漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 その5

2019年03月08日 01時30分10秒 | 漫画家アシスタント
          

        ( この写真は、カミさんの実家の解体風景です。古くなった家を解体して新しく
         建て替えるつもりなのですが・・・・・・家を安く建てるのは、何かと問題が生じや
         すくて大変なのですが・・・・・その話はいずれまた・・・・・《 2018年、10月、撮影 》 )



          

        ( ↑写真、家の解体は、最初に窓やドアなどの建具の破壊から始まります。ハンマ
         ーでドカンドカンぶち壊していきます・・・・・《 2018年、10月、撮影 》 )




          

        ( ↑写真、窓を叩き出したところです・・・・・《 2018年、10月、撮影 》 )



          

        ( ↑写真、作業風景です。ドカンドカンとかなり大きな音がします・・・・・《 2018
         年、10月、撮影 》 )



          

        ( ↑写真、窓枠を処理した後です。同時に屋根の解体も始まります・・・・・《 2018
         年、10月、撮影 》 )



          

        ( ↑写真、正面玄関あたりの写真ですが、かなり解体が進んで廃墟化しました・・・
         ・・《 2018年、10月、撮影 》 )



          

        ( ↑写真、ショベルカーで壁が破壊されます・・・・・一日で、ここまで進みます・・・・・
         《 2018年、10月、撮影 》 )





      【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 


                 その5


    《 漫画業界からタイへ疎開・・・・未払い賃金が欲しい・・・・!? 》


今回は、私のカミさんの家の解体工事について書きたいと思っていますが・・・・・・・そ
の前に・・・・・・・ちょっと他の事を・・・・・・・・・・

アシスタントの仕事を辞めて、もうすぐ2年になります・・・・・・・・・・読者諸兄の中には、
仕事を辞めて寂しい思いをしているだろう・・・・・・・と、思われている方もあるかも知
れません。

実際、仕事を辞めると苦しくなる( 虚しくなる )とは、数人の知人から聞いていま
したのですが・・・・・・・・・・

この2年ほどの間、漫画の事をほとんど考えませんし、描きたいとも思いませんでし
た・・・・・・・・・・・不思議なほど、40年間の漫画人生( 実際には『漫画背景人生』 )が尾
を引く事がありません。

夢にさえ漫画の事が出てきません。

実は、アシスタント時代にはよく仕事の夢を見たのです。

そこで、アシスタントをやっていた頃によく見たその夢について書いてみたいと思いま
す・・・・・・・

これは、最も沢山見た仕事の夢です・・・・・・・


夢に出て来る場所は、いつもの目白にあるJプロ( ※参照 )の仕事場です。

それが夢である事に気付いていない私は、当たり前の様に背景の仕事をしています。

多くの場合、それは時代劇の「 H雲 」( ※参照 )という長期の連載作品でした・・・・・・
・・・・

まず、登場人物だけが描かれている原稿用紙の上段のコマから、背景画を入れてい
きます。

ペン入れまで終わったら、次にその下のコマへ取り掛かります・・・・・・・・・・

軽く下書きを入れて、ペン入れをしたら、また、次のコマへ・・・・・・・・・・

全体のバランスを確認するために上段のコマから見ていくと・・・・・・・・・・

部分的に不完全な個所があるので、改めて描き直すのですが・・・・・・・・・・

その不完全な場所がどんどん増えていくのです・・・・・・・・・・

あちらを直せば、こちらが狂い、こちらを直せば、あちらが狂う・・・・・・・・・

それでも、シャープペンを走らせ、ペンを動かし・・・・・・・・・シャープペンを走らせ、ペン
を動かし・・・・・・・・・・・

哀れなものですが・・・・・・・本人は必死なのです。

完全に夢の世界を現実だと思っています。

 『 おかしいなぁ・・・・・・? 』

・・・・・・・・と、思いつつも・・・・・・・・・

完成目指して何度も、何度もやり直します・・・・・・・・・・

しかし、だんだん不安になって( パニックって )、前のページを確認して、全体のスト
ーリーを把握しようとします。

ところが、前のページを見ると全然違う漫画なわけです!

 『 あれえええええッ!? 「 H雲 」じゃないのかよぉおおおお~ッ! 』

私は、先ほどまで描いていた原稿をもう一度手に取ります・・・・・・・・・・

すると、さっきまで必死で背景を描き込んだはずの原稿は、真っ白になっているので
す・・・・・・・・・・・!!

