漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 その17

2022年10月08日 14時30分12秒 | タイ移住
               

       ( この写真は、8月にチェンライまで遊びに行った時に撮影した喫茶店内の写真です。写真中央に写
        るマークは、大麻吸引禁止のマークではありません。『当店では飲食物に大麻成分を加えていませ
        ん』という表示です・・・・・《 2022年、8月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、この喫茶店は熱帯趣味に冷気ミストの演出があり、観光バスが止まるほどの人気スポットで
        す。お店の半分以上はジャングル風庭園になっていて、お客さんは入場料(100円)を払って入り、そ
        の後、奥の喫茶店でくつろげる仕組みになっています。入場料付の喫茶店とは、商売上手なお店だと
        思います・・・・・《 2022年、8月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、こちらもチェンライの山の幹線道路沿いにある喫茶店です。ごく普通の最近できたらしい
        喫茶店、店の奥は断崖になっていて長いカウンターテーブルがあり、お客さまは高台から遠くの山
        々を一望しつつコーヒーを飲む粋な作りになってございます・・・・・《 2022年、8月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、緑の山々を遠望しつつイチゴのアイスクリームとハーブティーをいただくセレブなひと時・・・
        ・・・ってな図でございますが、この右の薄緑色のお茶が問題の大麻茶一杯120円なのでございます。
        味はとてもさっぱりしたハーブティーで、お下劣な毒々しい大麻風味は一切ござ~ませんことよ、ご
        安心くださいませ、オ~ホホホッ・・・・文体がおかしくなってきてる?《 2022年、8月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、この喫茶店の大麻茶には麻薬成分が入っていませんので、その栽培から生成、販売が合法な
        わけです。写真は無農薬無成分健康大麻茶の販売コーナーです。これをお土産にして日本へ行くと、
        税関でどんな目にあうのか興味津々です。日本でもコロナ後のインバウンド増益に備えて、ギャンブ
        ルや大麻喫煙など、莫大な利益、農業振興と税収確保の準備をするべきだと思うのは私だけではない
        と思うのですが・・・・・《 2022年、8月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、私のカミさんの甥っ子の家です。お勝手口の外には小川があり、その向こうには田舎道と畑
        が広がっています。チェンマイ市街から1時間ほど車を走らせると、もうこんな田舎になってしまいま
        す・・・・・《 2022年、5月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、この田舎はランプーンという村ですが、どこも道路がこの様にグニャグニャと曲っています。
        タイは幹線道路以外はほとんどこの様に曲がりくねっています。そのため、歩道や路側帯整備がなく
        ちょっと危ないのですが、ここまで田舎へ来ると車の往来が少ないし、人も少ないのでちょっと異次
        元へ来たような気分になります・・・・・《 2022年、5月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、田舎道を歩いていると、よく見かけるタイ独特の古い高床式民家です。こうした木造の民家は
        現在ではほとんど使われていません。情緒があるのですが、害虫や豪雨や日照りなど、キビシイ自然環
        境によって、古い建物がどんどん建て替えられています・・・・・《 2022年、5月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、誰もいない田舎道をブラブラ歩いていたら、すっかり空が夕焼けで赤くなっていました。本当
        に顔が赤くなるほどの美しい夕焼けです。久しぶりにこんな夕焼けを見ました。ちなみに画像加工はし
        てません・・・・・《 2022年、5月、撮影 》 )




        【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 

                   その17


最近は円安と物価高の話題をする事が多いのですが・・・・・・・

実際に為替レートはどんどん円安が進み、物価は世界中で熱気球の様に上がり続けています。

日本は比較的物価上昇が緩いですが、来年には光熱費が1年前の50%増しになるといわれ、安穏とは
しておれません・・・・・・きっと大変な事になると思います。

欧米での光熱費は、現在すでに2倍以上になっていて、頭にきたイタリア人は極右政党を支持して沸
騰状態。( イタリアってやっぱりローマ帝国の血をひいてるんですね )

円安に苦しむ海外移住者なんて、日本ではまったく話題になりませんが、私の様な海外在住の年金暮
らしにとっては深刻な事態なのです。( 欧米の光熱費高騰は絶望的です )

タイでの物価高に加えて、円安( 現在の受給額が去年より30%の目減り )による影響で合計50%近
い年金の実質受給額の損失になっています。

これは、節約だの我慢だの言っておれる状態ではなく、耐乏に次ぐ耐乏、に近いわけです。

80年前の戦争中の標語を思い出します・・・・・・・・( 『 みんなの知識、ちょっと便利帳 』より )

 日本人ならぜいたくは出来ない筈だ!( 国民精神総動員本部 )

 酒呑みは 瑞穂の国の 寄生虫( 日本国民禁酒同 盟)

 「 足らぬ足らぬ 」は 工夫が足らぬ( 大政翼賛会・毎日・朝日・読売 )

ちなみに、ミッドウェー海戦以降だとその国策標語も凄いです・・・・・・・・

 米英を消して明るい世界地図( 大政翼賛会神戸市支部 )

 嬉しいな 僕の貯金が弾になる( 大日本婦人会朝鮮慶北支部 )

 血みどろの 兵を偲んで 汗みどろ( 大政翼賛会神戸市支部 )

