漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 第8章 その51

2011年07月26日 13時59分41秒 | 漫画家アシスタント

 ( この写真は、私が務めるJプロのあるMマンションのエントランスです。建築された40年前はモダンな
   高級マンションだったのですが・・・・今では、オートロックもデコレーションもない古ぼけた印象だけ
   が目立ちます・・・・・・。《 2011年5月、撮影 》 )
  
  
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 
 
                  その51  
  
   《 漫画家アシスタントが・・・借金地獄について論説する・・・!? 》
 
 
世の中では、破産者は半端者、卑怯者として後ろ指を指す人は珍しくありません。
  
また、そうした人間( 破産者 )の発言や表情さえ薄汚れたものとして軽蔑されさえするのです。
  
商店主から生活困窮者まで事情は色々ですが、高い利息を何年、何十年と真面目に収めてき
たのに誰からも信用されぬまま( 低利息の借り換えができないまま )破産へ落ち込んで行きま
す。
  
漫画家アシスタントだって破産もあれば夜逃げもあります。
 
 
今日は、少しこの問題について考えてみたいと思います・・・・・
 
前回、700万円の利息の過払いがあったと弁護士から連絡を受けた話を書きましたが、その
話の流れを止めてしまう事をご勘弁下さい。
 
 
このブログを読んてくれている多くの読者の方には、「 引き直し計算 」( ※参照 )で借金が
なくなる事は理解しにくい事と思いますが( 中には、借金の踏み倒しだと思われる方も ) ・・
・・・
 
「 過払い利息の返還 」とは、つまり、存在しない利息を払い続けていたという法的解釈の
事なのです。
 
これは、おつりを払い過ぎていたのを、後になってからそのおつりを返してもらうのと同じ
理屈です。
 
仮に、もし・・・・・おつりを多く貰った時に、相手が間違えている事を知っているにも関
わらず、黙って多いおつりを懐へ入れたら軽犯罪法違反になります。( 落し物の現金をネコ
ババするのと同じです )
 
高金利のサラ金業者が、「利息制限法」で法定金利が20%である事を知らないはずはないの
で、「 利息制限法を知りませんでした 」なんて言い訳は裁判では通らない。つまり、過払い
利息の返還を請求されたら返さざるを得ないわけです。
 
ただし、過払い請求すれば、日本の全金融機関を敵にまわす事になりますから、事実上、5
~10年の間は一切のローン( 住宅ローンも自動車ローンも )、カード類の発行も一部の例外を
除いて全て拒絶されます。( 個人信用情報に記録されます )
 
違法な高利を払いつづけても寝入りする客だけが「 良いお客様 」で、訴訟なんかする「 ゴ
ミ 」とは一切、取引しないのが日本の全金融機関の一致したスタンスである事は付け加えて
おきたいと思います。
 
 
私が総額550万円の借金に至る26年間にただの一度も遅れずに支払った利息の総額は・・・
・・・・約1500万円( 半分以上はサラ金の分 )。まさに利息を払うために生きたアシスタント
人生だったと言えます。しかし、今から考えると利息1500万円払っても元本が減るどころか
増え続けたのですから高金利( 20~30% )の恐ろしさを少しはご理解いただけたかと思います。
  
もっと分かりやすく書かかせていただければ・・・・・
 
住宅ローンの場合だったら・・・・・・・

2000万( 変動金利2% )の借り入れは、毎月約7万円( ボーナス0 )の返済で35年後に完済できま
す。
 
自動車ローンの場合だと・・・・・・・

400万円( 金利2% )( 例:メルセデスベンツC-200 BEL )なら、毎月約7万円で5年後に完済
です。
 
しかし・・・・・・
 
サラ金( 10年以前 )の場合、200万円( 金利36% )の借り入れで、毎月約7万円( 利息のみ )を無
限に支払っても理論上、元本の200万円は1円も減りません。
 
つまり、「 低利 」と「 高利 」は数字の違いでなくて質的な変化が起こるという事なのです。
「 多いか少ないか 」ではなく、「 天国か地獄 」が出現するのです。
 
 
さて・・・・・
 
少し位なら借金したっていいんじゃないかなぁ・・・・などと思っている方々へ・・・・・
 
借りる人は、今、生活に困っている事しか頭にありませんから、将来の地獄を想像できませ
ん。せめてこのブログを読んだ方は絶対に消費者金融だのカードローンだのリボ払いなどを
利用してはいけません。どうしても必要な時は、友人や身内に頭を下げ、恥をかいてでも助
けてもらう方がまし( はるかに楽 )なのです。
 
簡単に借りられる事は返済が困難であることを意味し、借入が困難である事は、返済が容易
である事を意味しているという事です。
 
 
俺はお前の様なバカな借金はしない・・・・・そう思っておられる健常な方々へ・・・・・
 
国家財政が900兆の赤字なのはご存知の通りです。つまり、勤労者一人当たり1000万円の借
金があるのと同じですが、皆さんは、どの様にしてご返済なさるお積りでしょうか?
 
借金、お一人様につき1000万円です!
 
・・・・・幸いな事に、利息が1%ですので、月々9万円を10年ローンで支払えば良いのです。
( たったの9万円、10年で完済可能す! )
 
とても、簡単です・・・・・私の26年間に比べたら天国( 屁 )みたいなもんです!

私の様に36%の利息なら、毎月の利息だけで30万円返済しても、元本の1000万円は永久に
( ! )1円も減りません!
 
「利息」の本質を知らないと取り返しのつかない事になるわけです。


次回は、私がズッシリと・・・・大金を手に入れるお話を予定しております・・・・・
 
 
 
           「 漫画家アシスタント 第8章 その52」 へつづく・・・・


               ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その50」へ戻る 】




 【 ※参照 】
 ・引き直し計算・・・・高金利で支払った過去の返済金額を、利息制限法(上限金利
  20%)に基づいて計算し直す事。
 
 
  
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「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」




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漫画家アシスタント 第8章 その50

2011年07月19日 02時53分26秒 | 漫画家アシスタント

 ( この写真は、私が務めるJプロの仕事場前から写した夕暮れです。久しぶりに仕事が6時頃に終わ
  ったので撮影出来ました(いつもは夜に終業します)・・・・。《 2011年1月、撮影 》 )
  
  
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 
 
                   その50  
  
       《 漫画家アシスタントが・・・陽気を装う・・・!? 》
 
 
漫画家アシスタントが破産するのは、珍しいのか珍しくないのか・・・・その辺のところは分か
りませんが・・・・
 
破産か整理( ※参照 )か・・・・・・弁護士からの連絡を待つ陰気な毎日・・・・・・・
 
その事を私のカミさんもお店( ※参照 )の女の子( ※参照 )たちも知らない・・・・・・・アシス
タントの仕事をするJプロ( ※参照 )の先生( ※参照 )もスタッフも知らない・・・・・・

もちろん、拙ブログの読者も当時のブログ記事( 『 第4章その55 』の頃 )から、その作者が破産
一歩手前で落ち込んでいたとは想像もしなかったと思います。
 
いつもの様に顔色一つ変えずに仕事をする・・・・・・挨拶、相槌、お愛想、お辞儀、そして、
明るく笑顔・・・・・・
 
日常を当たり前に振舞う事がこれほど疲れるとは想像もしませんでした。
 
心の中では土砂降りの雨が降っているのに、顔では初夏の明るい笑顔を演じるているわけです。
 
 
2007年6月某日、私が池袋にある弁護士事務所( ※参照 )へ行った時には、「相談無料」という
のを当てにして、まったくお金を持って行きませんでしたので、初期費用は後払いという事にな
っていました。
 
まず着手金31,500円、そして、借金の元金が減額した場合はその2~3割は手数料として払わな
くてはならないので、その分を加えて毎月3万円ほどは支払わなくてはなりません。
 
しばらくは、今までとあまり変わらない生活が続きそうだな・・・・・・と。 パロミス( ※参
照 )の元金は減るかもしれないけど、それ以外の350万円の多重債務(銀行、信販、カードローン)
から逃げる事は出来ません。
 
弁護士事務所へ行った日から数日は陰気な毎日を過ごしました。まるで重たい胃病でも患った様
な日々・・・・・
 
6月の中旬・・・・私は池袋の西口、昼間の繁華街を歩いていました。駅前の銀行へ寄ってから、
目白の仕事場へ向かおうとしていたのです。
 
人の少ない、昼間の飲食店街ではパチンコ店だけが目立ちます。私は携帯電話を出して・・・・
 
 「 これから、着手金31,500円を送金しますんで・・・・ 」
 
・・・・と、下利弁護士に電話をしたのです・・・・・
 
下利弁護士は、気味が悪いほど明るい声で・・・・・・
 
 「 Yさん、おめでとう! 」
 
何がおめでたいのかサッパリ分からない私は黙ったまま携帯に耳を押しつけます・・・・
 
 「 まだ大雑把な計算ですが・・・・過払い金が700万あるんですよ! 」
 
 「 ・・・・? 」
 
 「 ですから、もう手数料の送金は必要ありません! 」
 
 「 え~~ッ!? 」
 
 「 着手金も手数料も、払わなくていいんです、後で清算しますから・・・・ 」
 
 「 か・・・過払い金が700万円戻るって事は・・・・つまり、そこからパロミスの200
   万円を返せるって事ですか・・・・!? 」
 
 「 違いますよッ! Yさん、最初から200万円の借金なんて無かったンですよッ! 」
 
 「 ・・・・・はぁ・・・・・・・・?? 」
 
 「 Yさんの借金は、最初の3年目で全額返済されていたんです! 」
 
 「 ・・・・3年・・・・で・・・・? 」
 
 「 そう。 だからそれ以降に借りたお金は、余分に支払ったYさん自身のお金だっ
   たという事なンですよ!」
 
私は26年間・・・・・毎月々々、パロミスの現金自動支払機の前に立って、背中を丸めていた事
が走馬灯のように頭の中を巡ります・・・・・・
 
36%の利息を20%で計算し直すと、私の借入額は3年目でゼロになり、それ以降は、パロミスが私
に借金(?)をしていた事になるのです。( おまけに、その「 借金 」には5%の金利まで付きます! )
 
私は、地球の自転が急に逆回転を始めたのではないかと思いました。 まったく逆さまな事が起
こったのです。
 
先月までは550万円の多重債務で破産しそうだった私が、今では破産しそうなパロミスの債権者に
なっているのです。
 
「 700万円 」と聞いた私は・・・・突然、ド貧乏からリッチに・・・・・・・・!
 
私の身体がアスファルトから2~3センチほど浮いている様な・・・・そんな気分になったのを覚
えています。
  
そして・・・・池袋西口の喧騒と6月の日差しの中を歩く私は・・・・・・
 
笑いをこらえるのに必死だったのです・・・・・・
 
 
 
  漫画家アシスタント物語 血豆の教訓
 
 『 みんなで入れば怖くない、お化け屋敷と弁護士事務所。 』
 
 
 
           「 漫画家アシスタント 第8章 その51 」 へつづく・・・・


               ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その」へ戻る 】




 【 ※参照 】
 ・整理・・・・・・借金利息分を棒引きにしてもらって、元本のみを分割返済したり、
  利息の引き直し計算(高金利を利息制限法に基づいて計算し直す)をして元本
  を減らしたり、過払い利息を返還させたりする。
 ・お店・・・・・・池袋北口に開いたタイ式マッサージ店(04~09年)。2000年頃からの
  エスニックブームで、新宿、新橋、池袋などを中心にポツリポツリと開店し始
  めた施術院。(風俗店ではありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお店も・・・)
 ・女の子・・・お店には常時3~5人のマッサージ師が待機。1日に1~3人のお客さ
  んを施術。全員がタイ人女性でタイマッサージ学校を卒業・・・タイでは、めずら
  しくありません。日本人と結婚、就労の出来る在日ビザを持っている。
 ・Jプロ・・・・・・東京、目白にある漫画家J・Aの仕事場。07年当時、アシスタント
  は3人。連載は隔週誌、月刊誌合わせて2~3本。80年代には連載6本、スタッ
  フ7人という時代もありました。
 ・先生・・・・・・・・有名漫画家、1966年、23歳で売れっ子作家に。70年には週刊
  連載6誌という逸話もある。現在は1誌に連載中。07年当時、64歳。
 ・弁護士事務所・・・・一見するとスポーツマンタイプで無精髭を生やした下利弁
  護士の地味な事務所。この場所や人物、時期などは変更しています。
 ・パロミス・・・・・・仮名。私の借金人生の中核をなすサラ金会社。「過払金返還」
  が始まるまでは、毎年、ここの社長が長者番付トップ5に顔を出していたと思います。
 


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漫画家アシスタント 第8章 その49

2011年07月12日 00時43分58秒 | 漫画家アシスタント

 ( この写真は、東京池袋の東口、グリーン大通りの交差点を撮影したものです。弁護士事務所を出て、
  6月の明るい日差しの中をこの交差点を背にしながら私は池袋駅に向かいました。まるで幽霊の様な
  有様だったと思います・・・・・・《 2011年1月、撮影 》 )
  
  
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】 

 
 
                  その49  
  
    《 漫画家アシスタントが・・・弁護士に励まされる・・・!? 》
 
 
チョビ髭の弁護士助手が困った表情で下利弁護士( ※参照 )を振り返ると・・・・
 
 「 会社やってるんじゃ~破産は難しいな~ 」
 
私は最初の目的であった「 任意整理 」( ※参照 )に話を戻す事にしました・・・・というか・
・・・・もうそれ以外に方法が見つからず・・・・・・・・
 
 「 と・・・・取りあえず・・・・パロミス( ※参照 )を整理してから・・・・・・ 」

長期間の借り入れ契約のあるパロミスなら、借金額を相当に減額できるかもしれない・・・・
その結果でどうするか考えても遅くはない・・・・
 
・・・・そう考えた私は、破産ではなく整理をして利息の過払いがどれ位あるのかを確認した
いと下利弁護士に話しました。

 「 分かりました 」
 
下利弁護士は、なんだかスッキリした様に明るく・・・・
 
 「 まず、高利のパロミスから吹っ飛ばしますかッ! 」( 弁護士の頼もしい一言 )
 
元気よくそう宣言すると、さっそく、助手に先ほどまで作らせていた破産のための書類を破棄
して、パロミス一社への整理手続きに入りました。
 
これからは、とても簡単に話が進み・・・・

 「 では、後はパロミスから入出金のデータを出させて、そこから利息の引き直しを
   しますから・・・・ 」

つまり、25%~36%という高金利を20%の金利に引き直して計算するというわけです。その結
果は数日中に出るわけです。

 「 ンじゃ~後は連絡を待っていて下さい! 」

そう、落ち込みと疲労で青くなっている私を励ます様に下利弁護士は笑顔を見せます。

 「 よろしくお願いします・・・・ 」

元気のない私は、軽そうな下利弁護士の笑顔と励ましのお陰でさらに複雑な心境になっていま
したが・・・・・・

次の一言・・・・・・この軽い弁護士の次の一言で「助けられた」気持ちになりました・・・
・・・

 「 Yさん、何も考えないで・・・・仕事の事だけ考えて下さい! 」

挫折と敗北感・・・・みじめな後ろめたさ・・・・・悶々としてしまう気分を、救ってくれる
言葉でした。

この弁護士事務所へ来る時には、前科を背負った犯罪者か指名手配犯の心境だったのに・・・
・・・今は、肩の荷が下りた様な・・・・・少しだけ落ち着いた気分で・・・・・6月の午後
の日差しの下を歩いていました。
 
下利弁護士が言った通り・・・・私が不安と絶望に沈んでいても何も始まらないのだ・・・・
・・・
 
さっきと同じ、遠くに聞こえる・・・・
 
 ♪ビ~~~ク、ビック、ビック、ビックカメ・・・・・・♪

・・・・・・でも、今は・・・・・・少し違って聞こえる・・・・・

『 前を向いて歩いて行こう・・・・・! 』

追い風を受ける様に私は地獄ではなく、いつもの池袋駅に向かって歩いていました・・・・・

 
 
           「 漫画家アシスタント 第8章 その50 」 へつづく・・・・


               ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その48」へ戻る 】



 【 ※参照 】
 ・下利弁護士・・・・・仮名、無精髭をはやした小太りでちょっと軽い弁護士。一見すると
  スポーツマンタイプの40歳代。事務所の場所や時期などは変更しています。
 ・任意整理・・・・・・借金利息分を棒引きにしてもらって、元本のみを分割返済したり、利
  息の引き直し計算(高金利を利息制限法に基づいて計算し直す)をして元本を減らしたり、過
  払い利息を返還させたりする。
 ・パロミス・・・・・・仮名。私の借金人生の中核をなすサラ金会社。「過払金返還」が始ま
  るまでは、毎年、ここの社長が長者番付トップ5に顔を出していたと思います。
 
 
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漫画家アシスタント 第8章 その48

2011年07月04日 21時40分06秒 | 漫画

 ( この写真は、恥ずかしながら・・・私が利用したカードローンの利用明細書の山なのです。毎月、送られて
  くる明細書だけでも相当な枚数になります。一つや二つ、忘れている事だってあるわけで・・・・・・《 2009年
  11月、撮影 》 )
  
  
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 
 
                  その48  
  
     《 漫画家アシスタントが・・・破産も出来ない・・・!? 》
 
 
池袋の人混みと喧騒の中で、まともに前を向いて歩けない・・・・

明るい午後の日差しと交差点を渡る人々のまぶしさが恐ろしいほどに冷たく感じる・・・

きっと、警察に逮捕されたり、刑務所に護送される時の心境は、こんなものなんじゃない
か・・・・・・・

そんな気持ちで弁護士事務所を訪ねました・・・・

古い雑居ビルの4階にある事務所は、壁や廊下が掃除されていない様な・・・・陰気でジメ
ジメした感じでした。

 「 下利弁護士事務所 」( ※参照 )

ネズミ色のドアをノックして中に入ると10畳ほどの広さに机や本棚がビッシリと置かれ、
弁護士の事務所というより・・・・津波に襲われた村役場と言った方がよいほどの雑然ぶ
りです。

ビクビクしながら、私は押し出すような声で・・・
 
 「 あの・・・・先ほど電話したYですが・・・・ 」

 「 ああ、Yさん、こっちこっち! 」

と、一番奥のデスクにいる下利弁護士が私を招きます。

大柄な体格は、ラガーマンを想像させるのですが、愛層の良いニコニコとした低姿勢は運
動不足の売れない芸人風。

無精ヒゲが、弁護士としての威厳よりも安っぽさを醸し出し・・・・・・

 「 え~と・・・・パロミス( ※参照 )とみみず銀行( ※参照 )、コロスカード( ※参照 )
   ・・・・と全部で6社、合計が500万・・・・ 」( 名称、一部変更 )

 「 あ・・・・あのぉ・・・・・ 」

私は、前日にメールで「 借金リスト 」から記し漏らしていた金融会社を告げました・・・

 「 実は、チビットからも50万ありまして・・・・ 」

 「 え~~~ッ!? 」

下利弁護士は、上体をそらす様にして・・・・

 「 ダメだな、そりゃ・・・・ 破産だなァ・・・・ 」

キッパリと大きな声で・・・・

 「 破産ッ! 」

愕然としつつも・・・・私は、内心・・・・

 『 無理もないよなァ・・・・借金が多過ぎる・・・・ 』

書類の束をテキパキとまとめながら、助手を指差して

 「 あっちで、正式な書類を作りますから、資料( 借金の契約書や支払いレシート
   など )を全て出して下さい・・・・ 」

私は、弁護士助手の青年の前に座り、借金に関する資料を出して、一つ一つ確認しながら
書類を作っていきました。

この弁護士助手というのが、覚醒剤中毒のタレント田代某によく似た30男で、小汚いヒゲ
面で私を軽蔑した様に見下しながら、借金の細部を調べるわけです。

 「 チー・スイ・ビー( ※参照 )の今月の明細書ですね・・・・・? 」

明細書には、お店で使う多くの備品代金やカミさんと旅行した時の費用など、結構高額に
なっていました。

この田代某に似た助手は、完全に多重債務者や破産者をバカにした様な・・・・負け組へ
の嫌悪感を隠そうともしない横柄な態度で明細書をつまみながら・・・・

 「 やけに沢山あるなァ・・・・買い過ぎだよ! 」

 「 はぁ・・・・ 」

 「 旅行に、デパートに・・・・ちょっと贅沢なんじゃないのォ? 」

 「 は・・・・はぁ・・・・ 」

 「 こんな無駄使いしちゃダメですよォ! 」

私よりも20歳位若い、この助手に・・・・完全にバカにされた様に説教されつつ・・・・

それでも、私は弁明に努め・・・・

 「 この買い物は、お店( ※参照 )の備品で・・・・ 」

 「 お店ェ? 」

 「 はぁ・・・・はい 」

 「 あんたお店やってンの? 会社? 事業者なの? 」

 「 はぁ・・・・ 」

 「 ダメだよ! 破産できないよ! 」

 「 ・・・・・!? 」

 「 事業者の破産は簡単じゃないんだよ、管財人も必要になるし・・・・! 」

 「 ・・・・??? 」

私の頭は・・・・一瞬、真っ白に・・・・

 『 ど・・・・ど~すりゃイイの? 』

 
 
           「 漫画家アシスタント 第8章 その49 」 へつづく・・・・ 


               ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その47」へ戻る 】




 【 ※参照 】
 ・下利弁護士事務所・・・・仮名、場所や時期など、細部を脚色しています。
 ・パロミス・・・・・・仮名。私の借金人生の中核をなすサラ金会社。「過払金返還」が始
  まるまでは、毎年、ここの社長が長者番付トップ5に顔を出していたと思います。
 ・みみず銀行・・・仮名。大手都市銀行。今回もこんな感じで各金融会社に対する憎し
  みを表現してみました。以下、若干、前回とネーミングを変更してみました。
 ・コロスカード・・・・・仮名。大手の信販会社。カードローンを利用しておりました。
 ・チー・スイ・ビー・・・仮名。大手の信販会社。カードローンはもちろん、普段の買い
  物などでもこのカードを多用しました。
 ・チビット・・・・仮名。テレビの竹中某のコマーシャルで有名なローン会社。
 ・お店・・・・・・・・・・私が池袋北口に開いたタイ式マッサージ店(04~09年)。 (風俗店で
  はありませんが、盛り場辺りには、怪しげなマッサージ店が多く・・・)

 
  
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