私は、悶絶する様に目を覚まします。

なぜだかは分かりませんが、実に沢山同じ様な夢を見たのです。

そして、たいてい目が覚めるとお昼過ぎで、仕事の時間に大幅に遅刻しているわけ
です。

ゲロ吐きそうな気分で、大急ぎでアパートを飛び出して仕事場へ・・・・・・・!

夢から覚めても、悪夢の様な現実が待っているわけです。

まったく救いようがありません。


でも・・・・・・

仕事を辞めて2年近く、この様な悪夢はまったく見ていません。

そして、たぶんこれからも見る事はないでしょう。

二度と見たくもありません。


私は、アシスタントの仕事が大嫌いでしたが、40年も背景画を描いてきました。

その大嫌いな仕事を夢にまで見ていたのですから、実質の労働時間以外の「 夢残
業時間 」が、どれほどになったのやら・・・・・・・


起きれば、漫画家になる夢を見、寝ればアシスタントの夢を見る。

なんともかんとも・・・・・・・逆説的な人生であるといえましょう。


今回、夢の話が長くなってしまったので・・・・・・・・・・・

家の解体工事についての話は、次回にしたいと思います。

すいませんでした。

・・・・・・・ってなわけで。

次回もあまり期待しないで下さい。


 ( 追記 )

仕事の夢を見て、汗びっしょりかいて目が覚めた時に思う事はただ一つ。

 『 結局、ただ働きしてたのかぁああああ~ッ! 』

バカみたいですが、本気でそう思ったものです・・・・・・・



        「 漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 臨時休養 」 へつづく・・・・


       ( 月一連載を目指していますが、無理だと思います )


          ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 謹賀新年」へ戻る 】




  【 ※参照 】

・Jプロ・・・・・・漫画家J先生の仕事場。東京目白にあり、バブル期には6~7人のスタ
       ッフが在籍。しかし2017年に唯一の連載「H雲」が終了、ちょっと寂しい
       今日この頃です。
・H雲・・・・・・・・漫画家J先生の有名な作品。「○ッグコミック・オリジナル」に40年以上
       連載していた時代劇。渡哲也主演と北野たけし主演、合計、二度テレ
       ビドラマになっている。



   


【 各章案内 】   「第1章 改訂版」  「第2章 改訂版」  「第3章 改訂版」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」   「古い話で章 その1」
          
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」





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36 コメント

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わけのわからない夢 (ももりん)
2019-03-08 09:54:10
夢を見ても、起きて5分もすると「なんの話だったか、忘れてしまう」ことが多いものですが、yesさんの場合は、ずいぶんはっきりした夢だったんですね。

電子執事の夢

https://ncode.syosetu.com/n1719cf/
返信する
黒い夢 (B・INABA)
2019-03-08 22:21:35
夢は記憶の整理整頓と言うくらいですから、当時はそれだけアシスタントの仕事のことが記憶の大半を占めていたのでしょうね。(笑)

私もよく夢の中で仕事をしていることがあるのですが、嫌なことに前まで勤めていたブラック企業での仕事の夢を見てしまいます。さらに嫌なのは当時の仕事内容をきっちり覚えてて、いつものように仕事場に来て段取りを組みながら作業をしているという...夢の中で苦しんでいるわけではないのですが酷い悪夢で、その日はそれだけでグロッキーな気分になってしまいます。

逆に、例えば自分の漫画が大ヒットしたという良い夢でも、目覚めたときは喪失感が凄くてそれもまだグロッキーになります。(笑)
返信する
Unknown (ふじもん)
2019-03-09 19:36:21
同じような夢を、残業月100時間やっている時に見ました。
仕事が終わって深夜に帰ってきて、寝て見る夢が仕事をしている夢で、起きたらまた仕事という24時間働いているような状態でかなり苦しかったですね…。

私は大卒初任給以下の給料しかもらってなかったのですが、20代の同僚は一人暮らしなのにマンションを買ったりスポーツカーを買ったりと豪遊するようになり、私は節約して頑張ってるのかなぁと思ってましたが、実は社長からその同僚だけ手渡しで毎月ボーナスを貰っていたということを私が会社を辞める少し前に知りました。

小さな会社なので、社長のお気に入りだけにこっそり高給というえこひいきが行われていたのです。

現実のほうが悪夢でした…。
返信する
マンガ制作に関する質問です (オレンジB)
2019-03-10 04:58:52
マンガ制作に関する質問です(長文ごめん)

●質問1:コマ割するときのコツとかありますか?
●質問2:すべてのコマに背景を入れないといけないのでせうか?

--------------------------
<質問1について>
自分もマンガを描こうと思い、見よう見まねで挑戦!
ふと気がつくと、コマ割が単調になってしまって
自分で見ても「ツマラナイ」マンガになっていました

●「コマ割」のコツとかありますか?
マンガ大学の学生さんには、どう教えてましたか?
無料で「教えてくれ」は図々しいかしら?

●YESどんのマンガ「雨のドモ太郎」では、同じ場面でも
(たとえば、居酒屋での祝賀会?の場面)
(「俯瞰(上から見下ろす構図)」「あおり(下から見上げる構図))
を織り交ぜて描いてあって、

ページが単調にならないように、変化をつけていた…ですね

コマ割が単調だと「ツマラナイまんが」になっちゃうみたい
●まんがを面白くする「コマ割のコツ」みたいなのがあると良いな

(「見開き(2ページ)で1コマ使って、迫力を出す」という人が、たまにいるけど、
(1作品で、1回が限度ですね。多用するとマンガが間延びしてしまう)

----------------------------
<質問2について>

●すべてのコマに、背景を描きこむべきか?
以前、NHKの「浦沢直樹の漫勉(まんべん)」でもやっていたけど、

浦沢:
「最近のマンガは、やたら背景の描きこみが多くて…」
「編集部が、そういう指導をしているらしい」
「『マンガはTPO(いつ、どこで、なにをしているか)が大事だ、
読者にわかるように描かないとダメなんだ』と、指導するらしい」

浦沢:
「最初のページさえ、しっかり背景を描き込んでおけば」
「あとは”読者の脳内保管で、なんとかなる”と思うんだけどなぁ…」

…やっぱり、全部のコマに背景を描かないといけませんか?

●ブックオフとかで、愛蔵版とかの古いマンガを見ると、
やっぱり最初の方は、背景があるけど
だんだんキャラクターしか描いていないコマが多い

2000年以降のマンガと比べると80年代のマンガは、
ページが白い(背景もまったく描いていない)のが多いですね

--------------------------
●近況:
何度か”マンガ家に挑戦しよう”と思い、退職しましたが、

退職するとすぐに「年金払え!」「健康保険払え!」「地方税払え!」
と請求書が届いて、
貯金がどんどん目減りして、動揺すること多し。

気が弱い私は、すぐに方針転換
ハローワークに通って、再就職しました
(なんのために、前の会社を辞めたんだ、と後悔することしきり…)

履歴書(りれきしょ)×1枚書くのに1時間くらいかかるし、
ネットで求人票を見たり、面接に出かけたり、
ハローワークで紹介状をもらいに行ったり、

で、無職で無収入なのに、忙しくてマンガも描けなかった、です。

私の場合:生活が安定しないと、マンガも描けないです…(お金&時間&気持ちの余裕がないから)

今は、“お金を貯める時期かな?”“マンガを描くのは、老後の趣味にするよ“
と考えるようになりました…

今働いているところは、冷蔵倉庫で商品の出し入れ
本来のお給料の他に『冷蔵庫作業手当』もつくらしい

お給料が良い分、仕事もキツイ。

長時間、冷蔵庫内にいると、血液まで凍りそうで、頭がぼんやりする

夕方になると、体が氷ついて、動きも鈍くなる

指先から凍り付くので、時々ニギニギ体操(手をグーにしたり、パーにしたり、指先をにぎにぎする)

「指先の感覚が鈍くなる…?」
「マンガ家志望者には、致命的な仕事なんじゃ…?」と思いつつ、

カンタンで楽な仕事は、代わりの人が大勢いるから、すぐにクビになっちゃうよ

「将来、マンガ制作に打ち込むために、今はお金を貯めるとき」
と割り切って、今の仕事を続けるつもりです
(↑契約社員なので、クビにならない限り…自分が役に立っているのか不安…)

(そろそろ、お終いにします。長文ごめん)
返信する
ももりんさん、B・INABAさん、ふじもんさん、オレンジBさん、コメントありがとうございました! (yes)
2019-03-12 19:04:35

 >ももりんさん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 >yesさんの場合は、ずいぶんはっきりした夢だったんですね。

