こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

執 着 駅 裏

2011-03-27 07:51:53 | Weblog
原発推進派の罪は

放射線による被害を発生させた

そのことだけにあるのではない


有害性を百も承知の日本で

毒性の高い核エネルギーを

安易に導入してきたという当のそのことが

健全で低廉なエネルギーの開発を

阻んでいた

というその点にこそ

罪業の深さと

責任の重みとが

潜んでいる


化石燃料でもなく

また核資源でもない

理想的なエネルギーの登場を

遅らせていたのは

紛れもなく

交流送電をナリワイとする事業者たち



その監督官庁グループの仕業であるに他なならぬ


原子力を安全だとする神話を捏造し

核エネルギーの比率を

電源全体の30%以上へと高めてきた

その酬いが

電力業界を牽引する役割を果たしていた

東電が保有する一部の原発で現象化した

ということなのだ


原発推進派の議員たちは

すべて

有事に於いて

核物質を軍事転用することにしていた

その暗黙の抑止効果で

陰の安全保障政策が

或る程度成り立つだろうと思い込んでいた

日本には

まさしく

それに相応しい技術的なポテンシャルが

十分に備わっていたからだった


原子力発電を隠れ蓑にした防衛戦略が

電力会社に原発の導入を急がせたのだ

電力業界だけに罪をなすりつけようとするのは

背後にいて

決して表にでようとしない

原発推進を謀ってきた者どもの責任を

有耶無耶にする行為

地政学的な要請で

国民を被曝させてしまったのでは

本来の目的に背く結果となるばかり


問題の本質は

核武装することができる状態を

保ち続けることで

安全保障が成り立つ

と勝手に考えたがるその傾斜傾向にあるのだ

イランが国策でやっていることと同じ行為を

原発推進派を自任する人々が

陰に隠れてやっていた

北朝鮮の核実験では

アメリカを譲歩させた事実が

先年記録に残された


複合した思惑が

重層的に積み重なって

原発に対する不信の念を

余計に募らせるようになっていた


核などがなくても

国の安全を保障する手立ては ある

不健全なエネルギーに対する執着を手放せば

合理的なエネルギーの存在に気付くことが

可能な状態になる


雑草は己の種を繁茂させるために

毒素をだして他の種を発芽させないようにする

有害な雑草を取り除いた庭には

美しい花々が

やがて咲きみだれるようになる


核抑止力が必要だと思う意識が多数であれば

放射能事故が起きることを甘受しなければならない

人の世に

絶対はない

原子力の安全神話は

地震と津波によって

一瞬で覆えされた


核を持たないことを武器に換える何かを生み出すことができれば

その智恵が

不可能だとされていた

恒久平和の実現を連れてくる

それは呆気ないほど簡単に

成就するだろう
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計 画 停 電

2011-03-20 09:08:40 | Weblog
電力供給を局地的に制限するという計画が

実施され

首都圏の一部では

電気のない生活を強いられるようになった


東日本を襲った最大規模の地震が

発電所の機能不全を引き起こし

安定的に供給されていた電力を

確保することが突然困難になってしまったからだった


発電能力が大幅に低下してしまったことから

電力需要を増やす気象条件の日になると

送電の上限を超えた消費の発生がおきかねない

そうなってしまったのでは

電圧の急低下が引き起こされる


照明器具が点滅を繰り返すようになり

モーターなどの回転状態も同時に不安定化する

この状態になると

電力会社では送電の安定性を失うことになり

コンプライアンスを遵守する必要から

電力の供給を

上流の部分で一斉に止めざるをえなくなる


広域停電が起きるのを事前に防ぐ目的で

電力消費をできる限り減らしておきたい

というのが電力会社の都合だったのだ

あれほどオール電化を推進してきた電力会社が

自らの行為を否定することになる

停電を

自らの意志で実行しなければならなくなった


電力供給の前提となっている諸条件を見直しておかないと

電気エネルギーの確保は

まったく保証されなくなる

東電の管内で起きている今の状態が 

まさしく

これ


脆弱な基盤の上に乗った不確かな繁栄は

さまざまな自然災害に見舞われたとき

その場で直ちに崩れ去る


節電に温室効果ガスを削減する能力はないのだが

広域停電となる事態を

抑制する程度の能力は備っている

需要が供給を超えなければ

異常事態は発生しない

電力の安定供給は

従来通り滞ることなく実施されていた


原発の安全神話を国の指導者たちが率先して信奉していたために

国民が電気のない生活を いま強いられている

原発の推進を進めてきた者どもだけでなく

法案に賛成した総ての議員は

その責任をとる自覚をもつべきだ

体を張って

放射能を防ぐ程度のことは

原発の近くに並んでいるだけでもできる

それくらいの覚悟を

国民の前に示す気概があってよい


電力会社の経営陣と監督官庁は

防護服を着て現場で起きている状況を

直接知ろうと努めていなければならない

最前線で防圧に努めている人たちだけを

被曝させていてよいものか


原発導入を急がせた立場の者は

その責任をとる覚悟のほどを

国民の前に証明してみせなければなるまい

安全なところにいて

ただ指示をだすだけであったのなら

完膚なきまでに失った信頼を

取り戻すことはできない

危険に身を挺して活動しているひとびとを

間近なところで

率先して支援する姿勢をみせるチャンスだと考える


休止中の火力発電所を復活させても

夏の需要期には間に合わず

確実に

広域停電がおきる

その準備は

事前に用意がなされているのだろうか


今年は

昨年以上に熱い夏を過ごさなければなるまい

熱射病による死者は

一年前の比ではなかろう


自らが高めてきた温室効果の影響で

自らが失った発電能力の経過によって

多くの生命が

今夏

失われることになる

そんな状況が

関東全域にわたって

これから与えられるようになる

ということなのだ


土地神話が消え

そして

いま

原子力の安全神話が消え去った


権威はそれを疑う者のためにだけ

存在することが許される

真理は

依拠すべき権威などを

求めなない
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炉 心 溶 融

2011-03-13 09:05:52 | Weblog
己の核反応が生み出したその過剰な熱で

我とわが身を破壊する

最も危惧していたメルトダウンが

現実として

この日本で起きていた

制御できる範囲の溶融であったために

最悪の事態だけは

かろうじて免れた


原子力の安全性は

最大規模の地震がおきたことによって

日ならずして

有効性ともども

呆気なく否定されてしまった


起きている事態の意味を

よく承知しているはずの組織が

その事実を認めるのに慎重であったために

地域住民の避難を遅らせることになっていた


ここには

決断力の不在がある

隠しきれなくなってから

事実を認めるという抜きがたい体質は

権威主義が蔓延している国に

よくみられる固有のものなのだ


原発以外の方法で

これからは

エネルギーを確保するようにしなければならない

その手段は複数ある

温室効果ガスを発生させずに

エネルギーの安定供給を行うには

高圧送電から離脱しなければならない

その方法について

簡単な説明を

これまでここに

何度か書きつけておいたものがある

遡って行けば

流れを確認することができるだろう


既存のインフラに執着している限り

温暖化と放射能による被害を

文明は

それぞれ同時に

引き受けなければならない


交流送電の限界を知れば

独立分散型電源の必要性が明確になる

送電線と鉄塔が消える時代には

さまざまな環境汚染は

問題であることを止めてしまう


エネルギーコストは十分に下がり

経済浮揚効果で繁栄がやってくる

石油を買う必要がなくなるので

ドルを確保しておく理由も消える


ドルの需要が低下すると

過剰流動性も消失する

要するに

経済システム全体も

健全化するようになる


既存の枠組みに便乗してきた世界中の資産は

ドルの供給義務からアメリカが解放されたとき

一斉に崩れ落ち

砂のように意味もなく

そこらへんに散らばる


守るべき資産がなければ

防衛力を増強する必要もない

軍拡は嫌でも止まる

攻撃がなければ

防衛する意味はない


健全なエネルギーを獲得した国だけ



世界を指導することができるのだ

その国は

アメリカが犯してきた数々の失敗に

学ぶことができていなければならない


恒久平和を現実化するための道は

指導する国の力量一つで

遠ざかりもすれば近づきもする

歴史に学ぶことこそが

リーダーシップを発揮するための

条件

国民の意識がはっきりと目覚めた時

日本は

世界を指導するその義務を

率先して果たさなければならない

準備と覚悟が整ったとき

再生不要エネルギーというものが

与えられることになっている
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教 育 制 度

2011-03-06 07:31:54 | Weblog
知識の水準を

深めようとするのではなく

横方向への平面的な広がりを意味する

量的拡大

