こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

深 層 心 理

2009-07-26 09:58:11 | Weblog
アメリカが日本を

戦後からこれまでの六十数年間

一貫して 

もののみごとに

うまく手懐けていたというのは

敵という名で呼ばれるどこかの国から

突然攻撃を受けることがある

と日本人を信じ込ませておくことに成功していたからだった


敗戦によって日本が与えられた民主主義と平和憲法は

前者が

アメリカに尽くすための政治家を育成する制度へと発展していったのに対し

後者は

アメリカの防衛予算を日本が肩代わりできるようにするための

柔軟な解釈を許すようなものへと変質を遂げていった

その結果として

この国は

アメリカの核の傘が絶対的に必要だ

と勝手に思い込むような世代が増殖し

根拠のない不安に

自ずから怯えるようになっていったのだった

アメリカに尽くす政治を専一に行ってきた所謂55年体制は

次の選挙で

崩壊する

しかし

同根の出自であるということから

新政権がもっている体質も

その本質において

何ら変わりがあるということでもないのだ


問題の本質をどれだけ承知しているのか 

ということが

国の将来を決定する重要なカギとなる


日本がもつべきあたらしいスキームを

次代を担うことになる

あたらしい政権政党は

これから 急いで築きあげていかなければならない

国民は すでに

永く疲弊した状態にある

この機会を有効に生かすことができれば

国の劣化は減速状態へと速やかに遷移するだろう


アメリカの歴史をみると 

それは 侵略者の歴史そのものであった

インディアンと呼ばれるネイティブアメリカンたちは

どのような部族であろうとも

敵という概念そのものをもっていなかった

どこから来たのかさえ分からない

白い肌をした突然の来訪者を

すべての種族が警戒せずに信じ込み

疑うということをまったくしなかった


その隙に乗じた 

のちにアメリカ人と呼ばれるようになった人たちが

侵略と暴行を繰り返し

多くの生命が短期間で奪われたり

望まない結婚を強いられたりしたのだった

その末裔は

少数民族として保護されるようになっているのだが

失われたものの存在を否定することは

できない


そんな不幸な記録が

アメリカの歴史には

あまた残されている


すべてのアメリカ人は

侵略されるということのもつ

その恐ろしさの意味を

侵略する側の視点から

建国以来

具体的に学んできた

西部劇によくでてくるインディアンの襲来とは

侵略された者が

侵略した側に報いるために行った

報復劇というものであったのだが

映画では

もののみごとに

勧善懲悪もののストーリーへとすり替えられてしまっていた


侵略する側であったアメリカは

新たなる未知の侵略者からの襲撃を

とりわけ 忌み嫌う

それは

被侵略者が受けることになる 

この上ない不幸を

逆の立場で体験してきたという

過去の暗い記憶を意識の底にもっていたからであった


インベーダーものの映画がアメリカで殊更流行るのは

侵略を図った異星人たちを撃退するという結末で

それが終わっているストーリーになっていたからなのだ


アメリカが防衛力の増強に必要以上に熱心であったのは

侵略される身分へと落ちることを恐怖する深層心理が

やらせていることである

その証拠が

銃規制をしなければならないことを知りつつも

それを法案とすることを避け続けてきた

というこれまでの経過に明らかだ

侵略者になったときから

誰か分からない敵からの攻撃に備えなければならなくなる

過去に一度でも侵略行為を行った国では

防衛能力を引き下げることに

きわめて強く反対するようになっていかざるを得ないのだ


防衛力の強化について国民の支持を得るためには

具体的な敵が身近にいた方が説得し易い

敵からの攻撃を先に受けておけば

アメリカ人一般の心性は

一致団結して

積極的に敵からの防衛と

報復とに

全精力を付きこんで惜しまない


日本海軍が行った真珠湾への先制攻撃は

アメリカの誘導に乗せられた日本が

アメリカが既にプログラムしていた勝利のためのプロセスを

日本が独自の判断で実行する

という役割を果たすこととなったのである


それと同じ経過がセプテンバーイレブンでもみられた

大量の米軍を中東へ派遣しておくための予算は

原油相場を恒常的に引き上げることで得られた

原油高を極めた末に暴落させたその事実をみるがよい


ドルの発行権を最大化したブッシュ政権は

ドルを市場で大量に余らせたことによって

ドル経済圏そのものに淘汰圧を与えてしまったのである

ドルの通貨供給量は

イラク戦争が始まってから一度も公表された事実が

ない

その状態は今もなお続いている


マクロ経済の研究者たちがこの点に言及していれば

金融危機を事前に回避することはできていたかもしれない

問題のもつその意味を知れば

有効な対策を導くことは容易なのだ


疑うべきは権威なのであって

それが生み出した制度などではなかった

運用する側の理念が偏ったものであれば

その結末は悲惨なものとなる

貧困化と温暖化とは

その途中経過を訴えていた警告だったのである


資源を消費しない未来のエネルギーシステムは

ドル以外の通貨で決済するべきだ

ドル経済圏はアメリカへの富の一極集中を齎し

軍備を拡大するベクトルをより強める

拡大を続けようとする核保有国の実態から

その原因となったものの正体を

早く突き止めておかなければならない

用意されている有効解がもしあるとするならば

それは

おそらく

とても単純なものになるだろう 
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自 業 自 得 ②

2009-07-18 16:47:32 | Weblog
最大の防衛能力を身につけるためには

世界中が

等しく必要とするものの供給権を

逸早くもてば よい


アメリカは戦後

それに成功した国であった

原油を必要とする国は

アメリカの通貨であるドルで決済しなければならない

世界中から掻き集めた富の使い方を

歴代の米政府は誤り続けてきたのだった

そのために

核の拡散を伴う軍事予算の増加(軍拡)と

テロによる破壊活動とを

結果として

同時に生み出す時代を引き寄せたのだ


石油資源を必要とする国では

自国通貨を売って

ドルを為替市場で調達しなければならない

この事情が石油・ドル本位制というものを成り立たせている

ドルを得るために売り渡したその国の通貨は

ドル資本の手によって

当該国の市場で生み出された収益と

もともとそこにあった固有の資産とを

ドルを持つ者の手へと

引き渡すためのビジネスとして使用される


ドルを買った国が等しく貧しくなっていったというのは

必然の帰結であった


中国市場では その経済成長が衰えたときから

13億人以上で成り立っていた消費市場も停滞する

バブル期の日本経済が強い螺旋状の経済成長を遂げていた間

ドル資本は

日本市場へ再投資するという循環作業を果てしなく繰り返していた

ドル資本がやってきていながらも

日本が貧困化していなかったのは

収益の本国への還流がおきずに

日本市場への再投資がおきていたからであった

バブルが潰れた後になってからは

失われた十年を経て

日本の景気は

いざなぎ越えを記録したほど長期間に及んでいたのだったが

国民にその実感は

まったく なかったという事実を思い出すがよい


外資が日本市場で獲得した収益を

すべて持ち去っていったからであった

ドルを調達する金利よりその国の経済成長率が低いとき

当該国の通貨は周期性を帯びた乱高下を繰り返し

株式市場でも予測不能な資本の流出がおきるようになる

このようにして

国外からやってきた流動性は

ローカル市場から逃げ出すのだ

利益を確定したそのあとで

余ったドルを用いたドル安政策で

資本の再流入がおきると

外貨の価値が高められ

資本の回収をより有利に進めることができるようになる


日本の国内市場でカネが回らなくなったというのは

資本の流出を止められなかった政府の無思慮が原因となっておきたこと

労働階級がそのシワ寄せを真っ先に受け

賃金の増加ではなく

その反対である収入の減少を

こぞって甘受せざるを得ないような展開へと陥ってしまった


外資導入を政策として掲げ

実行してきた当時の政府内閣が

日本にワーキングプアを誕生させ

国際金融資本の収益率を昨夏最大化したのだったが

その同じ年の秋には

もう

当のその国際金融組織が

呆気なく破綻してしまったのだった


その後 国際経済は

百年に一度という未曽有の不況へと突入することとなったのである

ドル資産を大量に抱え込んでいた国のうち

経済的に余力の残されていた国が集まって

G20と呼ばれる対策を討議するための会議を開いたのだったが

ドルの過剰流動性を点検せずに

資本の供出だけを参加国に行わせるよう仕向けたアメリカの意向に沿って

資本の増強だけが実施されることとなったのだ


急場を乗り切ろうと謀ったアメリカの意向を知らないすべての参加国は

