こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

プ ラ セ ボ

2010-01-31 07:23:34 | Weblog
資源を消費しなければ成り立たない

これまでの旧弊なエネルギーシステムは

当該資源が枯渇する以前の段階で

環境異変の影響をうけて

文明そのものを滅ぼしてしまうものとなりつつある


生命を育んできた精妙この上ない地球の表層において

安定していた気候を成り立たせていた諸条件は

文明が温暖化を募らせた結果失われ

さまざまな変化を地表へと与えはじめるようになってきた


石油 石炭 天然ガス

などの地下資源は

それを燃焼させることによって

熱エネルギーを取り出した瞬間に

酸化作用を受けて

二酸化炭素と呼ばれる酸素化合物となり

その他の二次生成物

つまり

窒素酸化物や硫黄酸化物まで生み出しながら

元の有機化合物であった状態へは

戻れなくなっていく


それが炭素系資源であったのなら

二酸化炭素となることによって安定化することとなり

炭化水素系の資源

メタンなどの天然ガスであるのなら

二酸化炭素に加えて気体の水

即ち 水蒸気を同時生成するものとなる

水素資源の場合には 

酸化反応で気体の水だけでなく

液体の水までも生み出して

地球がもつ水の絶対量を増やし続ける


一旦水になった化合物は

そのまま放置しておいても自然に元の元素へと戻ることはできない

二酸化炭素なら紫外線のエネルギーを受けて

炭酸へと緩慢に分解されていく


産業革命以前までの時代には

二酸化炭素は火山の噴火や山火事

生物の呼吸などで生み出される僅かな量でしかなかった

しかもその殆どが

自然に分解され

海水へと取りこまれていったものは

海底へと沈んで

石灰質を堆積させるサイクルを生みだしていた


特に石油の消費を早めた内燃機関が

近年にわかに登場してからというもの

二酸化炭素の合成が急速に加速され

分解される量よりも

生成する量の方が

はるかに多くなってしまったのだった

このため

大気圏に占める二酸化炭素の割合が

戦後から現在までの数十年に関しては

340ppm (0.034%)程度から

400ppm (0.04n%)超へと

短期間で急増してしまうこととなったのだった


これまで自然界にやってきた紫外線によって

その殆どが分解されていた二酸化炭素は

大気圏内により多く残留するようになったことから

二酸化炭素の濃度は増加する一方となり

それがもつ温室効果を高めたことによって

平均気温が上昇し続けるという展開から

抜け出せなくなり

温暖化と呼ばれる現象が国際的な問題として

20世紀末頃までに

結果として急浮上するようになったのだった


資源に依存するエネルギーシステムに執着していると

温室効果を募らせて

精妙で危ういバランスを得て

かろうじて成り立っていた地球の環境が

突如として機能しなくなる時を

迎えることになる

これは確定している事実なのだ

それがいつか

ということは未だ判らない

だが

試練の時代は確実にやってくる


このまま地下資源を消費する暮らしを続けていくのなら

生命にとって

抜き差しならない深刻な状況が

やがて訪れる 

これを避けることは

現状ではできない

二酸化炭素濃度はさまざまな対策を十年以上重ねていながら

減るどころか却って増加し続けるようになっていた


この不毛な結果を承知していながら

有効な対策を立てることが文明にはできなかった

そのこと自体さえ

理解することがまったくできていない

というのがありのままの 

すがた

