こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

電 能 革 命

2010-07-25 07:03:30 | Weblog
環境に対する負荷が少ない

とされる各種の電源のかずかず

つまり

太陽電池や風力発電

だけでなく

マイクロ水力発電

そして

地熱を利用する発電システム



温度差から電力を取り出す方法

などの

さまざまなあたらしい電源

が生み出すいわゆる

きれいなエネルギーを普及させていくことにより

温暖化を止められる



堅く信じられている

時代


この素朴で単純な思い込みは

気候の変動を加速させて

生命環境をより苛烈なものへと変えさせた

主因


火力発電所の燃焼炉が止まった

という事実を確認したデータが 

ひとつとして地表には残されていない


交流の送電系統において

需要が低下しただけでは

化石燃料の消費を止めたとすることが

できない

そんな仕組みになっている

だが

電力会社も監督官庁も

その事実をひたすら隠しつづけている

温暖化が止まるはずはなかった


電源である発電所の出力を落とすには

磁場変化の割合を単純に減らせばよい

それだけのことなのだが

それには

発電機そのものの回転数を

減らすことが欠かせない

ところが

交流電流には周波数という

抜きがたい成分が与えられている

このため

発電出力を微調整することすら

できなくなっている

周波数がその安定性を失って

勝手にふらつくようになってしまうのだから
 

これでは電気機器を精密に制御することなど

不可能なのだ
 
発電所の発電機を止めるための条件とは

その出力単位にまで電力消費が減っている

ということを確認した上で

且つ

その後の電力需要の急増がない

という見通しが確定した後のことに限られる


発電機を系統から解列しても

燃焼がその場で止まるということを意味しない

蒸気発電では

電力を発電機が生み出すようになるまでに

蒸気圧を高め続けていなければならない

二酸化炭素を減らす機会は

多くない


炉の火を完全に止めてしまわない限り

二酸化炭素は多かれ少なかれ

発生し続けている

冷えた炉を再稼働させて

電力を供給することができる体勢へと戻すには

二時間ほどの余熱圧縮行程

という準備のためのプロセスが欠かせない


この一事を見るだけで

節電で二酸化炭素が減らせない

ということが

すぐ

わかる単純な話

自然エネルギーをどれほど導入しても

二酸化炭素を「実際に」減らせる道理は

なかった


発電に要した炭素系資源を

節電やその他の方法で

電力消費を減らしさえすれば

その分だけ

二酸化炭素の排出量が減ったことにする

という法律を成立させた

過去の事実があるために

温暖化現象が止められないものになったのだった


温暖化が止まっていない最大の原因は

政治の場で行われてきた

根拠のない馬鹿げた法律の制定とその施行にあった

更に

ドルの価値を裏付けている物質を

金から石油へと変更したということが

禍をまき散らす効果を拡大させ

それを今に伝えている


この相関が維持されている間

環境異変はこれからもっと募るようになる


これまでの経過を数多く

実際に見ていながら

その変化の意味を人類は理解しようとしなかった

効果のない対策に国費を毎年大量に投じてきた歴史的事実が

いまや

国の財政を強く圧迫するようになり

二酸化炭素の増産に安定的に寄与するようになってしまったのだった

実に不幸な結果が与えられているのだが

文明は

その真実を顧みようとさえしなかった


交流電流は止まっていることも

貯めておくことも

共にできない

周波数という常に変化している成分が

交流電流を成り立たせている


停止することさえできない電流は

使われる機会がなければ

後はそのまま

地の底へと

捨てるしか方法がない

安全性を保つには

最も低い電位へと電流を導かなければならない


このような劣った電気に執着してきたからこそ

文明は問題の本質を見失い

気候の変動を地球全域で生み出すようになったのだ


ドルが基軸通貨である限り

温暖化は決して止まらない

交流送電がインフラである限り

二酸化炭素はこれからも増え続ける


幸いなことに

ある種の電源システムを組み合わせるだけで

交流送電をなくし

石油の消費を減らすあたらしい画期的な方法が

既に見出されている

あたらしいエネルギー大系は

ドルを基軸通貨の座から追放する

国際経済に与える影響は

計り知れない

これこそが

人類が解決すべき本当の課題

その本質的な 成分が潜む場所であった 



※ 能=エネルギー 用例⇒放射(能) Radiation energy
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有 害 無 益 ②

