![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/2c/d4fc3d010bfec32f7d2e3e84bb6961aa.jpg)
( この写真は、40年近くアシスタントの仕事をした私のデスクを撮影したものです。中央にある原稿は、
私が描く最後の「H雲」の仕上がり原稿の一部です。ちなみにデスクの周りはゴミとホコリの山なので
す。 なるべく触らない様にしないと危険で・・・・・《 2017年、6月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その12
《 漫画家アシスタントが・・・・先生より先に引退する・・・・!? 》
先日、6月23日の金曜日に私は漫画家アシスタントを引退しました。
というわけで・・・・・・・・・・・・
この「 漫画家アシスタント物語 」もいよいよ、次回で最終回となります。
ちょっと寂しい気もしますが・・・・・・・・この寂しさは、漫画作品が描けなくなった頃( 10
年前 )からずっと続いていた気もします。
・・・・・・・・ですので、今は、なんだか少しホッとしている感じです。
さて・・・・・・・・
私の師匠であるJ先生( ※参照 )は、軽い糖尿病を患っているとはいえ、まだまだ元気に酒
を飲み、マルボロたばこをバッカバカ吸いまくるほどの精神力ですから、しばらくはその
創作活動がストップする事はないと思います。
しかし、私の方の体調が良くありません・・・・・・・・
ここ数年、腎臓病とヘルニアに悩まされてきた上に、頭の回転もすっかり衰えてしまって・
・・・・・・・・・
あああ・・・・・・・・頭の回転が・・・・・・・・やけに・・・・ゆっ・・・・・くり・・・・・に・・・・・・・・・・・・
この不愉快な脳の愚鈍ぶりにも嫌気がさして大学を辞めたわけですが・・・・・・・・
突然倒れたり、パ~になったりして、学生や周りの方々に迷惑をかける前に・・・・・・・・・・
・・・老兵は去って行った方が良かろうと・・・・・・・・・・・・
そして、年金や退職金をあてにしつつ・・・・・・食っていけない日本を離れて東南アジアへの
移住を選択する・・・・・・・・・・ま・・・・そんな次第なのです。
2017年6月23日(金)・・・・・・・・
東京、目白のJプロ( ※参照 )で・・・・・・・・
私が最後に描いた背景画は・・・・・・・・
大きなお月様の絵でした・・・・・・・・
今週、発売される「 〇ッグコミックオリジナル 」の「 H雲 」に出ているはずです。
夜の江戸の町に浮かぶ月。その下の大きなコマにアップで雲に半分隠れたお月様の絵・・・・
・・・・それが、私の最後の背景画になりました。
この日も、締め切りがギリギリで・・・・・・編集にはあおられ、一人で6枚の背景を処理しな
くてはならないハードな作業でした。( 通常は1日で2~3ページ )
背景画の制作がとても間に合わずに、連載された過去の原稿を段ボール箱から引っ張り出
してそれを切り張りしたり・・・・・・・・・・かつて経験した事がないほど、無茶苦茶な進行状況
でした。
それでも、なんとか間に合わせるのが、Jプロの凄い所ではあるのですが・・・・・・・・・・・・・
さて・・・・・・・・・・・
私がいなくなったらどうなるのか・・・・・・・・・・・・ま・・・・そんな事は知った事ではないので・・
・・・・・・・・・・別に心配はしていません。
「 辞めないでくれよ、今辞められたら困るんだよ! 」
・・・・・・・・ってな事言われりゃ別ですが・・・・・・・・・・・・
意外とサバサバと簡単に辞められてしまったわけで・・・・・・・・・・・・
『 アシスタントの代わりなんていくらだっているからな・・・・・・・・ 』
・・・・・・・・ふと、そんな風に考えてしまうわけで・・・・・・・・・・( ちょっと無情な風が吹いて
いる )
ですが・・・・・・・
これからもガンガン続くであろう「 H雲 」・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・と言いたいところですが・・・・・・・・・・・・
噂によると、この40年続いた連載漫画もいよいよ終わりの時が来るとか来ないとか・・・・・
問題のXデーは、秋頃との事ですから・・・・・・・・・・まだ、6回か7回は続きそうですが。( あ
くまで噂ですので、この先2.3年続いちゃったりするかも知れませんが )