今では、笑い話みたいなものですが・・・・・・・

他人事だと思っているうちに、自分の足元が危なくなるのが世の常です。

さてさて・・・・・・・・

日本から5000㎞離れたタイでの田舎暮らし・・・・・・・

愚痴を言っても、日本の物価はタイの3倍・・・・・・そんな日本へそうそう簡単に帰れもせず・・・・・・・・困
り果てる今日この頃なわけ・・・で・・・・・・・・

・・・・・で・・・すが・・・・・・・・

わずかな年金が実質50%も目減りしているのに・・・・・・・それでもなおかつ日本よりはまし・・・・・・・とは、
いったいどういう事なのやら・・・・・・・・・・

このパラドックスを経済学者センセイはどう解くのでしょうか・・・・・・・・

経済って、人の暮らしと生産と資本、数式がそれぞれ別の生き物の様に勝手にうごめくので、まるで
ドロドロのカオスみたいになっちゃう・・・・・・・・わけわからなくなる。


でも・・・・・・・・

人が欲にまかせて勝手にやる事( 普遍的 )だから、実は単純だったりもするわけで・・・・・・・・

だいぶ前( 湾岸戦争が始まった頃1990年 )、イラクがクウェートに侵攻した時に、当時私がお世話
になっていた漫画家ジョージ秋山が仕事場で言った言葉を思い出します・・・・・・・

東京、目白にあるゴミ箱をひっくり返した様な仕事場。夕方、ジョージ秋山と二人だけになった時・・・・・

 「 あれィ( 湾岸戦争 )はよォ。タバコの喧嘩だよ、おめィ~たちと同じだよ 」

少し前、仕事中にアシスタント同士で、「 灰皿のタバコが燃えてるよ、臭くてしょうがね~よ! 」
と喧嘩していたのです。

仕事中も、タバコをバカスカ吸う人は、うっかり灰皿にてんこ盛りになった吸い殻の山に引火させて
しまう事があるのです。( 火山みたいにモクモク煙があがります・笑 )

喫煙者というのは、そのぐらいなんでもないのですが・・・・・・・・タバコを吸わない人にとっては、地獄
の様に苦しいとんでも事態になります。

このタバコの喧嘩と、イラクのクウェート侵攻が同じだとジョージ秋山が言ったわけです。

私は、咄嗟に『 クウェートによる石油資源の盗掘が戦争の原因で、イラクの軍事侵攻になって ・・・・・
ブツブツ、ウジウジ 』と内心反発したものですが・・・・・・・・( 私はいつも理屈っぽいのです )

 『 人が大勢死ぬ戦争と、アシスタントの喧嘩と一緒にするなんて! 』

・・・・・・と、私はムッとして黙り込むわけです・・・・・・・・( というか、黙るしかないわけです )

でも、この時の師匠の解釈は作家としてまったく正しい( 妥当な )解釈だったのだと思います。

人間の心の有り様・・・・・・・・欲望とエゴの姿・・・・・・・・そんな深い所まで潜れば、地球の裏側の砂漠も、
目白のゴミだらけの仕事場も同じなのかもしれません。

最近の、ロシアによるウクライナ侵攻のニュースを目にするたびに、私は師匠の昔のこの言葉を思
い出すわけです・・・・・・・・


実は、ナチスドイツの侵攻とその抵抗運動を動物のキャラクターで表現した漫画「 ラブリン・モン
ロー 」( ジョージ秋山作、ヤングマガジン連載 )は、1989年に連載が開始( 1993年まで連載 )
されているのですが・・・・・・

この作品を描いている最中に「 湾岸戦争 」が起こってしまった事で、師匠がちょっと驚いていま
した・・・・・・フィクションが現実( 事件 )に先行してしまう事って稀にあるのです。

ジョージ秋山は、いつも言っていました・・・・・・

 「 感性を磨け! 」

私は40年アシスタントをやっていたのに、これが理解出来ませんでした・・・・・・ただ、理屈ばかりコ
ネ回して時間を浪費していました。

優れた漫画をジャンジャン生み出す、その「 感性 」と頭の冴え・・・・・私の様なバカとはモノが違い
過ぎるのです、師匠は。

まぁ・・・・・・そうは言っても、バカの気楽さということはあるので・・・・・・

師匠は、ジッと何時間でも仕事場のソファに腰かけて・・・・・・目を閉じているだけの様に見えても、
実は、頭の中は戦争の悲惨なイメージで埋めつくされ・・・・・・・・

何時間でも、何日でも・・・・・何年でも・・・・・瞑想しつづける・・・・・・・・


出来まッしェ~~~ん、そんなこと!

私には無理で~~しュッ!( 私は瞑想じゃなくて迷走! )

気楽な毎日こそ私のモットー!

「 恋子の毎日 」じゃなくて、「 小池の毎日 」です!

はい。



            「 漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 その18 」 へつづく・・・・

 
              ( 月一連載を目指していますが、無理だと思います )


               ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 その16」へ戻る 】





   


【 各章案内 】   「第1章 改訂版」  「第2章 改訂版」  「第3章 改訂版」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」   「古い話で章 その1」
          
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」




コメント (39)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする