( この写真は、1983年当時マツさんが漫画制作のためにだけ借りた三畳間のアパートがあっ
た桜台、目白通りの風景である。《 2006年9月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その26
漫画家アシスタントになってから、7年になるマツさん( 仮名:松村 祐樹、
広島出身、29歳 )が、長年のブランクを乗り越えて漫画を描き始めたのは、
1983年の冬。 結婚、奥さんの妊娠、29歳という自分の年齢・・・幾つか
の条件が重なった時でした。
休火山が突然、大噴火する様に・・・・・・
「 ワシャ~これから毎週一本、漫画を描くでェッ! 」
マツさんの人柄もユニーク( 本音で勝負! )ですが、漫画の感性もユニー
クで深みがありました。 酒、女、博打、無頼派のマツさんが描くペーソス
でナイーブなギャグ漫画の世界。 ソフトで味わい深いキャラクター・・・
・・・・。
J先生は、マツさんがJプロでは最も見込みのある人材だと見ていたようで
す。 3年前にJプロを辞めたガンさん( 仮名:羽賀 司郎、東京出身、83年
当時 33歳 )は・・・・
「 マッちゃんは、いつも深い問題意識を持ってたよねェ。彼と話している
だけで、とてもいい刺激を受けるんだよねェ・・・・・ 」
と、私なんぞには電話一本くれないガンさんが、マツさんの話になると、ま
るで息子の自慢話をしている父親の様な目をして語っていました・・・・・・。
Jプロのアシスタントたちがよく飲みに行ったスナック「 P 」のママさんも
マツさんが一番に世に出るだろうと予想していました。
その時の事をある先輩アシスタントは・・・・・・・
「 他はダメ(!)でもマッちゃんだけは漫画家になれるわね~ッ・・・・
とか、 言いやがってよォ・・・ あのババア頭にくるぜ・・・! 」
とにかく、1983年の春は、まさに人生の春でした・・・・。 満開のサクラの
様に創作意欲を開花させたマツさんは、宣言した通りに週一本のペースでギャ
グ漫画を描いていきました・・・・
4コマギャグ( 習作 )から短編ギャグ( 習作 )、そして34ページの大作へ・・
・・・・・・・。
まさに「 ホップ、ステップ、ジャンプ! 」のはずだったのです・・・・・・
「 漫画家アシスタント 第4章 その27 」 へつづく・・・
★前の記事へ戻る→ 「漫画家アシスタント第4章 その25」へ戻る 】
【 各章案内 】 「第1章 改訂版」 「第2章 改訂版」 「第3章 改訂版」
「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」
た桜台、目白通りの風景である。《 2006年9月、撮影 》 )
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その26
漫画家アシスタントになってから、7年になるマツさん( 仮名:松村 祐樹、
広島出身、29歳 )が、長年のブランクを乗り越えて漫画を描き始めたのは、
1983年の冬。 結婚、奥さんの妊娠、29歳という自分の年齢・・・幾つか
の条件が重なった時でした。
休火山が突然、大噴火する様に・・・・・・
「 ワシャ~これから毎週一本、漫画を描くでェッ! 」
マツさんの人柄もユニーク( 本音で勝負! )ですが、漫画の感性もユニー
クで深みがありました。 酒、女、博打、無頼派のマツさんが描くペーソス
でナイーブなギャグ漫画の世界。 ソフトで味わい深いキャラクター・・・
・・・・。
J先生は、マツさんがJプロでは最も見込みのある人材だと見ていたようで
す。 3年前にJプロを辞めたガンさん( 仮名:羽賀 司郎、東京出身、83年
当時 33歳 )は・・・・
「 マッちゃんは、いつも深い問題意識を持ってたよねェ。彼と話している
だけで、とてもいい刺激を受けるんだよねェ・・・・・ 」
と、私なんぞには電話一本くれないガンさんが、マツさんの話になると、ま
るで息子の自慢話をしている父親の様な目をして語っていました・・・・・・。
Jプロのアシスタントたちがよく飲みに行ったスナック「 P 」のママさんも
マツさんが一番に世に出るだろうと予想していました。
その時の事をある先輩アシスタントは・・・・・・・
「 他はダメ(!)でもマッちゃんだけは漫画家になれるわね~ッ・・・・
とか、 言いやがってよォ・・・ あのババア頭にくるぜ・・・! 」
とにかく、1983年の春は、まさに人生の春でした・・・・。 満開のサクラの
様に創作意欲を開花させたマツさんは、宣言した通りに週一本のペースでギャ
グ漫画を描いていきました・・・・
4コマギャグ( 習作 )から短編ギャグ( 習作 )、そして34ページの大作へ・・
・・・・・・・。
まさに「 ホップ、ステップ、ジャンプ! 」のはずだったのです・・・・・・
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