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ようこのかまど

おいしいからうれしくなるのかな、うれしいからおいしくなるのかな。

修了のことば(下書き)

2017年01月08日 | デキんレジの雑記帳

おまもり(後述)
…たとえば、隠れた喘息を診断できたごほうび、というより、諦めずに患者さんと一緒に悩み続けた勲章。


研修医1年目が始まってから、病院がどこかよそよそしくて、周りのみんなは自分と違って自信に満ちて(見えて)、今まで感じたことのない“紛れ込んでしまった感”にずっと苛まれていました。病院にはいつも人が溢れかえっているのになぜか寂しくて苦しくて、でも今振り返ればその度に誰かがさりげなく手を差し伸べて私が日々の歩みを止めないでいいようにしてくれていた、このことは忘れてはいけないと思っています。
半年くらい経って、自分のやりたかったことが見えてきて前を向けるようになったらなったで、その目標への距離の遠さを突きつけられて、それをいろんなもののせいにしてひたすら捨てようとしたこともありました。
2年目は無駄な緊張がとれて仕事や勉強に集中しやすくなったのがよかった。自分の成長を実感させてくれる優秀な病棟長たちにあたった時ほど、恩を感じてもっと貢献できるようになりたいと思えた一方、一年後の自分が到底おなじようには振る舞えないだろうと想像して進むべき道に迷うこと半年間、採用の誓約書は締め切り当日に出す迷惑者だったけど、それくらい真剣に悩んでいたということ!
外部での研修で日々の病棟業務から解放されることもあって、じっくり話したり考えたりする時間を与えられて、今思えばだいじなことを気付いたり思い出したりするまたとないチャンスもありました。
いまは、プライマリケアの外来研修。いまいち納得できずモヤモヤしていた問題や苦手意識の強かった穴も、一つひとつ埋めていけばいいんだと。また自分はやっぱり人の話を聞くのが好きで、そして人よりちょっと得意なんだと、それを最大限活かせるところに向かうんだと、再確認して行動を起こし始めたところです。
そうしていつの間にか、この病院の好きなところも嫌いなところも全部愛せるようになっていて、同時に自分がこの病院の一部になっている感覚を得ていました…ん、これはなんだか今日読んだところに影響されてるかも笑
Denn wie der Leib einer ist unhadoch viele Glieder, alle Glieder des Leibes aber, obwohl sie viele sind, doch ein Leib sind
コリント一 12.12


長い道のりでしたが、来年度は〜病院というところの内科専攻医として採用していただきました。
実は、いま働いているところと同じなのですが。

そんなふうに言いたいくらい、ただ漫然と残るのとは大違いなのだということを、ここに書き留めておきたいのです。
頼ってきた同期や先輩もそれぞれ新たな場所に遣わされて行ってしまうし、立場が変わって今までの働き方じゃ足りなくなるし、病院だってしょせん人でできた有機体なのであって良くも悪くも常に変わっていくことは今年度痛いほどわかりました。
だから、甘やかしも甘ったれも意識的に排除しなくてはと思います。その結果、もう今から既に、2年前よりむしろさみしいし不安だらけです。
じゃあなんだったんだろう、この2年間の収穫は?と考えれば答えがないわけではない。
だって、やっと捕まえたんだから、入職するよりずっと前からあったはずの自分の夢の根っこを。そう、2年間ここで自分で捕まえてきたものが、この手の中にあるんです。それが、私がすがれる唯一のおまもり。

4月にはそれ握りしめて、通い慣れた建物に向かって「はじめまして、こちらで育ってきた者です。精一杯がんばりますので、どうかよろしく。」って言わなくちゃ。

なーんて、明日から新年度みたいに思いつめた作文しましたが、あと三ヶ月は初期研修医です。最後の余裕あるローテなので、本読んだりしながら材料を蓄えているのです。まだまだ更新中。
ね、
3ヶ月後のわたし!

(最近の読書:
https://www.amazon.co.jp/「甘え」の構造-増補普及版-土居-健郎/dp/4335651295)