私が先生に、仕事を辞める話をしたのが・・・・・・・・6月7日。( 正式な退職日23日の2週間以
上前 )
その日は、仕事の量が少な目でちょっと早めに作業終了。
仕事の後で私は先生の部屋へ行って「 辞める 」話をしました。
普通の会社だと「 辞表 」ってやつなんかを上司に提出するんでしょうが・・・・・・・・
私の場合は、「 辞表 」なんて書かずに、いつもの様に・・・・・・・・
恐る恐る師匠に近づき・・・・・・・・・・・・
こちらに背中を向けたまま、黙々と原稿に向かう師匠に小さな声で・・・・・・・・・・・・
「 せんせ・・・・・・・・ 」
黙って背中を向けたままのJ先生・・・・・・・・・・・・
「 ・・・・・・・・うィ・・・・・・・・・・・・・ 」
予想以上に、こうした話は切り出しにくい・・・・・・・・
でも、キッパリと私は自分にムチでも入れるつもりで・・・・・・・・
「 あの・・・・・・・・・・・・ 」
「 漫画家アシスタント もう終わりで章 閑話休題 」 へつづく・・・・
( 不定期連載、目標は、毎月2回アップだが・・・・実際は月1回でもアップアップ状態 )
★前の記事へ→ 「漫画家アシスタントもう終わりで章 ちょっとお知らせ」へ戻る 】
【 ※参照 】
・J先生・・・・・・・・有名漫画家、1966年、23歳で売れっ子作家に。70年には週刊連
載6誌という逸話もある。現在は1誌に連載中。2017年現在、74歳。
・Jプロ・・・・・・・・漫画家J先生の仕事場。東京目白にあり、バブル期には6~7人の
スタッフが在籍。しかし2013年以降スタッフ2名。連載は1誌。ちょっと淋
しい今日この頃。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ お知らせ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★ このブログ「漫画家アシスタント物語」が書籍化!
詳しくは・・・ 《アマゾンのネット通販》
★ 拙作、文庫本『 劇画 蟹工船 覇王の船 』も発売中!
詳しくは・・・ 《アマゾンのネット通販》
★ 「漫画家アシスタント物語 4章の31~」に書かせてもらったガンさん
(ブログ本では『ハアさん』)が描いたソープランドの実録漫画を公開
中です・・・ 特別寄稿「 親不孝通り 」 第40話お父さん
★ 拙ブログのうぶ主が1987年にヤングジャンプ新人賞で準入選デビュー
した作品・・・ 「 雨のドモ五郎 」
★ 「漫画家アシスタント物語 第6章の10~」に書かせていただいた
リョウさんが描いたイラストを公開中です・・・ 「 龍馬さんとボク 」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【 各章案内 】 「第1章 改訂版」 「第2章 改訂版」 「第3章 改訂版」
「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」
明日(6月30日)、タイへ3週間ほど出かけてきます。
現地チェンマイで移住するためのアパートを探すのが目的です。
そのため、コメントへのレスがしばらく出来ません。
申し訳ありません。
どうか、よろしくお願いいたします!
http://www.bangkoknavi.com/special/5042754
チェンマイの楽しいそうな画像をありがとうございました。
結構私の知らない場所がいっぱい出ていて参考になりました。
向こうでアパートを探すのですが・・・・・・・・上手くいくかどうか、
ちょっと心配していますが・・・・・・・・
世の中、なる様になるもの・・・・・・・・
汗をふきふき、夫婦してタイのラーメンすすりながら頑張って
まいります!
zarigani より:
2017年4月6日 3:14 PM
私は安い年金生活者ですが。チェンマイでなら月2万B以下でやってます。バンコクは全然無理です。東京と変わらないです。
食費は1日40B(屋台のビニル袋のおかずが5Bかおにゃ5B外食おかず2品付きご飯25B他5B)
交通費はモーターサイのガソリン代月に約350B洗濯代月に約400B(30/Kg)
飲料水は1.5L二本で20Bーー4/20までのプロモーション。ホット用の水は1L1バーツ。(自販機です)衣料品はムーソン専門店で10分の1で購入。
携帯はcatに着換えたので月99B(以前はaisで450B)youtubeとかみないでlineやskypeならok.
マッサージも観光客が行かないタイ人用の穴場的なところを週二回利用。因みに120/H
まだまだお得情報ありますがこのへんで。
アシスタントが居た、と思うんです。
歴史の彷徨に消えた彼等の足跡は
杳として知れませんが
どうなったんでしょうね?
お久しぶりです。
陰ながら毎回読んでいました。
私も昨年にサラリーマンを辞めました。後輩が自殺し、私を招き入れた役員が退任したので、ひとつの機会だろう、と。そんなわけでして、しばらくぼんやりしていたのですが、次回で最終回と聞き、これはコメントしなくてはと駆られました。本当にお疲れ様です。
yes先生には畑違いとはいえ、様々なことを学ばせて頂きました。私の今日までの道程には掛け替えのない一部となっています。
実は今、東京の某所で工場勤務をしています。
自動車のベルトコンベア作業の季節工です。
「現代の蟹工船」とも言える仕事を経験したいと思い、来ました。『蟹工船』の漫画を描いたyes先生に重なる部分があるかもしれません。
またいつかお会いできる日を楽しみにしています。
「季節工」って、冬の季語だと思っていました(笑)
夏に「季節工」って珍しいですね
最近は「期間工」って呼ぶのかな
※「期間工」:3か月くらいの契約でゴリゴリこき使って
優秀な人は、そのまま契約更新でコキ使われる日々が続く
仕事の遅いダメな人は、契約終了と称して、工場から追い出される
※どっちにしても、「期間工」は、良いことなし(泣)
冬場に仕事のない東北の百姓が、
収穫の終えた秋の終わりごろから、
田植えの始まる春先まで、
東京や川崎近くの自動車工場や建築現場で、働くのが
「季節工」って呼んでいたような……
最近は、スピードや能率が要求されるので
「仕事が遅い人」はすぐに「契約解除」で実家に帰らされる
そもそも40歳以上の人は「季節工」でも雇ってもらえない
と聞いております(2ちゃんねるに、そんな話がいっぱい載ってるデスね)
「季節工」で雇ってもらえたのなら、きっと
眞壁さんは、若くて優秀な方なのでせう。
こんなご時世ですから、ムダ使いしないでお金を貯めといたほうが
よさそうですね……
当時の大学では、自分がすっかり憔悴し切っていた所を救われましたので、あれが無かったら今はもう絵を描いて無かっただろうと思っています。
何というか・・・ありがとうございます。
なんとなく、寂しい思いです。
このブログが始まったころからずっと読んでいて
自分でもブログをやりはじめ、yesさんには
いろんなことに相談に乗ってもらったり、
マンガ見てもらったり・・
yesさんの言葉は、今でも漫画をかくとき
胸に刻んで日々かいてます。
次の更新はタイから帰ってきてからになると
思いますが、最後の更新も楽しみにしてます。
皆さん、レスが遅くなってしまい申し訳ありませんでした!
実は、20日(木)に帰国したのですが、疲れと日常の雑務に追われ、
あっという間に時間が経ってしまいました。(4日過ぎた!)