国際経済の牽引役になるチャンスとこの危機を捉え

率先して資本の供出に応じたのである


国際経済は

ドル安政策の実行を是としたのだったが

産油国がもつドル資産が大きく目減りしてしまったことから

米政府はドル安政策を実施していなかがらも

その一方で

強いドルを望む

というステートメントを発表し続けるようになったのである

見え透いたリップサービスを真に受けなければならないほど

ドル経済圏を構成していた国々は

目減りする一方のドル資産を抱えて

それを処分することもできないという状況に喘いでいる


米国債を保有するという行為は

外貨準備高を増やすという意味をもつ

このため

国際市場で信用力が高まるのだ

だが

ドル安政策の実施でその通貨価値は

目減りする一方となる展開をたどることになる


帳簿上ではドル建ての価値に換算されているので

損失がでていてもそれは数値として確定したものではなく

国民の知るところとはならない

日本の場合

一ドルが360円だった時代に政府日銀が買った米国債は

いまでは90円の値打ちしかなくなっている

270円に相当する価値がドル安政策の結果

アメリカの債務残高から消え去ったということなのである

たとえ利息がついていたとしても

それが売ることができない処分不能の不良資産であるのなら

それは債権保有国にとって

何の意味ももたない


円高状態のときに

ドル資産を円転しようとするのなら

為替差損を同時に引き受けなければならない

その反対であるドル高円安の状態になっている場合にだけ

在外資産を取り戻すことができるのである

資本の流出がおきて困る米政府は

ドルが強くあるべきだと口では言いはするものの

実際には

ドル安政策をこれからも延々と続けていかなければならない立場なのだ


発行し過ぎて市場でダブつくようになったドルは

どこかの貿易黒字国に押し付けてしまうのが 手っとり早い

余ったドルでその国の通貨を買えば

それだけでドル安の状態が簡単に導ける

ドルを売って手に入れたその国のローカル通貨は

国に固有の資産であるところの不動産や農産物

加工品などのビジネスを一時的に活発化するのだが

その国の市場が生み出した収益の悉くが

ドルを提供した者の元へ向かって出てゆくのである

配当を実施する義務を

ドル資本は負っている

これが貧困を生みだしていたメカニズムの正体だったのだ


日本という国では

困ったことに

政府自らが外資を呼び入れ

国内市場を提供しただけでなく

円高となる状況を輸出産業に受け容れるよう強制していたのだった

この外資導入政策によって日本の輸出産業が蒙った損害は

計り知れないものがある

この損害を埋め戻す目的で

財務省と日銀は

為替市場へと率先して介入し

高くなった円を売って

ドルを買い

元の水準へと円の通貨価値を引き下げていたのである

この操作を繰り返した結果として

外貨準備高がどんどん高くなっていったということなのだ

無策以外のなにものでもないだろう


アメリカに従順な政府をもつと

国の産業と労働環境が同時に衰えるだけでなく

出生率までが下がっていくのだ

人口の減少は年金制度を根底から揺るがし

政府の税収全体を大きく引き下げるものとなる

こんなことを与党がこぞってやっていたのだったから

国が繁栄する道理はなかった

このことは 特定の政党だけの責任だけではない

問題点を指摘してこなかったすべての野党にも

同等の責任がある話なのだ

政権が交代したところで

これまでの政策を継続していこうとするのなら

国民の不幸はこれからも更に続く

国内経済はドル資本の跳梁を許し
 
市場を提供してその収益を持ち去るがままに放置した

その結果市場にカネが回らないようになり

低いとはいえ

経済成長が続いていた間を通じで

国民のすべてはその余沢を些かも受けることなく

衰弱を繰り返すのみの循環へと陥っていったのである


国の劣化は

紛れもなく

為政者が政策判断を誤ったことから引き起こしたものなのだ

日本が失った富で

アメリカの金融制度は急成長したのだったが

制御不能の状態へと自ら陥ってしまったのである

その過程で株高と原油高が同時進行するようになり

世界中がインフレの昂進に苦しむようになっていったである


資本の論理を極めたその果てに待っていたのは

金融システムそのものの自己崩壊という実に愚かな結末であった

これを先人たちは 自業自得と呼んで蔑んできた 
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自 縄 自 縛

2009-07-11 08:22:58 | Weblog
流動性の罠について

ここで 改めてその実態を眺めておいた方がよさそうだ

真相を正しく知ることができれば 有効な対策を誰もが引き出せる

結果からその原因を探ろうとすることは

問題の所在を知るための最初の 一歩


ドル資本と呼ばれるグループのやっていることは

米政府とFRBがマネーサプライを公開できないほどまでに

過剰発行したドルを

世界の市場から回収する機能と

それを再配分するための投資活動を行うことによって

ドル通貨に固有の価値を保ったまま

通貨の濫発に伴うインフレを回避しつつ

基軸通貨の新規発行を可能な状態にするための

民間企業による経済活動という体裁になっている


イラク戦争で必要となった膨大な戦費を

増税せずに調達しようとしたために

石油の価格を五年以上に亘って引き上げつづけ

その決済を行うための通貨であるドルの大量発行を促していた

そんな事実を 記録に見ることができる


ドルの発行権を最大化したその果てに待っていたのは 

百年に一度という世界同時不況であった

単独行動主義と言われながらイラク戦争から抜け出せなくなったために

大量の米軍を中東に派兵しておくための費用を捻出する必要に迫られたのだ

その調達手段として

制御可能な市場となっていた WTI へ資本を誘導することによって

原油相場を長期間高騰状態へと貼り付けさせていたのである


あらゆる地域でドルが余るという状況が生み出されたのだったが

それを回収する機関として ドル資本に積極的な投資活動を行わせ

ダブついたドルをアメリカ以外のローカル市場へと押しつけることによって

合法的とみえる投資活動を公然と行いながら

ドルに固有の属性となった過剰流動性を消し去っただけでなく

FRBにドルの新規発行を可能にするという状態をもたらして

ドルそのものが大量に余るという結果を生み出すこととなったのだった

大量のドルが このようにして

米国の株式市場だけでなく

住宅金融市場へも流れ込んでいったのである

サブプライムローンの失敗は 

過剰投資によるリターンの回収を急いだということにある


世界規模の金融危機は 

これまでの経過が示す事実にみるごとく

明らかな原因があって 必然的に生み出されてきたものなのだ

その背景に盤踞しているものが形となって見えてくると

それがファンダメンタルズの結果などではなく

ドル安政策に基づいた誘導の結果であったということが

誰の目にもすぐ解るようになるだろう


ドル通貨を特定の国へ過剰に供給するという行為を

ドル安政策という

ドル資本と呼ばれる一群が こぞって

市場でダブついているドルを速やかに回収し

経済成長著しい国の通貨とそれを交換してきた

富の偏在という現象を生み出したものは 基軸通貨の発行権に他ならない

この通貨交換を行うための市場が 為替相場 FX 

ドル以外の通貨交換は公平に行われており また平等ではあるのだが

基軸通貨であるドルについてだけは

決して公平でも

また平等でもない交換システムとなっている

この事実が先進各国に見えていなかったということが

アメリカにドルの濫発を許し 

世界同時不況の原因とさせたのだ

ドルを供給する側のすべてにとって 

まことに有利となる条件が

このようにして予め設定されていたということなのだ


対日本では 円高ドル安という状態が

ドル資本の都合で勝手に顕在化するような状態になっている

理由のわからない突然の円高が

連綿と続いているというこれまでの経過に学ぶべきであろう

仕掛けられた円高は 

ドル資本による集中的な投資活動の結果であった


その力に恃んだ投資行為が活発に行われるようになると

政府日銀は為替市場へと隠密裏に介入しなければならなくなる

円の価値を中央銀行自らが引き下げる という一連の経過が

87年以降頻繁に繰り返し観測されている


円を売って得たドルは

遊ばせておくわけにはいかない

そこで

最も安全で利回りの高いもので運用する

という枠組みが作られた

買ったドルの90%が

アメリカの公債になっている

残りはドル建ての金塊とドル預金という構成である

これら国がもっている在外資産を総称して

外貨準備高と呼ぶ


ドル資本がドルの過剰流動性を消すために

特定の国に対して投資活動を仕掛けると

ドルを買わざるを得なくなったその国の中央銀行は

米国債を保有するような仕儀へと陥るのである

これが ドル安政策が担っている主要な機能であった

その目的は 過剰流動性を消し去るということと

売りつけた米国債などの償還を先送りさせること


海外からやってきた資本が米国外へ流出しないようにした上で

その間にドルの通貨価値を下落させ

債務負担そのものを軽減させる という明確な目的が秘められている


そんな不合理極まりない通貨システムが

プラザ合意以降世界市場で成り立つようになっていたのだった

このシステムを機能せしめる全体プログラムのことを

ドル経済圏構想という

FTAとWTOとが それぞれの手段と目的になっている

この問題を改めるためには 第三通貨の創設が必要なのだ


ドル資本が人民元を大量に買うことによって

国際市場でダブついているドルを投資目的で処分する効果が得られる

中国政府と人民銀行では

大量に売りつけられたドルに対抗するために

急速に下がったドルの価値を

人民元の通貨価値を引き下げるという方法で

元の水準へと戻さなければならなくなっていたのだった


中国の外貨準備高は

この三年で日本のそれを急追し

昨年あっという間に追い抜いた

現在世界一の水準に達して尚伸び続けている

いまや

世界最大のドル資産を保有する債権国となった中国は

アメリカに対して

経済的に最大の優越性を保持する国となったのである


ドル資本が投資を集中させる所謂投機状態となっていながらも

中国の経済成長率は ドル資本の調達金利以上の水準を保っていた

ドル資本がやってきた国は確実に貧しくなるのだが

経済成長率が十分に高い状態にあるのなら

ドル資本は中国市場で得た利益を そこに再投資する

この場合 資本の流出はおきない

利益率が高い投資市場は 資本をそこに引きとめる力をもっている

ところが

経済成長率が低くなっている国で投資活動をした場合には

ローカル市場で獲得した資本を

そこに再投資することができない

金利差を埋めるだけの投資効果が見込めないケースでは

再投資は起きない

そこで

ローカル市場が生みだした収益の総てを

三か月以内に回収する

という行動が恒常化していくこととなったのである

ドル資本の決算が四半期ごとになっているからであった

外資を呼び込むと一時的に流動性が増加するにしても

それは永く滞留しない資本に過ぎない

海外からの投資が活発になって 流動性が潤沢になるのは事実だが

その国の経済成長率が

ドルの調達金利より高くなければ

国内市場で回るべき流動性はそれ以上増えようとはしない

却って市場全体を枯らしてしまうこととなる


日本の労働市場が短期間で急激に劣化してしまったのは

ドル資本による収益の本国への還流がおきても

国内に再投資するという行動がまったくおきなかったからだった

為替差を利用した資本の入れ替えだけがおきていたため

日本のマーケットは枯れてゆく運命へと陥らざるを得なかったのだ

未曾有の低金利状態が長期間続いていたのだから

この顛末は寧ろ当然のことであった


資本が資本を生む展開を生み出せなくなった市場は

確実に衰える

いざなぎ景気を超える経済成長を記録しておきながら

その実感が国民にまったくなかったというのは

利潤が再投資へではなく

ドル資本と総称される国際金融組織などの手によって

投資家への配当を実施するために悉く回収されていたからであった


日本という国の劣化は

経済実態の裏に潜むからくりを知らずにいたノー天気な為政者が

米政府の慫慂を容れて

外資導入を政策として国に実行させてしまったということにある

日本の金利は当時

世界最低の水準にあったが

ドルの公定歩合は当時 5%台に達していた

金利の高いドルを調達して

日本の土地や企業を買収していたのだったから

日本市場に再投資することは効率において劣っていたのである

これでは螺旋形の経済成長が

国内市場に再び生まれでるはずはなかった

その影響を最初に受けることとなったのが

日本を底辺で支えていた健全で温和な労働者たちだった

出生率の緩慢な低下と失業率の増加が続く状態とは

決して無関係ではない


政府が行った判断の誤りがもつその意味を知らなければ

現実に起きている事態のもつ意味を察することはできない

問題の所在を知れば

有効な対策はすぐに引き出せる

何が問題なのかということが見えてこないうちは

国全体が衰弱を続けていかなければならないのだ


ドル安政策は

世界中に売りつけたドル建ての債券価額を

相対的に引き下げるという絶大なる効果を生みだした

外貨の方が高くなっている限り

ドル建ての資産を処分することはどの国にもできない

損失がその時点で発生してしまうからである

ドル安政策で大量のドルを売りつけられた国は

売るに売れないドル資産の保有国となる以外に

残された道はない

自己の投資行為そのものが

在外資産の回収を阻むという拙い結果を生みだすのだ


自分で自分の体に巻きつけた縄は 

自らの努力で振りほどかなければならない

そのための努力を怠っていたということが 

健全な国民をいま 大いに苦しめている

国のありようを変えるきっかけは

