こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

浅 慮 の 果

2016-04-24 07:16:46 | Weblog
国際的規模へと達した

不安要因の複合

が市場の意識を方向づけ

リスク評価が定まると

日本のローカル通貨である



の価値は

無条件で

高められる


基軸通貨のドルがその信用力を失うと

価値を減らした成分は

安全資産だと見做されている円

へとその時単純に移動する

リーマンショックはその典型


資本を操る側の都合次第で

円ドル相場は志向性のベクトルを

為替市場で変えようとする


ユーロは姿を変えた

間接的なドル

という背景をその価値の内部に秘めている

ユーロはEUが誕生したとき

新たに創設された

地域限定の共通通貨

この時を境にして

ドル資本は

国際金融資本へと

その名を変えた


EUには

共同体が持つ

固有の政治的脆弱性

が残されている

ユーロの通貨価値は

強い変動要因の見えない作用



いつも

脅かされていなければならなくなった


英国がEU経済圏から離脱するなら

その影響は

ドル経済圏全域へと

直ちに及ぶ


日本市場はドルを補完する機能を付与され

ガス抜きの調整弁

としての役割を担っている

このため

なにかしらの変動要因が

どこかで俄かに高まると

決まって

円高外貨安

という状況が繰り返し

為替市場へと訪れる


ドル経済圏の拡大は

ドルの発行量を高め

アメリカの経済を刺激し

国際経済の規模を押し広げ

得た利益を再投資する

という循環を効率的に生み出す

何処かの国の経済成長率が高いとき

当該市場が生み出した収益は

最終的に

元のドル

へと戻される

この資本が生み出す

配当益に直結するポテンシャルの高さが

市場経済をこれまで

力強く牽引してきた


国際金融資本が調達したドルが

世界中の市場へと遍く行きわたり

ドル余り現象となって

信用不安を却って早く導いた

というのがそのリーマンショック

が引き起こした緊急事態

これが更にギリシャ危機を経て

EUエリアを中心とする

不安定要因の厚みを増した


ドルを大量に余らせる経過を生んだのは

アメリカが即日実施した

金本位制からの一方的離脱

がその起源

ドルショックと呼ばれるこの変動が

巡り巡って

リーマンショックへと繋がっていき

中国大陸から大量のドルを

集中的に

短期間で回収することを急がせた


価値を裏付ける基準となっていた

絶対量という制限のある金を捨て

ドルの通貨価値を

新たに支えるようになったのが

地下資源

この時から基軸通貨の供給量は

制限のない青天井状態となり

経済規模の世界的急拡大が

資本主義経済を優越させ

計画経済を相対化して

91年のソ連崩壊へと繋がった

ドルショックから起算して

丸二十年後のことだった


こうして石油ドル本位制

と呼ばれる枠組みへの変更が

現在の国際経済の行方

を決定的なものにした


市場主義で統一された国際経済は

いま

大きな規模の

デフレの渦

へと巻き込まれようとしている

落下する螺旋が描く

下向きの回転を

引き起こす事態

を市場主義経済は既に迎えている


アメリカのローカル通貨であったドルが

あらゆる通貨交換を決定づける

機軸

となったということが

世界中の富を

北米大陸へと誘導するための

手段として

見えない力を発揮し

それが世界規模の貧困化を生みだしながら

資本の論理で経済を自ら追い詰め

インフレからデフレ

へと世界中を引き込もうとしている


ドルに過剰流動性という不可分の属性

が必然的に備わったのは

金本位制を見限って

通貨価値の裏付けを

石油へと移した

あの時

即ち

ドルショック

から始まったこと


エネルギー資源を必要とする国のすべて



アメリカのローカル通貨

であるドルを買わなければ

経済成長の実現を急ぐことが

できなくなった


エネルギーの安全保障は

国家存立の 要

地下資源が不在なら

経済成長を目指すどころか

暮らしを成り立たせる熱源さえ

手に入れることはできない


こうして世界中の国家が

地下資源を輸入するために

アメリカのドルを買い求め

自国通貨をドル資本の言い値で売り