3週間というタイでの生活が、結構、時間の感覚に影響している感
じです。
タイにいると、物凄く時間が長く感じられるのですが・・・・・・・日本に
帰ると、物凄く時間が経つのが早いんです・・・・・・・・・・・これほど、極
端に時間の感覚が変わった経験はした事は、今までにありませんでし
た。
随分と前にタイで知り合った日本人長期滞在者が、バンコクの暑い日
差しに目を細めながら・・・・・
「いま日本に帰ったら、きっと日本の暮らし(スピード)につい
て行かれないと思いますよ」
・・・・・・って言っていた事の意味が分かった気がします。
>ももりんさん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
タイでのロングステイについての記事を紹介下さって、ありがとう
ございました。
確かにバンコクの物価は高いんですよね。
チェンマイは、バンコクより3~4割物価が安いと思います。
さらに、カミさんの故郷である北部のメーアイの物価は、そのチェン
マイよりも2~3割安いんです!
市場で野菜や肉類を購入して自炊すれば、相当に安く暮らせます。
(単純に夫婦で1日1000円で食べていけます)
>匿名希望さん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
浮世絵の背景を手伝う「アシスタント」って、つまり「お弟子さん」
なんだと思いますが・・・・・・
大抵の場合、先生に子供の頃から丁稚奉公みたいに弟子入りして修行
するケースが多かっただろうと思います。
つまり、どんなに有名な絵師でも、最初は「アシスタント」だったんじ
ゃないでしょうか。
絵画と漫画では、その作業は全然違うものだとは思いますが・・・・・・・・・・
名前も足跡も残らないって点だけは同じだと思います。
>眞壁さん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お久しぶりです。
とりあえず・・・・・・・・・お元気そうで何よりです。
鉄鋼関係の仕事を辞めたとの事ですが・・・・・・・・・・まだまだ、色々な体験
をしてみたいんでしょうね・・・・・・・・・・・・
夏場の工場勤務とは、きっと大変なんだろうと思いますが・・・・・・・・・汗を
流しながら自分の進む道を探し求めている眞壁さんの懸命な姿が目に浮
かびます・・・・・・・・・・・・
東京で暮らしておられるのなら、是非また会いましょうね!
>オレンジBさん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>眞壁さんは、若くて優秀な方なのでせう。
オレンジBさんの想像通り優秀です。(いや、ホントに!)
でも、今は苦しい体験がいっぱい必要なんだと思います。
彼が書いた大学時代の経験談「就職活動記」は、とても面白い作品でし
た。私が勤めていた大学へも「就活資料」として推薦したほどです。
ちなみに、日本の政治や経済を眺めていて思うんですが・・・・・・
眞壁さんが就職した様な大企業のほとんどは、先細りになって腐ってい
く様な気がするんですよね。
これからは、無名の若い人たちが泥の中で花を咲かせるように頭角を現
していく時代なんだと思います。
>B・INABAさん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
B・INABAさん、コメントありがとうございます。
アシスタントの仕事は、無事に「円満退社」という形で終わる事が出来
ました。
今までやってきたアシスタントやアルバイトで、「円満」に辞めた事って
ほとんどなかったので、どうなるのかと不安もあったのですが・・・・・・・・・
結局、古狸の様にまったりと40年をJプロで過ごしてしまいました。
私は、好きな事だけ、好きな様に、好きなだけやる・・・・・・・ってのが一番
なんじゃないかと思います。
ただ・・・・・・真面目な人には、迷惑かけちゃったりするんですけどね!
(多謝)
>ラティさん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お久しぶりです。
アシスタントを退職、ブログもいよいよ最終回を迎えます。
別に死ぬわけじゃないし、アシスタントやブログを止めるってだけの話
なわけで・・・・・・・
私は、いつもと変わらず「適当」をモットーに、「イイ加減」に暮らして
いるだけなんですね。
ラティさんは、主婦業やアシスタント業、さらに漫画制作と今もきっと
毎日忙しく暮らしておられると思います。
そんなラティさんから見ると、私なんぞは随分と「呑気な人間」に見える
でしょうね・・・・・・・
若い頃の私は、ホントに陰気でジメジメした神経質男でしたが・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
J先生と出会ってからは、すっかり「呑気な人間」(道楽者)になってし
まいました。
この調子で、タイで暮らしていきたいと思っています。
では、そろそろ・・・・・・・・・・このブログの最終回の下書きでも始めましょ
うか・・・・・・・・・・・・・・