2010-07-18 07:45:42 | Weblog
石油を掘り出す必要は もう

ない

電気は

磁石と導線

そして円運動を与えてやりさえすれば

制限なく

いくらでも取り出せる


要するに

運動効率と

作業効率の問題でしかないのだ

磁場を変化させるその状態が

誘導電流を決定する

ということ


回転力を引き出すために

燃焼炉で地下資源を燃やし

その熱エネルギーで

電気エネルギーをこれまで取り出してきた

その結果

気温の上昇と局地的な豪雨などが

世界中でみられるようになった


発生させた電気エネルギーを備蓄する方法は

複数ある

電源との組み合わせ方を工夫することにより

とても大きな効果を引き出せる

自然エネルギーを活かして使うには

この方法しか

ない


きれいな電気を交流のきたない送電系統に繋いでも

汚れていない方の電力を捨てることになるだけなのだ

電力会社は

自らの経営資産を有効に使う義務を持つ

出力変動のない安定した交流電流は

日照や風力によって出力が変化する自然エネルギーよりも

安定性という点ではるかに優れている


60%の火力発電所と

原子力発電所が生み出した30%

それに水力発電の10%を組み合わることで

日本の電力供給が安定的に成り立っている

交流の高圧送電で輸送されている方の

きたない電気にとって

出力が変動して定まらないきれいな電気は

安定していた電力の品位を大きく損なう

邪魔もの


自然エネルギーが生み出した品位の低いきれいな電力は

地の底へと捨てるために

電力会社が買い取っている

真相を韜晦し

汚れた電力の供給をこれからも続けていくために


政治的な圧力がかかるようになる前まで

太陽電池の買い取り価格は

kwあたり6円にまで引き下げられていた

風力発電ではその半分の3円にされていた

この事実を忘れてはならない


電力会社の発電コストより高い価格で

自然エネルギーが生んだ電気を電力会社が買い取っているのは

損失を一般の消費者に転化する合意が既にできているからなのだ

太陽電池の設置者は

投資の回収を早めて

早く楽になる

だが

そうではない大多数の一般消費者にとっては

電気代にその無駄なコストが上乗せされるようになる

このため

負担増を甘受することを強要されることが決まっている


このようなまことに不合理な制度が

温暖化防止の美名の下に

ほどなく実施されようとしている

ということなのだ


これで利益が得られるのは

電力会社と太陽電池のメーカー

そして販売を担当する地域の業者だけ

消費者にとっては電気代が上がり

二酸化炭素は減らせない

という結末が与えられることになっている


電力輸送の品質を高く維持しておくためには

安定した

火力発電所の稼働という状態の維持が

絶対的に必要なのだ

節電努力と自然エネルギーの普及拡大という方法で

温暖化を止めることは

不可能

増加して一向に止まらない二酸化炭素が

自然災害を地球の至る所で引き起こしている

この現状は原因を絶たない限り

この先も延々とつづく

状況は悪化するばかり


発電に要した化石燃料は

電力消費を減らしたからといって

セーブされた訳ではない

一旦熱エネルギーになった以上

元の資源へと戻すことなどできはしない

節電行為と自然エネルギーの拡大という方法では

二酸化炭素を

減らせない


ものごとの本質をみなければ

有効な対策を導くことはできない

電気エネルギーになったものを

熱エネルギーへと戻すことはできても

効率は劣化して収支はマイナスとなる

更に元の地下資源にまで復元することなど

できるはずもない


国がやっていることは

不可能なことを

可能にしたと言い張っているだけ

現実に二酸化炭素が節電行為で応分に減っていたのであれば

節電時間と変数の積に連動して

自動的に減少していたはずである

この部分を実際のデータで確認したという事実は

ない

名目の値で二酸化炭素を減らした気分になっている


発電で消費した化石燃料を

節電で減らした

ということにしただけのことだった

効果のない対策に国費を永年投入し続けてきたために

国の損失を徒に増やし

二酸化炭素濃度もまた

上積みせざるをえなかった

ということ


問題はこの簡単な事実を理解せず

誤った情報を鵜呑みにしてきた過去の経緯に存している


真相を知っているのは

利益共同体の関係にある電力業界と

その監督官庁

およびそれに連なるグループ

自然災害の増加で被害を蒙った庶民は

最大の犠牲者

効果のない対策を継続させるために

血税を納付し続けてきた過去の事実が

被害を拡大するという実に不幸な経過を

招き寄せている


国の財政状況は悪化の一途をたどっている

国費の使い方に問題があったからこそ

温暖化は止まらずに

財政は悪くなるばかりで改善しようとしなかった

事実を認識することは容易であったのだが

おきている現実には

それが反映されたことを示す証拠は見当たらない

電力業界が真相を

今なお秘匿し続けているからである


無駄な投資は

有害であるだけでなく

無益な結末を

国と地球へと公平に連れてくる

経過の推移から真相を読み解かなければ

文明に明日はない 
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潜 在 能 力

2010-07-11 08:12:16 | Weblog
あたらしいエネルギー大系が誕生したそのときから

石油の需要は減り始める

地下資源に依存しないエネルギーモデルが

やがて

地上へとやってくる


出力変動の大きい自然エネルギーからでも

十分な電力を取り出すことができる能力をもち

発生させた電流を有効に使って

円運動を安定的に制御し

そこで発生させた磁場変化で

所期の誘導電流を

着実に生み出す

という

とても簡単な仕組みのエネルギー供給システム


誘導電流は磁場変化の割合に

等しい

回転軸に

ある処置を施してやると

エネルギーを機械的に増幅する効果が得られる

円運動を生み出すのに消費した以上の電力を

発生させるエネルギーシステムが

日本のどこかで

密かに

開発されている


電磁誘導の法則とその原理を調べると

磁場と電場の織りなす関係が浮上する

回転式の発電機の動作原理は

すべて

この電磁誘導の法則に基づいている


誘導法則のもつその意味が分かっていれば

資源を消費しない電力供給系に辿りつくことが

はるか以前にできていた

交流の高圧送電はこの法則で成り立っている

電流を導くには

電位差というものが必要だ

電流は電位の高いところから

低いところへと向かって流れる

電位の差が設定されていなければ

発電機を動かしても

電流は生れない


高圧の送電線はすべて接地点へと向かって落ちていくことで

電力輸送を成り立たせている

発電機へと戻る必要は ない

回路ではなく

そこにあるのは電路

電流を発電機へと戻す意味そのものが

ないのだ

このため

消費者がどれほど節電に励んでも

また

どんなに太陽電池を大量導入しても

それが発電所へと帰るための道は用意されていない


温暖化対策に大金を毎年投じていても

二酸化炭素が減らずに却って増加していたのは

発生させた電流が

地の底へとすべて消え去っていたからなのだ


変電所という中継点は

電流の電圧を下げることによって

電流値を増やし

それを分岐させるための施設

高圧側のコイルに流れている電流は

低圧側のコイルに誘導電流を生ましめるための

励磁電流となり

そのまま地下深くへと直ちに落ちてゆく

電路に接地がとられていなければ

励磁電流は存在できない

電流を地中へと落としても

ほぼ等量の電力が低圧側のコイルに誘導される

このため励磁電流を地底に捨て去っても

損失は2%程度しか生じない


この行程を繰り返して

100万ボルトの高圧電流を

需要地で100ボルトの低圧にまで下げている

変電所の置かれている数の分だけ

地球は電流を吸い込まされている

ということなのだ

接地されている電流が

発電機へと戻れないのは当たり前の話


あたらしい電力供給システムでは

電力需要が発生した時にだけ

その電気製品が求める適正な電流を生み出す

必要のない発電を一切行わないので

無駄なアース電流を生み出さようなことはない

送電に執着しているとゼロボルトの電位に拘束される

節電が有効ではなかった訳は

接地系とよばれている送電系統で

インフラが成り立っているからなのだ


回転機を動かす能力が一定時間確保されていれば

消費した電力を埋め戻しながら

その他の用途に供給するための電流を

誘導発生させることができる

これが増幅発電機の原型モデル

交流送電の課題を知れば

対策を有効に導くための方法を探りだせる

ただそれだけの

こと


問題を問題として観る目をもとうとしなければ

状況を変える力を引き出すことはできない

これが温暖化を止まらないものにしていた理由

事実認識を誤っていたからこそ

気候の変動が文明を淘汰しようとし始めた

設問の意図をただしく知れば

解が掌中にあったということを

京都会議の頃には悟ることができていた

そのときから現在までの間に起きたことの一切は

存在することさえできなかったはずである


原油相場の高騰による資源インフレがそうであり

ドル余り現象とその結果である金融危機もまたそうである

更に

発行過剰で余らせたドルを処分するためのドル安政策と

それが招いた貧困の蔓延などもそうであり

財政赤字の増加と金融機関が陥った与信能力の低下に加え

基軸通貨となったドルが世界市場を浸蝕していったことで

世界中の国々が財政赤字に苦しむようになった傾斜から

抜け出せなくなってしまっていた


石油の利権に絡む新たな軍事行動がおきて

更なる軍拡と核の拡散までがその後引き起こされた