高いドルを買わされてきた


ドルの発行権を有するアメリカは

変動相場制を採用したことで

基軸通貨を有利な条件で売るようになり

さして使い道のない

貧しい国の価値の低い通貨と交換し

その国の市場を

一時的に

豊かにしたかと思わせながら

回収した利益で再投資を繰り返す

波を形成し

ドル経済圏の拡大を図る行為を中心に

高い価値を具備するようになったドルの供給事業



利益を得る権能を国際金融資本に与えつつ

市場を提供した国の経済から

流動性の厚みを奪い

自らの権益を太らせながら

再投資を重ねて利益を増やすことを

国際金融資本に許し

石油消費国のすべてを

緩慢な貧困化へと引きずり込み

それを同時進行させるための

黒幕敵存在

となるよう背後で誘導し

利益を濃縮する行為を

放置放任する姿勢を

一向に崩さない


ありとあらゆる地域の国家が

それがあれば何でも買える

便利な通貨

ドルを買い求めるようになり

アメリカはドルの価値が勝手に高まる事態を

抑制せざるを得なくなっていったのだった


世界中で一斉に募り始めたドル高の嵐

を避けようとして

アメリカはG5に諮って

ドル売りの一斉協調介入へと踏み込んだ

85年秋のことである


このプラザ合意というものが

ドル売りを急がせ

日本市場にバブル経済を押し付けた

先進諸国がドルを売って得たその通貨が

円であったからである


理由のないと言われ続けてきた異常な円高は

この時から起きている

総ての変化には理由がある

思考回路を劣化させていた日本の指導者たちは

変化の意味を特定することが最近まで

何一つできていなかった


日本市場へ上陸したドル資産はその後

円資産となることを目指し

不動産市場で土地神話を生み出すことなり

最終的に

そこで生じたバブルを

針の一刺しで崩壊させた


これが通貨メカニズムに作用して

発生させた膨らんだ泡

を日本市場から消し去った


当時この経済的変化の意味を察知した

とする事例はなく

経済評論家と呼ばれていた一群が

土地取引が活発化するだろう

という情報を

こぞって発信していた時代であった


バブルを潰したたった一つの原因は

不動産融資に対する総量規制だったのだが

その事実に当時の経済人たちは

誰一人気づかなかった


経済変動をまったく認識しsていなかった指導者たちは

事態の急変に驚いたものの

どうすることもできなかった

その期間のことを

後に

不作為の三年

と呼ぶようになったのである

この初動対策を永く等閑にしていた

ということが

直後の失われた十年へと繋がり

その後の経済政策を悉く誤らせることになる

原因となったという経過の愚かさが

それを倍の二十年へと拡大させた


絶対に値下がりしない

というフレコミの土地神話が

投資を投機へと導いた時代があった

銀行は不動産向けの融資を拡大させる目的で

所謂ノンバンクを多数設立して

過剰な融資競争を85年の暮れから

90年春にかけて

わき目も振らず熱心に行っていた


土地という資産があれば

それを寝かせておくだけのことで

プレミア付きのインフレ効果で

土地の価格は

勝手にどんどん上昇していたからだった


不動産融資の総量規制は

この土地を買うための資本供給に

上限を設けさせ

新規の仕入れをすることを

不可能にした


そこで手持ちの土地を売る必要が俄かに生じ

売り物が増え

プレミア効果が剥離して

価値の上昇圧力が反転した

という経緯


価値の上昇が低下したことで

保有資産が利益を生まずに

損失の源泉となり

過大な在庫負担を抱え込んでいた

投機目的の中間業者が

投げ売り競争へと突入し

その段階になってはじめて

バブルが崩壊したその事実に

知識階級が遅れて漸く気が付いた


これが93年までに

日本市場で起きていたことのあらまし

持っているだけで高まっていた遺産価値は

180度反転してしまい

時の経過と共に

資産だったものは

負債総額を膨らませるだけのお荷物

となってしまったのである

この段階になって初めて

世間とマスメディアは

バブル経済が崩壊したことに

同意した


教科書に載っていないバブル崩壊に遭遇し

どうすることもできなかった指導者たちは

それ以降の経済政策を

悉く誤った

問題の全容を見なければ

所期の成果など到底得られない

誰にでもすぐ分かることである


5%への消費増税が始まったのは

その頃のことだった

問題が見えていないとき

不毛な展開が

こうして産み落とされることになる


デフレ経済を導いた

その濫觴を辿ってゆくと

アメリカによる

金本位制からの一方的離脱

の年へと辿りつく


世界経済は

ドルショック以降

信用経済を成り立たせて

資本の論理から上限を取り除いたのだったが

インフレ経済の膨張圧力を高め

成長の行き詰りを却って速める

という皮肉な経過を自ら引き寄せ

デフレ経済へとその後突入する

契機となるよう機能した


マクロ経済の定点観測者にとっては

自明のことであったとしても

ミクロ経済のエコノミストすべてにとっては

姿かたちのまったく見えない

難問中の難問だったようである

バブル経済の発生機序と

崩壊過程を正しく説明できる人は

いまでも数少ない


経済認識能力の不在

というこの現状を引き寄せたのは

学力重視の高等教育に他ならない

知識の意味を教える時間を省いて

知識の量的拡大にのみ特化した

事象の変化を知ることはできても

それを生み出した経緯へと遡り

対応するための方法を割り出す

ということは

できない

つまり

有効解など得られる訳がない

という破滅的状況へと

陥っていた


表層的で安直な理解

の上で実施されてきた

これまでの経済政策の一切は

必然的に

失敗する定めにあった


これがアベノミクスでも

遠からず失敗が確定する

としてきたその唯一の理由


学力頼みの高等教育が

盲いたる知識人の再生産

に寄与し

止まらない温暖化と

それが生む有効需要の喪失

という連綿たる

これまでの一連の不毛な経過が

経済成長をマイナス方向へと

強い力で引き込んでいる


企業のトップがコンプライアンスに欠け

多方面で謝罪会見を行っている

近来よく見られるようになった

愚かなるその姿のありさまは

いうまでもなく

教育の場

に於ける質の劣化が

その起源


沈降する螺旋形のメカニズム

を成り立たせている

背後の事情を知る者は

決して少なくない

だが

システムを変えるためには

尚相当の時間が必要だ
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亡 国 教 育

2016-04-17 08:02:26 | Weblog
バブル経済が破裂した当時

その事象が持つ固有の変化

の意味を

この国の指導者たちは

まったく

理解することができずにいた


当事者のすべてが

判断を停止する

という状態へと一斉に陥ってしまい

状況を把握するための調査すら

何一つできなくなっていた

この無為に過ごしていた浅はかな時間

というものが

現在の日本経済にみられる

困窮状態へと

繋がった


この時代のことを

不作為の三年と当時から

そう呼んでいた

その後失われた十年が

倍の二十年へと長期化する経過をとり

デフレ経済が

世界に先駆けて

この日本で発生する端緒となった


デフレスパイラルから決別する

という名目で

アベノミクスが導入されたのだったが

それは

経済成長率を押し下げただけだった


円安効果で輸入物価は上昇したものの

円に付随する購買力平価は

その価値を

50%低下させることとなり

一ドル80円以下にまで上がっていた円の通貨価値は

半減して

たちまち120円以上へと低下した

国民の可処分所得は

円安ドル高となったその効果で減る一方

となり

GDP成長率を却って引き下げる

という意図とは逆の効果を

日本経済へと齎した


アベノミクスは

今年

四年目を迎えたものの

インフレ目標として設定した2%の水準には

なお届かない

という低回状態から

相変わらず抜け出せない

通貨価値の下落を意味する

インフレを

政策で目指すようになった

この時代のことを

これからは

錯誤の三年

と呼ぶべきだ

物価を引き上げることだけが

インフレだと信じ込んでいる

その姿は無様で且つ

滑稽


指導体制が判断を誤り

消費税率を3%増やして

合計で8%へと

課税強化を行った

ということが経済政策を失敗

へと導いた

単にそれだけのこと


増税が経済成長を阻むことは

夙に

ケインズ効果として知られていた

財務省は我欲に囚われたまま

内閣に横車を押し続けさせようとして

日銀総裁の首を

挿げ替えさせた

マネタリーベースは

三倍以上の水準へと

その後の二年間で急速に膨張したが

国内総生産は

インフレ目標に届くどころか

一貫してそれを下回り続ける

という現況へと陥った


政権が経済政策を誤ったことは

この三年間で

既に否定できないものとなっている

量的緩和が無効であり続け

マイナス金利を更に導入しても

その成果ははかばかしくなく

相変わらず

所期の目標からは

遠ざかり続けていた


1990年四月に破裂した

日本のバブル経済は

直後の三年間を通じて

指導者に

起きている現実の変化の意味を

悟らせなかった


無益なだけの何もできないでいる

待機時間に厚みだけを与え

経済を再生する機会を

おしなべて

失っていた

そんな時代があったのだ


高い学力を誇るこの国の指導者たちは

思考力を失っていることに

その段階でさえ一向に気づかず

有効解がどこにあるのか

を探索するための

どこにも実在しない教科書を

探し求めて彷徨いつづけ

初動対策を講じるための貴重な時間を

無為に空費することで

やり過ごすことしか

できなくなっていた


バブル崩壊後の日本経済を

立て直そうとして

判断を急ぎ

300兆円規模の公共投資を行ったのだが

失われた十年を

倍にすることしかできなかったのである

この時の判断の誤りが

その後のデフレ経済を

日本へと導いた


この余りにも愚かな経過は

現状で

誰からも未だ総括されておらず

この時の当事者すべてが

己の責任を

まったく理解していないまま

経済政策を誤り続ける

その動力源となっている


学力重視の教育は

未体験の変化に対して

極めて脆い人材

の再生産

を連綿として続けながら

一向にフィードバックのかからない

欠陥を有したままの旧来のシステム

を一貫して保守し続けている


その結果の一つが

デフレ経済であったのだったが

判断を誤った自覚のない指導者たちは

アベノミクスでも

再び新たなる誤ちを

性懲りもなく繰り返し

そこから抜けだすことが

いま以て

できなくなっている


これこそが

フィードバックのかからないシステム一般が

陥る共通の事態

問題認識能力の不在は

有効解を特定することを

困難にすることができるのみ

国の一方的劣化は

まさしくその結果


問題の本質というものは

かくも単純なことがら

から作られる

学力の強化は知識の量的拡大に寄与したが

その使い方を学ぶ機会を逆に奪い

思考力とそれが生む応用能力のない

頭でっかちの指導者を

相変わらず大量生産する循環

を成り立たせてきた

民間企業では経営トップの不始末が

社会問題化する事態まで

数多く生みだすほど

高等教育を前提とした戦後の社会システムは

批判精神を育むことなく

薀蓄を大量に死蔵するだけの

教育投資で

無効な需要を

ひたすら積み上げてきた


量的緩和とマイナス金利の導入は

いずれもインフレ政策には該当せず

デフレ促進政策であることから

一歩も出られなくなっている


教育投資ばかりではなく

環境投資でもまた失敗を繰り返し

実効を伴わない温暖化防止対策で

無駄な需要に対する巨額の投資を国に行わせ

有効需要を生むはずの経済政策で

失敗を延々と引きずっていながら

損失の規模を



毎年高めつづけるようになっている


環境投資が有効な措置であったのなら

温暖化は止まっていなければならず

国民が負担するエネルギーコストの上昇分は

所得に還元されるべき給付金

または減税措置

へと間違いなく繋がっていた


有効需要の創出に

歴代の内閣が

失敗し続けてきた

ということが

この国にデフレ経済を連れてきた


環境投資が有効需要へと結びついていたのが事実なら

世界中から莫大な投資が

この日本へと押し寄せていたことだろう


それで円高になったとしても

有効な投資であるのなら

環境対策で新市場を形成することは

容易にできた


京都議定書を批准成立させていながらも

その効果を検証した

とする事実はどこにもない


名目値を積み重ねただけの

一方的な数字で作られた報告

を文明が鵜呑みにする

という経過だけが

