漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 先生との思い出5

2021年08月22日 14時09分18秒 | 漫画家志望
               

       ( この写真は、私が暮らすチェンマイ、メーアイの隣町にある温泉です。保養地の様になっていて、温浴
        施設やマッサージ店、食堂などもあり、家族でピクニックなんかする場所として利用されています。写真
        に写っている人たちは、カミさんの友人とその家族、左奥の方に温泉の煙が見えます・・・・・《 2021年、
        4月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、私の自宅の南側を正門近くから広角レンズで撮影したものです。一見すると美しいのですが・・・・・ 
        《 2020年、4月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、中庭です。右側がメインベッドルームで、左側にリビングがあります。上部に屋根があるので
        すが、この屋根がたったの2年で雨漏りする様になりました・・・・《 2021年、8月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、リビングルームの天井に雨漏りの跡があります。先日、1週間ほど続いた長雨の影響でかなりの
        量の雨漏りがありました。酷暑と風雨の影響で接合部分に歪みが出来たためですが・・・・・・全面改修には100
        万円かかるそうです。ちなみに、今はすき間を防水シリコンで塞ぐだけの応急処理でごまかしています・・・・
        ・・・・・数年、これで雨風防いでくれる事を祈るだけです・・・・《 2021年、8月、撮影 》 )




       【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 

                先生との思い出 5


今回も少しだけアシスタント時代の性生活についてお話したいと思います。

前回、私の師匠であるジョージ秋山と1980年代に吉原へ行った時の話を書いたのですが・・・
・・いつも遊んでばかりいるのか・・・・と思われるかも知れませんが・・・・・・・・実際には皆で吉原
へ遊びに行ったのは、40年近いアシスタント勤務の間に2,3回しかありません。

さて・・・・・・・・

師匠は、これ以外にも個人的にソープランドへ遊びに行く事があった様ですが・・・・・・・その
遊び方が尋常ではありません。

ただ遊ぶだけではなく、ソープ嬢に強烈なインパクトを与えないと気が済まないのか・・・・・
・・それとも、自分の集中力を高めるためなのか・・・・・・・ただ、頭がちょっと変・・・・・・・・・・・・
・・・・いや、そんなはずはないのですが・・・・・・・・たぶん、「 洒落 」のつもりなのか・・・・・・・・
・・・・人がやらない様な事をあえてやる悪癖(?)があります。


師匠が一人で、あるソープランドへ行った時の話です・・・・・・・・

入店後、待合室から個室へ案内されます。

担当のソープ嬢について個室へ・・・・・・・・

ソープ嬢は浴槽の湯量と湯加減を調整した後で・・・・・・・・

 「 さぁどうぞ、お入り下さいませ 」

・・・・・と、師匠を振り返ると・・・・・・・・

師匠は、まだ服を着たままで立っているのですが・・・・・・・・

 「 あ・・・・あの、服は全部ぬ・・・・・・・ 」

言い終わる前に、ドカドカと浴槽に近づくと、彼女の眼の前でサングラスに真っ白なスーツ
を着たままドブンッとバスタブへ入り込んでしまいます。

浴槽に浸かった師匠は気持ち良さそうに・・・・・・・・

 「 イ~湯だね~! 」

これを見たソープ嬢は大笑いしながら部屋を飛び出し、他の部屋にいるソープ嬢たちを呼ん
で回ります。

 「 来て、来て、来て見てよ! 」

 「 わッ! スゴイお客さん!」

 「 大変だァ! この人服着たまま入っているッ! 」

 「 なに、この客! 」

 「 ウソでしょ~ッ! 」

お店は大騒ぎの「 バカ受け 」。

その後、ソープ嬢たちがドライヤーを使ったり、アイロンがけして服を乾かしてくれたそう
です。

どうやって女にモテるか・・・・・・・この思考訓練こそが、面白い漫画を発想する原点だと師匠は
よく言っていました。

私にはどうしてもこれが納得出来ず・・・・・・・・40年近く師事していても、この「 発想法 」に
は付いて行けませんでした。


さて・・・・・・・・・

前回、私の師匠であるジョージ秋山と吉原へ行った時の話を書いたのですが・・・・・・

とても面白い体験でしたし、師匠自身も楽しんでいたはずなのですが・・・・・・・・・

何故か、パッタリと吉原へ行かなくなりました・・・・・・・・・・

80年代の半ば頃からは「 エイズ騒動 」で風俗業界は大打撃を受けたのですが、その影響も
あって、我が秋山プロの年末恒例の忘年会とその二次会も、特に「 吉原 」でのお遊びは中
止になってしまいました。

 「 何故だろうね? コンドーム使えば性病は予防できるのに・・・・・・ 」

・・・・・という意見も、スタッフの間にはあったのですが・・・・・・・・

師匠は「 エイズ 」に対してかなり警戒心を持っていて・・・・・・・・

 「 危ねィ~からよ、もう行かねィ~よ 」

 「 おめィ~は吉原へ遊びに行くのか? イイ度胸してるじゃねィ~かよ! 」

奇妙なほど警戒心が強いのですが・・・・・・・実は、これには理由があるのです。

かなり面白い話なので、ここで紹介したいと思います・・・・・・・・・( 先生が存命だった頃なら
公開できる話ではないのです )

