漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 第8章 その16

2010年09月30日 21時51分15秒 | 漫画家志望
( この写真は、東京、雨の目白通りです。 仕事場のドアの前から撮影しました・・・同じアングルの
 写真を何枚かアップした事がありますが・・・・最近、急に秋がやって来た様な・・・少し冷たい雨の風
 景と懐の淋しさを重ねる今日この頃です・・・・《 2010年9月、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                その16  
  
  《 漫画家アシスタントが・・・喫茶店で接近遭遇する・・・! 》
 
 
私がカーテンの陰で身を縮めながら聞いた二人の男の会話は・・・
 
 「 おい・・・やろうぜ・・・・なァ! 」
 
もう一方の男の声は聞こえない・・・あいまいな返事をしている様だ・・・・・
 
 「 シャブは一回で1000万から2000万の取引だ・・・すげェ~よ! 
   なァ~ッ やろうぜ~! 」
 
やはり、もう一方の男の声は聞こえない・・・・・
 
二人の立ち小便が終わっても・・・まだ、しつこく「 シャブ取引 」に誘い込む話
が続いている・・・
 
この街(東京、池袋)に暮らしていると、いたる所でそのスジの人や、そのスジと関
係のある人と接する事になるのです・・・・。
 
 
お店( ※参照 )を開いてから2~3年した頃の事です・・・・私は、「 へいわ通り 」
( ※参照 )という商店街を少し、川越街道方面に歩いた所にある喫茶店で不思議な
会話を耳にした事があります・・・・
 
当時は喫茶店で、読書をしたり、このブログの原稿や漫画のシナリオを書いたり
している事が週に1~2回ありました。 さて、その会話は・・・私が坐る席から、
斜め向かいの中年男性が携帯電話にどなっている声でした・・・・
 
 「 あれかァ・・・ならあれしろよ! 分かってんだろ、それなら・・・
   あれするぞ・・・ってよォ! 」
 
固有名詞がまったく出てこない・・・・ほとんどの言葉が代名詞だけの不思議な
会話です・・・・男は中年太りの大柄な体格で五分刈り頭の引退した関取風、服
装はノーネクタイのスーツ姿でドッカリと椅子に掛ける・・・
 
本人は、周りの人間を意識しているからこそ、代名詞だけで会話しようと抑制し
ているのだと思うのですが・・・・声の大きさを抑える事が出来ない様で・・・
・・・大勢いるお客さんの中でも特に目立っていました・・・・
 
話の大筋は、どうも借金の取り立てを強迫的に行えという部下への指示(?)・・・
・・・そんな感じの会話で・・・・・
 
 「 やるぞッ・・・ってよ! ・・・・あれだよ! あれッ! 出さねェ
   ならあれだぞってッ! 」
 
普通の喫茶店( ※参照 )で、一人のお客さんが携帯電話を大声で使っていたら、お
店の人に注意されると思いますが・・・・・
 
この街では、この手の人に決して注意しないし、周りの人間も見て見ぬふりをす
るのが常識になっている様です。
 
 
私がこの街のある居酒屋( ※参照 )でサンマ定食を食べていた時、そのスジの人
の事を話すお客さんが居ました・・・
 
中年の多重債務の商店主( 私の事ではない! )といった感じの酔客が店のマスター
に話し掛けているのです・・・
 
 「 やくざにもイイ奴がいるよ・・・本当だよ。 」
 
やくざの友人でもいる様な話しぶり・・・
 
 「 でもね・・・ 」
 
店に私しかいないのを確認する様に辺りを見回してから・・・
 
 「 ど~仕様もないンだよ、あいつらはッ! 」
 
少しづつ声のトーンが高くなって・・・
 
 「 結局・・・『 何ンだァ~この野郎ッ! 』ってなっちゃう。 」
 
マスターは、黙って聞いているだけ・・・・その沈黙がなぜか不気味・・・・・
 
 「 イイ奴でも、結局・・・ダメ。  同ンなじ・・・クズなンだよ! 」
 
どんな辛い思い出があるのか・・・私には推し量る事も出来ません・・・・・・
 
私は、ただ・・・サンマの骨から身をはがしながら・・・静かに聞いていました
・・・・・
 
例え・・・売れない漫画でも、自分の机に向かって黙々と原稿に向かう・・・・
・・・漫画のこと以外何も知らない人生・・・それって・・・もったいない程の
幸せなのかもしれない・・・と・・・・・
 
