( 写真の右にあるのは、アシスタントの仕事とお店の仕事の合間に美味しいココアをいただいた池袋
の芸術劇場通りの喫茶店です。中は田舎作りの暗い雰囲気で、とても渋いお店です。 よく、漫画の
シナリオやブログの記事を書いたりしていました。 入口が笹に覆われて分かりにくく、穴場中の穴
場的なお店です。駅からかなり遠いので知っている人はほとんどいません。《 2010年9月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その20
《 漫画家アシスタントが・・・男なのに婦人科へ・・・! 》
小説を書く時のコツで・・・ある作家の言葉に「 読者の予想を裏切れ 」というも
のがあります。つまり、奇抜なアイデアや展開によって読者の予想を越える必要が
ある・・・という事です。
そして、同時に「 読者の期待は絶対に裏切るな 」とも言っています。予想は裏切
り、期待は絶対に裏切らない・・・・この辺がミソでしょうか・・・・。
これは、漫画でもまったく同じ事が言えると思います。
『 読者の予想を裏切れ、しかし、期待は絶対裏切るな! 』
ただ、問題なのは・・・それを実行する事は・・・・大変な困難を伴うという事で
しょうか・・・・。 偉大なる(?)作家先生の言葉は、シンプルで簡単そうに聞こ
えるのですが・・・・実行するとなると・・・難しく・・・・・・
ちなみに・・・・・私に出来るのは・・・・・・・・
「 予想通りに期待を裏切る! 」
・・・・何ンで、これなら簡単なんだろう・・・・・・
お店( ※参照 )をやっていた6年間の間で一番若いマッサージ師さん( ※参照 )は19歳
のユーリさん( 仮名・設定を若干変更 )でした。
タイからの留学生で、日本の大学で勉強をしていましたが・・・・勉強より遊びや
買い物の方が好きな娘さん。カラっとした性格の、それでいて「 良家の子女 」( 実
家はお金持ち )といった風格もある・・・もぎたての青リンゴの様な人でした。
アイドルというほどの美人ではありませんが、いつもニコニコしている明るい笑顔と
均整のとれた体形は、若々しいオーラを発散させていました。
お店には30代から40代のマッサージ師さんが多かったので、姉妹の末っ子か、実娘
の様に年配のマッサージ師さんたちから可愛がられていました。
「 ユーリはまだ知らないみたいネ 」
「 そデス、初めての時にワ、すごく痛いヨって脅かしたら、怖がって
たヨ! 」(笑い)
・・・などといった、年増マッサージ師さんたちの他愛もない猥談を聞いた事もあ
りました。
お店では、思春期の少女がいる様な・・・和やかな雰囲気が春風の様に流れていわ
けです・・・・・
コロコロと笑うユーリさんを見ていると・・・これからの人生で何が待っているの
か・・・・・・そこに明るくて楽しい日々があってほしいと・・・親でもないのに
・・・ふと・・・親心気分を持ってしまったりするのでした・・・・。
そんな彼女が家族の一員の様にお店に馴染んだ頃の事・・・
確か・・・あまり暑くない夏の日の午後・・・・・
体調が良くないとは聞いていたのですが・・・・どうも、ユーリさんがおりものに
悩んでいるとの事で近くの婦人科まで付き添う事になったのでした。
男性の読者には分かりにくいかもしれませんが、女性には、膣を雑菌から守るため
に「おりもの」があるのですが・・・・時に、かゆみやニオイなどの異常が出る場
合があるのです。
お店で、近くの婦人病クリニックへ案内出来るのは私くらいなので( 通訳ができる )、
早速ユーリさんを連れて出かけました。
初診の時に書く問診票には・・・アレルギーについてや、過去の病歴や、妊娠出産、
また妊娠中かどうかなどの質問項目があるので、一つ一つ、彼女にタイ語で質問し
ながら私が日本語で記入していくのです・・・・・
以下も、ほぼタイ語でのやり取り・・・・
「 アレルギーは、ない・・・と。それから・・・大きな病気や手術を受けた
事はありますか? 」
「 ないです。 」
「 妊娠も出産もないよね? 」
「 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 」(沈黙)
「 ・・・・・・・・・・・妊娠は? 」
「 ・・・・・・ある。 」
「 ・・・・ええッ!? 妊娠してるの~ッ?? 」
「 違う違う、中絶した事があるの・・・・・・皆には、内緒ね! 」
「 ・・・・・・・え~~と・・・・・・・妊娠・・・中絶が1回・・・と。 」
「 3回です! 」
彼女の病名は軽いカンジタ症( カビの感染症、ストレスなども原因の一つ )でした
ので、薬で数週間のうちに完治したのです・・・・・・
お店に戻って、いつもの様に仕事が始まります・・・・・
そして、いつもの様に・・・年配のマッサージ師さんからエロ話を聞きながら・・・
「 やだ~~ッ、怖いナ~~ッ 」
・・・と、演技する彼女を見ていると・・・私の方が怖くなるのです・・・・・。
もちろん・・・・・この事は、今でも「皆には」内緒の話です。
「 漫画家アシスタント 第8章 その21 」 へつづく・・・
★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その19」へ戻る 】
【 ※参照 】
・お店・・・・・・池袋北口に開いたタイ式マッサージ店(04~09年)。2000年頃からの
エスニックブームで、新宿、新橋、池袋などを中心にポツリポツリと開店し始
めた施術院。(風俗店ではありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお店も・・・)
・マッサージ師・・・お店には常時3~5人のマッサージ師が待機。1日に1~3人の
お客さんを施術。全員がタイ人女性でタイマッサージ学校を卒業・・・タイでは、
めずらしくありません。日本人と結婚、就労の出来る在日ビザを持っている。
【 各章案内 】 「第1章 改訂版」 「第2章 改訂版」 「第3章 改訂版」
「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」
