漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 第8章 その4

2010年06月29日 08時46分37秒 | 漫画家
( この写真は、開店前のマッサージ店内部。奥にあるサッシ戸の向こう側には、ラブホテルが並んで
 いる。夜になると赤や紫のネオンが眩しい・・・室内の電気を消すと部屋がピンク色になる。・・・普通
 の人が暮らせる環境とは思えない。《 2004年1月、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                 その4  
  
   《 漫画家アシスタントが・・・徹夜してマッサージ店を開く! 》
 
 
 
20万円の家賃と150万円近い敷金礼金そして消費税を払って借りたマンション( ※
参照 )は、池袋北口駅から徒歩5分のラブホテル街にありました。
 
ラブホテルに裏と隣で接する・・・まさに・・・ネオンとアベックが乱れ咲く様な
環境の中の・・・・・ごく普通のマンション・・・・。
 
ここは、管理組合の規約上・・・看板が出せません。どうやってお店の宣伝するか
と言うと・・・当時は、まだ新聞広告( ※参照 )などが主な宣伝媒体でした。
 
マンションの一室を借りて営業するお店では、この方法が普通だったのです。
 
私のカミさん( ※参照 )や、その友人( マッサージ店で働くタイ人女性 )などは・・・
 
 「 お客さん、みな新聞見てくるヨ 」
 
・・・と、簡単にお客さんが来る様な事を言っていました・・・・
  
そんな言葉を信じて・・・私は、新聞広告の準備をします。 しかし(!)それだけ
では不安だったのでネットでホームページを作り、タイの情報サイト( ※参照 )を通
じて宣伝する方法もやってみることにしました。
 
これが、私がパソコンを始める切っ掛けになりました・・・。( 今、こうしてブログ
をやっている事の原点! )
 
慣れないPCに脂汗をかきながら必死にお店のホームページを作りました。
 
最初はタイの情報サイト「 ○○タイランド 」( ※参照 )に全て頼むつもりだったのに
・・・
 
 「 お客様のコースは・・・格安コースなので、自分でデザインとロゴ、
   画像や文章の全てを考えて下さい 」
 
・・・と言われ・・・私は、慣れないPCに人差指で一字一字・・・・・文章を打ち
込んでいきました・・・・・カタ・・・カタ・・・カタ・・・・・
 
 「 開店の1ヶ月以上前にアップしないと、間に合いませんよ 」
 
・・・なんて言われたって! 「 検索エンジン 」だの「 キーワード 」だの・・・
まるでチンプンカンプンの言葉の海で溺れそうになっている私は・・・・・
 
ただ必死に・・・人差指でキーボードを・・・・・・カタ・・・カタ・・・カタ・・
・・・
 
 
こうして連日、寝る間も惜しんで慣れないPCと格闘したのです・・・・・
 
2003年の11月に、ボーナスの消滅とリストラがJプロ( ※参照 )を襲ってから4ヶ月
・・・・・
 
私の体重は82キロから74キロまで落ちていました・・・・・
 
 
2004年3月・・・寒さも緩んできた頃・・・・どうにか、お店を開店させます・・・
・・・・
 
新聞広告は「 日刊○ンダイ 」「 夕刊○ジ 」など、そしてスポーツ新聞・・・・その
他にも街頭配布式の無料情報誌など・・・・・自分でもどれだけのメディアに依頼
したか分からくなるほど沢山の広告を出しました。
 
その事が、後に大変な失敗を招く事になるのですが・・・・・
 
まず、その前に・・・いったい・・・どれほどの広告代金を支払ったのかというと
・・・・・・
 
開店前後の1週間で・・・新聞各紙に合計で40万円以上を使いました・・・・・
 
 『 開店1週間で・・・集客は最低でも60人から100人は堅いな・・・! 』
 
そう目論んだのですが・・・・・甘かったのです・・・・・・・・・
 
・・・まったく甘かったのです!
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第8章 その5 」 へつづく・・・


                ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その3」へ戻る 】

 
 
 
 【 ※参照 】
 ・借りたマンション・・・10階建ての1階3DKの角部屋。マンション入口は商店街
  に面しているが、横と裏側には、ラブホテル街がある。風俗嬢の待機室とし
  て利用されているケースが目立つ。
 ・新聞広告・・・・・・・1日の広告代、親指一本分ほどのスペースが1万円~2万円。
  (俗いう『三行広告』というやつである)1週間ほどの掲載で10万円ほど。
 ・カミさん・・・1995年、タイのチェンマイ出身。1995年に結婚して来日、とても明
  るいが・・・いったん怒ると鬼より怖い。酒を飲んだら乱暴者。
 ・タイの情報サイト・・・タイ料理などのお店はもちろん、タイ文化や習慣を紹介
  する。また、タイ人の就職情報やトラブル相談にも応じている。
 ・○○タイランド・・・・タイ情報サイトの大手。タイ人への情報発信がルーツ。
 ・Jプロ・・・・・・東京、目白にある漫画家J・Aの仕事場。04年当時、アシスタント
  は3人。連載は隔週誌、月刊誌合わせて2~3本。80年代には連載6本、スタ
  ッフ7人という時代もありました。
 
