ぼやき、ぼやき、ぼやき(^^;)

元助監督で映画キャスティングマンの

「冬構え」 1985年 山田太一脚本

2020年07月07日 | 映画の光と影
「冬構え」 1985年 山田太一脚本

出演:笠智衆・岸本加世子・金田賢一・沢村貞子

年老いた老人は全財産を現金化して、晩秋の東北地方へと旅に出る。途中、死の床にある友人を見舞ったり、上品な老女にほのかな愛情を抱いたりするが、旅の目的は実は・・・・・

なんとなく途中で、主人公の笠智衆が死に場所を探している事はわかる。そして、これから店を出して生きていきたいという、若者の金田賢一・岸本加世子が、笠智衆の側に寄り添ってくる。この死と生のバランスが見事で感動する。そこに沢村貞子が加わって、単純な人生ドラマではなくなっていく、構成の見事さに舌を巻く。これが35年前の作品だなんて、信じられない。今見ても、なんの遜色もない。いや今のドラマを駆逐してしまう。このドラマを見ると、35年間、TVドラマは全く進化していないのでないか、と言いたくなる気持ち。暴言だろうか・・・・