こ と の 端

散文でロジックを
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損 得 勘 定

2023-05-11 12:24:59 | Weblog
祇園精舎の鐘の声

諸行無常の響きあり

沙羅双樹の花の色

盛者必衰の理をあらはす

奢れる者久しからず

ただ春の夜の夢の如し

猛き人もつひには滅びぬ

ひとえに風の前の塵に同じ


猛きプーチン / 滅ぶプーチン


近々はじまる

ウクライナ軍による次の反転攻勢は

平家物語に擬えると

さしづめ源平の雌雄を決した

壇ノ浦の合戦の如きもの



去年秋の一斉反抗による

喪った領土奪還作戦の成功は

さながら

義経の鵯越に相当する

意表を衝いたアタック

歴史は

こうして

時代を超えて

繰り返す


その後

鎌倉幕府から室町幕府への変遷を経て

世相は下剋上の時代となり

乱戦の世に

一国一城の主

となった武将を多数輩出し

戦国の世となった


この混乱した時代に名を馳せ

独立し

求心力を備えた大名たちが

同盟関係を結び

安全保障体制を

相互に整えただけでなく

閨閥による結びつきをそこに加えて

防衛能力を高め

膠着した状態となったその一方で

信長 秀吉 家康 

などの抜きんでた才能が

再統一へと向かう

時代変遷の流れに乗り

江戸幕府による天下一統を果たし

徳川の歴代将軍が率いる

平和状態の下の安寧な統治下で

幕藩体制を固めてきた諸制度



それが生んだ独自の文化は

元禄の世に爛熟期を迎え

長い平穏な時代に

歴史に残る固有の文化

に磨きをかけた


その時代が長くつづいた

末に

黒船が来航する

という緊急事態に遭遇し

大政奉還を経て

天皇制に戻る

ための原理を発掘し

王政復古と形容された

再生プログラムを

ようやく果たした


明治維新とは

統治する側による

解釈の統一を目指した

時代の反転を示す

特異なリバーサル革命


国家神道に憑依した

明治新政府が

帝国主義体制を標榜し

欧米列強に伍する

近代国家の誕生を急いだ


世界に通用する優秀な官僚

の早期育成を急がざるを得なくなり

各地に帝国大学を一斉に創設した

現在の学歴主義の教育は

そこに胚胎して発展してきた制度

科挙と変わらぬ官僚登用制度が

現在の学歴社会

へと結びつけた途中の経過


民主主義の成否とは

教育の結果で定まる


知識があっても

知恵がない

問題の本質を見失った

自覚なき指導体制が

機運に乗じてやったこと


問題認識能力は育たない

多数派が正しい

という論理は

成り立たない

このためフィードバックが

かかっていない状態で

長いものに巻かれたまま

ずるずると引きずられていた


判断能力の著しい劣化は

批判精神の不在となって

世の中に反映される

権威主義者を蔓延らせ

問題解決能力を国民から

とりあげる


パンデミックと思い込んだのは

似非知識人たち

免疫は

抗原が抗体をつくりだすための

生命に宿るプログラム

解釈の錯誤に陥った文明社会は

ゼロコロナから

フルコロナの時代

へと遷移した

日本では未だにマスクした顔

が多数派だ

国が不必要と定めたことを

頑迷固陋な認識が

いまだにマスク生活する国民を

取り分け地方で

蔓延らせている


維新当時

天皇の権威を高からしめる目的で

仏教に帰依した

歴代天皇の再権威化

という運動が猖獗を極めた

廃仏毀釈がその代表だ

神仏習合へと復帰したものの

意識レベルの変化は窺えない


多数派が主導する体制は

民主主義から

本来の機能を取り去る


権威の復興を推し進めた

維新体制が

日本を被爆体験国へと

導いた


天皇の権威に依拠した

軍部の台頭

と専横を許し

日清日露の十年を挟んだ

二度の戦争で

たまさか勝利した経過を踏まえ

そのまま

大東亜戦争へと突入していった


その最終相となった第二次世界大戦

太平洋戦線と呼ばれた戦域は

本土決戦となる直前に

二度の原爆投下の被害を受けて

烏有に帰した


将来

ウクライナ侵攻に失敗したロシアが

どう変化するかは

誰にもわからない

混乱の世は

やがて鎮まり

過去は新時代の糧となる


中国共産党政権が

現代へと至る

一連のダイナミックな経過

を閲したのち

そこで一体何を学んだのか

ということが

次の時代を占うカギとなる


プーチン・ロシア独裁政権が

ウクライナへの独善的侵攻に踏み切り

中国共産党による全体主義政権が

一国両制を廃して

中華思想を賦活させたとき

台湾を糾合して

予ねて目論んでいた

祖国統一を果たす

のか

ということも

誰にもまだ

わからない


第一次世界大戦が

同盟関係のしがらみで

混沌化して収拾がつかなくなり

制御不能に陥って広がった

不毛な経過の上に

引き起こされた

最初の世界大戦となったのと

同じ理由で

安全保障体制の乱立を経て

勝手に多極分化していくと

対立関係を

際立たせ

第三次世界大戦へと

至る定めの蓋然性は

そのとき

ひときわ高まる


中露が西側諸国

を敵対視している姿勢を強めれば

危機はその状態を地表に残す


判断のカギは

メンツに拘ることに倦み

損得勘定のレベルで

循環しつづける場となった

輪のどこか

におそらく隠されている


戦端を開き

戦況をこじらせた

のは

サイコパスという精神障害

を授かって指導者となった

負の帝王唯一人

彼に従属した権威主義者

のすべて



戦闘を否応なしに

長引かせる理由

の肉付けに与った


第一世界大戦の終結

に寄与したのはスペイン風邪

このパンデミックが

戦争の無意味さ

当事国の底辺を成す

国民に気づかせた


そのタイミングでソ連が誕生し

70年後にロシアとなった

そのロシアが

第三次世界大戦を引き起こす

原因となることを

世界はいま

大いに危惧して

決断することを躊躇った


健全な認識と

それが導く正しい判断が

なにより

必要とされる時代となった


これこそが民主化の失敗

過渡期となった理由のひとつ






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