漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 その2

2018年08月16日 01時01分15秒 | 移住

    ( この写真は、チェンマイの借家の2階ベランダから撮影した朝日です。 このベランダからの風景が気に入ってここを
     借りたのですが・・・・・・・月々の家賃が7万円と高いので、毎月赤字が続き大変でした。 中央、朝日の下に広がるのは、
     この街のシンボルの大きな池です・・・・・《 2018年、7月、撮影 》 )

    【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】


 

                 その2


     《 漫画業界からタイへ疎開・・・・良さそうかい・・・・!? 》


仕事を辞めてから、半年もブラブラしていると「仕事がしたくなる」って聞いていま
した・・・・・・・・・

リタイアした人が、家でボンヤリしているだけで何をやったらよいか分からなくなる
とか、趣味や遊びだけやっていても飽きてしまうとか・・・・・・・・

ところが、私は仕事を全て辞めてから1年が経つのに・・・・・・・・「仕事がしたい」みた
いな気持ちはまったく起きません。

それどころか、仕事しないで延々と夏休みを楽しんでいる状態を否定する理由なんて
どこにもありません。

例えば・・・・・・・・

7月、8月と楽しかった夏休みが終わり、明日から学校が始まる子供に向かって「来
年も再来年もこのままずっとお休みだよ」と告げたらどれだけ喜ぶことか・・・・・・・・!

「え~~、ボクちゃんは学校へ行って勉強ちたいでちゅう~~」なんて言うガキは、
天才か変態のどちらかではないでしょうか。

私は、去年の夏に退職、秋からタイへ移住して早1年・・・・・・・・・・・・

漫画を描く事も、アシスタントの仕事の事も、また仕事場へ戻りたいなんて事も、冗
談にも考えた事はありません。

これほど、キレイさっぱりと忘れてしまうのは自分でも意外なほどです。

最近の漫画業界の話を見たり聞いたりしても、私が入り込める余地などなく、ただ時
代の流れが過ぎていくのを傍観するだけです。

私の様に万年アシスタントで終わった者にとっては、リタイアがそのまま心地の良い
「安息日」になる様な気がします。

実際の話・・・・・・・・・・

漫画家目指して死に物狂いの毎日で、本当に気が変になったり、自殺したりする人間を
見てきました。

逆に、漫画とスッパリ縁を切った人が、「鬱病が治った」とか「健康になった」「元気
になった」なんて話を聞いた事があるほどです。

私は、20~30代の頃には随分とカリカリ痩せ犬の様に生きていたものですが・・・・・・60歳
を過ぎるとこれほどのんびりとした人生を生きるとは、まったく想像もしませんでした。

「昔ハングリー 今スローリー」

若い頃には、「遅い」「怠ける」「何もしない」・・・・・・・そうした事が犯罪ででもあるか
の様に嫌っていたのに、今ではありがたい贈り物でももらった様に受け入れているのです。


私は毎日、飽きもせずに(ホントに飽きない!)お昼過ぎにグズグズと起き出し、好きな
ゲームだけをやって暮らしているのですが・・・・・・・・

このチェンマイの夏休みの様な暮らしには、「飽き」が来る気配はまったくありませんの
です。


さて・・・・・・・・

そんなわけで、すっかり私の体は運動不足でブヨブヨにたるんできました。

こちらでは、「夏バテの食欲不振」・・・・・・・・なんてものがありません。

これは、きっと暑い「夏」が悪いのではなく、無意識に過度なストレスにさらされている
事が原因で「夏バテ」が起きるのではないでしょうか。

ストレスらしいストレスもなくのんびり暮らしていると、食欲が衰える事もないようなの
です。

私のカミさんは、月に10日間だけ実家(チェンマイ市街から車で4時間の田舎)へ戻って
老母の介護をしていますので、その留守の間に私は毎日外食するわけです。(私も一緒に
行く事があります)

夕方になると、近所の定食屋さんへ出かける事が多いのですが、少し足を延ばしてショッ
ピングモールの「ロータス」(イオンに似た感じの大きなマーケット)へ出かける事もあ
ります。

「ロータス」には、屋台村の様な大きな食堂があって、好きな料理を専門店でチョイスし
て自分で食卓へ持ってきて食べるシステムがあります。

実のところ、これが結構安くて美味いのです。

タイ風のきしめん( 手打ち風のお米麺 )と野菜炒めで200円とか。エビチャーハンとパパ
イヤのサラダでも200円とか。

帰りに「ミスタードーナツ」で夜食のドーナツを2つ買って120円。

「ロータス」での食事は、近所の屋台で食べる食事代とほぼ同じ料金でお腹いっぱいにな
るので助かっています。( 普通に食費は、1週間で1万円未満 )

ブヨブヨした体がフワフワとお湯の中に浮いている様な暮らしです。

ですので、逆に時間が経つのが恐ろしく早く感じるのです。

60歳を過ぎてから、この様に体がお湯の中で溶けていく様な人生を送れるとは・・・・・・あり
がたい事だと思います・・・・・・・・・・・

しかし・・・・・・・・

美味しくて安い料理・・・・・・・・・・それはとても結構な事なのですが・・・・・・・・・・

実は、行き帰りの足が大変なのです・・・・・・・・

毎日が命がけのタイ交通事情・・・・・・・・

その辺りの話は次回に・・・・・・・・



          「 漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 その3 」 へつづく・・・・


          ( 月一連載を目指していますが、無理だと思います )



             ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 その1」へ戻る 】





   


【 各章案内 】   「第1章 改訂版」  「第2章 改訂版」  「第3章 改訂版」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」   「古い話で章 その1」
          
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」




コメント (55)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする