漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 第8章 その20

2010年10月30日 23時47分02秒 | 漫画
( 写真の右にあるのは、アシスタントの仕事とお店の仕事の合間に美味しいココアをいただいた池袋
 の芸術劇場通りの喫茶店です。中は田舎作りの暗い雰囲気で、とても渋いお店です。 よく、漫画の
 シナリオやブログの記事を書いたりしていました。 入口が笹に覆われて分かりにくく、穴場中の穴
 場的なお店です。駅からかなり遠いので知っている人はほとんどいません。《 2010年9月、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                その20  
  
    《 漫画家アシスタントが・・・男なのに婦人科へ・・・! 》
 
 
小説を書く時のコツで・・・ある作家の言葉に「 読者の予想を裏切れ 」というも
のがあります。つまり、奇抜なアイデアや展開によって読者の予想を越える必要が
ある・・・という事です。
 
そして、同時に「 読者の期待は絶対に裏切るな 」とも言っています。予想は裏切
り、期待は絶対に裏切らない・・・・この辺がミソでしょうか・・・・。
 
これは、漫画でもまったく同じ事が言えると思います。
 
 『 読者の予想を裏切れ、しかし、期待は絶対裏切るな! 』
 
ただ、問題なのは・・・それを実行する事は・・・・大変な困難を伴うという事で
しょうか・・・・。 偉大なる(?)作家先生の言葉は、シンプルで簡単そうに聞こ
えるのですが・・・・実行するとなると・・・難しく・・・・・・
 
ちなみに・・・・・私に出来るのは・・・・・・・・
 
 「 予想通りに期待を裏切る! 」
 
・・・・何ンで、これなら簡単なんだろう・・・・・・
 
 
お店( ※参照 )をやっていた6年間の間で一番若いマッサージ師さん( ※参照 )は19歳
のユーリさん( 仮名・設定を若干変更 )でした。
 
タイからの留学生で、日本の大学で勉強をしていましたが・・・・勉強より遊びや
買い物の方が好きな娘さん。カラっとした性格の、それでいて「 良家の子女 」( 実
家はお金持ち )といった風格もある・・・もぎたての青リンゴの様な人でした。
 
アイドルというほどの美人ではありませんが、いつもニコニコしている明るい笑顔と
均整のとれた体形は、若々しいオーラを発散させていました。
 
お店には30代から40代のマッサージ師さんが多かったので、姉妹の末っ子か、実娘
の様に年配のマッサージ師さんたちから可愛がられていました。
 
 「 ユーリはまだ知らないみたいネ 」
 
 「 そデス、初めての時にワ、すごく痛いヨって脅かしたら、怖がって
   たヨ! 」(笑い)
 
・・・などといった、年増マッサージ師さんたちの他愛もない猥談を聞いた事もあ
りました。
 
お店では、思春期の少女がいる様な・・・和やかな雰囲気が春風の様に流れていわ
けです・・・・・
 
コロコロと笑うユーリさんを見ていると・・・これからの人生で何が待っているの
か・・・・・・そこに明るくて楽しい日々があってほしいと・・・親でもないのに
・・・ふと・・・親心気分を持ってしまったりするのでした・・・・。
 
 
そんな彼女が家族の一員の様にお店に馴染んだ頃の事・・・
 
確か・・・あまり暑くない夏の日の午後・・・・・
 
体調が良くないとは聞いていたのですが・・・・どうも、ユーリさんがおりものに
悩んでいるとの事で近くの婦人科まで付き添う事になったのでした。
 
男性の読者には分かりにくいかもしれませんが、女性には、膣を雑菌から守るため
に「おりもの」があるのですが・・・・時に、かゆみやニオイなどの異常が出る場
合があるのです。
 
お店で、近くの婦人病クリニックへ案内出来るのは私くらいなので( 通訳ができる )、
早速ユーリさんを連れて出かけました。
 
初診の時に書く問診票には・・・アレルギーについてや、過去の病歴や、妊娠出産、
また妊娠中かどうかなどの質問項目があるので、一つ一つ、彼女にタイ語で質問し
ながら私が日本語で記入していくのです・・・・・
 
以下も、ほぼタイ語でのやり取り・・・・
 
 「 アレルギーは、ない・・・と。それから・・・大きな病気や手術を受けた
   事はありますか? 」
 
 「 ないです。 」
 
 「 妊娠も出産もないよね? 」
 
 「 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 」(沈黙)
 
 「 ・・・・・・・・・・・妊娠は? 」
 
 「 ・・・・・・ある。 」
 
 「 ・・・・ええッ!? 妊娠してるの~ッ?? 」
 
 「 違う違う、中絶した事があるの・・・・・・皆には、内緒ね! 」
 
 「 ・・・・・・・え~~と・・・・・・・妊娠・・・中絶が1回・・・と。 」
 
 「 3回です! 」
 
彼女の病名は軽いカンジタ症( カビの感染症、ストレスなども原因の一つ )でした
ので、薬で数週間のうちに完治したのです・・・・・・
 
 
お店に戻って、いつもの様に仕事が始まります・・・・・
 
そして、いつもの様に・・・年配のマッサージ師さんからエロ話を聞きながら・・・
 
 「 やだ~~ッ、怖いナ~~ッ 」
 
・・・と、演技する彼女を見ていると・・・私の方が怖くなるのです・・・・・。
 
もちろん・・・・・この事は、今でも「皆には」内緒の話です。
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第8章 その21 」 へつづく・・・


                ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その19」へ戻る 】

 
 
 
 【 ※参照 】
 ・お店・・・・・・池袋北口に開いたタイ式マッサージ店(04~09年)。2000年頃からの
  エスニックブームで、新宿、新橋、池袋などを中心にポツリポツリと開店し始
  めた施術院。(風俗店ではありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお店も・・・)
 ・マッサージ師・・・お店には常時3~5人のマッサージ師が待機。1日に1~3人の
  お客さんを施術。全員がタイ人女性でタイマッサージ学校を卒業・・・タイでは、
  めずらしくありません。日本人と結婚、就労の出来る在日ビザを持っている。
 
 
 
     
    

 

【 各章案内 】   「第1章 改訂版」  「第2章 改訂版」  「第3章 改訂版」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」   「古い話で章 その1」
          
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」




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漫画家アシスタント 第8章 その19

2010年10月22日 23時10分18秒 | 漫画家
( この写真は、池袋の北口近くにある静かなカフェです。 編集さんや、マスコミ関係者などとは、
 いつも、ここで待ち合わせていました。《 2010年9月、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                その19  
  
    《 漫画家アシスタントが・・・女の秘密の~を見る・・・! 》
 
 
東京の夜・・・男と女が居れば、そこには「 ウソ 」が付き物で・・・・・
 
特に、池袋にお店( ※参照 )を構えた時から・・・私は、日々この「 ウソ 」について
考えさせられました。
 
随分前ですが、私の先輩アシスタントであるガンさん( 第4章 その33 )の話を書か
せていただいた事がありました。
 
その話の中に、ガンさんがソープランドで仕事をした時の話がありました・・・
 
今から思えば・・・それは、まさに「水商売」の世界の「 表 」と「 裏 」・・・「 ウ
ソ 」と「 お金 」という実弾が飛び交う戦場の様な場所だったわけです・・・・
 
これは、ガンさんが何度も繰り返して私に話してくれた事なのですが・・・
 
 「 女が信じられなくなる・・・! 」
 
と、前置きして・・・
 
 「 客を送り出す時にはニコニコと『 また、きっと来てね~大好きだよ~! 』
   と、客に抱きついているソープ嬢が・・・ 」
 
ガンさんは、少し顔を曇らせながら・・・
 
 「 客をドアの外へ送り出した瞬間に・・・『 イヤな客・・・二度と来るなッ・・・ 』
   って怖い顔してさ・・・ 」
 
ガンさんは諦めた様な表情で・・・
 
 「 Yちゃん、ホントよ・・・信じられなくなるって! 」
 
私は笑いながら・・・
 
 『 そんなもんなんだろうなぁ・・・ 』
 
・・・と、気楽に考えていました。 
 
 「 Yちゃん、ホントに女って怖いンだって! 」
 
私は・・・やはり・・・笑いながら・・・
 
 『 そうなんだろうなぁ・・・ 』
 
・・・と・・・・・・つまり、その時・・・ガンさんが憂鬱になる気持ちを私は、ま
だ深く理解出来ていなかったのです・・・
 
しかし、私も「 水商売 」みたいな「 マッサージ店経営 」に手を染める事になり・・・
・・・ガンさんの気持ちがだんだんと分かる様になりました。
 
それは、マッサージ師( ※参照 )のピムさん( 仮名、設定なども変更 )という小柄で可愛
い( お目々パッチリ )タイ人女性がお店に来てからのことでした・・・・・
  
ピムさんは29歳。私のお店には2008年の春から半年ほど勤めてくれました。 彼女の
10代の様な幼い表情と丁寧な施術は、指名のお客さんを沢山呼んだものでした。
 
彼女は、人柄がとてもやさしく、日タイ貿易商社の管理職で日本人のご主人とも仲が
良かったし、ごく普通の中流の暮らしをしていました。
 
しかし・・・
 
彼女は、自分の手帳の奥に・・・
 
セックスの時に絶頂に達した時の・・・半分死ンだ様に朦朧とした赤ら顔・・・そん
な自分の姿を写した写真を隠し持っていました。
 
ご主人は、まったく知らないのです・・・・つまり・・・・・この写真を撮影したの
は、彼女の不倫相手( 日本人の商店主 )でした。
  
ピムさんは、故郷であるタイのプーケットに多くの家族とタイの「 旦那 」( 未婚 )も
いて、いつも送金の要請に応えるのに四苦八苦していました。
 
当然、この故郷の「 家族 」や「 旦那 」を養育するために、「 日本のご主人 」や
「 不倫相手 」からお金を借りて送金するわけです。
 
しばらくして故郷にプールとジャグジー付きの大きな家を建てたのですが・・・その
資金の半分づつを「 日本のご主人 」と「 不倫相手 」が出しているのです。
 
 「 プーケットで・・・二人で暮らしましょうネ! 」
 
・・・そう言って「 日本のご主人 」と「 不倫相手 」からそれぞれ数百万円( 貴重な
老後の資金 )を吸い取っています。
 
私は、「 タイの旦那 」が本命なんじゃないかと思うのですが・・・・・確信はあり
ません。
 
「 日本のご主人 」は自分だけが「 夫 」だと思っているし、「 不倫相手 」は自分
こそが「 法律上の夫よりも愛されている 」と思っています。
 
しかし、このお人好しな二人の日本人は、ピムさんに2番目、3番目の「 不倫相手 」
が居る事をまだ・・・・・知りません。
 
私は、すぐにでも知らせてあげたかったですが・・・・・・・・・・・・・・
 
・・・・・・黙っていたのでした・・・・・。
 
 
 
            「 漫画化アシスタント 第8章 その20 」 へつづく・・・


                ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その18」へ戻る 】

 
 
 
 【 ※参照 】
 ・お店・・・・・・池袋北口に開いたタイ式マッサージ店(04~09年)。2000年頃からの
  エスニックブームで、新宿、新橋、池袋などを中心にポツリポツリと開店し始
  めた施術院。(風俗店ではありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお店も・・・)
 ・マッサージ師・・・お店には常時3~5人のマッサージ師が待機。1日に1~3人の
  お客さんを施術。全員がタイ人女性でタイマッサージ学校を卒業・・・タイでは、
  めずらしくありません。日本人と結婚、就労の出来る在日ビザを持っている。
 
 
 


    

 

【 各章案内 】   「第1章 改訂版」  「第2章 改訂版」  「第3章 改訂版」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
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「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」




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漫画家アシスタント 第8章 その18

2010年10月11日 18時29分45秒 | 漫画背景
( この写真は、 前回 につづいて・・・東京、池袋の北口にある「へいわ通り」の路地の写真です。夜景で
 すが、カメラアングルはほとんど同じです。画面左端のコンビニのネオン以外は・・・全てラブホテルの
 ネオンです。ちなみに、このコンビニは、金曜と土曜の夜は、いつもアベックがゾロゾロとレジ前に行
 列を作ります。戦闘準備に購入するアイテムはたいていサンドイッチやおむすび、スナック菓子とドリ
 ンク類などです。さすがに近藤さんを買い込む人は見た事がありません。《 2010年10月、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                 その18  
  
