漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 諦めま章 その17

2012年12月20日 20時39分09秒 | 漫画家アシスタント

 ( この写真は、私が勤めるJプロの玄関前から撮影した目白通りの風景です。 もう、鮮やかだった銀杏の
  葉が落ちて初冬の寒々とした雰囲気を漂わせています・・・・・・・・《 2012年12月、撮影 》 )

 
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 

                   その17


     《 漫画家アシスタントが・・・先生のお供で温泉へ・・・!? 》


アシスタントが漫画家先生の愛スタントにお手当を届ける話を前回書かせていただきまし
たが・・・・・・

何分、かなり昔( 1970年代 )の古い話ですので今時の若い方々に理解しにくい話かもし
れません・・・・・・

昔の男は、浮気する事を「 男の甲斐性 」と言って当然だという顔をしていたものです。

ですから、浮気先のお店で遊んだ挙句、朝になってから奥さんに金を持ってこさせたり、
迎えにこさせたりといった事が本当にあったのです。

何を隠そう私の父親も芸者遊びの挙句に置屋へ母がお金を届けたりする様な事が実際にあ
りました。

日本の古い男どもというものは、ちょっと稼ぐとすぐに銀座の女だの芸者遊びだのを「 デ
キル男 」の「 たしなみ 」として謳歌していたわけです。

さて、漫画家先生の彼女に説教したアシスタントのAさんですが、その後は無事にアシス
タントを続けたそうです。( お手当の配達は、その後どうなったかは不明 )

現代の漫画家アシスタントというものは、それほど、深い関係を先生と持つことはなく、
仕事が終わればさっさと帰宅する。

そして、スタッフ同士ですら一緒に飲みに行ったり、遊んだりすることもほとんどない様
子です・・・・・・。

漫画家もアシスタントとの密接な人間関係を面倒なものとして避けようとする傾向がある
のかもしれません。

では、また古い話のつづきなのですが・・・・・・


Aさんが師事する先生が長期の休暇をとって旅行に出た時の話なのですが・・・・・・

もっとも、連載漫画を多数抱えた流行作家が連載を打ち切ってしまうのですから、漫画
業界を随分と騒がせた様でもあります・・・・・・

その時にアシスタントたちも全員、先生のお供として旅行先へ出陣したわけです。

旅行先は、有名な海に面した温泉地ですが・・・・・・差し障りもあるので名前は伏せま
すが・・・・・・どうかお許しを・・・・・・・・。

この先生も3~4人のアシスタントを従えて黄門様の道中の様に旅へ出る( それも連載を放
ったらかしにして! )あたりは、粋というか無謀というか・・・・・・・・

さて、この道中に参加した女性が一人・・・・・・・・!

それが、例の愛スタントであった事は、( 本当の )アシスタントたちを驚かせるのに十分
でした。

特にショックを受けたのはAさんです・・・・・・・・

 『 奥さんじゃなくて、この女が一緒かよ・・・・・・・・何でェ・・・・? 』

さすがに呆れ返るAさん・・・・・・・・・もう、我慢できない・・・・・・!

先生には気づかれない様に・・・・・・・・そっと彼女に近づきながら・・・・・・・・

 「 おい・・・・・・お前が何ンで来るんだよ! 」

と、彼女に厳しく迫ります・・・・・・

 「 フンッ・・・・・・ 」

完全に無視されるAさん・・・・・・

ムカッと来ても、ここで怒り出すわけにもいかず・・・・・・仕方なく奇妙な温泉道中が
始まります・・・・・・


温泉・・・・・・・・と言えば・・・・・・・・・温泉芸者・・・・!

 「 何ンだよ、また、芸者かよ!? 」

・・・・・・と、眉をしかめる方もあろうかと思いますが・・・・・・・・・

芸者といっても、畳の上で芸をするのではなく、もっぱら布団の上で芸をする・・・・・

・・・・・・・・・と・・・・・・この話は、次回に・・・・・・・・・
 
 
 
        「 漫画家アシスタント 諦めま章 その18」( 1月1日頃公開 ) へつづく・・・・


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漫画家アシスタント 諦めま章 その16

2012年12月10日 22時18分02秒 | 漫画家

 ( この写真は、私が勤めるJプロデスクの引き出しの中です。 普段使用する丸ペン先や消しゴム、サインペンなど
  が乱雑に入っています。 また、30年以上も掃除をしていないので、ゴミやホコリも相当に溜まっており、なんだ
  か全体にザラザラして気持ちが悪く・・・・・・・・《 2012年10月、撮影 》 )