少し長くなりますが・・・・・・・・・


まず、4、50年前の昭和40~50年代に話は戻ります・・・・・・・・・・・

アシスタントの先輩であるAさんから聞いた話です・・・・・・・彼は師匠の「 銭ゲバ 」「 アシュ
ラ 」の時代に秋山プロに入った古株ですが、1971年、師匠の引退事件( 「 告白 」発表後、
突然「 引退宣言 」して、3ヵ月ほど失踪 )があった頃の事です・・・・・・・

この事は、最近出版された「 ジョージ秋山本 」( 小学館2021年刊 )の中で、元担当編集
員氏が語ってもいるのですが・・・・・・・・

「 引退 」した時に先生には「 彼女 」らしき女性がいた話が書かれています。( 『 引退 』
というのは先生の嘘で、実際はスタッフと彼女を連れて熱海へ旅行へ行っていたのです )

この「 彼女 」というのが、愛人の「 秘書さん 」です・・・・・・・・といっても、漫画関係の仕
事は何もしないで、毎月のお手当だけもらっていた「 秘書さん 」なのですが。

まだ若かった( 20歳前後 )アシスタントのAさん、師匠の奥さん( 当時30歳ほど )から
は画力もあり、正直で誠実な人だと信頼されていました。

その奥さんから、以下の様な相談を受けたのです・・・・・・・・

 「 ねぇ、A君、先生、浮気してるんじゃないかなぁ? 」

Aさんは、先生がよく銀座や新宿で遊んでいる事も、「 秘書さん 」の事も、全て知ってい
るのですが・・・・・・・・当然、ここは何も知らないフリをします。

 「 A君、本当の事を言ってよね 」

真実を知りたい奥さんは、信頼するAさんに涙を浮かべて訴えかけます。

 「 僕・・・・・・分からないんで・・・・・・・・・ 」

口をモゴモゴさせるAさんに、奥さんは老練な刑事が尋問する様に・・・・・・・・

 「 先生の仕事場を掃除していたらね、ゴミ箱の中からコンドームが出てきたの 」

Aさんはゴクリと唾を飲み込みます・・・・・・もはや奥さんの目を見る事が出来ません。

 「 A君、なぜ、仕事場のゴミ箱にコンドームがあるの? 」

先生を裏切る事は出来ないが・・・・・・・・あまりにも奥さんが可哀そうだ・・・・・・・・

アシスタントの自分なんかに、泣きながら相談する奥さんの姿に・・・・・・つい、もらい泣きす
るAさんは、全てを話してしまうのです・・・・・・・・

銀座のクラブや新宿の若い娘っ子を連れて遊び回るだけではなく、愛人にもマンションを与
えて月々お手当まで出している・・・・・・・・全てを。

この直後、奥さんは先生との離婚を真剣に考えたそうですが・・・・・・・・数年後には、「 浮浪雲 」
の一家の様に幸せな家庭を作っています。

1995年頃に、師匠の奥さんは病気で亡くなります。

そして、10年ほどしてAさんも病気で亡くなりました。

確か、その頃だと思うのですが・・・・・・・・

私は、師匠と昔話のついでに上記の先輩Aさんの話をしたのです。

先生の浮気の事は、Aさんが奥さんに全て話してたんですよ・・・・・・・・と。

私は、師匠が苦笑いでもしながら「 あの時には参ったよな~ 」などと、懐かしそうにするだ
ろうと想像したのですが・・・・・・・・

師匠はニコリともしないで、少し不快そうな表情で・・・・・・・・

 「 そんな事、何も聞いてねィ~ 」

 「 ・・・・・・って、先生、今まで知らなかったんですか? 」

 「 聞いてねィ。だいたい、なんで俺ィの仕事場にコンドームがあるんだよ? 」

 「 はぁ? 」( 先生は仕事場でエッチした事を忘れているのか? )

 「 俺ィはコンドームなんて使った事がねィ~んだよなァ~ 」

 「 はぁあ~? 」

 「 だからよ、コンドームの使い方もよく分からねィ~んだよなァ~ 」

 「 はぁあああああ~~? 」

師匠は、真面目に答えてくれました・・・・・・いや、ホントに!

つまり・・・・・・・・

師匠の奥さんは、「 コンドームがゴミ箱から出てきた 」という嘘で、Aさんを引っ掛けたわ
けです。

そして、この「 コンドームなんて使った事がねィ~んだよなァ~ 」という一言が、エイズ騒
動でパッタリと吉原へ行かなくなった理由なわけです。

そりゃ、怖いだろうなぁ・・・・・・・・エイズ禍の吉原。

でもね・・・・・・・・・・

先生、普通の人は、みんなコンドームを使うもンなんですよ!



           「 漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 その11 」 へつづく・・・・


           ( 月一連載を目指していますが、無理だと思います )


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「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」




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