漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 その22

2023年07月30日 22時40分28秒 | 漫画家
               

       ( ↑写真、これはタイ北部チェンマイのさらに上、最北部のチェンライにある喫茶店です。山の崖っ
        ぷちに建てられています。眺めは最高ですがスリルも満点のリゾートカフェです・・・・・《 2022年、
        11月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、店内はこの様なカウンターが外向きに設置されていますので、お客さんは景観を楽しみ
        ながらコーヒーを飲むことが出来ます・・・・・《 2022年、11月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、カウンターの下は、何もない崖下になります。地面まで10m位あります。足元がとても
        涼しいのです・・・・・《 2022年、11月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、チェンライの街を遠望できます‥‥カウンターからの眺めは最高ですが‥‥ただ、雨が
        降ったら最悪だと思います・・・・・《 2022年、11月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、左側に映っているのが、先生のお墓がある東京中野区の某寺院です。小さなお寺の後ろの
        方に墓苑があるのです・・・・《 2023年、5月、撮影 》 )



               

       ( ↑写真、お墓探索中の元スタッフ面々、最初はバラバラになって、次は隅から順々に・・・・・《 2023年、
        5月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、合掌してお参りする元スタッフ一同。しんみりと「先生、その節は‥‥」とか「先生、ご無
        沙汰してました‥‥」とか、元スタッフ一同拝礼・・・・・《 2023年、5月、撮影 》 )




 
          【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 
                    その22


2023年、5月に東京へ久しぶりに帰って、ジョージ秋山先生のお墓参りをしたのですが・・・・・・
そのお話は後ほど‥‥‥‥


今、話題になっている生成AI について‥‥

ほんの少し‥‥‥‥

先日、Microsoftの「 Bing 」というAIに以下の様な質問をしてみました。

( 以下の文章は、全てPCからコピーしたものではなく、あくまで私の拙い記憶を元にしてい
 ます事をご了承ください )

 「 漫画家アシスタントの物語りを作ってください。有名な漫画家のアシスタントにな
  った貧乏で女にモテない23歳の男。その男が3年後に成功するという物語です。 」

AIが1分ほどで作った「 物語 」は・・・・

 『 「 ドラゴンボール〇 」というヒット作を描く売れっ子漫画家田中。そこへ弟子入
  りした鈴木。いつか自分も漫画家に成るんだと夢見ていた。2年後、漫画家先生の
  連載が打ち切りになり、代わりにたまたま、弟子の鈴木が描いた「 バトルロワイ
  アル 」という漫画が大人気になり、彼が売れっ子漫画家に成りました。 』

恐ろしくつまらない、作品名は完全なパクリですね。

これじゃ、過去の作品群や言語データの寄せ集めにすぎないので、私はただちに以下の様に
返答しました。

 「 君には才能がありません。作家には向いていませんね。もう結構です。 」

すると、「 Bing 」は驚くべき回答を送ってきました!

 『 私には才能があります。今回は漫画家アシスタントの話ですが、SF作品やファン
  タジー作品、そして、恋愛ロマンス作品だって探偵物だって、書くことが出来る
  のです。謝罪してください! 』

・・・・ってな返答に呆れかえり・・・・・・・こりゃ、真面目に相手してるのがバカバカしいので・・・
・・・・以下の様に返信。

 「 なるほどね。失礼いたしました。確かに君の才能はともかく・・・・その根性は認
  めます。では、さようなら 」

 『 これからも何でも聞いてください。さようなら 』

・・・・AIってのは、モノを創るのではなく、ホントに膨大なデータから寄せ集めるだけなんで
すね・・・・・・・・ちょっと安心しました。でも、もう質問する事はないです。

ただし・・・・

ちょっと、怖かったのが・・・・・・・・物語の展開で漫画家が連載打ち切りになるシーンです。こ
れは、私の想像を超える展開で・・・・「 先生 」の連載が突然「 打ち切り 」という展開は想像
していませんでした。

AIは、誤記訂正や進路、さらに論拠やデータ( 統計や数字 )を探させるのにはすごく向いて
いますね・・・・・・・・人間の間違いや、不完全な発想を補うには最適だなって思いました。( 怖
いほどです )


では、ここから・・・・

今年、5月に行ったジョージ先生のお墓参りについて・・・・

漫画家ジョージ秋山は2020年の5月に亡くなりました。

それから丁度3年目になります‥‥‥‥

その日は、数年ぶりに元秋山プロのスタッフが4人顔をそろえました。

秋山プロ最初の内弟子である仲田氏( 仮名:71歳、69年に17歳で弟子入り )は、今でも現
役のフリーアニメーター。私に風俗やキャバレー遊びを教えてくれた先輩の羽賀氏( 仮名:
72歳 )、サラ金問題では随分苦労したキタ氏( 仮名:71歳 )。そして、この私の4人。
( 皆さん、「 漫画家アシスタント物語 」のレギュラー陣 )

他にも岡山県やら、広島県に住んでいる元スタッフがいるのですが、遠くからわざわざ来て
もらうわけにもいかず、とりあえず、この4人で師匠のお墓参りをする事になりました。

東京、中野区にある小さなお寺で、閑静な住宅街にあります。この場所は、誰も知りません
でしたので、私がご遺族の方からお聞きして皆でやって来たわけです。

バス通りの向かいには大きな回転すし屋があり、いくつかの寺院が並んだ一角にそのお寺は
ありました。

 「 このお寺ですね‥‥間違いないと思います、ここですよ。 」

私は、お寺の門を指さして中へ入ろうするのですが‥‥そこには、ガードマンがいて外を警
戒しています‥‥‥

どうも、お寺の境内に保育園か幼稚園があるようで、常時、警備されているようでした。そ
こで、私たちは警備員に挨拶しながら本堂へ向かいました。横にある建物からは幼児たちの
さわぐ声が聞こえます。

本堂の裏手が墓苑になっているのですが、先生の墓がどこか分からないので、お寺の住職さ
んにでも聞こうかと本堂の玄関を入ると‥‥‥そこに誰もいない。

しばらく待っても、声をかけても‥‥‥‥人のいる気配がない。( 玄関のカギは開けっ放し
だが )

仕方がないので、自分たちで墓苑をウロウロと探し始めるのですが‥‥‥どういった区画で
配置されているのか、まったく要領を得ないので広い墓苑を隅から探し始めました。

 「 こりゃ広すぎるし、大変ですよ‥‥! 」( すぐ諦めるyes )

私と羽賀氏は、本堂へもどって住職が帰るのを待ちました。( 多分すぐ帰るだろうと )

どれぐらい二人で雑談したか分かりませんが、しばらくすると外で声がする‥‥

 「 お~い、みつけたよ~、先生のお墓を見つけたよ~ 」

 「 おぉ‥‥! 」

 「 根性あるなぁ、あの二人 」

仲田氏とキタ氏に連れられて行くと‥‥‥あった、あった。

確かに、それは「 秋山家 」のお墓でした。( よく見つけたものです )

さっそく、駅前の生花店で買った花を生けたり、お線香をあげようとするのですが‥‥‥

墓石が変わっている、普通の墓石ではない‥‥‥‥どうも、生けたり、供えたりする容器が
ないし‥‥‥だいたい、この墓石は自然葬というもので、数人の共同墓地になっている。
( 先生の墓石の文字『 秋山家 』だけがやけに大きい )

まったく飾り気もない、とても小さな丸い墓石( それぞれに家名が刻まれている )が芝草上
に並んでいる‥‥‥お墓の長屋みたいな感じなのである‥‥‥‥

先生らしいといえば先生らしいが‥‥‥思っていたイメージ( 大きな御影石の墓 )とはずい
ぶん違う。

 「 派手な事や、虚飾的なことが嫌いだったからなァ‥‥ 」

 「 先生らしいなァ 」

 「 ホントに小さいし、目立たない‥‥誰でも、この墓を見たら驚くだろうな 」

さっそく、両手を合わせる元スタッフ一同。

持ってきた花束を墓前に供え、それぞれ、先生と久しぶりの挨拶を交わします。

 「 その節は、お世話になりました 」

 「 先生、本当にありがとうございました 」

 「 お参りが遅くなってすいませんでした‥‥ 」

 「 先生のお陰で今までやってこれました‥‥‥‥ 」

それぞれが、それぞれの思いを先生に告げる‥‥‥‥

来る時とは違って、帰り道は皆、口数少なく寺を後にしました。

駅までつづく細い道が住宅の間を抜けていく、懐かしい昔話などしながら4人で歩いて行きま
した‥‥‥

その夜、私は先生のご遺族の方へ墓参りの報告のためにメールを送ります‥‥

 「 本日の午後、先生のお墓参りに行かせていただきました。 」

ただ、私は少し疑問に思っていた事を質問しました‥‥

献花する台や線香を立てる場所のない事など、4人で墓地を歩く姿と、小さな墓石の写真と
共にメールしたわけです‥‥‥

数分後に届いた返信メールには‥‥

 「 あ‥‥違います‥‥ 」

私に送られてきた写真は、黒い大きな御影石の立派なお墓でした‥‥‥‥全然違う!