  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 

                   その16


     《 漫画家アシスタントが・・・先生の愛人の自宅へ・・・!? 》


有名な某漫画家先生から月々の「 お手当 」を預かり、先生の「 愛スタント 」である女性が住
むマンションへ届ける事になったAさん・・・・・・・・

実はAさんは、この女性が大嫌いだったのです・・・・・・・・

 『 あんな女の何処がイイんだか・・・・・・! 』

若くて可愛いというだけで何もない・・・・・・大柄で生意気でイヤったらしい・・・・・・・

 『 先生には、あれほど素敵な奥さんや子供がいるのに・・・・・・! 』

私も数回、お会いした事があるのですが、確かに素敵な奥様でした。映画俳優で言うと宮崎美
子によく似た感じの明るく優しい人でした。( 誰もが羨むリッチなニューファミリー )

漫画家先生も、その家族も大好きだったAさんにとっては、その「 愛スタント 」だけが「 喉に
引っかかった魚の骨 」の様な存在だったわけです・・・・・・

どうしても・・・・・どうしても好きにはなれないタイプの女性でした・・・・・・しかし、
漫画家先生から言いつけられたのですから逆らえません・・・・・・さっそくお手当の封筒を
持って出かけます・・・・・・・

 『 俺たちは、朝から晩まで働いているのに・・・・・ただブラブラしてるだけのクソ
   女が俺たちよりも沢山給料をもらうなんて・・・・・・! 』

彼女が与えられていたマンションへ向かうAさんは複雑な心境でした・・・・・・

マンションの階段を上がりながら・・・・・・・

 『 さっさと金を渡して帰ろう・・・・ 』

・・・・・そう思っていたのですが・・・・・・・・・・・・

ゆっくりと・・・・・・ドアを開けるその彼女は・・・・・・・・・

パンティが見えそうなミニスカートをはいて熱い視線をAさんに投げかけつつ・・・・・・・

 「 ねェ・・・・中に入りなさいよ・・・・・・ 」

自分よりも年下で馬鹿そうな女に舐めた口をきかれるだけでも腹が立つ・・・・・・

 「 遠慮しないでェ・・・・・・さァ・・・・・ 」

そのスケベそうな目つきと、赤い唇にも気味の悪い昆虫でも見ている様な不快感を感じつつ
も・・・・・・

しかし・・・・・・

「 嫌です 」なんて断る事も出来ない・・・・・・だって彼女は先生の大切な人なのだから!

 『 こんな女の何処がイイんだか・・・・・・! 』

そう思いつつも・・・・・・ここはグッとこらえて・・・・・・・・部屋の中へ導かれるまま
に従う・・・・・・・・・

玄関を入るとすぐに安っぽい応接セットがあり、そこへかける様に促される・・・・・・・・

向かい側に座る彼女のミニスカートが目に入る・・・・ミニスカートの奥に見える白いモノが
目に入る・・・・・・・・・無視しようと努力しても目に入る・・・・・・!

 『 このバカ女、パンツが見えてるじゃね~かよッ・・・・! 』

自分の給料袋よりも重い封筒を彼女に渡しながら・・・・・・・・ついにガンマンの限界に・
・・・・・!

 「 言ってやったよ、説教したよ・・・・・・・・・エッ?・・・・・・何を説教した
   かって?・・・・・・・そんな事もう忘れちゃったけど・・・・・・・・・ 」

Aさんは、40年近い昔の事を・・・・・・遠くを見るような目つきで思い出そうとしながら・・
・・・・・・・

 「 何だよ、その態度は・・・・・・とか、そんな感じで話したのかな・・・・
  ・・・・・ただ、凄く彼女は怒ってたよ・・・・・・・・・気にさわったン
  だろうなァ・・・・・・きっと 」

Aさんは、当時の・・・・・・20歳前後の若かった頃の自分の気持ちをキッパリと私に話して
くれました・・・・・・・・

 「 だって・・・・・・先生の奥さんが可哀想でさァ・・・・・・あまりにも可哀想
   でさァ・・・・・・・・・ 」
 
 
 
        「 漫画家アシスタント 諦めま章 その17」( 12月20日頃公開 ) へつづく・・・・


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