こうして世界へと残された


過去の環境対策で

電力業界が行っている

化石燃料の輸入量削減

に寄与したとするデータは

皆無

二酸化炭素の排出源

からの直接的なデータでなければ

実効値とは判定できない


有効需要の喪失は

損失の増加にひとしい

無駄な投資が

再投資を呼び込むことなど

絶対にあり得ない


世界中の政府と指導者は

有効需要の創出に

悉く失敗した

これが

無駄な投資の累積を生み

国際経済から成長力を奪い

財政危機を経て国家破綻へと至る

負の螺旋を描かせている


世界規模に達したデフレ経済の蔓延は

認識能力の欠如

がその母体となっている

学力重視の高等教育への偏りが

国民から思考力を奪い

健全な判断をする

その邪魔を

自らの手で行わせている


盲いたる指導者は

善と信じて

国を亡ぼす
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貧 困 過 程 ②

2016-04-10 09:34:27 | Weblog
エネルギー資源を決済するための

共通通貨

それが

アメリカのドル


エネルギー消費国に分類される

地下資源を輸入に頼るすべての国



自国でしか通用しない

ローカル通貨を売って

世界中どこでも使える

高い機能を備えた便利なドルを

買うことによってのみ

経済成長を維持するための

エネルギー資源を輸入することが

晴れて許される


産油国が応諾すれば話は別だが

それがあれば何でも買える

便利な通貨

となっているドルの利便性の高さ

というものが

石油消費国に

大量のドルを

終始一貫して

買わせ続ける制度を

これまで成り立たせてきた


ドルを買うためには

自国通貨を

為替市場で

ドルの供給者

である国際金融資本に

相場に基いて

売り渡す必要があった


ドルを買った国は

自国通貨の価値を引き下げながら

同時に

ドルの通貨価値を

ひたすら押し上げる

という経過を積み上げてきた


経済成長の速度が上がり

ドルの需要もそれに連動して

おなじ比率で高められてきた


ドルの供給をアメリカが怠れば

ドル高外貨安となって

アメリカの貿易産業は

輸出部門でたちまち不利となる

この状況を避けるためには

ドルの大量供給が必要だった


行き過ぎたドル高を調整する目的で

1985年秋に

プラザ合意を成立させ

G5の加盟国は

手持ちのドルを一斉に売る

協調介入を実行したのだったが

反対に買われる立場となったのが

日本の円だった


円の通貨価値は対ドルで

当時300円前後の水準を

保っていたことから

切り上げ余地が十分にある

と見做されていた


資本の流れは金利差の幅

が広がっているときほど

その強さの勢いを増す

水流が急斜面では速度を増すように

また

低気圧が発達して

高気圧から吹き降ろす風の力を増すように

或は

電位差が示す如く

ゼロの電位である接地点へと

電流を導くことによって

電源の起電力を最大化する効果

が引き出されているように

物理的条件を変化させることによって

あらゆる流動性に対して

強い圧力となって作用する


要するに

水と風と電気などの流体

に通有する特性

と全く同じ要素が齎す影響に

資本もまた

同様に支配されてきた


経済を論証するには

経済学の言語は確かに便利なのだが

生きている経済を判断するためには

力学の言語を用いる方が

より正確な認識を引き出せる


これが経済学者に

様々な判断の過ちを犯させてきた

たった一つのその理由

経済学者は国の経済政策を

悉く誤る

という通説があるほどだ

アベノミクスの失敗は

そこに付け加えられた

なによりの新証拠


グローバル経済

という統一された共通市場に於いては

ドルのもつ避けがたい属性となった

過剰流動性が富の源泉であると同時に

それを生み出すための貧困の拡大

を同時並行状態で

急がせてきた


全体で100となる系に於いては

富の増加は

貧困の拡大

を前提として成り立つのである


1%が独占するようになった富は

99%の生活を圧迫することで

産み落とされたものに他ならぬ

エネルギーは不滅だが

エントロピー増大の法則の支配をうける

資本は量的に増やせても

その質は絶えず劣化せざるを得ないのだ

永遠の繁栄は

現状の枠組みでは

従って絵空事


資本効率を高める行為が

貧困を加速する傾斜を

自ら強めてきた

絶滅種の誕生は

投資目的の乱獲を経て

欲望を募らせていったその果てに

犠牲となることを強いられた

多くのイノチ

の存在を指し示す


人口の増加が

水と食糧にまつわる危機を引き寄せ

環境を劣悪化させ

人類の生存率を

地球環境の変化が

自らの手で

引き下げる


温暖化は地下資源の大量消費が生み出し

経済成長を急ぐようになった文明が



と信じて

石油の輸入と消費を増加させ

決済通貨となっている

ドルの需要水準をひたすら高め

ドルに強い供給圧力をかけてきた


地下資源を輸入するために

大量のドルを買った国では

輸入代金の決済を行うために

自国通貨を国際金融資本へと売り渡すことにより

その国でしか使えないローカル通貨で

再投資を行う経過を容認してきた

だが

ドルを出自とする外国資本によって

ローカル市場が生み出した利益のすべて

を本国である北米大陸へと持ち去らせることとなり

結果としてカネの回らない市場が

石油消費国へと残されただけだった


外国資本が先導してきた投資効果で

当該国の産業は一時的に賦活されはしたものの

国民が得るべき筈の富の多くを

ドルを供給した国際金融資本に

利益として献上する義務

を背負う身分となることを

誰ひとり

真相のもつ意味を知らずに

漫然と過ごしていた


ローカル市場で得た利益を

外国資本は四半期単位で

元のドルへと戻すことにより

投資成績を確定させた後

新たなるドルの需要が生まれる度毎に

ローカル通貨と交換を繰り返し行い

地下資源だけでなく

その他多くの

ドルでしか買えない輸入品の調達

を「無批判に」行うことが

よき文明の姿である

とそのように思い込ませてきた


こうして世界市場には

アメリカのローカル通貨でしかなかったドルが

余すところなく生き渡ることとなり

代わりに汎用性のまったくない自国通貨が

海外資本に投資機会を与える

という因果を生み出した


このようにしてすべての石油消費国は

ドルの供給者である国際金融資本が

当該国の市場で獲得した富の総て

をドルに戻して

持ち去らせるがまま

眺めていることしか

できないように仕向けるビジネス

を公認し続けることしかできない

身分へと陥っていったのだった


ドルを買った国は

このように

おしなべて

貧しくなる運命へと陥るのだ


世界中の市場には

ドルが余すところなく浸透し

過剰流動性を必要以上に身に着けたドルが

世界中でドル余り現象を生み出した


このパターンを与えたきっかけが

プラザ合意を起点とする

ドル売りの協調介入であり

それが日本市場で引き起こした

所謂不動産市場を中心とする

膨張する一方の

バブル経済というものだった


その後アジア通貨危機を経て

過剰流動性は中国大陸へと向かい

共産党政府が統治する中国を

三年足らずの短い期間で

日本を抜いて

世界第二位の経済大国へと押し上げた


この中国を急成長させた資本の大量流入が

世界規模のデフレ化を引き起こすこととなり

国際経済の成長を自ら強く押し下げる

負の要因

として作用する時代となった


アメリカのドルが

巡り巡って地球規模の異変の原因となり

決済通貨として機能してきた過去が

過剰流動性を膨張させ

世界市場でドル余り現象を生み

2008年のリーマンショックへと繋がった

信用で成り立っていた国際経済を収縮させ

グローバル化していた世界市場に

いまや

それが

一方ならぬ

強いデフレ圧力をかけるようになっている


温暖化現象とデフレ現象とは

条件の人為的変更が生み出した

同根の出来事


問題が一つ解決すれば

残された別の一つも

たぶん

かたづく


地下資源を用いないエネルギー大系

の登場は

不具合を引き起こしている

原因の多くを

消し去る


究極のパラダイムシフトとは

そのようなもの
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官 制 損 失

2016-04-03 04:48:32 | Weblog
国の劣化は政治が起源

国会に

問題を

正しく

認識する能力が

残されていたのであれば

国の借金が

1050兆円以上の水準へと

四半世紀以内に

到達してしまう

などということは

到底考えられない

ことなのだ


問題の本質は

偏に

国会の成員

すべて

がもつ思考力の

一律な不在

にある


国民がこれほど膨大な規模へと達するまで

債務の増加を放任した

ということはできない

それは選良の責に属すること

であり

国民には何の責任もないことであるからだ


国家予算を決定する機関

である国会が

判断を誤らなければ

国の繁栄は

失われることなく

その期間を通じて

着実に維持されていた


税収が頓に低下した

とする事実は存在せず

国民の担税能力にも

衰えはみられない


納税義務の回避を試みた経営者はいても

恒産が失われた

とする事実もまた

存在しない


国家の運営に決定権をもつ

国会の当事者である選良

と形容される一同が

打ち揃って

国民に苦難の日々を

一貫して強いてきた

その背後に蟠踞しているのは

いうまでもなく

巨大化した官僚システム


歳出に欠陥があることを知っていながら

それを

税収不足

即ち

歳入欠陥だと

言い張ってきた


この政府による説明が事実なら

課税強化をする前に

歳出削減を実施するのが

妥当であろう


経世済民の要諦は

出るを制すること

そのものの内にある


この国には

まっとうな判断能力を備えた選良が

相変わらず

ながく

不在のままなのだ


これが国民に背く結果を導き

国の劣化となって顕在化した

ヒトはそれを

デフレ経済と呼ぶ


インフレ型の経済成長を

国際社会が失ってから

既に久しい

総ての政党は固有の課題を抱え込み

すべての議員は

未解決の課題に

見て見ぬふり

を続けて善し

とするのを文化だと心得る


止まらない温暖化を承知していながら

実効のまったくない諸対策に

巨額の血税を

惜しげもなく昂然と投入し続け

有効需要が成り立っていないにも関わらず

当該分野の予算を

増やし続けて満ち足りている

実に不思議なありさま



この国では予てから

国民生活を圧迫する主因

となって経済を鬱屈

させ続けていた


温暖化を止める積もりで

省エネ節電を国民に励行させ

却って

温室効果ガスの濃度を

高める

という結果を

反省することなく

一貫して導いている

考える力がありさえすれば

問題の本質は自明であった


交流の長距離高圧送電

いう方式で

国家のインフラが成り立っている以上

いつ増えるか予測できない電力需要の増大に

電力生産を対応させておく目的で

恒常的な発電義務

を業界は四六時中課されている

いついかなる時にでも

電力供給を維持することが

安定的に

できていなければならない

という宿命を

電力業界は負わされている

供給電力が足りなければ

安定した電圧を維持することは

固より不可能


電力会社による発電出力の制御は

交流送電の場合

本質的に

できない

交流電流には

周波数という絶対的な成分

が付随していることから

出力変動を許容する能力

そのものが

ない


乱れた周波数をもつ交流電流は

エネルギーとしての価値はゼロ

取り出すことができない電流であったのでは

生産すればするほど

無駄が積み重なる

というだけのこと


こんなことさえ

分からないでいる国会は

発電で消費した地下資源を

消費者が電気を消していた

その時間の分だけ

減らした

と見做すという法律を捏ね上げた


物理法則に反するこの法律は

温暖化防止に関する法律と呼ばれ

法としての与件を

最初から失っていた


節電していた時間に対応する化石燃料が

確かに

二酸化炭素の発生を

減らしていた

とする数字による証拠(データ)は

ない


電力会社は省エネ関連のデータを

これまで一度も

公開してこなかった

自然エネルギーを買い取ったその分だけ

地下資源がセーブされた

とする数値による実際の記録は

皆無

再販売で得た利益の所在は

不明のまま棚上げされている


再生エネルギーの買い取り制度が

本当に有効な措置であったのなら

買い取り枠に上限を設けていること

それ自体が理由のない

不遜な行為


実効不在の対策を実施するために

虚偽の法律まで拵えてしまうほど