 《 漫画家アシスタントが・・・フランス人風俗嬢の顧客名刺を見る! 》
 
 
私( ※参照 )が目の不自由な常連さん( ※参照 )とへいわ通り( ※参照 )ですれ違った
時です・・・
 
彼の目は、正面を見たまま・・・まったく私に気付いていない( 視認できない )様
子でした・・・・。
 
お店( ※参照 )に来る時には、サングラスと白い杖を使っているのですが・・・普
段は人混みを杖なしで歩ける程度の視力障害なのかもしれません。
 
あくまで、私にとっては、大切な常連さんなのですが・・・・・今度は、こちら
が、何も見えない( 見ていない )フリをしなくてはならない立場になったわけです。
 
この常連さんには、「 目 」以外に「 右手 」にも少々問題がありました・・・こ
れも、担当した数人のマッサージ師さん( ※参照 )から聞いた話なのですが・・・
 
個室でこの常連さんをマッサージをしている時に・・・・・常連さん自身が「 自
分 」をマッサージし始めてしまうのです。( 女性の読者の中には、なんでマッサー
ジ店に行って、お客が自分自身をマッサージするのか理解できない方もおられる
でしょうが・・・ )
 
マッサージ師さんは、施術を中断して常連さんに背中を向けて溜息をついたり、部
屋を出てしまったり・・・・
 
通常のマッサージは2時間( 基本的なコース )ですが、その間に2~3回はこの常連さ
んの自家発電のために、彼女の休憩タイムになるわけです。
 
マッサージ師さん達の間では、「 目が悪くて、お気の毒に・・・ 」という気持ち
と「 何だヨ、このドスケベ! 」という矛盾する意識から複雑な気分を生み出しま
す。
 
私のお店は、風俗営業ではないので・・・その手のサービスを求めるお客さんの中
にはごく少数ですが・・・この常連さんの様に・・・凝った「 自分 」を、ご自身
で施術なさる方もいるのです。
 
そうしたお客さんの中には、さらに彼女たちを困らせる方もいました・・・
 
自分一人でクライマックスを迎える事が淋しくて、慈悲を求める様に・・・( 中に
は命令口調の方も )・・・部屋を出ようとするマッサージ師さんに・・・・
 
 「 なァ~・・・み・・・見てくれ! ・・・見てくれよ~ッ! 」
 
完全に「 男の弱点 」丸出し・・・・!( 下半身丸出しで甘える様にブリッジする
姿はバカそのもの )
 
お客さんの中には、極々少数ですが、個室で服を脱いでリラックスした瞬間に弱み
をさらけ出してしまう人もおられます。
 
 
どうも・・・個室の中に居る時に・・・それが、プライベートな空間なのだと思っ
ておられる様なのですが・・・・・・
 
実は・・・・・・まったく違います。
 
仮に、相手が慣れ親しんだ風俗嬢であろうと、マッサージ師であろうと・・・・・
 
自分がやったり、話したりした事( 弱点のさらけ出し )が第三者に筒抜けになってい
る事は間違いないと思った方が良いのです。
 
知らぬは、お客さん本人ばかりで、実際には従業員全員に知れ渡り・・・さらに、
隣近所にさえ噂となって広がるものです。( ※参照 )
 
 
私は、若い頃にあるフランス人( ? )風俗嬢( ※参照 )と知り合ったのですが・・・
・・・その時に、彼女は自慢する様に指名客( 上客 )の名刺を見せてくれた事があり
ました。
 
プラスチックの名刺入れにギッシリと詰まった名刺を手のひらに開きながら・・・・
・・・私は・・・・・
 
 『 中小企業の管理職や商店主のオヤジさんの名刺だな・・・ 』
 
・・・そう思っていたのですが・・・・・名刺の肩書には・・・・・・・・・
 
医師、弁護士など法律関係、一流企業の重役( ※参照 )など・・・・・私が想像した
一般のサラリーマンの名刺や商店主の名刺などは、まったくありませんでした・・・!
 
可愛いお姉ちゃんに名刺を出したい気持ちは分かりますが・・・・その名刺が、ど
んな人物の手に渡るのか・・・彼らは想像さえしないのでしょう・・・・。
 
これを読んでいる一部の男性の方へ・・・
 
・・・どうか、ご注意下さい。
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第8章 その19 」 へつづく・・・


                ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その17」へ戻る 】

 
 
 
 【 ※参照 】
 ・私・・・・・・・・このブログの著者。漫画家アシスタントを本業に、マッサージ店も副
  業として経営(2004年から09年までの6年間)。
 ・常連さん・・・・・・月に一回は私の経営するマッサージ店に来てくれた目の不自由
  なお客さん。
 ・へいわ通り・・・・池袋北口にある地味な商店街。商店といっても惣菜屋さんや 
  八百屋さんなどが並ぶ賑やかさはない。赤ん坊を抱いた主婦や子供の姿は
  皆無の商店街。
 ・お店・・・・・・池袋北口に開いたタイ式マッサージ店(04~09年)。2000年頃からの
  エスニックブームで、新宿、新橋、池袋などを中心にポツリポツリと開店し始
  めた施術院。(風俗店ではありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお店も・・・)
 ・マッサージ師・・・お店には常時3~5人のマッサージ師が待機。1日に1~3人の
  お客さんを施術。全員がタイ人女性でタイマッサージ学校を卒業・・・タイでは、
  めずらしくありません。日本人と結婚、就労の出来る在日ビザを持っている。
 ・知らぬは、お客さん本人ばかりで・・・テレビの「龍馬伝」に出てくる芸者の間者
  は、理にかなっている様です。
 ・フランス人風俗嬢・・・自称フランス人の高級ソープ嬢。なぜ私が知り合いかは
  ・・・秘密。
 ・上場企業の重役・・・なぜか、名刺の束の中に「社長」の名刺はありません。有
  名会社の社長ともなると遊ぶ場所のランクが違うのかもしれません。
 
 
     

【 各章案内 】   「第1章 改訂版」  「第2章 改訂版」  「第3章 改訂版」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」   「古い話で章 その1」
          
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」



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漫画家アシスタント 第8章 その17

2010年10月06日 03時09分00秒 | 漫画家
( この写真は、東京、池袋の北口にある「へいわ通り」の路地なのですが・・・一見して普通の・・・まっ
 たく普通の住宅街に見えるのですが・・・・・夜になると雰囲気がすっかり変わります・・・・・その夜の
 写真は次回に・・・・《 2010年9月、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                 その17  
  
   《 漫画家アシスタントが・・・身体障害者を案内する・・・! 》
 
 
身体障害者が出て来るドラマやドキュメンタリー番組のほとんどは、障害者を「 悪
者 」として表現する事は少ない( 最近は、皆無 )と思います。
 
障害者への差別がない様に配慮されているのだと思いますが・・・実際には、全て
の人が「 善人 」だったり「 正直者 」であったりするわけがありません。
 
健常者とまったく同様に、ほとんどの人は「 善人 」なのですが、極々一部の人は・・
・・・困った人なわけです。
 
私が店番をやっている時に、耳の不自由なお客さんが来店した事がありました・・・
 
私の言葉がまったく聞こえないだけではなく、このお客さんが喋る時にも障害があ
って・・・少し、聞き取りにくかったのです。でも、私は、スケッチブックを利用し
て、絵を描いたり、文字を書いたりして筆談しながら楽しく応対した事がありまし
た。 この時の、このお客さんの嬉しそうな顔を今でも忘れる事ができません。
 
そう・・・ほとんどのお客さんは・・・いい人ばかりでした・・・・・
 
 
私がその・・・問題の・・・お客さんを見たのは、2度目の来店時だったと思います
・・・・・( ここからは、設定など若干変更して書かせていただきます )
 
長髪の髪に少し白髪がまじる中年のそのお客さん( 一見すると内田裕也風 )はサング
ラスをかけていました。 ややメタボタイプで赤っぽい派手な格好をしている感じは
デザイナーを想像させるのですが・・・・目が不自由なお客さんでした。
 
お店( ※参照 )の玄関で白いステッキをあずかり、待合室の椅子に案内する時には、
私が手を引いてあげたりしたものでした・・・
 
マッサージを終えて、玄関でこのお客さんを見送る時・・・ドアを開け、マンショ
ンの廊下へ出るその時に・・・
 
 「 外まで、ご一緒に・・・ 」
 
・・・と、私は、外の通りまで付き添って行こうとしたのですが・・・
 
 「 大丈夫です 」
 
と、手で制されます・・・私は、来店のお礼を言いながら、白いステッキをついて、
廊下を一歩・・・一歩・・・歩いて行くお客さんを見送ったのでした。
 
嬉しい事に、このお客さんは一ヶ月に一度は来店してくれる常連さんになってくれ
ました。
 
しかし・・・・・担当するマッサージ師さん( ※参照 )には評判が良くないのです・・
・・・・
 
 「 目付きが変デス! 」
 
 「 だって、目が悪いんだから・・・ 」
 
 「 知ってるヨ、社長( ※参照 )。 でも変ッ! ・・・あの目! 」
 
どうも、彼女たちの話によると・・・通常、目の不自由な人の視線は、上の方を見
たりしている事が多いのですが・・・・
 
このお客さんの視線は、マッサージ師のバストや下半身に吸い付いている様だと言
うのです・・・・
 
しばらくして、さらに悪い評判が聞こえてきます・・・・・
 
 「 あのお客さん・・・Hですヨ、社長! 」
 
 「 エ・・・エッチ~ィ? 」
 
 「 こうやって・・・胸、触るデス! 」( 正面からワシづかみする感じ )
 
 「 ええ・・・ッ!? 」
 
 「 なんで~、胸が見えるデスカ? 」
 
 「 ・・・な・・・何となく・・・分かるんじゃ・・・ないの・・・・? 」
 
マッサージ師さんからの評判が悪くても、お客さんですから来店を断る事など出来
ません・・・・。
 
お触り好きなスケベ爺は、珍しくもないですので、ここはいつもの様に・・・
 
 「 不愉快な事があったら、ハッキリと断って下さい。注意しても不愉快
   な事を続ける様な場合は大きな声を出したり、ママさん( ※参照 )を
   呼んだりして下さい 」
 
・・・ってな、お決まりの注意事項をマッサージ師さんたちに話したりしたのです
が・・・・
 
それからすぐ・・・私も、このお客さんがまったく信用できなくなる・・・そんな
光景を目撃する事になりました・・・・
 
 
ある朝の事・・・
 
お店がある池袋北口の商店街「 へいわ通り 」( ※参照 )を歩いている時でした・・・
 
向こうから歩いてくる・・・あの人は・・・・
 
 『 ・・・目の見えない・・・常連さんだ・・・! 』
 
私は、その姿を見て一瞬、唖然とします・・・・・
 
 『 ・・・・あれェ? ・・・今日は、サングラスをしてないなァ~・・・・ 』
 
目の見えない常連さんが、普通にスタスタと歩いて来る・・・・!
 
 『 ス・・・ステッキも・・・持って・・・・・・・ない!? 』

杖もなしに人ごみの中を歩いている・・・・

 『 ・・・まさか・・・目が治ったのか・・・??? 』
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第8章 その18 」 へつづく・・・


                ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その16」へ戻る 】

 
 
 
 【 ※参照 】
 ・お店・・・・・・池袋北口に開いたタイ式マッサージ店(04~09年)。2000年頃からの
  エスニックブームで、新宿、新橋、池袋などを中心にポツリポツリと開店し始
  めた施術院。(風俗店ではありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお店も・・・)
 ・マッサージ師さん・・・お店には常時3~5人のマッサージ師が待機。1日に1~3
  人のお客さんを施術。全員がタイ人女性でタイマッサージ学校を卒業・・・タイで
  は、めずらしくありません。日本人と結婚、就労の出来る在日ビザを持っている。
 ・社長・・・・・マッサージ店の代表。普段は漫画家アシスタント。拙ブログの著者。
 ・ママさん・・・私の妻。タイマッサージ店を切り盛りする。1995年、タイのチェン
  マイ出身。1995年に結婚して来日、とても明るいが・・・いったん怒ると鬼より怖
  い。酒を飲んだら乱暴者。
 ・へいわ通り・・・・池袋北口にある地味な商店街。商店といっても惣菜屋さんや 
  八百屋さんなどが並ぶ賑やかさはない。赤ん坊を抱いた主婦や子供の姿は
  皆無の商店街。
 
 
 
 
【 各章案内 】  「第1章 その1」  「第2章 その1」  「第3章 その1」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」
          ( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )
   
  
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