 
 
 

 
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          「諦めま章 その1」   「古い話で章 その1」
          
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」




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漫画家アシスタント 第8章 その3

2010年06月21日 00時56分18秒 | 漫画
( この写真は、私が開店したマッサージ店があった「へいわ通り」です。商店街と言うには、少し
 淋しい感じではあるのですが・・・。《 2004年4月、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                その3  
  
     《 漫画家アシスタントが・・・経営者の孤独を知る 》
 
 
 
マル暴対策の刑事さんから「 今時、ミカジメ料なんて取りませんよ 」・・・と、
言ってくれるのを期待していたのですが・・・・・
 
 「 それは、ありますね 」
 
と、キッパリ言われた時には・・・少し暗い気分になりました・・・・しかし・・
・・・・
 
 「 決して払ってはいけません 」
 
とも、言われたので・・・結局、払うかどうかは、自分の決意次第なのだと言う
事でしょうか。
 
 
ところで・・・
 
人に商売を始める事を相談すると、まず、反対されるものです・・・
 
 「 ど素人が巧くいくわけない 」
 
 「 今時、儲かる商売なんてない 」
 
 「 破産するだけだ! 」
 
中には・・・
 
 「 奥さんを売るつもりか? 」
 
などと、何か勘違いしている人もいたりして・・・・・誰一人として私が商売を
始める時に、まともなアドバイスをくれた人はありませんでした。
 
もっとも、商売の経験がある漫画家や漫画家アシスタントなんて、私の周りには
いなかったのですが・・・。
 
 
これは、しばらく後の話・・・・・・
 
店舗準備がやっと整って、お店をオープンする直前の事でした・・・・・電気配
線の仕上げを川崎で電気店を経営する友人に頼んだ時に・・・
 
ストレスと疲労から2カ月で7~8キロも痩せ、疲れ切った表情の私に・・・
 
 「 Y(私)も一人で悩んでるんだな・・・ 」
 
・・・そう、ポツリと・・・友人が言ってくれた時・・・私は胸が詰まって・・
・・・涙が出そうになったものです。
 
これが・・・経営者というものの「 孤独 」の始まりでした・・・・・
 

 
さて・・・
 
漫画家アシスタントが普通にマンションを借りるのにそれほど苦労はないと思う
のですが・・・
 
これが事業用にマンションを借りるとなると保証問題や礼金の追加など、少し面
倒な事があるのです。
 
一般にお店として借りるビルの一階は、高額な保証金( 数100万円 )と割高な家賃
など・・・私には手が出せません。
 
何より、店舗としての室内改装費に大変お金が掛かります。池袋で商売をすると
なると・・・1千万円は必要になるのではないでしょうか。
 
私に使える資金は3~4百万円ですので、通常の店舗用マンションは諦め、普通の
賃貸物件を探す事にしました。
 
Jプロで仕事のない日には、物件を探し歩く毎日でした。
 
路地裏の古いマンションや、エレベーターのない4階フロアーなど・・・・そん
な時に池袋駅から4~5分の所にある物件が見つかりました。毎日探し始めてから
2ヶ月が経っていました。
 
マンションのエントランスを入って、ず~っと奥の一番はずれ・・・・・
 
駅から近い場所と、賃貸料金や室内環境など・・・条件が合っていたので契約す
る事にしたのですが・・・・・
 
管理組合の規定によって、外に看板を出す事が出来ないのです・・・・・・
 
いったいどうやって、お客さんを呼ぶのか・・・・・?
 
この問題については次回に・・・・・
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第8章 その4 」 へつづく・・・


                ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その2」へ戻る 】

 
 
 
 
 

 
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漫画家アシスタント 第8章 その2

2010年06月13日 20時24分59秒 | 漫画
( この写真は、池袋の西口界隈の写真です。この辺りをあちらこちらと賃貸物件を探し歩きました。
 風俗店街からは少し離れ、飲食店や小売店舗が立ち並んでいます。《 2010年4月、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                 その2  
  
      《 漫画家アシスタントが・・・マル暴対策に悩む 》
 
 
 