この国は

腐りきってしまったようである


国民の信託に胡坐をかいて

間違った判断を

下し続けている国会であったからこそ

バブル経済を自らの

無知による無謀な行為

で潰してしまったことにさえ気づかず

不作為の三年と

それに続く失われた二十年を生み出し

日本経済に壮大な負圧を与え続けている


不動産融資に対する総量規制以外の

方法をバブル対策として採用していたのであれば

デフレ経済へと陥ることなく

経済事案を軟着陸させることは

十分可能なことだった


明瞭な事実関係

を成り立たせているものの正体が

指導者たちには

まったく見えなくなっていたのである

認識能力の不在こそが

国のこの困った現状の生みの親


体験したことのないデフレに

知識階級がおしなべて無知だった

ということも

この事実を知れば

容易に察しがつくだろう


思考力を失った者は

判断能力も同時に手放す

実行力があっても

間違った決断を

実行するために使ったのだったら

所期の成果は

当然のことととして

何一つ

得られない


アベノミクスはその延長線上に生み落とされた

鳥の糞

の如き穢れた付着物(コンタミ)

汚れを撒き散らすだけの

粗末で汚らわしい判断の過ち

による失敗の連鎖

でしかなかった

ということが

新会計年度の初日に

早々と確定する運びとなった


日銀が最初に行った異次元緩和で

通貨供給量(マネタリーベース)は

二年で二倍以上へと急増した

市中に流動性が浸透していったのが事実なら

経済は

活況を呈するほどの勢いで

多方面から

大いに

刺激されていなければならなかった


長期金利はというと

低下し続ける経過を辿り

株価は緩和マネーによる底上げ効果で

根拠不明の高値圏へと達したのだったが

やがて反転して

値を下げた

この損失がマネーゲームの覇者

が誰だったのかを規定すると同時に

国富が大量に失われた

とする事実を確定させた

評価損の規模を知れば

誘導された株価の持つ意味は

あきらか


公的機関が資本投入して成り立たせてきた

誘導された官制相場などというものは

有害無益

中国の株式市場が

相場操縦の失敗を確定させ

それが国際経済に対する

強い負の圧力をかける最大の原因となった

事実を忘れ去ってはならない


失敗に終わった

あまたある政策の屍の上に

新しい骸を積むための

むなしい作業が

これから先にもたぶん

待っている


国会の不明は国民の不明

国民の不明は教育の失敗

を意味する


教育の在り方を点検すれば

判断の誤りを生んだその理由と

思考力の不在が生んだその結果とが

同時に関連付けられて

いた筈だ


思考力は知識の量では計れない

得た知識が持つ意味の一つひとつを

理解して

他に応用するための

適切な指導が

いまこそ

切実に

求められている


政治資質に課題を残す人材を

国民が放置してきた

という一連の不正な過去が

莫大な規模に達した借金の山

となって

当事者である国民すべてに

残された

自業自得とは

まさしく

このようなことを言う


誤った判断が生んだ安直な消費税制を

維持拡大することほど

愚かな行為は他にない


小さな政府への切り替えを急げは

少ない予算で

国家の再生と運営とが

すぐにでも可能


守るべきではない問題のある制度を

これからも保守

しようと努め続けることほど

愚かで浅はかな

道はない


指導的立場にある

優れた制度を有する

民主政治を先行させてきた国家から

政治制度と教育制度とを

無批判に

取り入れさせたことにより

この国はいまや過度に追い詰められていき

大いに劣化することとなったのである


必然性のない枠組みの導入は

国民を却って

不幸の淵へと突き落とす


問題をモンダイとして認識する

ことがこれから先も

できないままであるのなら

世界は日本が着けた轍の溝から

いつになっても抜け出せまい


経済のデフレ化という一方的傾斜は

そもそも

日本がその震源となって

先鞭をつけたもの


日本が止まらない温暖化を導いたその訳を

世界に知らせるということこそが

この国に指導的立場を

改めて連れてくる
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