そんな事を・・・ほんの少しですが・・・・思ったりしたものです・・・・・
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第8章 その17 」 へつづく・・・


                ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その15」へ戻る 】

 
 
 
 【 ※参照 】
 ・お店・・・・・・池袋北口に開いたタイ式マッサージ店(04~09年)。2000年頃からの
  エスニックブームで、新宿、新橋、池袋などを中心にポツリポツリと開店し始
  めた施術院。(風俗店ではありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお店も・・・)
 ・へいわ通り・・・・池袋北口にある地味な商店街。商店といっても惣菜屋さんや 
  八百屋さんなどが並ぶ賑やかさはない。赤ん坊を抱いた主婦や子供の姿は
  皆無の商店街。
 ・普通の喫茶店・・・珈琲専門のチェーン店。長いカウンターとBOX席が5~6席あ
  る平凡な喫茶店。
 ・ある居酒屋・・・居酒屋というより下町の定食屋といった感じの庶民的な店。小さ
  なカウンターと2つのテーブル席がある。店の奥には写りの悪い旧式のテレビ
  が一台。
 
 
 
 

【 各章案内 】   「第1章 改訂版」  「第2章 改訂版」  「第3章 改訂版」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」   「古い話で章 その1」
          
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」



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漫画家アシスタント 第8章 その15

2010年09月23日 22時46分33秒 | 漫画家アシスタント
( この写真は、お店があった池袋、北口近くの商店街です。 夜遅くなっても、けっこう人通りのあ
 るレンガ道でした。こうした繁華街の写真は、何気なく撮っている様に思われるかもしれませんが・
 ・・意外と慎重に撮影しています。 間違ってもその筋の人にカメラが向かない様に・・・! 目立た
 ないですが・・・けっこう身近に・・・!《 2010年9月、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                 その15  
  
  《 漫画家アシスタントが・・・身を潜めて聞き耳を立てる・・・! 》
 
 
アンドレ・ギャニオン、エンヤ、サラ・ブライトマン・・・・・お店( ※参照 )で流す
BGMは、どれも私が好きなゆったりとした曲調の音楽が多かったのです・・・
 
 「 眠たくなっちゃうから・・・もっと違う曲を・・・! 」
 
・・・と、よくマッサージ師( ※参照 )の女性軍からリクエストがありましたが・・・
・・・決してアップテンポな曲( お客さんが寛げない )は使用しませんでした。
 
夜の9時頃に漫画家アシスタントの仕事( ※参照 )が終わると、すぐに帰ってお店を手
伝う毎日でしたが・・・休日の土曜日だけは、終日( お昼12時~夜11時 )、お店番を手
伝いました。( 主に電話番 )
 
いつもは、ママさん( ※参照 )一人が電話番から接客まで、全ての雑用をこなすのです
が、土曜日だけは、私がその半分を手伝うわけです。
 
畳一枚分ほどのスペースにカーペットを敷き、そこへ、ステレオシステムとファック
ス電話を置いた机( 折り畳み式の小さな机 )をセットしてお客さんからの電話を待つの
です。
 
平均すると1時間に一人位の来客、そして電話は3~4本・・・ですので、時間だけはい
っぱいありました。そこで、よく本を読んだり漫画のストーリーを考えたりしたもの
です。
 
特に、ブログ「 漫画家アシスタント物語 」の原稿は、半分以上がこの土曜日の店番の
時に書かれたものです。
 
つまり、「 漫画家アシスタント物語 」の「 第1章 その1 」から「 第6章 」の半ばま
では、お店の従業員室の奥にある小さなスペースで私が背中を丸めながらコツコツと
ボールペンを走らせたわけです。
 
ちなみに、私はお店を開く少し前( 2003年12月まで )、PCにはまるで興味がありませ
んでした。 ・・・実は、お店の宣伝のために、どうしてもPCが必要になったために
キーボードを人差し指で恐る恐るいじりだしたのです。

それから( 開店から )半年ほど・・・やっとPCにも慣れた頃にこのブログを書き始
めました。
 
ですから、このマッサージ店を開かなければ、このブログ「 漫画家アシスタント物語 」
は存在しなかったかもしれません。
 
以前、ブログにも書いた事ですが・・・「 サイコホスピダー 」( ※参照 )が出版された
時に、関係者から予想外の大不評を買い・・・すっかり落ち込んで毎日、ゲームばかり
していたのです・・・
 
プレイステーションなどのゲーム機には大変な愛着があっても、PCにはまったく興味
がありませんでした・・・
 
 「 パソコンなんて何の役にも立たないただの箱! 」
 
 「 あんなもんに金出す奴の気が知れない! 」
 
そんな私が・・・マッサージ店を開いた日からすっかり変わりました・・・いや、変わ
らざるを得なかったわけです。
 
実際、PCによるネット広告( ※参照 )が集客の大きな力になった事は、これまで書いて
きました通りです。
 
 
ところで、お店のBGMには、タイの民族音楽( キックボクシングの時のタイ人選手の踊
りの音楽! )もよく使ったのですが、意外とタイ人マッサージ師たちには不評でした・・・
 
 「 全然、つまらない! 」
  
 「 飽きる! 」
 
・・・など・・・せっかく手に入れたCDも、すぐに使用できなくなり・・・代わりに
スタンダード( フランク・シナトラ、ナット・キングコール・・・ )や環境音楽( エニグ
マ、アディエマス・・・ )を選曲しました。
 
今でも、この一畳ほどのスペース( 店長個室 )にちぢこまっていた時の事をよく覚え
ています・・・
 
小さな机の右側には窓があって、向かいのラブホテルのネオンの原色がまぶしかった
り・・・
 
たまにかかるお客さんからの電話にハッと笑顔になって飛びつくと・・・
 
 「 ヌキはありますか・・・? 」
 
・・・なんて電話だったり・・・・・。
 
 
ある日の深夜・・・・・閉店時間の11時に近づいた頃・・・・・

人気の途絶えた・・・ラブホテル街・・・・・
 
窓の向こうで二人の男がマンションの植え込みに・・・連れ小便をしている音が聞こ
え・・・・
 
 「 おい・・・やろうぜ・・・ 」
 
ジャージャーという小便の音に混じって・・・男が隣の男に何か・・・話しかけて
いる・・・・
 
私はカーテンの陰に身をひそめながら・・・・
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第8章 その16 」 へつづく・・・


                ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その14」へ戻る 】

 
 
 
 【 ※参照 】
 ・お店・・・池袋北口に開いたタイ式マッサージ店(04~09年)。2000年
  頃からのエスニックブームで、新宿、新橋、池袋などを中心にポツリポツリと
  開店し始めた施術院。(風俗店ではありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお
  店も・・・)
 ・マッサージ師・・・お店には常時3~5人のマッサージ師が待機。1日に1~3人の
  お客さんを施術。全員がタイ人女性でタイマッサージ学校を卒業・・・タイでは、
  めずらしくありません。日本人と結婚、就労の出来る在日ビザを持っている。
 ・漫画家アシスタントの仕事・・・78年、23歳で入ったJプロでの30年近いアシスタ
  ントの仕事。2010年現在も勤続中。
 ・ママさん・・・私の妻。タイマッサージ店を切り盛りする。1995年、タイのチェン
  マイ出身。1995年に結婚して来日、とても明るいが・・・いったん怒ると鬼より怖
  い。酒を飲んだら乱暴者。
 ・「サイコホスピダー」・・・「○魔の精神病棟」(栃木県の或る精神病院で1980年
  代に起きた患者への暴行、虐待、リンチ事件を暴露したノンフィクション手記)
  を原案にした漫画単行本。
 ・ネット広告・・・・・自社のホームページを見てもらうために、有力な情報サイトな
  どにバナーを設置したり、YahooやGoogleなどに広告バナーを設置したり・・・さ
  らに検索順位を上げるためのCEO対策など。
 
 
 
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ お知らせ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  
 ★ このブログの単行本「マンガ家アシスタント物語」(マガジン・マガジン社、
   500円)がコンビニ販売本として再版されました。 期間限定(9月~11月まで)
   コンビニ専門の販売です、通販や書店での販売はありません。
 

   販売コンビニ店名 : ローソン、ファミリーマート、サンクスKサンクス・・・
 
   ただし、発行部数が少数なのと各コンビニの店長判断などによっては、お近
   くのコンビニには置いてない場合があると思います。そんな時には、そのコ
   ンビニ店にお問い合わせください。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
     


    

 

【 各章案内 】   「第1章 改訂版」  「第2章 改訂版」  「第3章 改訂版」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」   「古い話で章 その1」
          
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」



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漫画家アシスタント 第8章 その14

2010年09月14日 23時40分16秒 | 漫画家アシスタント
( この写真は、Jプロが入っているマンションの自転車置き場です。私が初めてこの仕事場に来た32
 年前には7~8台しかなかった自転車が、今ではご覧の通りです・・・。 昔は、ほこりを被っている
 古自転車を見ると、早く処分してしまえば良いのにと思ったものですが・・・最近は、明日もあって
 ほしいと思うようになり・・・・。《 2010年2月、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                 その14  
  
      《 漫画家アシスタントが・・・映画俳優の取材を断る! 》
 
 
商売の話の時に、「 お客さんが来る 」と、よく言いますが・・・実は、正確には「 お
客さんを呼ぶ 」・・・なのです。
 
お店を開いた・・・だから、お客さんが「 来る 」のではなく「 呼ぶ 」ことの労力を惜
しめば、その経営はお先真っ暗になりかねません。
 
私が開いたタイマッサージ店( ※参照 )は、マンションの中に入っているし・・・・看板
は出せないし・・・で、集客には随分と苦労しました。
 
新聞や雑誌などの紙媒体は費用ばかりかさんで効果が薄く、ネットでの広告しか頼りに
なりませんでした。
 
特に、スポーツ新聞の「 3行広告 」などを見てくるお客さんは・・・
 
 「 ヌキィ~ありますかァ~? 」
 
・・・と、私のお店を風俗だと思っている方ばかり・・・・・
 
そして、週刊誌の「 ○ンデー毎日 」への小さな広告に5万円つぎ込んだ時などには・・
・・・ただの一人も(!)お客さんが来なかったり・・・・。
 
 
雑誌や新聞広告に見切りを付けて、ネット広告( ※参照 )一本でも何とか赤字にならずに
やっていける様になった頃( 開店から半年、04年秋 )の事でした・・・・
 
「 経済○○ 」( 名前忘れた )とか言う月刊誌から電話連絡があったのです・・・
 
 「 最近の癒しブームの特集で、是非、御社を取材したいのですが・・・ 」
 
こんな話は、まさに「 棚ボタ 」で・・・私は、すぐに・・・編集記者から取材される自
分を想像してしまうわけです・・・!
 
 「 取材には、タレントの○藤○次郎さんが伺います・・・ 」
 
あ・・・あの「 寅さん 」の映画にも出ていた俳優である・・・私はスゴイ事になったと
思って・・・受話器を握る手に力が入ります・・・・
 
 「 カラーグラビアなども入れて2ページを予定しています・・・是非、経営の
   苦労話や開店時の経緯などを・・・ 」
 
私は・・・
 
 『 話がうま過ぎる・・・ 』( うちと映画俳優なんて縁があるわけない! )
 
と、疑惑がわきます・・・・心のどこかで警戒警報が聞こえるのです・・・・・
  
 「 ご心配いりません・・・ごく簡単な質問ですし、インタビューと言っても
   短時間ですぐ済みます。お仕事の邪魔はしませんので・・・ 」
 
私は、雑誌社の男( 軽そうな中年男 )が一人で喋るのを黙って聞いていました・・・・・
 
 「 それで・・・? 」
 
最も重要な事を促す様に私は訊きました・・・
  
 「 はい・・・一応・・・・・・費用の方がページあたり・・・・・・・
   10万円という事に・・・・ 」
 
男の声の調子が少し高くなる・・・
 
 「 ・・・という事になっていますのでして・・・はい・・・もう・・・大変お安い
   料金で・・・特別キャンペーン中でして・・・○藤○次郎さんも忙しい中を・・
   ・・・はい・・・はい・・・ 」
 
私は目の前を10匹くらいの蠅が飛んでいる様な気分になる・・・・あの「 寅さん 」の
俳優も「 忙しい中 」必死なンだろうか・・・・
 
 「 今、雑誌の広告は考えていないんです・・・ 」
 
 「 いえ・・・是非・・・取材を・・・ 」
 
あくまで「 広告 」ではなく「 取材 」で通そうという意地が哀れである・・・・・
 
意地と言えば・・・私も36年にもなるアシスタント人生・・・・・・
 
意地も哀れな・・・今日この頃です・・・・。
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第8章 その15 」 へつづく・・・


                ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その13」へ戻る 】

 
 
 
 【 ※参照 】
 ・タイマッサージ店・・・池袋北口に開いたタイ式マッサージ店(04~09年)。2000年
  頃からのエスニックブームで、新宿、新橋、池袋などを中心にポツリポツリと
  開店し始めた施術院。(風俗店ではありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお
  店も・・・)
 ・ネット広告・・・・・自社のホームページを見てもらうために、有力な情報サイトな
  どにバナーを設置したり、YahooやGoogleなどに広告バナーを設置したり・・・さ
  らに検索順位を上げるためのCEO対策など。

 
 
 
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ お知らせ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  
 ★ このブログの単行本「マンガ家アシスタント物語」(マガジン・マガジン社、
   500円)がコンビニ販売本として再版されました。 期間限定(9月~11月まで)
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   販売コンビニ店名 : ローソン、ファミリーマート、サンクスKサンクス・・・
 
   ただし、発行部数が少数なのと各コンビニの店長判断などによっては、お近
   くのコンビニには置いてない場合があると思います。そんな時には、そのコ
   ンビニ店にお問い合わせください。
 
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漫画家アシスタント 第8章 その13

2010年09月08日 16時40分39秒 | 漫画家志望
( この写真は、マッサージ店が開店する前に撮影したマンションの室内です。左側にベランダが
 あり、右手には、ホテル街を歩く通行人が見えます。開店後は、カーテンやパーテーションの仕
 切りがあるので外は見えません。《 2004年2月、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                その13  
  
    《 漫画家アシスタントが・・・下着泥棒の心理に悩む! 》
 
 
 
私には、一つの謎がある・・・
 
それは、女性用の下着・・・パンティーを盗む人は、どうやってその所有者を調べ
るのか・・・・・いくらカワイイ下着でも、その所有者がお婆さんだったらどうす
るのか・・・・・。
 
今回は、「 タイマッサージ店伝説 」・・・と言うほど大した話ではありませんが・
・・・この問題に関するエピソードを一つ紹介したいと思います・・・・

私が経営していたタイマッサージ店( ※参照 )には、常時4~5人の女性がマッサージ
師( ※参照 )として働いていましたから、一般に言われる「 下着泥棒 」などの被害
に合う事も珍しくはありませんでした。
 
特に、夏場などはマッサージ師が服を着替えてヒマな時に洗濯する事がよくありま
した。その時に下着をベランダ( 1Fだったのがまた良くない )の物干しに出すのです
が、決まってある一人のマッサージ師の下着が狙われました。
 
お店では、指名ナンバー1の美人マッサージ師ヨーンさん( 仮名 )。年は30歳代です
が、見た目は10歳位若く見える優しく可愛いタイ人女性でした。( 雰囲気がユンソナ
風 )
 
どういう訳か・・・彼女の下着だけが盗まれるのです・・・・・。 数ヶ月に1度は
盗まれる事がありました。
 
最初の頃は、警察に連絡していたのですが・・・その内、連絡も面倒になり、なる
べくお店での洗濯は控えていたのです。
 
ただ・・・それでも不思議なのは、なぜ下着泥棒が彼女の下着を嗅ぎつけるのか・・
・・・・誰にもその理由が分からなかったのです・・・・
 
彼女が特別な下着を着けている訳でもなく、そのサイズが特別な訳でもなく・・・。
 
何度も盗まれていたので、しばらくは洗濯を控えていたのですが・・・・・もう大
丈夫だろうと洗濯を開始したある日の事です・・・・・
 
その日は、今の日本とは違って・・・夜気が涼しい夏の夜でした・・・
 
私のカミさん( ※参照 )が「 ママさん 」として、お店番をしていたのですが・・・
・・・いつもの様にタオルなどの洗濯物を外へ出そうとした時のこと・・・・・
 
カーテンを開け、ガラス戸をサッと開くとそこに・・・・・!
 