私は、笑いながら写真を確認し、3人の先輩スタッフたちへメールで知らせます。

私が東京にいられるのは3、4日だけでしたので時間がありません。すぐに正確なお墓の位置
を地図に記してもらい、翌日一人でもう一度お墓参りへ‥‥( 先輩方は後日、墓参されまし
た )

その日は、土砂降りの雨の中。ほんの少しだけ場所が違う(お寺の脇道へ入った奥)墓苑へ‥
‥‥

実際に、先生のお墓の前に立つと‥‥‥‥

やたらと寂しい。

ザーザーと雨が降る中で、ただ寂しい‥‥

先生の事を、先生の顔を思い浮かべようとしても‥‥出てこない。

なぜか、先生の顔ではなく、誰もいない先生の仕事部屋ばかりが想い浮かぶ ‥‥

先生のイメージが全然湧かない‥‥やはり、墓の下だの、空の上だのではなく、それぞれの
人の心の中にいるのだと思う。

ある瞬間に、小さな声で語りかけて来る‥‥‥‥みたいな。

だから、私もそっと小さな声で‥‥

 「 せん‥‥せ‥‥‥‥ 」
 
 
 
           「 漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 その23 」 へつづく・・・・
 
              ( 月一連載を目指していますが、無理だと思います )
 

               ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 その21」へ戻る 】

 
 

 
   


【 各章案内 】   「第1章 改訂版」  「第2章 改訂版」  「第3章 改訂版」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」   「古い話で章 その1」
          
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」




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漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 先生との思い出4(前半)

2021年04月26日 03時11分58秒 | 漫画家
               

       ( この写真は、タイ中西部にあるカンチャナブリの戦争記念館です。人物は私、汽車は実際に使われて
        いたものです。記念館には主にタイとビルマを結ぶ鉄道建設と戦闘やイギリス兵捕虜とその虐待に関
        する資料が展示されています。欧米からの観光客以外にも中国、韓国などからも観光客がやって来ます。
        全体に老朽化が進み資料も汚れています。こうした記念館に日本政府も積極的に資金援助する懐の深さ
        を見せる事が対日感情を良くすると私は考えているのですが・・・・・《 2020年、11月、撮影 》 )




               

       ( ↑写真、チェンマイの自宅です。ほとんど私がデザイン、設計しました。写真右側の明るい部分がリ
        ビングルームです。60インチのテレビがあるのですが、あまり見る事はありません。もはやテレビの
        時代ではなく、皆が個々にモバイルでインターネットを楽しむ時代なんですね・・・・《 2020年、2月、
        撮影 》 )




               

       ( ↑写真、上の写真と同じく自宅を撮影した写真です。中央のボンヤリと灯の見える部屋がメインベッ
        ドルームです。その左側の明るい部分がバスルーム、さらにその奥20mほど裏庭になります・・・・
        《 2020年、2月、撮影 》 )






        【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】


 

              先生との思い出 4 ( 前半 )


ちょっと恥ずかしい話だけど、誰でもSEXはしますよね。

男性は、出会う女性の8割に欲望を感じる・・・・・って話を聞いた事もあります。

私の師匠だったジョージ秋山などは「 男なんて結局、ヤル事しか考えてねィ~んだよ! 」
などとよく言っていました・・・・・・・・・・( 実際は数え切れな程聞きました )

それほどではないにしても、この「 当たり前の行為 」が「 ちょっと恥ずかしい 」わけ
です。

どんな漫画家だって風俗で遊んだりするのは当たり前の事だし、いわんや若い漫画家アシ
スタントが給料をもらったらその夜には、ソープランドへ行く事しか頭になくなるのはご
く自然なわけです。

仕方がありません・・・・・・・・ちょっと恥ずかしいけど。

ところが・・・・・・・・

どうも、お偉い漫画家先生方の文章には「 初体験 」や「 風俗 」の話が出てこない。

ときわ荘時代の昭和30年代初期にはまだ「赤線」が東京中の至る所に存在していたはずな
ので、その手の話はいくらでもあったはずなのです。

「 ちょっと恥ずかしい話 」がゴロゴロと・・・・・・・・!

ちなみに、ときわ荘からなら池袋の赤線街までバスや自転車ですぐだし、歩いてだって行
かれます。

「 児童漫画 」という看板のせいもあったのか、下半身の話題を意図的に避けられているの
か、大御所といわれる先生方、性欲の欠片もないお堅い紳士ばかりだったのか・・・・・・・・

でも・・・・・・・・漫画でメシを食っていこうなんて人間に聖人なんているわけもなく・・・・・・・・

・・・・・・ってなわけで、今回は師匠とアシスタントたちが初めて吉原( 東京のソープランド
街 )へ遊びに行った時の話を記したいと思います。

当時私は20代の半ば、多くの先輩たちは30歳前後、師匠は30代後半、皆さん下半身に欲望
があふれている・・・・・・・・股間の袋から臭ってきそうな野郎どもです。

1980年頃の事ですので、今から40年も前の話・・・・・・・・

細かな出来事や会話の内容など、かなりいい加減な記憶で書いてますので、不正確、曖昧な
点が多々あるかも知れません( いや、絶対ある )・・・・・・・・・その辺の所はご容赦下さい。

80年代の初め、日本は74年のオイルショックから立ち直り、バブル景気が始まる頃・・・・・・・・

秋山プロでも週刊誌が「 ギャラ 」( 少年キング )、「 ピンクのカーテン 」( 週漫画ゴラ
ク )、「 シャカの息子 」( 少年ジャンプ )、それ以外に「 浮浪雲 」( 隔週ビッグコミ
ックオリジナル )の連載がありましたから、かなり忙しい時期だったと思います。

師匠の原稿料、印税収入などの合計が年1億円を超えた頃・・・・・・・

忘年会は目白の日本料理店で、師匠の奥さんや子供たち、年長のアシスタントの奥さん、先
輩アシスタントAさんの婚約者なども参加する賑やかな宴会でした・・・・・・・・・・・・・

さて、二次会は、奥さんたちとは別の場所へ男性陣だけ( 先生含めて7人 )で行くという事
になったわけです・・・・・・・・・・・

 「 二次会で飲み直すからよ 」

・・・・・・とか何とか言って、( 計画通り )吉原へ出発するわけです。

先輩アシスタントの中には一週間後に結婚式を控えている( さっきまで婚約者も一緒だった )
Aさんもいたのですが・・・・・・・・

 「 おめィ~ど~すんだ? 」

 「 はい、お供します 」

・・・・・と、A先輩がニコニコと答えていたのが印象に残っています。

目白通りで2台のタクシーに分かれて吉原へと向かいます・・・・・・・・

先生と先輩アシスタント一人、そして私は、後続のタクシーで先発組に続きます・・・・・・・・目
白の住宅街で西武池袋線を越えるのですが・・・・・・・・先発したタクシーが踏切を越えた時に
「カンカンカンカン」と遮断機が下りてしまい、後続の私たちは先発したタクシーに取り残
されます。

後ほど、吉原で合流すれば良いのでそれはさして問題ではないのですが・・・・・・・・

 「 吉原に連れて行ってやりたかったんだよなァ・・・・・・・・吉原なんて初めてだろ~? 」

タクシーが池袋のネオン街を過ぎる頃にウキウキした気分で師匠が話し出します。

きっと、漫画の「 浮浪雲 」の様に・・・・・・・・主人公の雲さん( 問屋場の頭 )が駕籠かき衆の
若者たちを連れて遊びに出かける粋なイメージがあったのかも知れません。

 「 吉原なんて初めてだろ~? 」と嬉しそうに話しかける師匠に、シラケ気分の私は・・・・・・

 「 いえ、行った事があります 」

 「 はあ? 」

 「 3,4回かなぁ 」

 「 なんだァ・・・・おめィ~、初めてじゃねィ~のかよ! 」

 「 はい 」

 「 俺ィより詳しいんじゃねィ~か!? 」

 「 フ・・・・・・・・ 」( 風俗雑誌等でリサーチ済みな私は薄ら笑い )

 「 つまらねィ~~な~~、俺ィはおめィ~に吉原を教えてやろ~って楽しみにしてた
  のによ~~ッ! 」

 「 スイマセン 」( 笑いながら )

 「 俺ィがおめィ~に教えてもらう事になるのかよ! 」

本当にガッカリしている師匠は、「 つまらねィ~な~ 」を連発・・・・・・・タクシーはあっとい
う間に浅草の国際通りから吉原方面へ少し寂しい通りを進みます。

吉原といっても結構広い・・・・・・・・吉原交番の前を通って仲ノ町通りを進むと数え切れないほ
どのソープランドの看板が目に入ってきます・・・・・・・・・・。

現在でも、「 金瓶梅 」「 夕月 」「 角海老 」等々・・・・、40年も前にあったお店が今も営業
しているのです!

このコロナ禍の中でも100店以上のお店があるという吉原の普遍的な強さには驚きます・・・・・

さて・・・・・・・・・

貧乏臭いアシスタントが4人、角町通りとの交差点で案山子のように立っています・・・・・・・・・
・・・・・・それが、先発組だとすぐに分かって合流します。

 「 今日はY( 私 )に付いて行こうぜ、こいつが一番良い店知ってそ~だからよ! 」

・・・・・などとイヤミな事を言って笑う師匠・・・・・・・・

 「 まず、一杯ひっかけねィ~とよ 」

師匠の一言で全員師匠の後に続いて歩き出します・・・・・・・・そして、フラフラ、ゾロゾロと路
地を入ってすぐの所にある「P」というスナック( バーかも? )へ・・・・・・・・

店内は、白い内装で黒の長いカウンター席、中年で蝶ネクタイ姿のバーテンさんが二人、他
には女の子もお客さんも見当たりません。

30分ほどお酒を飲んで、ではそろそろ・・・・・・・・・という感じで師匠から軍資金( 各人に2万
円ほど )をもらって、アシスタントたちはソープへお遊びに出かけます。

ただ、師匠はこのスナックが落ち着くらしく、ソープへは行かずにウイスキーを飲み続けて
いました。

アシスタント全員、2時間ほどしたら同じこの店「 P 」に集合する段取りです。

ちなみに、2万円というのは当時の吉原では普通の料金でした。

格安クラスだと1万円ほどで、中級が2~3万円、高級店で4~6万円です。

私の様な安月給取( 手取り月給11~13万円 )では、格安クラスでしか遊べませんから2万
円なら軍資金としては十分でした。

私は、アシスタントの一人と一緒に吉原ではまだ新しい方のお店へ出かけたのですが・・・・・・
・・・・・そのお店の名前は忘れてしまいました。

「 オレンジ 」何とか・・・・・・・・ってな名前だったかと思いますが、付いたソープ嬢の事はよ
く覚えています。

ショートカットで目が大きく、年齢は私より3.4歳上で・・・・・・・・

40年も経っているのに、たった一回会っただけなのに・・・・・・・・何故、彼女の事を覚えている
かというと・・・・・・・・・・

会ったその瞬間から、彼女の発する異様な雰囲気が強烈だったからです。

 「 お上がりなさいませ~~ッ! 」

 「 服、全部脱いじゃってね~~ッ! 」

 「 この店、初めてですか~~ッ? 」

 「 今日は、とっても忙しかったんですよ~~アハハハ~~ッ! 」

やたらとテンションが高い・・・・・高過ぎる!

高音で、早口にまくしたてる・・・・・・・・普通ではない・・・・・・・・これは、覚せい剤をやっている
に違いない・・・・・・・・と。

でも、まぁ・・・・・・・・イ~んですけどね・・・・・・・・・ヤル事さえ、しっかりやってくれれば・・・・・
・・・・・・

 「 あたしが上になってもイイですか~~? ヨイセッ! 」

ドス、ドス、ドス、ドス、ドス、ドスッ!

ピュピュ~ッ

暑くもないのに汗をかく・・・・・・・気味の悪いひと時を過ごして、同じ店で遊んだアシスタント
と外へ出る。

通りを戻り、待ち合わせのスナック「 P 」へ向かう途中、そのアシスタントが真剣な顔で話し
始める・・・・・・・・

 「 あの店、ボッタクリらしいですよ! 」

 「 え? さっきのソープが? 」

 「 違いますよ、スナックPですよ、先生が待っているスナックですよ! 」

 「 ええええッ!? 」

 「 さっき、付いたソープ嬢が言ってたんですよ・・・・・あの店は悪質なボッタクリ店だって! 」

「 P 」へ戻る前に、しばらく店の外で待機、戻ってくる先輩たちと合流・・・・・・・・・・

 「 それは、ヤバいなぁ・・・・・・・・ 」

店の中には先生と先に戻った先輩アシスタントが何も知らずに飲んでいる・・・・・・・・・・

30分前までの浮かれ気分が、一気に沈鬱なモードへ落ち込んでいく・・・・・・・・・・

 「 ホントに、ヤバいぜ・・・・・・・・・・ 」

 「 とにかく、早く先生を店から出さないと! 」

せっかく、楽しそうな先生の気分を台無しにしてしまう事を想うと・・・・・・・無性に腹が立つ!

 「 いったい、いくら取られるんだか・・・・・・・・・・ 」

 「 7人分だぜ・・・・・・・・ 」

 「 いざとなれば、人数的にはこっちの方が多いんだし・・・・・・・・・ 」

 「 あああ・・・・最悪! 」

私たちは「 P 」のドアを恐る恐る開ける・・・・・・・・・・

ギィィィィィ



      「 漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 先生との思い出 その4(後半) 」 へつづく・・・・


      ( 月一連載を目指していますが、無理だと思います )


        ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 先生との思い出3」へ戻る 】



   


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漫画家アシスタント もう終わりで章 その10

2017年02月19日 22時31分53秒 | 漫画家

      ( この写真は、仕事が早めに終わった時にドア前から撮影したものです。目白通りの上から池袋方向を写し
       ています。 雲の様子がちょっと変だったので写してみました・・・・・Jプロの未来を暗示している様な気もしま
       す・・・・・《 2016年、12月、撮影 》 )


       【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 

                   その10


        《 漫画家アシスタントが・・・・原宿で切れる・・・・!? 》



「 夢 」だの「 希望 」だの「 やる気 」だの・・・・・・・・

そんな・・・・・・

楽観的で積極的な気分が蒸気の様に私から消えて行ってしまった・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・時の事を書いてみます・・・・・・


人から褒められたり、期待されたり、高い評価をもらったりする事でやる気になるのは、ご
く当たり前の話ですが・・・・・・・・・・・・

その逆に・・・・・・・・

人から期待もされず、評価もされないまま・・・・・・・・夢中になっていた事、大好きだった事、
はまっていた事が、突然・・・・・・・・パッタリとやる気がなくなってしまう事があります。

原因がハッキリしないのですが・・・・・・・・心のちょっとした隙間から冷たい風が入り込んで
体調を崩すみたいな・・・・・・・・・・・・


その日( 1980年代後半 )、私は東京、原宿の交差点にいました・・・・・・・・

30歳代でデビュー( ヤングジャンプの青年マンガ大賞 )したのですが、連載がもらえずに
悶々としていました。

時代はバブル真っ盛り・・・・・・・・ディスコ、ボディコン、朝シャン・・・・・・・・給料も土地の値段
も右肩上がりの状態でした。

最近( 2016年まで大学で非常勤講師してました )は、大学生の内、半分は奨学金を受け
なくてはならないほど、低い生活費で暮らしています。

30年前のバブルの頃の学生は、ブランドブームにマイカーブーム、スキーにサーフィン、海
外旅行も楽しむ時代でした。

今の若い人たちよりも当時の若者の方がファッションだって、オシャレだったんじゃないで
しょうか。

表参道と青山通りの交差点には、明るい若者たちが大勢立っていました・・・・・・・・( 何が目
的なのかさっぱり分からないですが )

私は、漫画家志望者が誰でもそうである様に、毎日『 面白い漫画を描くにはどうすれば良
いのか 』そんな事ばかりを考えていました。

友人といくら話をしても、テレビを見ていても、常に漫画の事が頭から離れません・・・・・・・・
・・・・不完全燃焼でブスブスいってる壊れたエンジンみたいな気分です。

私は、何気なく交差点の向かい側に立つ若者たちを見ていました・・・・・・・・

30歳を超えた私の小汚い服装とは大違いの色とりどりのファッションの列。

私よりも豊かで余裕のある暮らしが見て取れます・・・・・・・・

目に浮かぶ様です・・・・・・・・彼女とドライブ、彼女とスキー、彼女とサーフィン・・・・・・・・こっち
はチャリンコ、ラーメン、ひとりでセンズリ!

その瞬間でした・・・・・・・・

 『 こいつら、ど~~見たって幸せだよなァ~ 』

毎日、アシスタントの仕事をして、土日は自分の漫画を描くために暗い机に向かっているの
は、いったい何のためなのか・・・・・・・・・・

毎日、読者を喜ばせる方法を考えて、夜も眠れなくなるのは、この「 幸せな若者 」のためな
のか・・・・・・・・

 『 オレは、こいつら喜ばすために土日を返上して机に噛り付いているのか?! 』

傾いた様なボロ下宿の貧乏暮らしで、のびたラーメン食って、睡眠不足になりながらコリコ
リ漫画描いてるのは・・・・・・・・

 『 こいつらのためなのかァ?! 』

原宿の交差点はまだ赤信号だ・・・・・・・・

 『 なんで、オレが、このオレよりも幸せな奴等のために漫画描かくなくちゃ~ならねェ~
   んだよ! 』

まだ、赤信号だ・・・・・・・・

 『 朝から晩まで、こいつら笑わすためにボツ原稿の山に埋もれていくのかよ! 』

まだ赤だ・・・・・・・・

 『 このまま、ボツ原稿と心中しろってかよ!? 』

私の中で、何かが「 プツリ 」と切れる音がしたのです・・・・・・・・

小さな小さな音ですが・・・・・・・・

それは確かに聞こえたのです・・・・・・・・

 『 プツッ 』


 ( こっから先の記憶がないので、これで終わり )



             「 漫画家アシスタント もう終わりで章 その11 」 へつづく・・・・



                 ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタントもう終わりで章 お正月休み」へ戻る 】







 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ お知らせ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 ★ このブログ「漫画家アシスタント物語」が書籍化! 
   詳しくは・・・ 《アマゾンのネット通販》
   
 ★ 拙作、文庫本『 劇画 蟹工船 覇王の船 』も発売中!
   詳しくは・・・ 《アマゾンのネット通販》
 
 ★ 「漫画家アシスタント物語 4章の31~」に書かせてもらったガンさん
   (ブログ本では『ハアさん』)が描いたソープランドの実録漫画を公開
   中です・・・ 特別寄稿「 親不孝通り 」 第40話お父さん

 ★ 拙ブログのうぶ主が1987年にヤングジャンプ新人賞で準入選デビュー
   した作品・・・ 「 雨のドモ五郎 」

 ★ 「漫画家アシスタント物語 第6章の10~」に書かせていただいた
   リョウさんが描いたイラストを公開中です・・・ 「 龍馬さんとボク 」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 
 
 

【 各章案内 】   「第1章 改訂版」  「第2章 改訂版」  「第3章 改訂版」
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          「諦めま章 その1」   「古い話で章 その1」
          
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」




 
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漫画家アシスタント 新章の前に臨時休養

2015年08月10日 08時47分36秒 | 漫画家

 ( この写真は、去年の春に奥飛騨へ行った時に撮影したものです。穂高連峰にはまだ雪が白く残り、荘厳な眺めを
  満喫できました。灼熱地獄の夏に、今回、あえて涼しそうな写真を選びました。ちなみに、私の顔がしっかりアッ
  プされるのは珍しいかも知れません・・・・・・恥ずかしい・・・・・・・・《 2014年、4月、撮影 》 )
 
 
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 
  
                  夏の臨時休養
 
 
 
認知症になった母の介護と引っ越し・・・・・・・・おまけに持病の頸椎ヘルニアや膝痛など、ま
ったく最悪の夏を迎え、もはやこれまで・・・・・・・・・・
 
「 古い話で章 」を終え、新章「 もう終わりで章 」を始めるところで足踏み状態・・・・・・・・
 
1ヶ月ほど前から容態の悪化したカミさんの両親を見舞うためにタイへ行かなくてはならず・・・
・・・・・
 
ヨロヨロ、ボロボロ・・・・・の状態で多忙な( ホントに雑用が多い! )毎日を送っております・・
・・・・・・・・
 
誰だって、この夏の暑さにはまいっておられると思いますが・・・・・・・・・・
 
しばし休養させていただきたいと思います。
 
どうか、お許し下さいますよう・・・・・・・・・・お願い申し上げます。
 
 
次回から始まる「 もう終わりで章 」は、8月のお盆明けあたりにアップ出来たら良いなぁ・・・・
・・・などと考えております。
 
皆様も、体調など崩さぬように・・・・・お気を付け下さい。
 
 
では、次回まで・・・・・・・・
 
 
 
    「 漫画家アシスタント もう終わりで章 その1 」( たぶん、8月下旬に公開 ) へつづく・・・・
 

           ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント古い話で章 その56」へ戻る 】

 
 
 
 

 
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漫画家アシスタント 古い話で章 その54

2015年06月17日 23時36分26秒 | 漫画家

 ( この画像は、前回と同じ仲田さんのデスクを撮影したものです。 中央にあるトレース台を使ってアニメ原画を描い
  ています・・・・・・・・《 2015年、5月、撮影 》 )
 
 
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 
 
                    その54


     《 漫画家アシスタントが・・・・・韓国アニメ界へ・・・・・!? 》


アニメ画の仕事で最初にやるのは「 中割 」といって、原画と原画の間を数枚の絵で補う仕事です。

例えば、コップを持った人物( 原画1 )がそのコップを口に持って行く( 原画2 )シーンで、コップが
口に運ばれるまでの数カットの絵を「 原画 」を確認しながら( トレースしながら )描いていく仕事
です。
 
仲田さん( ※参照 )は、韓国への出張を依頼された時( 20代の後半 )にこの仕事をマスターして原画
を描く様になっていました。

もうすっかり一人前のアニメーターになっていた仲田さんは、韓国での技術指導者として派遣を依
頼されたわけです。( 飛ばされた )

実際は、この事を条件に再就職が許されたようなものでしたが・・・・・・・・・仲田さんは、不
満を言うでもなく韓国へ旅立ちます・・・・・・・・・・・・
 
韓国では当時( 1980年代 )は、主にアメリカ製のアニメの下請けをしていたそうです。
 
仕事は忙しくバブル景気の頃ですから収入も多いし、韓国の物価の安さもあって経済的にはかなり
余裕が出来たわけです。
 
数年の仕事で、ソウル市内に分譲マンションを買った時に日本の社長から「 アニメやってる奴でマ
ンション買えるなんてたいしたもんだ! 」と驚かれたそうです。
 
 「 『 アキラ 』を描いたよ 」
 
突然、仲田さんが言いだした話に私は驚きました・・・・・・・・・
 
 「 え・・・・・・・・? アキラ・・・・・・・・・・? 」
 
 「 そう 」
 
 「 アキラってあの『 アキラ 』ですか? 」
 
 「 そう 」
 
 「 す、凄いじゃないですか!! 」
 
 「 出来は滅茶苦茶悪かったけどね 」
 
アニメにもいろいろあるわけですが、その中でも「 エヴァ 」や「 パトレイバー 」などメカニック
な作品はアニメーターにとっては高度の技術とスピードが要求される大変な仕事です。
 
その上、特に「 劇場版 」というやつはクォリティーが高く、たった一枚の原画に8時間かかってし
まう事もあるほどの厳しい仕事なのだそうです。( 劇場版の原画は一枚3000円~4000円 )
 
それにしても・・・・・・・・・・
 
一部分に過ぎないとはいえ、なぜ劇場版『 アキラ 』を下請けの・・・・・・・・・・それも韓国
の会社で・・・・・・・・

 「 よっぽど忙しかったんだろうね・・・・・・・・・約束よりも2週間も遅れて仕事が
   来てさ、それを『 あと2,3日で完成してくれ! 』って・・・・・! 」
 
本来なら10日かかる仕事をたったの2,3日で仕上げなくてはならない・・・・・・・・・・まった
く無茶な話です・・・・・・・・。
 
 
 「 ・・・・・んなもん出来るわけないでしょ! 」
 
 「 ・・・・・・・・・・・・・・・ 」
 
 「 韓国人スタッフが3日間徹夜して必死で描いた絵をチェックも出来ないまま、大急ぎ
   で日本へ送って・・・・・・・・・・ 」
 
依頼した日本の会社は、その出来の悪さにさんざんクレームをつけて来たそうですが・・・・・・
 
 「 元々、2週間も遅れて仕事を送って来たんだから! 」
 
この最悪のシーンがそのまま劇場公開されるわけです・・・・・・・・・・
 
私は、そのシーンが是非観たいものだと思うのですが・・・・・・・・・・残念ながら、現在の映
像( ビデオ版 )は、その部分が修正されていますので・・・・・・・・・・観ることは出来ません。
 
仲田さんたちの血のにじむような3日間の結晶は、無残に完全破棄され・・・・・・・・・良かっ
たのやら悪かったのやら・・・・・・・・・・
 
 
 
      「 漫画家アシスタント 古い話で章 その55 」( 6月20日以降公開 ) へつづく・・・・
 

            ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント古い話で章 その53」へ戻る 】

 
 
 
 
  【 ※参照 】
 ・仲田さん・・・・・・・・・(仮名)1969年当時、17歳、横浜出身、高校を中退、家出してJプロへ入る。 
  現在は、フリーのアニメクリエーターとして「ポケモン」などの原画を制作している。
 
 
 
 

 
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漫画家アシスタント 古い話で章 パソコン故障!

2015年01月27日 22時36分14秒 | 漫画家
 

                パソコン(DELL)が故障!
 
 
 
ハードディスクが壊れてしまい、交換しなくてはならなくなりました。(保証期間内だった)

そのため、10日ほどお休みをいただき、2月10日に本編の続きをアップしたいと思います。

ご迷惑をおかけしまますが・・・・・何卒、お許し下さい!



  PS:体もボロボロ・・・・・・・・一緒に交換してほしい・・・・・!




     「 漫画家アシスタント 古い話で章 その42 」( 2月1日以降公開 ) へつづく・・・・


            ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント古い話で章 その41」へ戻る 】

 
 
 
 
 
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漫画家アシスタント 古い話で章 2015年 謹賀新年

2015年01月04日 04時15分34秒 | 漫画家

 ( この写真は、私が毎日利用しているJR埼京線、武蔵浦和駅の夕暮れです。改札口を出て西口を出る辺りで撮影しまし
  た。人生を想う時、朝日ではなく夕暮ればかりをイメージしてしまう今日この頃です・・・・・・・《 2014年、12月、
  撮影 》 )
 
 
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 
 
                 2015年 謹賀新年



また頸椎ヘルニアによる肩と腕の不調に苦しみつつキーボードをたたいており・・・・・・・・

背中から肩、そして腕からひじにかけて、鈍痛に悩まされて10日になります・・・・・・・そのた
め、お正月休みと称してまた休筆させていただきたいと思います・・・・・・( スイマセンです )

年末から正月休みに入る前に医者からもらっていた薬がまるで効かないために、深夜ベッドで痛み
のために唸り声をあげてしまうほどなのですが・・・・・・・・ど~にもなりません。

医者の薬( 痛み止めのリリカカプセル )にはめまいなどの副作用があるのですが、前回ほどの効き
目がまったく・・・・・・・・・もう、薬ではなく「 中川式ストレッチ 」( どうなることやら・・
・・・ )とかいう体を鍛え直すやり方にスイッチしようかと思っています。

さて、この「 漫画家アシスタント物語 」も10年になりますが・・・・・・皆様方のご支援のお蔭
で、ここまで書き続ける事が出来ました。

しみじみ、ありがたい事だと思っております。

今回は、肩と腕の痛みも激しくお休みさせていただきますが、次回からは本編の続きを書いていき
たいと思っています。

少しの間ですが、私の先輩アシスタントの話を書かせていただき、その後は、私の漫画制作につい
て書かせていただくつもりです。
 
脂汗流しながら頑張りますので、今年もどうか、よろしくお願いいたします。
 
 
 
     「 漫画家アシスタント 古い話で章 その41 」( 1月10日以降公開 ) へつづく・・・・
 

           ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント古い話で章 その40」へ戻る 】

 
 
 
 

 
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漫画家アシスタント 古い話で章 その32

2014年09月13日 11時59分58秒 | 漫画家

 ( この写真は、20年前の仕事場を撮影したものです。 中央左にいるのが私ですが、画面が暗いので室内が分かりづら
  いかも知れません。 また、この写真は以前、公開したことがあるかも知れませんが・・・・もし、そうだったらゴ
  メンナサイ・・・・・・《 1994年、1月、撮影 》 )
 
 
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 
 
                    その32


     《 漫画家アシスタントが・・・・・度胸を見せる・・・・・!? 》


人生とは面白いもので、お気楽に怠惰な時間を過ごしていると・・・・・あっという間に時が過ぎ、
記憶も薄っぺらなものになっていく・・・・・

アシスタントの生活でも、漫画を描いたり資料を読んだり、絵やセリフの勉強をしたりしている密
度の濃い時代の記憶は、しっかりしているのです。

ところが怠惰な時期は、ものすごいスピードで時間が過ぎてしまい、極端な話ですが・・・・・ま
るで浦島太郎が玉手箱を開けた瞬間の様に、自分の頭が白くなっている事に愕然とするのに大変似
ているのです。
 
実際は、私は40歳代で漫画を描くのをすっかり止めていますが、それからの10数年・・・・・・・
記憶が飛んでしまったのではないかと思われるほど、空しい・・・・・・・本当に空しい・・・・
・・・過去の空白化・・・・・そんな印象があります。