これらの各項目は

あたらしいエネルギーシステムを開発した国が登場した時点で

消え去る


石油という地下資源に文明が条件付けられている間

温暖化は決して止まらない

ドルの価値は石油の需要によって支えられている

地下資源がなくてもエネルギーを賄えることが判明したとき

アメリカの役割は終わり

不具合の多くが地表から身罷る

地下資源を買う必要がなくなると

可処分所得はすべての面で増加する

繁栄を続ける上昇スパイラルが

どこかの市場で生れると

生産に寄与しない軍事予算は

世界規模で意味のないものになる

経済成長を遅らせるためのハンディキャップを背負った国は

その分だけ繁栄から長く取り残されるだけのこと


21世紀を起点とする平和へと向かうための競争が

この先のどこかで

唐突に始まる 
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対 症 療 法

2010-07-04 08:24:20 | Weblog
国際経済を成り立たせている現在の枠組みは

ドルを基軸通貨と定めた

ブレトンウッズ協定に基づいて

成り立っている


第二次世界大戦の前年である1944年の合意を起点として

終戦を経たのちに発効したこの協定に基づき

ドルは自由主義経済圏で

健全な基軸通貨としての役割を円滑に果たしていた

だが それは

1971年夏までしか続かなかった

アメリカが金本位制からこのとき

一方的に離脱することを宣言し直ちに実行したからであった 


金の絶対量という束縛から抜け出して

自由となったアメリカに帰属するドルの発行権は

経済基盤そのものを大きく拡大することに貢献したのだったが

過剰流動性

という避けがたい属性をドルに与える結果もうみだした

基軸通貨の価値を保証する指標となっていた鉱物資源の金から

ドルが切り離されたことによって

新たな価値基準としての役割を

石油に果たすようこの変更は求めていた

この衝撃のことを

ドル・ショックと呼ぶようになった

このことが

エネルギー資源を取引する際に

ドルの供給義務を遅滞なく果たすよう

アメリカに強く迫ることとなったのだった


ドルの特性である過剰流動性というものは

金本位制から離脱した結果の産物に他ならない

地上へとやってきた禍の たね

はこうして発芽し

勝手に成長していくようなものになっていった

ということなのだ


石油を必要とする国は

その代金を

ドルで決済しなければならない


決済通貨であるドルを

どれほど保有しているのか

を証明する指標とされてきたのが 外貨準備高


商取引を信用で行うための実効のない担保

と思われているのが

このドル建ての国が保有する預金残高のこと

意義は既に ない

現預金と債券 

そして金塊などの総額をそう呼ぶ「習わし」になっている

ドル以外の通貨であっても外貨準備と総称することはあるのだが

絶対的な価値をもつ何かの取引でない限り

その通貨を対象とする外貨準備が特別の意味を持つことは 

ない

国がもつ在外資産残高の推移に

ドルでなければ特別の意味が宿ることはない

これが基軸通貨たるその所以


ドル以外の通貨では

原則として石油を購うことはできない

その他の

エネルギー資源も手に入れることはできない

炭素系地下資源は

原油相場の結果を参考にして決まる仕組みになっている

これがアメリカに優越性を与えていた背景にあったもの


ソ連が唐突に消滅したことによって

世界はドル経済圏で統一され

アメリカはドルの供給益で大いに潤った

政権交代の際には莫大な財政黒字が

クリントンからブッシュへと引き継がれている


石油の取引価格が思惑で上昇すれば

ドルの需要も又

同じ比率で増加する

アメリカがドルの供給を怠れば

ドルを求める声は世界中に広がり

ドルの通貨価値はFRBの制御を超えて

勝手に上昇しはじめるようになる


アメリカがドルの供給を十分に行わなければ

それだけでドル高外貨安という状態が発現するのだ

ドル安政策とは

この状態になることを事前に回避して

ドルの通貨価値を

その発行国であるアメリカの裁量により

安定的に制御できるように図ること

を意味していた


市場に滞留しているドルを放置しておいたままでは

ドルを新規に発行して供給するメリットは

ない

アメリカ以外の国が保有しているドルの余地が

その国をドルの供給元にするだけのこと

為替操作国とは

ドルをアメリカが望まない水準へと勝手に引き上げたり

その反対に

引き下げたりするアメリカ以外の国のこと

ドル資本がドル安政策を遂行するために

市場で滞留しているドルを

民間の組織である自分自身で回収し

それを豊かな国である日本や中国に押し付けていくことによって

円高や元高を誘導してきた

という事実が ある

日本と中国の外貨準備高が急速に伸びたのは

過剰発行したドルの仕向け先として

東アジアがその対象とされてきたからなのだ

ドル安政策を受け入れた国の市場介入行為を

為替操作とは呼ばないことになっている


急速なドル売りであるドル安に対抗するために

当該国の中央銀行がドル買いを進めて

ドルの価値を引き上げてきた

その行為は

介入であって操作ではない

という慣例が作られている

国際経済には

アメリカが定めた二重基準が蔓延している

それを問題として指摘した国は

ひとつもなかった


ドルを買った国には

ドルを売った組織がやってくる

ドルと引き換えに得た当該国の通貨で

その国の市場で

固有の資産を次々に買収していき

獲得した収益をドルへと戻すことによって

投資家へと還元するルートが作られている


ローカル市場に大量のドルを持ち込んで

市場を制御する勢力を形成すると

利潤の回収に為替差益さえ上乗せできるようになり

その後

過剰流動性を消す目的を兼ねた再投資の波が

再びその国の岸辺へとやってくる

この繰り返しがローカル市場から流動性の厚みを奪い

産業の活力を低下させ

労働環境と消費市場とを劣悪化させてゆく


ドル資本が投資の対象とするのは

担保価値のある土地が最初のターゲット

日本でもドル安政策が合意された85年秋以降

土地神話を根拠としたドル資本による買収工作が盛大に行われ

土地は絶対に値下がりしない

という評論家の妄言を信じた多くの国民が

損失を抱え込むこととなったのだ

これと同じことが

今の中国でも土地の使用権を対象として起きている


その後M&Aが盛んに行われるようになっていき

株式市場へも更なる外資の参入が進むようになる

国内経済は活況を呈するようになるのだが

経済成長率が低い国の市場では

積み上げた収益をドルへと戻す作業が優先され

収益の総てが再投資へとは回らずに

投資家へのリターンとなるために回収され

その国の市場は必然的に枯れてしまうことになる

これが貧困を蔓延させたその原因なのだ


バブル後の経済政策を誤り続けてきた日本の政府は

アメリカが過剰発行したドルの捨て場所になることを

無批判に受け容れただけでなく

円で計上した収益をドルに換えて

直ちに回収させるための

単なる集金機関と化していた

国が劣化したのは 道理であった


経済成長率が高い水準を保っているあいだ

投資が投資を呼ぶ展開は拡大を続け

その国の市場が流動性の厚みを失って枯れるような事態へと

陥ることはない

日本の現状と

中国の現状にある違いの意味とは

外資を活用する政策を実施したかどうか

というその点にあったのだ


ドル資本がやってくると

その国の市場はカネが回らない状態となり

企業は活力を失い

政府は税収を減らして

財政赤字をひたすら積み上げていく

その対策として税の公平負担を狙った

付加価値税を導入し

その比率を高めていかざるをえなくなっていったのだった

欧州ではこのような経過が早くから観測されていたのだったが

日本ではバブルの最盛期を迎え

消費税は3%と低く抑えられていた

その代わりに赤字国債の発行残高がその後急増するようになり

今では千兆円の大台に迫るほどにまで肥大している


国際経済を成り立たせている石油・ドル本位制という枠組みでは

最終的にドルの発行国には利潤が集積し

石油を買ってきた国の市場からは

流動性の厚みが消える

この展開が強制的に生み出されるため

世界各国は例外なく財政赤字に苦しむようになっていく

中国でも経済成長が鈍化するようになれば

日本と同じ経過を辿って

貧困を募らせていかざるを得なくなる


貧困を生み出しているのは

ドルを過剰供給することによって

双子の赤字を募らせてきたアメリカのドル安政策であり

その他の国の政府が招くこととなった財政危機は

ドルを買ってきた長年のツケが

遅れてやってきたその結果であった


ドル安政策は基軸通貨の過剰流動性をより高め

資源価格を高騰させて

インフレの圧力源となるだけでなく

軍産複合体制を肥育して軍拡を続けさせ

世界を危険な状態へと追い詰める

過剰流動性は貧困を蔓延させながら

ドルの与信能力を失わせ

金融危機さえ招き寄せる状況を

既に二度も生み出している


日本でも財政危機を増税で乗り切ろうとしているのだが

財政収支を悪化させた原因を突き止めようとせずに

国民に負担だけを押し付けて

国の借金を減らすしか対策がないと思い込んでいる

原因を断ち切れば

貧困と軍拡のメカニズムは消滅する

健全な経済体制を希求することによって

軍事予算をこぞって圧縮すると

財政赤字から脱却することができるようになる


温暖化と貧困化

軍拡と基軸通貨との間にあるメカニズムをみなければ

有効解は得られない

正しい選択へと辿り着くことができたとき

不具合の一切は

一斉に地上から消えてゆく

対症療法で

貧困病と強迫神経症が根治するようなことは 

絶対にない 
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