カーボンオフセット(相殺)という手段では

現状を維持するだけで精一杯

減らす効果など

引き出せるはずのない方策に過ぎない


早ければ三年程度で

あらゆる温暖化対策に

効果がなかった

という事実を人類が認めざるを得なくなる日がやってくる

その段階に達して認識の誤謬に気付いたのち

やるべきだったことが何なのか

ということを

人類は

はじめて見出すことになる


問題の所在が判明すれば

実効を引き出すことに困難はない

意味の合成が起きなければ

文明は遺跡となって草生すばかり


偽薬(プラセボ)が効いている期間は

そう長くは続かない

文明が温暖化対策に行き詰り

ことの真相を悟ったとき

己の愚かさに対する失望を経たのちに

価値の転換

というプロセスの第一歩が

ようやく踏み出されることだろう


真実を永遠に糊塗しておくことなどできはしない

地下資源の利権に群がっている者どもが

身罷るための花道を残しておく余裕は

もはや

ない

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社 会 体 制

2010-01-23 11:24:45 | Weblog
老後の生活に大きな不安があるからこそ

資本の死蔵

という現象がおきている

不安のない老後を過ごせるような制度が敷かれていれば

現預金を個人で備蓄しておく必要など消えうせる


資本のもつ本来の活力を十全に引き出すために

不安を消し去って安心を生む仕組みを提供することができれば

健全な資本制度を基盤とする

他に類例のない

あたらしい社会体制

ネオ資本主義というシステムを構築することができるようになる


老後の不安をなくすためには

福祉システムのあり方そのものを見直して

それが支出の増加ではなく

関係者すべての増収となる仕組みをつくってやればよい


生活の不安をひしひしと感じているからこそ

ひとは貯蓄に励まざるを得なかったのである

消費を増やさなければ

供給側の企業に利潤を集めることはできない

収入の増加が支出の増加を決定するのだから

最初になすべきことは

供給する側の企業に利益が先に貯まるような仕組みをつくる

ということになるだろう

福祉制度だけを切り離して拡充しても

富の循環を惹起することができなければ

時の経過とともに飽和して終わる


成熟したひとは 物質的な成長を求めない

精神を充実させることによって

生活の質を高めることこそが

愉悦

となる

その世代が握りしめている資本を

国家の繁栄のために引き出すことを可能ならしめるには

年金制度を手厚くして

社会保障を何倍にも充実させていけばよい

ただそれだけのことなのだ


日常の生活が滞りなく過ごせるのであれば

資本を死蔵している意味は薄れる

健全な資本制度を生み出すためには

社会保障体制を篤いものにして

もっともっと

拡充することができていなければならない

これを

自由主義的社会主義

という

つまり

自由主義の基盤である資本主義体制を

これから発展拡充してネオ資本主義へと高めていくためには

社会主義的な生活の安全保障体制の実現

を最終目的としなければならない

ということなのである


奉仕しようとする気持ちは 熟年になればなるほど

一般に強くなる傾向がある

そのよろこびを体験し

細胞のレベルで感応することが一度でもできたことがあるひとは 

最終的に

法悦の境地とでもいうべきところへと達する

この経験知を積んできた世代を

大切にする仕組みをつくれば

世の中から不具合を取り除くことが

より早くできるようになる


介護の需要は全国的にきわめて高い