ただ、楽しい時間というものは、人生においてとても大切だとは思いますが・・・・・・・・

怠惰に過ごしてしまうのは、その間、ゾンビの様に「 死 」を生きている状態に近いのではないかと
も思われ、今さらながら冷たい汗にゾッとしている有様です。


さて、私の先輩であり、多くの示唆を与えてくれた兄の様な存在である加川さん( ※参照 )ですが・・
・・・・・・

いよいよ、Jプロ( ※参照 )を辞める時が来ます・・・・・・・・

何本もの作品(絵コンテやネーム)をJ先生( ※参照 )に見せに行っていた加川さんですが・・・・・・・

「 おめィ~は、描き過ぎなんだよ! 」

・・・・・と、先生に言われてから6~7年間・・・・・・・・ほとんど漫画作品を描くことがあり
ませんでした・・・・・・・・少しは描いても、もう、無我夢中で描くんだという気持ちは無くな
っていました。
 
しかし、絵の何処を直すのか・・・・・・・・ストーリーの何処をどう直すのか・・・・・・・・・
キャラクターの何処をどう直すのか・・・・・・・・・・重要な問題の突破口を見つけた訳ではあり
ませんでした。
 
ただ・・・・・・
 
本を読んだり、映画を観たり、漫画制作に関係する事にはアンテナを張っていたわけですが・・・・
・・・それでも、毎日を惰性で生きている様なスッキリしない日々が続いたのです。
 
 
それでも、漫画制作を止めてしまったわけではありません・・・・・・

実は、この頃、先生には内緒で出版社に自分の作品を持って行っていました。

その作品は、完成した原稿ではなく、タイトル画と絵コンテだけの代物で・・・・・・これで連載を
狙う度胸はさすがですが・・・・・・・・・・明らかに無謀でした。

S学館、K談社・・・・・・・・それも「 週刊少年S 」やら「 週刊少年M 」やらの一流処への持ち込
みです・・・・・・・・

結果は、悲惨で・・・・・・・・各社とも門前払い同然のあつかいだったそうです。

特に、K談社( ! )の「 週刊少年M 」の編集員は、ちらっとタイトル画を見ただけで、ろくに絵コンテ
を見もしないで、ポイッと原稿をデスクに投げつけたそうです。

これが、ようするに・・・・・・・・編集員の・・・・・・・・・・

 『 チラ見でポイッ! 』

これをやられた人間は、生涯、この屈辱を忘れる事が出来ません。

もっとも、還暦を過ぎた現在の加川さん・・・・・・・・冗談でも話す様な笑顔ですが・・・・・・
目は笑っていません。

3分でも、感想を言ってくれる編集員に出会える様なら・・・・・・・ならまだましな方でしょう。

長い時間、苦しみながら描いて、電車乗り継いで持って来てるのに・・・・・『チラ見でポイッ!』
じゃ~救われません。
 
 「 何故、ダメなんだろう? 」
 
 「 何処が悪いんだろう? 」
 
 「 どうしたら良いンだろう? 」

ボツ原稿をかかえて、あの神保町の町をトボトボと下を向いて歩く時に思う事は、誰でも同じ様なも
のです・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
加川さんは、20歳代の・・・・・若い頃の自分を思い出しながら・・・・・・・・
 
 「 今から考えてみれば・・・・・・当然なんだよ・・・・・・・・・だって、面白くね~
   ~んだから! 」( 笑 )
 
 
 
     「 漫画家アシスタント 古い話で章 その33 」( 9月20日以降公開 ) へつづく・・・・
 

           ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント古い話で章 その31」へ戻る 】

 
 
 
 
  【 ※参照 】
 ・加川さん・・・・・・・・・・・(仮名)中学卒業後、職業を転々としながら漫画家アシスタントに成る。
  1969年19歳で、J先生に師事。1978年に少年キングで連載を得て独立。1984年別冊漫画ゴラク連載。
 ・Jプロ・・・・・・・・漫画家J先生の仕事場。東京目白にあり、バブル期には6~7人のスタッフが
  在籍。しかし今年2014年にはスタッフ2名。連載は1誌。ちょっと淋しい今日この頃です。
 ・J先生・・・・・・・・・・・・・・・有名漫画家、1966年、23歳で売れっ子作家に。70年には週刊
  連載6誌という逸話もある。現在は1誌に連載中。2014年現在、71歳。1969年当時は26歳。
 
 
 
 

 
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漫画家アシスタント 古い話で章 その15

2014年03月04日 18時28分01秒 | 漫画家

 ( この写真は、JR池袋駅メトロポリタン出口から撮影した写真です。中央遠くに見えるのが新宿のビル街です。 いつ
  もこの駅を利用して目白の仕事場へ向かっています。・・・・・・《 2014年、2月、撮影 》 )
 
 
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 
 
                    その15


      《 漫画家アシスタントが・・・・先生の批評に戸惑う・・・・!? 》


私が勤めるJプロ( ※参照 )は、噂によると編集員の評判がすこぶる悪い。( あくまで昔の話です。今で
はもう噂になる事すらありません )

それは、見込みのあるアシスタントがまったく居ない・・・・・という意味である。

あくまで、編集員が言っているらしい・・・・・という話ではありますが・・・・・かなりキビシイ。

 「 J先生( ※参照 )の所のは、ダメだね 」

・・・・・つまり、アシスタントにまったく漫画家になる気がない・・・・・という軽蔑感のある噂
なのです。

確かに、私がはじめてJプロに来た時には、先輩たちがまったく漫画を描かず、勿論、出版社へ持ち込
みに行く事もほとんどありませんでした。

そのため、私も某出版社へ原稿を持って行った時に・・・・・

 「 珍しいよ、J先生んとこの人が持ち込みに来るのは 」

・・・・・と言われたほどです。

Jプロには、倉さん( ※参照 )の様に10代で入ってくる人が多いために、持ち込みに行くという経験を
知らない。

そのためもあるのかどうか・・・・・・・・

とにかく、Jプロに入った当初から、どんどんモチベーションが下がり続ける傾向がみられる。

倉さんも先生の所へ来るまでは、いつも4コマ漫画を描いていたのに、アシスタントになった途端に
まるで熱でも下がる様にスッパリと漫画を描かなくなりました。

これが倉さんだけなら、彼の個性とか限界とか解釈の仕様もあるのですが・・・・・・・・多数の先
輩方が同じ様な道をたどるので、私は長年疑問だったのです。

私がJプロに入って数年たった頃、先生に質問した事があります・・・・・・・
 
 「 先生、なんでうちのスタッフは漫画を描いて早くデビューしようとしないンでしょうか? 」
 
すると、J先生はニヤリと薄笑いを浮かべながら・・・・・・・・
 
 「 俺ィはよォ・・・・優秀な奴をアシスタントに選んでるわけじゃねィ~からよォ~! 」

J先生は、確かにアシスタントを雇う時に、優秀な人材を断る事があります。

普通の漫画家なら考えられない事なのですが・・・・・・・本当に、有望な人材には褒めて褒めて
褒めまくるのです。( 決して雇わない )

 「 褒め殺っしゃうからよォ~! 」
 
 
では優秀ではない人材( 普通の? )は・・・・・・・どうなるのか・・・・・・・・・・・・・?


アシスタントになった当初の倉さんも、漫画を描いて先生に見てもらった事はあったのです。

しかし・・・・・・・

 「 もっと、化けなくちゃダメだ! 」

 「 もっと、はじけろ! 」

・・・・・などといった意味のよく分からない批評で、「 どこをどうすれば面白くなる 」といった
具体的な話はまるでなかったのです。
 
結局、先生の結論はいつも・・・・・・・
 
 「 まぁ・・・・・あせるな! 」

倉さんが聞いた先生の結論・・・・・・・・この言葉は、実は、他のアシスタントたちも同じよう
に聞かされているのです。

「 あせるな 」の意味は、「 今は、十分に勉強して力を蓄えろ! 」という意味なのですが・・・・・

当時、まだ10代だった若い彼らにとってこの言葉は・・・・・・・
 
 「 今は、のんびり遊んでろ! 」
 
・・・・・に聞こえてしまったわけです!
 
結局、ほとんど全てのアシスタントが、この「 あせるな 」を「 のんびりしろ 」とか「 休んでろ 」
と解釈してしまったのですが・・・・・・・・さすがに、それには先生も頭をかかえます・・・・
・・・・

倉さんが勤めて数年たった頃・・・・・・・・J先生がお酒を飲みながら話します・・・・・・・・

ブランデーの入ったグラスを手に持ったまま・・・・・静かに目を閉じて・・・・・・・・・

 「 『 あせるな 』っていう俺ィの言葉を皆、誤解してるな・・・・・・・ 」

倉さんは返事の仕様もありません・・・・・・・・

先生は、酒でも不味いかの様に・・・・・・・・

 「 言わねェ~方が良かったなァ~ 」

しかし・・・・・・・・・・

後の祭りである。


さて、今回で、倉さんの話には区切りを付けて、次回からは、もっと古株のアシスタント体験談を書
きたいと思います。

ちなみに・・・・・・倉さんは、今年( 2014年 )で62歳、Jプロ卒の人材の中では、最も健康的で元気
に暮らしています。今は、イラスト制作や童話画中心に活動中です。
 
 
 
     「 漫画家アシスタント 古い話で章 その16 」( 3月10日以降公開 ) へつづく・・・・


          ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント古い話で章 その14」へ戻る 】

 
 
 
 