国を成り立たせている国民全体の意志によって

粛々と 

だが

敢然とした行動をとることによってのみ

与えられる 
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揣 摩 臆 測

2009-07-04 08:38:29 | Weblog
集中的に降る雨の量 が

このところ

頓に

激しくなってきたようだ


地下街をかつて水没させたほどの降水量をもつ豪雨が

この季節になると 

毎年

きまったように九州地方にやってくる


温暖化が進んだ所為であるのなら

この時期に限らず

年間で均等に雨を降らせてもよいはずなのだが

現実はそうなっていない


集中豪雨を生み出しているものの正体は

いったい

なんだったのだのろうか


温暖化を引き起こしているその原因が

炭素系資源の燃焼にあることはよく知られている

ものの燃焼のことを 酸化という

炭素が燃えて酸化すると

二酸化炭素が二次的に生成する

その主な発生源は 燃焼炉と内燃機関


つまり


火力発電所の燃焼炉や焼却炉 

そして 自動車などのエンジンなどから

炭素系酸化物であるCO2が延々と吐き出されている


これまで温暖化が少しも止まらなかったというのは

発電所の稼働率が安定的に維持されていたこと と

自動車の販売台数の増加などに伴って

ガソリンなどの消費が世界規模で進んで行ったからだった


温暖化を止めるには
 
火力発電所を速やかに撤廃しなければならない

内燃機関を

より早く全廃しなければならない


電力と物流は

文明にとって欠かすことのできない要素

経済は 成長することを常に義務付けられている

エネルギー資源の消費なしに

経済の成長は不可能である

これが

二酸化炭素排出削減の目標設定を 

遠い未来にまで

先送りさせることとなった理由であった


燃焼による熱エネルギーを経ないで電力を取り出すものに

太陽電池がある

風力発電や水力発電などもそれに該当する

そして 

新しいところでは燃料電池


燃料電池の資源は 水素

都市ガスやプロパンガスなどから抽出する方法もあるが

加水分解というプロセスが必要なため

高温の 水を分解するための環境を

ガスの燃焼で賄っている

取り出してきた水素は

市販レベルにある固体高分子型燃料電池モデルなら

25%から30%の効率で電力へと変換されている


問題というのは ここなのだ

エネルギーとなることができなかった残りの70%の水素は

大気中の酸素分子と反応して

気体の水分子を形成するために使われる


このことは


電気エネルギーを取り出すのに

その三倍もの高い効率で

大気を湿潤化させるという意味を持つ

幸いなことに

燃料電池の普及は長期間低迷を続けている


ガス会社が昨年から売り込みに熱中しはじめているのだが

コストダウンのターゲットが見込めない中で

見切り発車してしまったため

高価格の製品を消費者に押し付けるという経過を辿ろうとしている


都市ガスは天然ガスから作られる

天然ガスは炭化水素に分類される資源である

炭素と水素の混合資源であるため

見方によっては

水素が含まれているその分だけ 

温室効果を生む炭素の割合は下がっている

これがエコだと思われているのだが

水素のもたらす湿潤化という弊害が 見落とされている

この事実は 

今のところ少しも考慮されていない

これが 文明の実情


炭素資源の燃焼による温室効果は

およそ250年かけて地球全体を温暖化させてきたのだったが

水素の酸化作用によって生じる気体の水分子は

きわめて短い期間で地表大気を大きく湿潤化させてしまうことだろう

水素を海水から取り出す場合なら

地球の持つ水の絶対量に変化はおきない

その他の水素化合物から水素を精製する方法をとるのなら

地球は緩慢に

だが 間違いなく 

水没する

湿潤化はその過程で生じる反応に過ぎない


温暖化対策で燃料電池へと電源を一斉に切り替える時代には

湿潤化による効果で

地表は一年中じめじめした環境となり

降水量は著しく増えていく


集中豪雨が年々その激しさを増すようになっているのは

炭化水素を燃やし続けてきたことが原因となって

ひきおこされたことではないだろうか

水素の酸化で生じる気体の水は

いつか どこか で 

雨となって落ちてくるものとなる


都市ガスを世界中で燃やし続けていると

気体の水がその分徐々に増えていく

日本の風上に位置する偏西風の源あたりで

天然ガスを長期大量に燃やしていると

はるか東海上にある島国に

大量の雨が降る

そんな関係が生まれつつあるのかも知れない


研究者の登場が待たれる 
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