だが

労働対価はきわめて低い

このギャップを埋めて尚余りあるものにするためには

高福祉を実現するための

収入源となるものを新たに創出してこなければならない


その財源の一つとして

ここでとりあげてきた

資源なきエネルギーを当てると

自由主義の到達点となる

社会主義制度のあるべき姿というものが見えてくる


資本を十分に生かすことができない現在の資本主義制度の欠陥は

社会主義という概念を

その文字面から判断して

訳もなく

忌み嫌ってきたということから引き起こされている

必要な資産を一旦もった上で

十分な年金または配当収入が保証されるような仕組みをつくってやれば

資本を握りしめておくという

資本主義にそむく行為のもつ本来の意味がより明確になる

この段階で死蔵されていた資本の流動活性が復活し

経済のダイナミズムを高めるように作用する

資本は 至高の生産財である

これを眠らせておくのは

資本制度の活力を自らそぎ落とす自損行為に他ならない


資源なきエネルギーの供給を事業とする新産業の育成に目的を絞って

資本を集約するシステムを構築することにより

利息収入と配当収入とを同時に得ることは

不可能ではない

利息収入は個人の裁量で随時使えるものであり

配当収入などは再投資へと回わされる

流動性の厚みをより早く増加させる結果

経済活性は日本市場にみなぎるような展開になる

名義上の個人資産は増えるのだが

元本に当たる部分を相続するのは

社会保障システムを担当する運営母体に限られる

この仕組みは 国の年金制度のあり方によく似ている

民間の資本を運用して

国のシステムを補完する仕組みをつくるなら

進化した資本制度がより早く生みだせる


事業主体を信用力のある組織とすることにより

金融業務のできる業態をとることで

自由主義的社会主義体制を

この地上に導くことができるようになる

利息収入の使い道に制限はなく

配当収入を口座に残すことで

将来の利息収入に上乗せする部分を増やす効果が引き出せる


平和本位制と

資本と福祉とを連携させる新体制の融合は

軍拡から反転して軍縮をすすめるものとなり得る

繁栄を導くことによって貧困をなくし

武器をもつことが資本制度に反するということを

証明する時がやがてやってくるだろう

そんな時代の到来こそが

平等で公平 

かつ公正な究極の社会体制を

地上へともたらすものとなる


資本主義を貶めてきたものは

収益の独占

または偏った分配を許してきた資本制度の仕組みにあった

このことは

収益の公平な還元を行うことによって

有益な資本制度をあらたに構築することができる

という可能性を当初から示唆していたのだった


老若男女を問わず

貯蓄に励むのは向上心の表れとみてよいのだが

成熟した者にとっては

利得を還元する義務を果たすことこそが 喜びとなる

人生を全うする最終ステージで必要なもの

とは

資本の解放を手段とする魂の奉仕(バクシーシ)

この歓びの源を総ての世代が頒ち合って支えるような時代になると

健全な資本制度に基づいた生産性の高い社会保障体制が

呆気ないほど簡単に

実現してしまうことだろう 
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種 撒 く 人

2010-01-16 13:34:06 | Weblog
2010年 を起点とした 

2019年の暮れまでにかけての10年間で

二酸化炭素の排出量を25%減らすことが

この国の政府に

ほんとうにできるのだろうか

(チャレンジ25では、期限を2020年までとしている)


毎年2.5%ずつ確実に減らしていくことができなければ

この目標は画餅に帰す

問題を先送りするようになれば

後の展開は

年ごとにより窮屈なものとなる


京都議定書の削減数値であるマイナス6%でさえ達成できていない現状で

10年後の25%削減という目標設定は

無謀だとしかいいようがない

97年の京都会議から丸12年が経過した現在

二酸化炭素の排出量は確実に増えている

この期間に脱温暖化対策が取られていなかったという訳ではない

国を挙げて積極的な対策が取られていたのである


デフレと呼ばれるようになった2008年度の実績では

経済活動が低下して

産業分野で発生させたCО2は大きく減っていたのだったが

民生分野では大きな変化はみられなかった

経済活動をこれからマイナス方向へと導いていく以外に

現状で

二酸化炭素濃度を減らす有効といえる具体的な方法は

存在しないということなのだ


実効のない名目値を積み上げることによってでは

温暖化防止に貢献したということにはならない

自然エネルギーをどれほど大量に導入したところで

交流送電の系統に連携をとっている以上

火力発電所の稼働率に影響を与えるというのは

永久に不可能なこと

インフラを構成する仕組みそのものが

温暖化対策を受け付けないようなものになっている

要するに

手の打ちようがなくて当たり前

ということだったのである


国が本気で温暖化を止めたいと願うのであれば

エネルギーシステム全体を速やかに見直さなければならない

必要な正しい診断をナオザリにしたままの状態では

それがどれほど優れた対策であったとしても

実際に二酸化炭素の排出量を減らすという効果を

引き出すことはできない


問題というのは

これまでの経過に文明自体が盲目になっている

という点に集約されている

つまり

現実認識がなされていないにも関わらず

太陽電池や風力発電を多用すれば

火力発電所の負担を減らして

化石燃料の消費を抑制できる

と単純に信じ込んでいる

ということにあったのだ

経過と結果との関係を

検証することができていたにも関わらず

データの示す意味の確認を怠り続けていたのだったから

いつまでたっても二酸化炭素の排出量が減らなかったということなのだ


困難な状況が与えられているということに

人類はまったく気付けなくなっている


一向に止まろうとしない温暖化現象は

旧態依然たるエネルギーシステムを墨守しようとする勢力が生み出した

人災

にほかならない

現実を正しく認識することができないでいるあいだ

二酸化炭素の濃度は

国際会議を頻繁に開いたとしても

減るどころか

反対の結果である増加だけを連れてくる


パラダイムシフトを引き起こすためには

行き詰ったこの状況が更に悪化するまで待たなければならない

既存の方式で満ち足りているうちは

温室効果が募り続けていても

人類は環境異変に耐えて忍ぶことしかできない

問題の所在が目に見えるようなものになった段階で

長い眠りについていた各種技術の発掘作業が

世界中で一斉におきるようになるだろう


石油や石炭などの炭素系資源は

熱エネルギーとなった段階で

酸化剤である酸素分子と化合して

CO2 という酸素化合物となる

メタンCH4に代表される炭化水素系資源なら

酸素と出会うことによって一つのCO2分子と

二つのH2O分子を同時生成することになる

ガスを燃やすと温暖化の原因であるCO2と

その結果である気体の水とを

同時に地表へと与えてしまうことになる


ガスの消費なら環境負荷がないと思われているのだが

二酸化炭素の比率は確かに低下しはするものの

大気圏内ではH2Oを合成するプロセスが促進され

気体の水を地表付近に生み出すという経過を残す

このため

地球はゆっくりと水没していき

水素系資源を消費する燃料電池の普及段階では

温室効果で極地付近に融けだした液体の水に加えて

水素分子H2が大気中の酸素と反応して生成した気体の水によって

あらたな気候変動という課題に人類は取り組まなければならなくなるのだ


文明は

温暖化を止めたことによって

もう一度苦しむような状況を迎えるであろう

このようなことが現時点で既に判明しているのだが

人類は長閑な暮らしを続けることにしがみついており

地下資源の消費をやむを得ないこととして

その解決を人任せにしたまま

先延ばし工作に同意することとなったのだった


資源を消費する形式のエネルギーモデルでは

あらたな問題の発生を繰り返すだけとなり

資本の利用効率を低下させるという実りなき結果を生みだす

報われない結末だけが この星に残される


エネルギー問題が抱えている困難な状況のもつ真の意味が見えているのなら

その有効な対策を導くことができていなければならない

現状を見る限り