黒いシャツに黒いズボンの男( 20歳代の若者 )がしゃがみ込んで、干してあったヨー
ンさんのパンティーに顔を埋めている・・・!( たぶん、いつも彼女をウォッチして
いたのだと思います )
  
ママは、一瞬、恐怖で凍りついてしまう・・・・・しかし、驚いたのは、この男も
同じ様で・・・・・
  
あわててパンティーをしっかり握ったままベランダの柵を乗り越えて外へ逃げて行
く・・・その時のあわてぶりと柵を乗り越えるのにグズグズと手間取る様を見て冷
静さを取り戻したママは・・・
 
 『 この男が・・・いつもの下着泥棒だ! 』
 
・・・と勇気を振り絞ってベランダにあったホウキで、男の後頭部目がけて叫びな
がら、一発、二発と殴りつけます・・・・・
 
 キャ~~~~ッ!
 
 バチ~ンッ! パチ~ンッ!
 
男は柵から転がり落ち、アスファルトに倒れ込む・・・しかし、すぐに立ち上がる・
・・・・
 
この時、ベランダの前には、アベックが2~3組歩いていたのですが・・・・その横
をパンティーを鷲づかみにした男が走り抜けます・・・・・
 
ママは、大きな声で通行人に助けを求めます・・・
  
 「 アケテ~~ッ! 」
 
日本語が未熟なのはもちろんですが・・・とっさに「助けて」を「あけて」と間違
えているのです・・・・・
  
あたふたと、必死に走り去る男・・・・・そして、それを見送るアベック・・・・・
 
 「 アケテ~~ッ! 」
  
という、意味不明のママさんの叫び・・・・・
  
池袋北口・・・ラブホテル街にママの声が響きます・・・・・
 
 「 アケテ~~ッ! 」
 
通行人に男を指差しながら・・・・・
 
 「 アケテ~~ッ! 」
 
しかし、誰もが首を傾げながら通り過ぎるだけ・・・・ベランダで呆然と立ち尽く
すママさん・・・
 
 『 何ンで、誰も分からない??? 』
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第8章 その14 」 へつづく・・・


                ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その12」へ戻る 】

 
 
 
 【 ※参照 】
 ・タイマッサージ店・・・池袋北口に開いたタイ式マッサージ店(04~09年)。2000年
  頃からのエスニックブームで、新宿、新橋、池袋などを中心にポツリポツリと
  開店し始めた施術院。(風俗店ではありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお
  店も・・・)
 ・マッサージ師・・・お店には常時3~5人のマッサージ師が待機。1日に1~3人の
  お客さんを施術。全員がタイ人女性でタイマッサージ学校を卒業・・・タイでは、
  めずらしくありません。日本人と結婚、就労の出来る在日ビザを持っている。
 ・カミさん・・・1995年、タイのチェンマイ出身。1995年に結婚して来日、とても明
  るいが・・・いったん怒ると鬼より怖い。酒を飲んだら乱暴者。
 
 
 
 
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ お知らせ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  
 ★ このブログの単行本「マンガ家アシスタント物語」(マガジン・マガジン社、
   500円)がコンビニ販売本として再版されました。 期間限定(9月~11月まで)
   コンビニ専門の販売です、通販や書店での販売はありません。
 

   販売コンビニ店名 : ローソン、ファミリーマート、サンクスKサンクス・・・
 
   ただし、発行部数が少数なのと各コンビニの店長判断などによっては、お近
   くのコンビニには置いてない場合があると思います。そんな時には、そのコ
   ンビニ店にお問い合わせください。
 
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漫画家アシスタント 第8章 その12

2010年09月01日 18時45分11秒 | 漫画家
( この写真は、お店の待合室にあるテーブルとメニューを写したものです。 お客さんにメニューの
 内容を一つ一つ説明するところから接客サービスが始まります。《 2004年5月、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                  その12  
  
      《 漫画家アシスタントが・・・お金の怖さを知る! 》
 
 
 
だんだんとチップの金額が上がっていく・・・・それも、ほぼ倍増する感じで・・・!
 
5万円のチップ( ※参照 )をもらったカーラさん( ※参照 )は、もう、そのお客さん( ※参
照 )の事で頭がいっぱいになります。
 
そのあわてぶりは少し滑稽ですが・・・・・冷静になれと言ったってそりゃ無理な話か
もしれません。
 
この・・・ホーチミン( ※参照 )によく似たお客さんは、また・・・1週間後に・・・や
って来ます・・・・・
 
いったい次はどうなるのか・・・・5万円のチップの後は・・・・・いったい・・・・・
 
その日、いつもの様にカーラさんを指名・・・いつもの様にマッサージが終わるとチッ
プをくれるのですが・・・・・
 
 「 はい。今日はこれだけ・・・ 」
 
そう言って1万円札を1枚、カーラさんに渡します・・・・・
 
「 5万円のチップ 」・・・あれは夢だったのか・・・・結局、5万円は一度だけなのか
・・・・誰もが「 人生に一度だけの体験だったのかも 」・・・と、そんな風に思いつ
つ・・・次の1週間が過ぎました・・・・ 
 
ホーチミンのおじいさんは、いつもの様にカーラさんを指名・・・いつもの様にマッサ
ージが終わると・・・
 
 「 はい。今日はこれだけ・・・ 」
 
また・・・5万円・・・・・!
 
次の週も・・・・その次の週も・・・・5万円!
 
カーラさんは、いつの間にか・・・このホーチミンのおじいさんだけを心待ちにする様
になります・・・・・
 
私には、チップによってカーラさんの心が揺さぶられている様に見えて仕方ありません
でした・・・・・・
 
2~3ヶ月ほどの間にチップだけで合計40万円以上はもらっているでしょうか・・・・・
・・・だんだんと・・・・・カーラさんは他のお客さんには、笑顔を見せなくなります
・・・・・。
 
それまで、毎日働いて1ヶ月に25万円ほど稼いでいた彼女が、ホーチミンのおじいさん
のチップだけで20万円に・・・・これによって、他のお客さんがど~でもよくなり・・
・・・ただ一人、この老人の来店を待つだけの毎日になってしまったのです・・・・・
 
不思議なもので、彼女だって「 チップ 」のお金で自分の人生が変わろうとは考えもし
なかったと思います。
 
しかし、数か月の間に・・・このわずかな(?)お金によって真面目に仕事をする気持ち
も、全てのお客さんへの真心も・・・失われるのです。
 
 『 だって、彼の事で頭がいっぱいだから! 』
 
彼女は、結局・・・お店を辞めて・・・このお客さんの「 愛人 」になってしまいます
・・・。
 
数百万円とか数千万円とかのお金で人生が変わるのなら分かるのですが・・・たった数
万円のチップを何回かもらっただけで・・・人生がまったく変わってしまう・・・・・・
 
お金が怖いのか・・・人が怖いのか・・・よく、分かりませんが・・・・・。 
 
これが、私にとっては忘れる事の出来ない「 タイマッサージ店伝説 」の一つです・・・・
 
ちなみに・・・数年後に届いた風の便りによると・・・・・
 
ホーチミンのおじいさんは、飽きっぽいのか・・・カーラさんから離れ、別の・・・も
っと若い外国人女性にご執心だそうです・・・・・
 
そして・・・・カーラさんのその後を知る人は・・・いません・・・・・。
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第8章 その13 」  へつづく・・・


                ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その11」へ戻る 】

 
 
 
 【 ※参照 】
 ・チップ・・・・・・ごくたまに、マッサージ店でお客さんがくれるお金。多くの場合
  1千円~2千円ほど。マッサージ師にとっては勲章の様に嬉しいもの。貰うとす
  ぐに他のマッサージ師などに自慢したがる。
 ・カーラさん・・・仮名、40歳代のタイ人女性。バツイチで2人の子供を養っている。
  お店では一番のベテランで器量はイマイチだが・・・愛想は、イマイチ。(注:第
  8章に登場する人物(お客さんも)は、プライバシー保護の関係から、若干設定
  を変更してあります)
 ・お客さん・・・・・ホーチミンに良く似た感じの70歳位の老人。おだやかな喋り方、
  服装に派手さはないが、清潔感と品の良さが窺える。
 ・ホー・チ・ミン・・・ベトナム民主共和国の初代主席。「サンダルをはいたホーお
  じさん」と国民から慕われた革命家。
 
 
 
 
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   近くのコンビニには置いてない場合があると思います。そんな時には、その
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【 各章案内 】   「第1章 改訂版」  「第2章 改訂版」  「第3章 改訂版」
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          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」   「古い話で章 その1」
          
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」





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