の芸術劇場通りの喫茶店です。中は田舎作りの暗い雰囲気で、とても渋いお店です。 よく、漫画の
シナリオやブログの記事を書いたりしていました。 入口が笹に覆われて分かりにくく、穴場中の穴
場的なお店です。駅からかなり遠いので知っている人はほとんどいません。《 2010年9月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その20
《 漫画家アシスタントが・・・男なのに婦人科へ・・・! 》
小説を書く時のコツで・・・ある作家の言葉に「 読者の予想を裏切れ 」というも
のがあります。つまり、奇抜なアイデアや展開によって読者の予想を越える必要が
ある・・・という事です。
そして、同時に「 読者の期待は絶対に裏切るな 」とも言っています。予想は裏切
り、期待は絶対に裏切らない・・・・この辺がミソでしょうか・・・・。
これは、漫画でもまったく同じ事が言えると思います。
『 読者の予想を裏切れ、しかし、期待は絶対裏切るな! 』
ただ、問題なのは・・・それを実行する事は・・・・大変な困難を伴うという事で
しょうか・・・・。 偉大なる(?)作家先生の言葉は、シンプルで簡単そうに聞こ
えるのですが・・・・実行するとなると・・・難しく・・・・・・
ちなみに・・・・・私に出来るのは・・・・・・・・
「 予想通りに期待を裏切る! 」
・・・・何ンで、これなら簡単なんだろう・・・・・・
お店( ※参照 )をやっていた6年間の間で一番若いマッサージ師さん( ※参照 )は19歳
のユーリさん( 仮名・設定を若干変更 )でした。
タイからの留学生で、日本の大学で勉強をしていましたが・・・・勉強より遊びや
買い物の方が好きな娘さん。カラっとした性格の、それでいて「 良家の子女 」( 実
家はお金持ち )といった風格もある・・・もぎたての青リンゴの様な人でした。
アイドルというほどの美人ではありませんが、いつもニコニコしている明るい笑顔と
均整のとれた体形は、若々しいオーラを発散させていました。
お店には30代から40代のマッサージ師さんが多かったので、姉妹の末っ子か、実娘
の様に年配のマッサージ師さんたちから可愛がられていました。
「 ユーリはまだ知らないみたいネ 」
「 そデス、初めての時にワ、すごく痛いヨって脅かしたら、怖がって
たヨ! 」(笑い)
・・・などといった、年増マッサージ師さんたちの他愛もない猥談を聞いた事もあ
りました。
お店では、思春期の少女がいる様な・・・和やかな雰囲気が春風の様に流れていわ
けです・・・・・
コロコロと笑うユーリさんを見ていると・・・これからの人生で何が待っているの
か・・・・・・そこに明るくて楽しい日々があってほしいと・・・親でもないのに
・・・ふと・・・親心気分を持ってしまったりするのでした・・・・。
そんな彼女が家族の一員の様にお店に馴染んだ頃の事・・・
確か・・・あまり暑くない夏の日の午後・・・・・
体調が良くないとは聞いていたのですが・・・・どうも、ユーリさんがおりものに
悩んでいるとの事で近くの婦人科まで付き添う事になったのでした。
男性の読者には分かりにくいかもしれませんが、女性には、膣を雑菌から守るため
に「おりもの」があるのですが・・・・時に、かゆみやニオイなどの異常が出る場
合があるのです。
お店で、近くの婦人病クリニックへ案内出来るのは私くらいなので( 通訳ができる )、
早速ユーリさんを連れて出かけました。
初診の時に書く問診票には・・・アレルギーについてや、過去の病歴や、妊娠出産、
また妊娠中かどうかなどの質問項目があるので、一つ一つ、彼女にタイ語で質問し
ながら私が日本語で記入していくのです・・・・・
以下も、ほぼタイ語でのやり取り・・・・
「 アレルギーは、ない・・・と。それから・・・大きな病気や手術を受けた
事はありますか? 」
「 ないです。 」
「 妊娠も出産もないよね? 」
「 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 」(沈黙)
「 ・・・・・・・・・・・妊娠は? 」
「 ・・・・・・ある。 」
「 ・・・・ええッ!? 妊娠してるの~ッ?? 」
「 違う違う、中絶した事があるの・・・・・・皆には、内緒ね! 」
「 ・・・・・・・え~~と・・・・・・・妊娠・・・中絶が1回・・・と。 」
「 3回です! 」
彼女の病名は軽いカンジタ症( カビの感染症、ストレスなども原因の一つ )でした
ので、薬で数週間のうちに完治したのです・・・・・・
お店に戻って、いつもの様に仕事が始まります・・・・・
そして、いつもの様に・・・年配のマッサージ師さんからエロ話を聞きながら・・・
「 やだ~~ッ、怖いナ~~ッ 」
・・・と、演技する彼女を見ていると・・・私の方が怖くなるのです・・・・・。
もちろん・・・・・この事は、今でも「皆には」内緒の話です。
「 漫画家アシスタント 第8章 その21 」 へつづく・・・
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【 ※参照 】
・お店・・・・・・池袋北口に開いたタイ式マッサージ店(04~09年)。2000年頃からの
エスニックブームで、新宿、新橋、池袋などを中心にポツリポツリと開店し始
めた施術院。(風俗店ではありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお店も・・・)
・マッサージ師・・・お店には常時3~5人のマッサージ師が待機。1日に1~3人の
お客さんを施術。全員がタイ人女性でタイマッサージ学校を卒業・・・タイでは、
めずらしくありません。日本人と結婚、就労の出来る在日ビザを持っている。
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「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」