  【 ※参照 】
 ・Jプロ・・・・・・・・漫画家J先生の仕事場。1970年前後に東京新宿区中落合にあったマン
  ションの一室。当時は、J先生専用の仕事場で、アシスタントたちは、違うアパートで仕
  事をしていました。
 ・J先生・・・・・・・・有名漫画家、1966年、23歳で売れっ子作家に。70年には週刊誌同時連
  載6誌という逸話もある。現在は1誌に連載中。2013年現在、70歳。1969年当時は26歳。
 ・倉さん・・・・・・・・北九州の小倉生まれ。14歳の時に広島へ転居。1969年に17歳でJ先生
  に弟子入り後、52歳までアシスタントを務めた。現在61歳、東京練馬区石神井在住。
 
 
 
 

 
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漫画家アシスタント 古い話で章 その7

2013年12月02日 23時26分27秒 | 漫画家

 ( この写真は、豊島区椎名町の住宅街を撮影したものです。千早町からJ先生の仕事場がある中落合までこんな
  感じの風景の中を倉さんは、歩いて原稿を運んでいました。写真を撮影しながら思ったのですが・・・・・当時
  の古い町並みも新しい住宅やマンションで随分と変わってしまいました・・・・・《 2013年、11月、撮影 》 )
 
 
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 
 
                    その7


      《 漫画家アシスタントが・・・・電話番をする・・・・!? 》


倉さんは、毎日、アシスタントが仕上げた原稿を先生の仕事場へと運ぶために、豊島区の千早町
から、新宿区の中落合までテクテク徒歩で往復していました。

完成原稿を先生に渡し、先生からキャラクターの入った原稿を受け取って、先輩アシスタントが
待っている千早町のアパートへ向かうのですが、まだ、先生が人物を入れている途中のために、
先生の仕事部屋の隣で待機している事がよくあるわけです。

朝、一番に先生の仕事場を訪ねるのは倉さんで、編集部からの電話などの応対も自然と倉さんが
やっていました。

たまに、朝10時に電話を受け取った時など・・・・・・・

 「 週刊○○の者ですが・・・・先生の仕事はどうでしょうか? 」( 締め切りを心配する編集員 )

 「 あ・・・・・はい・・・・・・・・まだ、先生来てないです 」

 「 えええっ・・・・まだぁ? しょ、しょ~がね~~なぁ~~~ 」

などといった会話が朝からあったりしたそうです。

ある時、変な電話がありました・・・・・・・

 「 アキウマ君、いますか? 」

倉さんは、聞いた事のない名前に『 間違い電話かな? 』と思いつつ・・・・・・・

 「 え・・・・・? ・・・・アキ・・・・・・ウ・・・マ・・・・? 」

 「 アキウマ君、いますか? 」

隣の部屋で仕事をするJ先生が、電話口で戸惑っている倉さんに顔を向ける・・・・・・・・

 「 先生、アキウマ君って言ってますけど? 」

 「 あ、俺ィだ 」

後で分かるのですが、この電話は、J先生の師匠にあたるM拳次先生( 1960年代に少年○ガジンな
どで活躍、氏の代表作はテレビドラマ化されて話題に、1970年頃に渡米 )だったのです。

M先生は、アシスタント時代から顔の長かったJ先生の事を「 アキウマ君 」と呼んでいたわけで
す。

それにしても、弟子がすっかり売れっ子の有名人になっていても、青年時代の愛嬌のあるあだ名
で呼ぶあたりがいかにもM先生らしいところなのかも知れません。

ただ、この当時のM先生は、日本の漫画界を去ってアメリカで一コマ漫画で初歩からスタートす
るという「 冒険 」をした時期で、J先生とM先生が呑気な会話をしていたとは思えませんが・・
・・・今となっては、その内容は分かりませんのです・・・・・・・・・・。
 
  
 
 
      「 漫画家アシスタント 古い話で章 その8 」( 12月10日以降公開 ) へつづく・・・・


           ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント古い話で章 その6」へ戻る 】





 
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漫画家アシスタント 諦めま章 その41

2013年09月14日 19時14分04秒 | 漫画家

 ( この写真は・・・・・・ちょっと白っぽくてゴメンナサイ!・・・・・・池袋西口にある某喫茶店です・・・・
  ・・私がブログ原稿を書いたり、友人たちとお茶を飲んだりするのによく利用していた所です。 画面中央奥には、
  昔、アシスタントの先輩が勤めていたソープが写っています・・・・《 2013年、8月、撮影 》 )

 
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 

                    その41


      《 漫画家アシスタントが・・・先生からにらまれる・・・!? 》


さて、この章の最後に書く事は・・・・・ちょっとシビアな話になりますが・・・・・・・・・

困った事に、私の師匠であるJ先生( ※参照 )は、このブログが大嫌いなのです。

・・・・・この事は、以前にも何度か書かせてもらっているので・・・・・くどいと思われる方もあ
るかも知れませんが・・・・・・・・・・

最近の状況を書かせていただきたいと思います・・・・・・・・

ブログを始めた当初から、先生を表現する時に「 ハゲ 」とか「 老人 」とか「 怖い 」とかいったキ
ーワードで先生の神経を逆撫でしていたわけですが・・・・・・・( その後、一部訂正 )

それでも、ブログが書籍化( ※参照 )する時には、少しは理解してくれて先生自身の名前やエピソード
などの表現についても了承を与えてくれていたのです・・・・・・・・・

しかし、その後も、長年( 6年ほど )同じ様な記事( 先生を決して美化しない記事 )が続き・・・
・・・・・・・

 「 また、俺ィの悪口を書いてるんだろ・・・・・ 」

・・・・・などとボヤく様になっていたのです・・・・・・・・・・・

特に5年前の2009年に、先生にとって最も大切なアシスタントの一人が病没してからは、特にこじれ
てしまいました。( この経緯は『 諦めま章 その9 』に )

朝、仕事場( ※参照 )へ入ってから先生に挨拶しても返事の無い事が増えてました・・・・・・・・

そして、しばらく経ってから・・・・・こんな事がありました・・・・・・・・・

夜の9時頃でしょうか・・・・・・・・・・仕事が終わってデスクの周りを掃除している時だったと
思います。

ビールか何かをキッチンに取りにきた先生と立ち話をしたのです・・・・・・・・・・

 「 原稿が盗まれてな・・・・・それがネットのオークションで売られてたんだぜ! 」

 「 え~っ・・・・・・・・?! 」

驚いてる私をにらみつける様に・・・・・・・・・・

 「 随分高い値段で買い戻したけどよォ・・・・・・! 」

 「 ・・・・・・・・・・ 」

 「 おめィ~が原稿を盗んだんだろ・・・・・! 」

問い質す・・・・・と言うよりも・・・・・・・・言葉を吐き捨てる様に・・・・・・・・決め付
けているといった感じで・・・・・・・・私は一瞬、凍りついて・・・・・・・・・・

 「 ま・・・・・まさか・・・・・・・・・・! 」( 呆然 )

あまりのバカバカしさに、まともに弁明する気にもなれない・・・・・・・・・・

仕事場には、出版後に編集部から返却された原稿がそこらじゅうに放置されているので、そのうち
の一つを誰かが持って行ってしまった様なのです・・・・・・・・・・

J先生は、私が十分にダメージを受けたのを確認したかの様に顔を横に向けると・・・・・・・

 「 まぁ・・・・・・編集員の誰かが、いらねィ~原稿だと思って、持って行っちゃったの
   かもしれねィ~けどよ・・・・・・・ 」 ( 一見すると盗難事件ですが、ひょっとする
   と先生自身が譲った事を忘れているのかも知れません )

今でもインターネットを「 悪の温床 」とか「 危ないもの 」とか言って嫌っているJ先生なのです・
・・・・・・( ただのアナログオヤジ )

先輩の葬式で写真を撮ろうとした事を「 腐れ外道! 」と言われ・・・・・・・・・ネットオーク
ションで原稿が売られていると「 盗んだんだろ! 」と疑われ・・・・・・・・・ついには「 おめ
ィ~の本( 拙ブログ本 )なんか半分も読んでねィ~よ! 」と言われる始末。

普通の人なら、「 もう辞めさせてもらいます 」と自分から飛び出してしまうシチュエーションだ
と思いますが・・・・・・・・・

とにかく、それ以来・・・・・・・・・

ここ、2、3年は・・・・・・・・・仕事が数日間、理由もなく休みになったり、挨拶しても返事も
してくれない時などに・・・・・・・・・・・・・

 『 もしかして・・・・・昨日、俺のブログを読んだのかも知れない・・・・・・ 』

昔の女の話や、奥さんを泣かせた話、「 引退宣言 」などと騒がせて、こっそり温泉旅行を楽しん
だ話など・・・・・・・先生が読んだら、きっと、ただでは済まない・・・・・!

 『 こりゃ・・・・ヤバイかも・・・・・クビになるのかも知れない・・・・・・・ 』

まったく、ヒヤヒヤものなのです・・・・・・・・・・・・いや、ホントに!