漫画を生業としている者とマル暴( 組織暴力 )とは、およそ無関係だ・・・と、思われ
ている方が多いかと思いますが・・・・
 

実は・・・ごく稀に・・・不運な事に関わりを持ってしまう( 持たされてしまう )場合
もあるのです。
 
描かいた漫画の内容によっては、差別問題や政治問題にかこつけてマル暴系の団体組
織から脅かされる事もあるのです。
 
ハッキリ金を要求するのではなく・・・・・
 
 「 この本を資料にすると良いと思いますがねェ・・・ 」
 
などと・・・一冊数万円もする専門研究書(?)30冊全巻揃いで購入する事を勧められ
たり( 強要されたり )する事があるそうで・・・・・。
 
ちなみに、私の場合は・・・漫画とは直接関係なく・・・繁華街にタイ式マッサージ
店( ※参照 )を出すために、マル暴対策が必要になったわけです。
 
前回、記しました様に実際に自分の目で現実を見ると、心中穏やかではありません・
・・・。
 
美しいネオン街や整然と並んだ高層ビル群の艶々とした表面の薄皮をむけば・・・・
・・・そこにはドス黒い・・・腐った血溜まりの様な弱肉強食の世界が広がっている
のです。
 
こんな世界は、映画や漫画の世界だけだと思っていたら大間違いなのです・・・・。
 
池袋の北口から西口辺りにかけて、私は賃貸物件を探していたのですが、まだ物件を
確定する前に池袋にある警察署へ出かける事にしました。
 
 「 あのォ・・・池袋でお店を開きたいのですが・・・そのォ・・・暴力団のミカ
   ジメ料( ※参照 )とかの・・・・・ 」
 
警察の案内係の人は、私のたどたどしい質問に・・・
 
 「 それでしたら組織犯罪対策課へ行って下さい、奥のエレベーターで・・・ 」
 
・・・その古ぼけたエレベーターを使って階上へ・・・殺風景で消毒薬の様なニオイ
がする廊下の突き当りに「 組織犯罪対策課 」はありました。
 
廊下には、室内に入りきらないロッカーや段ボール箱がビッシリと置かれいます。面
談用の個室は・・・ゴチャゴチャした廊下のはじに小さなテーブルと椅子が置いてあ
るだけの驚くほど狭くてテキトーな作りでした。( 部屋というより廊下の一部 )
 
先日の天下り法人の仕分け作業で問題になった「宝くじ法人」のゴージャスなオフィ
スに比べて、○暴対策の最前線が信じられないほど質素な事・・・これも一つの社会
矛盾かもしれません。
 
さて、その廊下に造られた面談室(?)で、私に対応してくれたのは・・・・・ショー
トカットでグレーのスーツをラフに着こなした美しい女性!( 蓮紡議員を優しくした
感じ )
 
マル暴相手の刑事さんなら・・・体育会系のガッチリした男性を想像していたので・
・・・・かなり意外!
 
 「 中田(仮名)です 」
 
キッパリとした。まるで男の様な喋り方が・・・これまた意外! 
 
 「 で・・・どの様な・・・? 」
 
優しそうな顔つきだけど・・・男の様な喋り方・・・私は戸惑いと緊張感の中で、お
店を開店する話をしたわけです・・・・・
 
 「 それは( ミカジメ料 )ありますね。 最近は、払っているお店は少ない
  ですが・・・ 」
 
結局、『 事件 』が起きたわけではないので・・・
 
 「 何かあったら来て下さい 」
 
・・・という事で・・・私の「 組織犯罪対策課 」とのファーストコンタクトは終わ
り。 ・・・・・しかし・・・・数ヵ月後に「 何かあったら 」がやって来るのです。
 
 
 
             「 漫画家アシスタント 第8章 その3 」 へつづく・・・


                 ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その1」へ戻る 】

 
 
 
 【 ※参照 】
 ・タイ式マッサージ店・・・2000年頃からのエスニックブームで、新宿、新
  橋、池袋などを中心にポツリポツリと開店し始めた施術院。(風俗店で
  はありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお店も・・・)
 ・ミカジメ料・・・地元のヤクザが商店主などから場所代として、不法に要
  求する金銭。電飾の額や花などの飾り物のレンタル料という形をとる場
  合もある。風俗店以外の小店舗なら5千円~3万円程度とも噂される。
 
 
 
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漫画家アシスタント 第8章 その1

2010年06月06日 23時01分32秒 | 漫画家アシスタント
( この写真は、私が開いたタイマッサージのお店入口です。 普通のマンションを店舗にしました。
 内部は、なるべく明るくし、逆にマッサージを施術する個室は濃青色で統一して、落ち着いた雰囲
 気を演出しました。《 2004年、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                 その1
   
     《 漫画家アシスタント、タイマッサージ屋のオヤジになる 》
 
 
 
読者の方々の中には・・・
 
 「 なぜ、タイ式マッサージ店( ※参照 )なんか開くんだ? さっさと
  漫画を描けばいいじゃないか! 」
 
・・・と、怪訝に思われる方もあるかもしれません・・・・・
 
それは、「 第7章 」にも書きました様に・・・250ページを3年かけて描いて
も20万円ほどにしかならなかった事に懲りてしまっていたからなのです。
 
漫画を描く事自体が「 苦痛 」を伴うものだという事を、漫画を描かない方々
に理解してもらうのは難しいのですが・・・・・
 
 
漫画で成功するパターンは・・・その「 苦痛 」の果てに、本に掲載されたり、
評価されたり、報酬を貰ったり・・・そして何より「 達成感 」に浸る喜びが
あるものです・・・・。
 
こうした好循環に恵まれる漫画家志望者( 新人漫画家 )よりも・・・・・
 
創作の「 苦痛 」の果てに、本には載らず、不評にさらされ、報酬も得ない・・
・・・これを繰り返すと、創作する事に「 苦痛 」だけが心に刻みつけられて
しまう・・・・
 
そんな漫画家志望者の方が圧倒的に多いのではないかと思います・・・・・
 
 『 漫画描く事に苦痛を感じる様になったら終わりじゃないか・・・ 』
 
若い頃には他人事だと思っていたそんな言葉が・・・年を取ってから己自身に
降りかかって来たわけでした・・・・。
 
 
以前から、私のカミさん( ※参照 )がお店をやりたいと言っていましたので、今
回の減俸とリストラの危機を一つの契機として、タイ式マッサージ店を開く事
に決め、その金策のために80歳の実母の老後の資金をあてにするという反則技
にでました。
 
私は、営業の予想収支計算書などを見せながら400万円( かなりの大金です )ほ
どの開業資金を借りたいと話しました・・・
 
 「 こんな計算書通りにはいかないと思うけどねェ・・・・ 」
 
こんな不況の時代に、バカ息子が何を考えているんだか・・・・と、うんざり
したような声でそう言うのですが・・・・
 
 「 貸すのはイイけど・・・利息は年利で5%もらうよ 」
 
結局、利息を含めて毎月10数万円の返済計画を約束。 最大の問題を越えた後
は、実行あるのみ。
 
私は、毎日の様に、さいたま市から池袋の空きマンションの物件を見て回る事
になりました。
 
数件目で見たマンションは、東京芸術劇場通りの並木道沿いにある白くて大き
なマンションでした。
 
繁華街にも近く、美しい並木道にも面している事が理想的でした。しかし・・・
 
不動産屋さんに案内されてエントランスに入ろうとした時・・・
 
正面のエレベーターから、風を切る様に大柄な男たちがやって来ます。先頭の
男は真っ白なスーツにノーネクタイで角刈り頭。まさに、「歩く東映ヤクザ映
画」!
 
 「 こ・・・怖わぁ・・・・! 」
 
明らかにその筋の・・・見上げる様な勇ましい姿とすれ違った後・・・不動産
屋さんとは一言も口を聞く事も無く・・・空き部屋の説明にも上の空・・・・・
 
池袋と言えばさすがに繁華街・・・・・
 
経営が成り立つかどうかよりも、重大な問題がありそうな・・・・・
 
 『 マンションを探すよりも、まず・・・暴力団対策が必要なのか・・・! 』
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第8章 その2 」 へつづく・・・


                ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第7章 その37」へ戻る 】

 
 
 
 【 ※参照 】
 ・タイ式マッサージ店・・・2000年頃からのエスニックブームで、新宿、新
  橋、池袋などを中心にポツリポツリと開店し始めた施術院。(風俗店で
  はありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお店も・・・)
 ・カミさん・・・1995年、タイのチェンマイ出身。1995年に結婚して来日、
  とても明るいが・・・いったん怒ると鬼より怖い。酒を飲んだら乱暴者。
 
 
 
       * 参考 *   
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  .............. 私(yes)のアシスタント履歴
  
  1974年昭和49年 さがみゆき先生 主に(少女系)怪奇漫画。単行本1冊分、
           4,5ヶ月のお手伝いでした。 (19歳)
     
  1976年昭和51年 かわぐちかいじ先生 この当時、氏は今ほど有名ではなか
           ったのですが、背景技術をみっちり仕込まれました。(20歳)

  1977年昭和52年 村野守美先生 漫画界一の豪傑と言われ、エピソードには
           事欠きません。たった1週間しか勤まりませんでした。(21歳)

  1978年昭和53年 ジョージ秋山先生 当時「浮浪雲」(ビックコミックオリ
           ジナルに連載)が、すごい人気で、渡哲也、桃井かおりの
           主演でTVドラマ化されていました。(23歳) 

  2017年平成29年 ジョージ秋山プロを退社、タイ・チェンマイにて隠居中。(62歳)

                    
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