石油の消費を若干減らす程度の方策しか実行されていない

これが現実である

実際の効果を確かめもしないで

節電努力や自然エネルギーの普及促進でお茶を濁しているだけのこと

温室効果ガスの増産に歯止めをかけることができなかった道理である


問題の持つ深刻さを悟ることができたとき

文明は方向転換するための舵を大きく切るようになるだろう

これまでの国際社会を形作っていた枠組みは捨て去られ

あらたな秩序が未来を統べる文明の基礎を築くだろう

合理性に欠けた既存の社会システムは

覇権を握った国に独善をはびこらせ

貧困を前提とするみせかけの平和状態を

軍事力で保持するという文明をうみだした

その手段とされてきたのが限りのある地下資源

枯渇することを承知の上で

それが温暖化の原因であるということも分かっていながら

人類は有害な資源の消費に日夜勤しんでいる

この奇妙さに気付かないということこそが

この惑星の気候に多大な変動を与えるようにさせたものの正体


力による平和状態の維持から

繁栄に基づく真正な秩序を生みだすことができなければ

人類に明日はない

パラダイムシフトは可能なのだが

問題の持つ意味を理解することができなければ

その必然性に思いを致すこと自体が困難なのだ


問題の本質を察知することができた者には

簡単に乗り越えられる程度の課題であるに過ぎない

設問を正しく理解することができなかった者には

永遠に解けない課題となって

行く手に立ち塞がって道を譲ろうとしないスフインクスとなる


貧相な欲はひとを盲目状態に落として

環境をひたすら悪化させていくのだが

遠大な欲はこれまで実現したことがなかった平和を

この惑星へと導く動因となり得る


刮目せよ


問題の意味を理解しようとしないまま

答案を好き勝手に書いてはならない

一向に改善がみられない気候の変動は

採点の結果を示すためのもの

健全なシステムを構築することができたとき

繁栄する世の中がすぐにでも訪れる

不健全なシステムを温存したいと願うなら

貧困と破壊とに満ちた不穏な暮らしを

生命環境が許す限り

甘受してすごさなければならない


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恒 久 平 和

2010-01-09 17:52:55 | Weblog
アメリカの国民が一様に抱きしめている

いつあるか分からない

「敵」からの攻撃

という強迫観念というものが

たゆまざる防衛努力を続けるよう

米政府に圧力をかけている


テロ組織はアメリカがもつこの弱点を的確に突き

アメリカによる反撃を誘発することに成功した

この引き技に乗じた積もりの米軍は

根拠の定かでない大量破壊兵器の存在を戦闘の理由として

国連の制止を振り切って

イラクへの侵攻を急ぐことになったのだった


大義のない攻撃は反米感情を強め

テロリスト志願者を砂漠の都市へと次々と送り込むこととなった

短期戦だったはずのイラク戦争が

予想を超えた長期戦へと引きずり込まれていったのだ

これがアメリカの誤算であり

それがテロ組織に成算を与える経過を生み出した


米国民は 常に

「敵からの突然の攻撃」に

備えていなければ安心して眠ることもできないのだ

この業病からアメリカはいつまでたっても

抜け出すことはできない

それができるくらいなら

アメリカは銃社会からとっくの昔に抜け出していただろう


原因を構成するその成分をよく承知していたとしても

それを取り除くことができない

というのは

問題の所在に盲目になっているからなのだ

恐怖に怯える感情は

冷静な判断を遠ざける


温暖化が一向に止まらずに悪化の一途を辿っているというのに

COP15では

何の解決策も見出すことなく

円満に散会する運びとなった


これくらいおめでたい話は他にあるまい

生命環境が悪化するのが分かっているというのに

その解決を平然と先送りして

それでよし

としていられるのだから


世界中で行っている技術開発関連予算のすべてを

温暖化を止めるために使ってでも

環境の回復を図らなければならないはずなのだが

先端技術の分野では

生命環境が損なわれて

人が住めなくなった後の地球でも

そのテクノロジーが役に立つと本気で信じ込んでいる

このめでたさも

測り難いもののひとつである


あらゆる投資行為は

温暖化を止める目的の研究へと

シフトしなければならないほど

状況は既に悪化している

途上国が先進諸国に追いつくことができたとしても

そこにあった生命が失われてしまったら

市場そのものが成り立たなくなってしまうのだ


問題の本質を勝手に取り違えてはならない

地球全体で解決すべき事柄を

特定の国の都合を受け入れて

斟酌している余地などこの惑星に残されてはいない


温暖化を引き起こしている問題など