先ほどの先輩アシスタントの葬儀から5年なります・・・・・・・・それでも、まだ、先生との間
には緊張感があり・・・・・・・・・

いつも・・・・・

『 今日、クビになるかも知れない・・・・・ 』

・・・・・と、大げさでは決してなく、ビクビクと仕事場へ出かけている毎日なのです・・・・・

今月で58歳になる、しょ~もない漫画家アシスタントがネズミの様に怯えて生きておりますので
す・・・・・・・・・・

ちなみに、友人からペットのウサギや熱帯魚を飼うことを勧められたりするのですが・・・・・・
・・何の事はない、自分自身がペットの様な震えるネズミだったわけです・・・・・・・・・


さて、次回からは新章という事で・・・・・・・・先輩アシスタントたちの昔話でも・・・・・・
・・・・・・!( くれぐれも、過剰な期待はなさらないで下さい )
 
 
 
 
        「 漫画家アシスタント 古い話で章 その1 」( 9月20日以降公開 ) へつづく・・・・


             ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント諦めま章 その40」へ戻る 】





  【 ※参照 】
 ・J先生・・・・・・・・有名漫画家、1966年、23歳で売れっ子作家に。70年には週刊連載6誌
  という逸話もある。現在は1誌に連載中。2013年現在、70歳。
 ・書籍化・・・・・・・・・・拙ブログ「漫画家アシスタント物語」が2008年4月にマガジン・
  マガジン社より出版される。
 ・仕事場・・・・・・・・漫画家J先生の仕事場。東京目白にあり、バブル期には6~7人のス
  タッフが在籍、平均年齢は、30歳。しかし今年2013年にはスタッフ2名。連載は1誌。スタッ
  フ含めた平均年齢は、62歳! 健康に自信のない今日この頃です。
 
 
 
 
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漫画家アシスタント 諦めま章 その20

2013年01月22日 22時13分16秒 | 漫画家

 ( この写真は、先日、東京に雪が降った日から2日後のJプロ前から撮影した写真です。 まだ、少しだけ雪が
  残っているのが見れるかと思います。 下の道路が目白通り、中央右寄りの奥にあるのが、池袋サンシャイン
  ビルです・・・・・・・《 2013年1月、撮影 》 )


  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 

                    その20

      《 漫画家アシスタントが・・・同じ相談を受ける・・・!? 》
 
 
 「 Y君(私)、奥さんから内輪の事を相談されるなんて、俺は内心・・・・・・嬉しかっ
   たよ・・・・・・ 」

40年近く前の事を、ハッキリとした口調で語ってくけたBさん・・・・・・

 「 だって、俺ァアシスタントだよ・・・・・・そんな俺に奥さんが相談してくれたんだよ・
   ・・・・ 」

そんな気持ちから・・・・・・

 「 先生は・・・・・・良くないよなァ・・・・・・・・・・・・俺さ・・・そん時、奥さん
   の味方になろうって・・・・・そう思ったんだよ・・・・・・ 」

こうして、仕事場のゴミ箱からコンドームが出てきた事を告げられ・・・・・・追い詰められたBさ
ん・・・・・・

もはや・・・・・誤魔化しようがないと観念し・・・・・・・・・

 「 奥さん・・・・・・実はねェ・・・・・・・・・・・・ 」

Bさんは、自分が知る全ての事を事細かに告白したそうです・・・・・・・・・

もちろん、この事は、先生も他のアシスタントたちも誰も知りません・・・・・・・・・。


この事が原因したのかどうかは分かりませんが・・・・・・・・・以下の様な出来事が起こったそ
うだと聞いています・・・・・・

離婚を覚悟した奥さんは、浮気先から帰宅した旦那( 某有名漫画家先生 )に朝帰りの朝食を作って
出したそうです・・・・・・

前日に作ったカレーライスの残りだったそうですが・・・・・・・・・

 『 これが、この人に作る最後の料理になるのかしら・・・・ 』

自分が離婚を決意しているとも知らずに・・・・・・旦那は黙ってモクモクと残り物のカレーライ
スを食べている・・・・・・・・・

何も知らずに・・・・・・・・・

汗をふきふき、ただ黙々とカレーライスを・・・・・・・・・

そんな旦那を見ていると・・・・・・ふと・・・・・・・・・自分が深刻になっている事が馬鹿
々々しくなってしまい・・・・・・・・

一緒にカレーライスを食べ始め・・・・・・・・・

そして・・・・・・・・

離婚するのを止めてしまった・・・・・・・・・

そんな後日談を随分と後になってから噂話として聞いたのです・・・・・・・・


さて、次に・・・・・・

もう一人のアシスタント・・・・・・・・

Cさんですが・・・・・・彼は、Bさんよりも3歳年上で同時期( 1969年頃 )にこの漫画家先生
のアシスタントになった人物・・・・・・・・・

Bさんが丸々とした好人物なら、このCさんは長身で細面の色男・・・・・・・・

そのCさんが、最近(去年、2012年)私に語ってくれたのですが・・・・・・・・・

それが、Bさんと同じ・・・・・・この先生の浮気に関する話でした・・・・・・・・・

Bさんは、まだ誰にも喋っていない秘密の話を告白する様に・・・・・・静かに話し始めます・・
・・・・・・・

 「 奥さんから・・・・・先生の浮気について訊かれた事があったんだ・・・・・・ここ
   だけの話だけどさ・・・・・・ 」

 「 奥さんから・・・? 」

私は、何だか以前Bさんからも同じ様な話を聞いた事がある様な・・・・・・・・興味津々、その
話に耳を傾けたわけです・・・・・・!

 ( ちなみにCさんが語る「 ここだけの話 」を私がネットで書いてしまっている事を、ど
  う謝罪したらよいか・・・・・・まったく分からず・・・・・・絶交されるかも・・・
  ・・・などと怯えつつ現在、キーボードを打っており・・・・・・ )

 「 奥さんがね・・・・・・先生、浮気してないかって・・・・・・・・・ 」

 「 はぁ・・・・・・・・・ 」( Cさんの話と似てる・・・ )

 「 してます・・・・・・なんて絶対言えないよなァ! 」

 「 ホントに・・・・・喋ってないんですか? 」

 「 Yちゃん(私)、言うわけないじゃないか! 」

Cさんは、キッパリと・・・・・

 「 奥さんからの相談でも、これだけは・・・・・・絶対に言えないよ! もし、言った
   ら大変だよ! 」

 「 その後も・・・・言ってないんですか? 」

 「 言ってないよ! 俺は絶対、言わないよ~! 」

どうも・・・・・・奥さんは、Bさんに話す前にCさんに話したらしい・・・・・・

それも、秘密の話として・・・・・・・・Cさんは、この話を誰も知らないと思っている様子・・
・・・・・・・そこで・・・・・・私は・・・・・・・・

 「 Cさん・・・・・・実は・・・・・同じ様な話をBさんからも聞いたんですが・・・・・ 」

 「 ええっ・・・・・・?! 」
 
 
 
        「 漫画家アシスタント 諦めま章 その21 」( 2月1日頃公開 ) へつづく・・・・


             ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント諦めま章 その19」へ戻る 】




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漫画家アシスタント 諦めま章 その19

2013年01月12日 22時29分03秒 | 漫画家

 ( この写真は、私が勤めるJプロにある誰の物とも知れぬラジカセです。20年くらい放ってある代物で誰ひとり触れよ
  うとする者さえありません。ラジカセ本体は濃いオレンジ色、床はウッド調の色ですが、ホコリで真っ白になっていま
  す・・・・・・・・《 2012年3月、撮影 》 )
 
 
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 

                    その19

      《 漫画家アシスタントが・・・秘密の相談を受ける・・・!? 》


今回の有名漫画家先生の下半身の話と言っても・・・・・・随分と昔の話ですので、有名漫画家とは
いえ若い方は知らないかも知れません。

そこで、この漫画家と、その話をしてくれた二人のアシスタント・・・Bさん、Cさんについて話して
おきたいと思います。

週刊誌の連載を何本も持ち、売れっ子漫画家としてマスコミにも騒がれる・・・・・・まだ30歳そこ
そこの漫画家先生。

そして、その先生に師事する二人の若者( 20歳ほど )・・・・・・アシスタントは全員で4~5人で
すが、その中でも年長のBさんとCさん。

今回は、Bさんから聞いたこの先生の人物像を表すエピソードから紹介したいと思います・・・・・
 
 
まず・・・・・・

この漫画家先生は、自宅とは別に小さなマンションの一室を仕事場にしていました・・・・・

1970年代の始めでは、マンションの一室を仕事場にできる漫画家は、それほど多くはなかったと思
います。

・・・・・・・・まだまだ、木造モルタルアパートが主流の時代でした。

Bさんが、関西から上京して、漫画家アシスタントを始めた頃・・・・・・まだ18歳だった頃・・・
・・・・・・


仕事場があったマンションの、先生の個室で話していた時です・・・・・・

スケベ話か何かを話している時に例の淫語・・・・・「 オマ○コ 」を先生が口にしたのですが・・
・・・・

 「 オマ・・・・・・ン・・・・・・? 」

 「何だよ・・・・・・お前、オマ○コしらないのかよ?」

Bさんは、関西出身で東京とは違う淫語を使用していた様で・・・・・・まったく「 オマ○コ 」と
いう言葉を知らなかったのです・・・・・・!

 「 え・・・・・・何ですかァ・・・・・? 」

 「 ホントに知らないのかよ? 」

 「 はぁ・・・・・・ 」

 「 バカヤロウ・・・・・・女のアレって意味だよ! 」

漫画家先生は、笑いながら・・・・・・太マジックインキで壁( 仕事部屋の白壁 )に大きく・・
・・・・(!)

 『  オ マ ○ コ  』

 「 ・・・・・・だよッ! 」

Bさんは、漫画家先生が、部屋の壁にその言葉をデカデカと殴り書きするのを呆然と見守ります・・
・・・・・・・これには、随分と驚いたそうです。

 「 Y君、壁だよ・・・・・・壁に書いちゃったんだよ! 驚っどろいたよな~~! 」

ちなみに・・・・・・現在の仕事場には・・・・・・以前、先生の自宅だったマンション( 約70
㎡ )ですが・・・・・・・

その壁や、押入れ、クローゼットなどに赤いスプレーインキでデカデカと意味不明の落書きが描か
れています・・・・・・・・。


さて・・・・・・

話は、この漫画家先生の奥さんからBさんがある相談を受けた事から始まります・・・・・・・・

いつもは、新鮮なフルーツの様に明るい奥さんが・・・・・・深刻に、ゆっくりとBさんに語り始
めます・・・・・・( この頃、Bさんは20歳になっています )

 「 B君・・・・ひょっとして先生さぁ・・・・・浮気してるんじゃない・・・・・・・? 」

漫画家先生と同世代でデビュー前から苦労を共にしてきた奥さんからシンミリと訊かれたわけです
・・・・・・

 「 ・・・・・・はぁ・・・・・・・・? 」

してるに決まっているのですが・・・・・・当然、驚いた様なフリをして・・・・・・トボケよう
とします・・・・・・

 「 ・・・・・・してないと思いますけど・・・・・・・・ 」

アシスタントのそうした答えを最初から予想していた様に・・・・・・

 「 本当に・・・・・? 」

まっすぐこちらを見る奥さんの顔に・・・・・目をあげずにうなずき返す・・・・・・・

だが・・・・・・動揺しつつも否定を続けるBさんに・・・・・・

 「 知ってる事があったら教えて欲しいなァ・・・・・・ 」

Bさんは、漫画家先生が何度か仕事場に女を連れ込んでいる事を目撃したことがある・・・・・・

でも、そんな事言えるわけがない・・・・・・

 『 こりゃ・・・・・・言えない・・・・・・嘘つくしかない・・・・・・ 』

漫画家先生のためではなく、「 奥さんのために・・・ 」Bさんが、そう、覚悟を決めた瞬間だっ
た・・・・・・

奥さんが悲しそうに・・・・・・

 「 先生のゴミ箱を掃除していたら・・・・・・コンドームが出てきたのよ・・・・・・ 」
 
 
 
        「 漫画家アシスタント 諦めま章 その20 」( 1月20日頃公開 ) へつづく・・・・


             ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント諦めま章 その18」へ戻る 】




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漫画家アシスタント 諦めま章 その18

2013年01月01日 23時49分38秒 | 漫画家

 ( 新年、おめでとうございます。さて、この写真は、去年11月に引っ越して来たさいたま市南区のUマンションの
  玄関を正面から撮影したものです。17号線(中山道)に面しているので騒音があるのですが、窓を閉めれば静か
  だと思ったのが甘かった・・・・・。 住んでみますと、深夜ベッドに横になった途端・・・・・・自動車の騒音
  が耳に入り・・・・・・・最初の1週間は寝付くのに苦労しました・・・・・・《 2012年12月、撮影 》 )
 
 
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 

                   その18

       《 漫画家アシスタントが・・・床を並べて・・・!? 》


漫画家先生とアシスタントたち、そして、先生のお連れさん( 愛スタント )が海沿いの有名温
泉地へと出かけるわけです・・・・・・

まったく不思議な一団ですが・・・・・・漫画の連載をおっ放り出して温泉旅行など、並みの漫
画家に出来ることではありません。( 実際に、全週刊連載を打ち切って出かけたそうです )

前回は、アシスタントのAさんが、同行する愛スタントに腹を立てたという話を書きましたが、
今回は・・・・・・

皆様、お待ちかね・・・・・・でない人も沢山おられるかと思いますが・・・・・・温泉芸者さ
んの話など書いてみたいと思います・・・・・・( ほんのちょっとだけ )

とは言っても、私は、その道には全く疎いので・・・・・・( いや、ホントに! )

温泉芸者・・・といっても日本髪を結って三味線を引くあの芸者さんではなく、ただ、お酌をし
て秘密のサービスをする・・・・・・温泉コンパニオン・・・・・・とかいうあれです・・・・
・・・・・

二人のアシスタントが一部屋でその温泉コンパニオンさん( 昔は温泉芸者 )と床を並べてナニ
するわけですから緊張します・・・・・・

しっかりと・・・・・・お酒で体を温めた後で・・・・・・・・

二つ並べた布団に浴衣の帯を緩めながらアシスタントが隣を横目に意識しつつもぐり込む・・・
・・・

そして、寝煙草しながら・・・・・・彼女たちが脱ぐ服の音を後頭部あたりで聞きながら若い心
臓をドキドキさせていたわけです・・・・・・・・

電気を消して真っ暗になっても・・・・・・隣の寝床が気になって仕方がない・・・・・・二十
過ぎの若者にとっても始めての温泉でのお遊び・・・・・・・・

しかし・・・・・・一方は酒を飲み過ぎていてまるで元気がない・・・・・・

もう一方はあっという間に終わってしまう・・・・・・・・・

暗闇の中で繰り広げられる男女の息遣いと妙な沈黙が・・・・・・・・・


実は・・・・・・・・・

この話は・・・・関係者から、もっと詳しく聞いておけば良かったと後悔しているのです・・・
・・・・・軽く聞き流していたので・・・・・・たいした話もなく・・・・・・・・・これ以上
書けないのです・・・・・・( ゴメンネ! )


お正月という事もあり・・・・・・

今回は簡単に、この辺で終わりたいと思うのですが・・・・・・・・

Aさんに関する話は、また情報が入り次第お知らせするとして・・・・・・・・・

次回は、改めてある有名漫画家の下半身問題についてのお話をしたいと・・・・・・特に、不倫
問題と漫画家アシスタントについての話などを・・・・・・

その話に登場するBさん、Cさん・・・・・・・・・私もよく見知っているアシスタントですし、
また、その有名漫画家もよく存じ上げておるのです・・・・・・

これは、かなり詳しくお話できるかと思いますので、楽しみにしていて下さい!


では、皆様、今年もよろしくお願いいたします!
 
 
 
        「 漫画家アシスタント 諦めま章 その19 」( 1月10日頃公開 ) へつづく・・・・


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漫画家アシスタント 諦めま章 その16

2012年12月10日 22時18分02秒 | 漫画家

 ( この写真は、私が勤めるJプロデスクの引き出しの中です。 普段使用する丸ペン先や消しゴム、サインペンなど
  が乱雑に入っています。 また、30年以上も掃除をしていないので、ゴミやホコリも相当に溜まっており、なんだ
  か全体にザラザラして気持ちが悪く・・・・・・・・《 2012年10月、撮影 》 )


  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 

                   その16


     《 漫画家アシスタントが・・・先生の愛人の自宅へ・・・!? 》


有名な某漫画家先生から月々の「 お手当 」を預かり、先生の「 愛スタント 」である女性が住
むマンションへ届ける事になったAさん・・・・・・・・

実はAさんは、この女性が大嫌いだったのです・・・・・・・・

 『 あんな女の何処がイイんだか・・・・・・! 』

若くて可愛いというだけで何もない・・・・・・大柄で生意気でイヤったらしい・・・・・・・

 『 先生には、あれほど素敵な奥さんや子供がいるのに・・・・・・! 』

私も数回、お会いした事があるのですが、確かに素敵な奥様でした。映画俳優で言うと宮崎美
子によく似た感じの明るく優しい人でした。( 誰もが羨むリッチなニューファミリー )

漫画家先生も、その家族も大好きだったAさんにとっては、その「 愛スタント 」だけが「 喉に
引っかかった魚の骨 」の様な存在だったわけです・・・・・・

どうしても・・・・・どうしても好きにはなれないタイプの女性でした・・・・・・しかし、
漫画家先生から言いつけられたのですから逆らえません・・・・・・さっそくお手当の封筒を
持って出かけます・・・・・・・

 『 俺たちは、朝から晩まで働いているのに・・・・・ただブラブラしてるだけのクソ
   女が俺たちよりも沢山給料をもらうなんて・・・・・・! 』

彼女が与えられていたマンションへ向かうAさんは複雑な心境でした・・・・・・

マンションの階段を上がりながら・・・・・・・

 『 さっさと金を渡して帰ろう・・・・ 』

・・・・・そう思っていたのですが・・・・・・・・・・・・

ゆっくりと・・・・・・ドアを開けるその彼女は・・・・・・・・・

パンティが見えそうなミニスカートをはいて熱い視線をAさんに投げかけつつ・・・・・・・

 「 ねェ・・・・中に入りなさいよ・・・・・・ 」

自分よりも年下で馬鹿そうな女に舐めた口をきかれるだけでも腹が立つ・・・・・・

 「 遠慮しないでェ・・・・・・さァ・・・・・ 」

そのスケベそうな目つきと、赤い唇にも気味の悪い昆虫でも見ている様な不快感を感じつつ
も・・・・・・

しかし・・・・・・

「 嫌です 」なんて断る事も出来ない・・・・・・だって彼女は先生の大切な人なのだから!

 『 こんな女の何処がイイんだか・・・・・・! 』

そう思いつつも・・・・・・ここはグッとこらえて・・・・・・・・部屋の中へ導かれるまま
に従う・・・・・・・・・

玄関を入るとすぐに安っぽい応接セットがあり、そこへかける様に促される・・・・・・・・

向かい側に座る彼女のミニスカートが目に入る・・・・ミニスカートの奥に見える白いモノが
目に入る・・・・・・・・・無視しようと努力しても目に入る・・・・・・!

 『 このバカ女、パンツが見えてるじゃね~かよッ・・・・! 』

自分の給料袋よりも重い封筒を彼女に渡しながら・・・・・・・・ついにガンマンの限界に・
・・・・・!

 「 言ってやったよ、説教したよ・・・・・・・・・エッ?・・・・・・何を説教した
   かって?・・・・・・・そんな事もう忘れちゃったけど・・・・・・・・・ 」

Aさんは、40年近い昔の事を・・・・・・遠くを見るような目つきで思い出そうとしながら・・
・・・・・・・

 「 何だよ、その態度は・・・・・・とか、そんな感じで話したのかな・・・・
  ・・・・・ただ、凄く彼女は怒ってたよ・・・・・・・・・気にさわったン
  だろうなァ・・・・・・きっと 」

Aさんは、当時の・・・・・・20歳前後の若かった頃の自分の気持ちをキッパリと私に話して
くれました・・・・・・・・

 「 だって・・・・・・先生の奥さんが可哀想でさァ・・・・・・あまりにも可哀想
   でさァ・・・・・・・・・ 」
 
 
 
        「 漫画家アシスタント 諦めま章 その17」( 12月20日頃公開 ) へつづく・・・・


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