ばれる 歴史的な変化を国際経済に与えている

85年秋には プラザ合意という追肥が施され

日本では

やがてバブル経済と呼ばれる現象が生み出されている


これら一連の措置が 

巡りめぐって

経済不均衡による貧富の差をいたる所で拡大しつつ

温暖化を募らせただけでなく 

ミリタリーバランスに拡大基調を植え付けている


温暖化の原因物質は 石油に代表される地下資源だった

軍拡を促したものは 

兵器産業に操られた米政府が

固有の強迫観念に迫られて

そこに居もしない敵を作り出す

という幻視を与える政策の実施であった


石油と兵器は 共にドルでなければ買えないものだった

EUが成立してからは フランスの兵器に市場拡大のチャンスがやってきた

アメリカが対共産圏向けの輸出規制を解除していなかった隙を埋めたのが

ユーロで決済できる欧州圏の軍需産業だった


世界でおきている不具合の殆どは 

アメリカのドルを中心とする政策のかずかずが生み出してきたもの

その帳尻を合わせる決算のときが ようやくやってきたということ


ドルを大量に発行し続けてきた結果 

ドル余り現象を生み出したアメリカは

その一部を米国の住宅産業を賦活する目的で 

大量に国内市場へと呼び込んだのだった


その結果 株価を乱高下させながら 

最終的に

サブプライムローンの債務不履行を 大量生産してしまった


資本市場では 

債権を証券化して販売するというリスク分散方式がとられている

モーゲージされていた資本の総額は 表沙汰になるようなことはなかった

この金融手法の蔓延が 傷の回復を困難なものにしている


アメリカ型の資本の論理は 利潤の回収を急がせるモデル

市場が育つ前に青田刈りをしてしまうのが 国際金融資本の一般的な手口

ドルのもつ属性(過剰流動性)を 

仮需を導くために大量に借入れてきたことが 利潤の回収を急がせた

世界中の国の資産を買収するための手段として 

過剰発行されたドルを転用する という手法が一般化してすでに久しい

その経過のどこかで アメリカはドル安政策のメリットに気がついたのだ

円高が唐突に始まった頃のことである 

そして いま

信用収縮という現象で 自らの牙城を苦しめる仕儀とあいなった


播いた種は 刈り取らなければならぬ

原因を与えたアメリカが 

その結果を引き受けるのは 当然のなりゆきというもの

ドルへ投資していたすべての債権者は 

アメリカと同じ運命を受け容れなければならない


法則はそのようになっている


健全な資本制度を確立するための授業料 だと思えば 

この程度の損失は

軽微なものに過ぎない

ドルに代わる新しい基軸通貨が求められる時代には

繁栄と平和は 自動的にやってくる

それを長期間阻害し続けていたのが 

ドルの発行権を最大化しようとしたアメリカという国なのだった


人類は 大きな遠回りをさせられてきたけれど

あたらしい市場経済を作り出すチャンスを ようやく手に入れる

(かもしれない)


問題の所在を承知していれば 

発芽した種を取り除くなどということは

いとも簡単にできること  



良識が作為を凌駕するとき 地球に安寧が訪れる
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