その原因を排せば

すぐにでも片付く

実に簡単なことでしかないのだが

己の都合を言い張って譲らない各国のその姿勢が

すべての生命を淘汰する圧力として

夙に作用しはじめるようになっている


問題の所在を確認することができれば

何が必要であるのかということは

すぐ見える

有限な資源を消費するエネルギーシステムでは

どの道

やっていけなくなる時がくるのだ


その意味で再生可能エネルギーが必要だとされているのだが

それは

独立分散電源として使わない限り

意味をもたない

交流送電を温存したまま

太陽電池を普及させていったとしても

それは無益な投資になるばかり


再生可能エネルギーの特徴を活かしつつ

資源を消費しない方法で

エネルギーを取り出すようにすれば

問題であったものの殆どは消えてなくなる


問題のもつ本質そのものの姿に文明が気づけば

みせかけの対策から離れて

真に有効な方法とは何か

という現実の課題に近づくことができるようになる

問題に潜むほんとうの意味を悟ることができなければ

エゴの張り合いという状況へと嵌まり込み

そこから抜け出すことができなくなる


どんなに盛大な国際会議を数多く開いたとしても

解決策を示すことができなければ

単なる浪費を重ねるだけの行為におわる

米国民に共通に見られる抜きがたい強迫神経症と

効果のなかった一連の温暖化防止対策に執着する身勝手な思い込み

などは

そのよい見本として後世に語り継がれるものとなる


文明を滅ぼすのは

文明そのもの

石油の消費が減って困るのは

産油国とその資源価値を裏付けとしてきた

アメリカのローカル通貨

即ちドルの発行権をもつ米政府

軍産複合体制を肥育させてきたのは

実態のない敵からの攻撃に備えていなければならない

と思い込んだ業病のなせるわざ


ドルによって国際経済が支えられているとされているのは

ドルが安全保障を成り立たせている原泉である

と信じられているからだ

そのアメリカは

核を保有した北朝鮮に対して

譲歩という方法しかとることができなくなっている

アメリカの核抑止力は

北朝鮮が得た抑止力の強さを

自ら証明するための反証材料そのものになっている


安全を保障するものは

力などではない

進化した文明はそのことに気づいている

そうなっていない現実は

旧弊な認識にとらわれている劣った文明であることを

指し示す明白な証拠


軍事予算を減らすことによって

経済を賦役するための手段が得られるのだが

それを可能にするのは

永遠の繁栄を導く能力をもつ

資源なきエネルギーの創出以外にはない

その供給権を保有するようになった国

または民間の組織が

世界が求めてやまない平和の実現をもたらすであろう

指導的役割を果たすその覚悟ができているのなら

時代を変える仕事がやってくる


軍拡を前提とする既存の安全保障政策の枠組みは

ドルの過剰流動性を増大させる一方で

余ったドルを世界中に売りつけなければならなくなり

外貨高を誘導することによって

ドルの新規発行を可能にするシステムを生み出した

金融危機はドル余り現象が辿りついた岸辺の一つ


貧困化の拡大はその経過を示すための指標であり

テロは貧困の結果なのだ

温暖化は

ドルの価値を裏付ける原油の大量消費を促した歴史の産物であり

経済を成長させるためには

エネルギー消費を果てしなく拡大させていかなければならない

既存の枠組みでは温暖化を止めることはできない

ここに気がつけば

問題の解決は近い


石油系資源の大量消費を抑制する効果を

原油相場は価格の高騰という方法によって

引き出すことができなかった

エネルギー資源の消費を減らすことは

根本的に無理なのだ

つまり

このままでは温暖化を止めることは永遠にできない

ということ

人の道に外れたシステムは瓦解する

ソ連型のコムニズムがそれを証明したように


世界の生産基地が分散されていけばいくほど

途上国のエネルギー需要は応分に高まる

世界の研究者は

総力をあげて

この課題解決に鋭意取り組まなければならない

最先端技術の開発を遅らせてでも

地球環境の回復を急ぐべきときが近づいている

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知 の 劣 化

2010-01-02 07:56:26 | Weblog
国民に節電努力を勧めるその一方で

オール電化を推進してやまない電力会社のその姿勢は

とても不可解


太陽電池が生み出した電気を買い取ることに抵抗し

最小限の譲歩をしてきたのだったが

昨今の趨勢の変化により

買い取り単価を倍増させることに同意せざるを得なくなったことから

その費用負担を受益者全体に転嫁するようにさえなったほど


これは一体

何を意味することだったのだろうか ?