という戦後教育が到達した現在の

洗練されたシステムは

質的劣化

という顛末を生み出すにいたった


国会という名の

国政を議論するための場では

教育システムの上に寝そべって

無批判に平穏な暮らしを過ごしていた

のちに選良と呼ばれるようになった議員たちが

問題の本質から逸れていくようになり

自覚なく

どんどん乖離していくばかり

という

救われない経過を生み出している

その状態が今も尚

続いている

ことにさえ一向に気づこうとせず

議案や法案を民主的と思われている手法で

可決成立させるためにだけ

ただ寄り集まって過ごしている


要するに

高等教育を受けてきた集団に

その弊害が

色濃く顕われるようになった

ということになる

実に単純な話なのだ


解決すべき根源的な課題を先送りにし

瑣末な部分に執着して飽きないその姿は

認識能力の不在をよく物語る

投票した国民にも責任の一半は ある


松下幸之助がもし学卒者であったのなら

パナソニックは存在していなかった

学歴が要求されるのは

被雇用者の側であって

創業者にはその必要がない


ここが分かっていないと

経済を指導するに足るレベルの人材は

生まれても

育たない


定型的な教育は

破天荒な思惟を育まないものなのだ

型にはまった一様な反応をする傾向のある人を

ステレオタイプ(がある)という

標準化を目指して尖鋭化するようになった教育は

上下に抜きんでた人材を

枠外へと排除しようとする動因を生む

そのプロセスで生じているもののことを

卑近なことばで

イジメという


学校教育の洗礼を受けると

総ての子供たちが

自主的に

平均化を目指すようになる


教育する側では

文部省の定めた枠の中に収まろうとして

型どおりの教育へと特化していく

人格形成にとって重要な

反抗する行為を拒否された一部の意識は

そのきっかけを与えられた時

暴発する傾向を強めていく


反逆児を容認しなくなった教育の現場では

効率よく授業を進めることができるようになったのだが

それが人間形成にとって

将来どのような影響を及ぼすのか

ということは研究テーマにさえならなかった


教育に効率を持ち込むと

権威主義的管理が必要となり

世代交代を繰り返すことによって

濃縮された権威主義者を

果てしなく再生産するような展開をとりつづける


権威的存在の発言が絶対視され

反権威的な発言は

それが真実であっても

公の場からは排除される

多くの場合圧殺されてしまうのだが

正しい認識に市民権が与えられる時代になると

その変化を

コペルニクス的転換

と呼んで

反省を超越して一瞬で合理化してしまう

歴史の証人は

あまた揃っている


権威主義に嵌った固定的な教育から

英雄が生まれたという記録はない

国民に最も好まれている竜馬が

権威主義者であった証拠は ない


管理統制するには

権威主義は都合がよい方法なのだ

日本ではそれが災いして

最終的に被爆体験を強要された

という最悪の結果を歴史に刻みつけた

優れた指導者たるものは

みな

多かれ少なかれ

反骨精神をもっている


反逆の対象となるのは

すべて時代によって権威的とされてきた存在

文明は権威と反権威とが

競い合う歴史をもつことによって

ゆるやかな進化を遂げてきた

20世紀に入ってから物理学者が発掘した

複数の法則により

世界大戦を経た後に

科学革命というものがはじまり

文明は長足の進化を短期間で遂げてきた

その結果

温暖化する地球と

南北問題に代表される

富の偏在が

破壊活動を正当化する

という経過を生み出したのだった


高等教育が普及すればするほど

権威主義に染まった人材が

同心円のように

間隔をあけて

幾重にも生み出されていくようになる

指導者の頭脳がどれほど明晰なものであったとしても

その使い方が固定的で不適切なもの「であったのなら

天賦の高い能力を活かすことはできない


知識階級の平均化が進むと

突出した認識を受け容れることが困難になる

優れた指導者は出にくくなり

大方が賛同する平均値の範囲に

ものごとが納まるようになる

その経過が現在この国を劣化させ

国民に貧困生活を強いている


選良は標準より抜きんでているからこそ

そう呼ばれている

平均的な選良などに

どんな意味があるのだろうか

学歴を重ねたことで多くの知識をもつようになった

というだけのことで

有害な存在と化していたのでは

国民が救われない


卓越した才能をもつが故に

選良と呼ばれているはずなのだったが

世界中の指導者たちの言動を見るにつけ

教育の弊害がいかに大きなものであったのか

というその事実を繰り返し思い知らされる


憂いは ふかい
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