きれいな電気をほんとうに有効利用することができているのなら

そのエネルギーは

それだけで優れた経営資産となっていなければならない

等価交換が成り立つ取引では

損失が発生することはない

現在の仕組みでは

買い取り単価を引き上げたコストアップ分を

受益者全体が引き受けることでかろうじて成り立たせる

という構造になっている


不合理なシステムは

不可解な結末を引き寄せるもの

励磁電流を地下へと全量捨て去る方式の高圧送電という仕組みでは

末端の配電系統で

100ボルトにまで大きく減圧しなければ

電気エネルギーとして使うことはできない

最終的な変圧を行っている装置では

6600ボルトの電圧を励磁電流とし

そこから

100乃至200ボルトの誘導電流を発生させている

60ヘルツの地域ならこの励磁電流は7700ボルトになっている


太陽電池が生み出したきれいな電流は

100ボルト近辺にまで調整された電圧となっているのだが

電力会社がその余剰分を有効利用するためには

66倍から77倍もある電圧の壁を

乗り越えていくだけの電圧が

太陽電池が生んだきれいな電流に加えられていなければならない

だが

トランスにはそのような機能はまったく付いていないのだ


誘導電流を生み出す二次側のコイルに逆流する電流が発生するとき

一次側コイルを流れる励磁電流には

逆向きに流れようとする逆起電力が誘導されることになる

相互誘導で混触が発生すると

そこでエネルギーの解放現象が生じ

スパークによる放電が起きるのだ

これを避けるために

トランスには中性点接地という仕組みが設けられている


太陽電池が生んだきれいな電流は

最終的に中性線を伝わって地下へと落ちるようになっている

安全を確保する目的で

安定供給を阻害する要因を

悉く

系外へと逃がさなければならない事情というものが

電力会社の側にあったからであった


交流送電に太陽電池を加えることは

木に竹を接ぐ行為

この措置をとることによって

大気中の二酸化炭素濃度を減らす効果は微塵も得られない

これまでの温暖化対策に実効がまったくなかったのは

当然の帰結であった


停止している電流は

もはや

電流ではない

止まっている電気からエネルギーを取り出すことはできない

放電には電流という形が伴う

電流損失の少ない媒質を用いるのなら

電気抵抗の低いものを選ばなければならない

銅線が用いられているのはその結果であった


媒質が大気となっている時に発生するのが

雷鳴を伴った空中放電である

冬の乾いた季節によくみられる静電気は

絶縁されている導体に溜まって逃げ場を失った電荷が高圧になり

指先などの尖端部から伝わって電流となったものが

人体に強い電撃を与えることで引き起こされた自然現象


送電することを前提として成り立っている既存のインフラでは

電流の状態を常に維持していなければならない

需要がなくても発電しているのは

発電機と送電システムの連携の在り方に原因を有すること

その対策として

低廉な深夜電力料金制度が設けられるようになったのだった

捨てている電流から少しでも誘導電流を生み出すことができていれば

その分だけ

電力会社には現金収入を増やす機会がやってくる


変電設備毎に励磁電流を地下へと逃がすことになっているため

地球は大量の電気を常時吸いこまされている

励磁電流を捨て去っても

ほぼ等量の誘導電流が発生するようになっているため

損失が生じることにはならない

電磁誘導とは

電気を磁気に換えることによって

磁気から再び電気を取り出すことを可能にする仕組みのことなのだ

励磁電流そのものが磁場変化の原因となり

その結果として誘導電流が二次側のコイルに発生するようになっている

そのためには電位差の存在が不可欠であり

最大の電位差を設けるためにゼロボルトの電位が利用されている

励磁電流は悉くこのゼロボルトの大地へと落ちてゆく

そうしなければ定格電流を誘導することができないからである


消費者が電気製品のスイッチを切ると

誘導電流により形成されていた磁場が消えることとなり

その磁場変化が

逆向きに流れようとする電流を

その場所に改めて誘導するようになる

中性線はこの望ましからざる誘導効果を

安全裡に制御するための措置である


太陽電池が生み出した余剰の電力は

このレンツの法則と呼ばれる逆起電力と同じ効果をトランスに与える


太陽電池をどんなに普及させたとしても

交流送電に接続している限り

環境効果を引き出すことはできない

無駄な投資となるだけでなく

一般の受益者全体に損失を押し付けることとなる


二酸化炭素と電気代だけが徒に増加し

電力会社と太陽電池の供給者が利益を享受する

太陽電池を普及させるための公の助成金が増えれば

国の財政状態を悪化させるのみならず

一般の受益者が蒙る費用負担もまた増加することになっている

実にキッカイなことが起きているということなのだ


知識は有効に使うためにこそある

正しい理解はよい認識を生み

優れた認識は損失を減らして財政を健全化させるよい結果を残す

現状はこの正反対の経過を辿っており

その状態のもつ意味に文明は一向に気付こうとしない


答えが用意されている設問をどんなに早く解くことができたとしても

問題そのものに隠された事実がある場合

有効解を導きだすことはできない

テキストがなければ判断することさえできなくなってしまったのは

教科書を主体とするクイズ形式の「学問」を訓練するための場に

教育が変容してしまったことによる

知の劣化が止まらない温暖化を生み出したのだ

要素を抽出し

要因を分析すれば

構造を視覚化することが可能になる


隠された真相を追及する知の旅は

推理小説を読むよりも遥かに面白い

知は本来格闘技なのだ

秘められた真実を手探りで見出すための

自然法則との戦いに似ている

犯人を追い詰めていくプロセスが

これから

ようやく

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