特に印象に残る様な夢の場合、どうしても長く感じるのは、断続的
に見ている各夢が連続してしまう事にある様です。

子供の頃に見る怖い夢など、一度目を覚ましても、またすぐに眠り
につくと、その続きを見てしまって苦しむというやつです・・・・・・・
・・・・・これは、結構経験がある人が多いと思います。

私の場合、仕事の夢もやたらと長い印象があるのは、途中で夢が覚
めてもその事を自覚できずに連続して夢の続きを見てしまうからだ
と思います。

こうした夢が年に1回位かそれ以上に見ていたと思います。

殺される夢というのが悪夢の定番ですが、仕事の夢というのも大変
に不愉快で過酷な夢なのです。


 >B・INABAさん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 >自分の漫画が大ヒットしたという良い夢でも

私も一度はそんな夢が見たかったです・・・・・・・・!

私の夢は、多くの場合ど貧乏臭い夢ばかりで、いつも財布の中には
10円玉や100円玉しかなくて、買い物ができずにうなされる夢ば
かりでした。

目が覚めた時に、いつも思うのは・・・・・・・・・・

 『どうせ、夢なんだから何でも好きな物を好きなだけ買えたら
  良いのに!』

いつもいつも、しみったれた金額で困惑する夢ばかり見ている自分
が、ほとほと情けなかったものです。

こうした、貧乏臭い夢は比較的若い頃の夢ですね。

50歳も過ぎれば少し落ち着いてくるのか・・・・・・・・あまり見なくなり
ました。


 >ふじもんさん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 >大卒初任給以下の給料しかもらってなかったので・・・・・

私の場合は、40年間のアシスタント生活で得た賃金額は通常のサラ
リーマンの半分以下だと思います。

きっと、初任給並なんじゃないかな・・・・・・・・と。

どうしてもサラリーマンになった同期の人と比較すると格差が出て
しまいます。

ただ、私の場合は自分と同じ様なタイプの人達と付き合っていたの
で(サラリーマンやってる人ってほとんどいません)、格差はそれほ
ど気になりませんでした。

30歳前後からその差が広がり、40歳から50歳あたりで住宅、車、
子供の進学など、多くの点で露骨な差になると思いますが・・・・・・・・
・・・・・私の場合は、ほとんど気にする事なく過ごせました。

実は、サラリーマンもバブル期までは良かったのですが、それ以降
は、多くの人が失業やリストラの波にもまれて苦労しているみたい
です。

親から受け継いだ稼業も赤字が続いていたり、大卒なのに肉体労働
を転々とする友人もいたり・・・・・・

結局、好きな事を好きなだけやっている人が一番良いのではないか
と思います。

お金がないのは苦労しますが、それなりに楽しむ事は出来ますし、
健康でさえあれば気楽な人生だと思います。

多くのお金持ちは、そのお金を維持し守る事に神経をすり減らすも
のです。

そんな事しているうちに、みんな孤独になっていきます。

札束の大金を枕にして眠る事は出来るでしょうが、そんな人間に友
達なんて出来るわけないんですね。


 >オレンジBさん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コマ割りについて・・・・・

「コマ割が単調になってしまって自分で見ても『ツマラナイ』マンガ
に・・・・」

オレンジBさん、実は、コマ割りが原因で「ツマラナイ」のではな
く、つまらない話だからつまらないのだと思います。

ただし、プロならつまらない話でも面白そうに見せる技術を持ってい
ます。

その話をちょっとさせて下さい・・・・・・

1ページ目で、仮に普段着で主人公が街中を歩いているとします。

1コマ目、「新宿」というナレーションで大きくビル街を描く。→2
コマ目、歩道を歩く主人公。→3コマ目、主人公の横顔。→4コマ目、
主人公の後ろ姿とその向こうにあるセンター街。

誰でもが作る物語の出だしです・・・・・・普通です。

これを以下の様に変えてみます・・・・・・

1コマ目、主人公の顔アップ。→2コマ目、主人公と歩道に映る影。→
3コマ目、センター街と人混み。→4コマ目、主人公の後ろ姿アップ。
「新宿」のナレーション。

どうでしょうか?

1ページ目、物語のスタートですが、カメラのアングルやコマ運び、主
人公の描き方などで、雰囲気や期待感が違ってきます。

コマ割りや、そのアングルは、映画のアップやロング、パンと同じ様
にコントロールする必要があります。

大切な事は、「面白いものを作る」のではなく、「面白くする」技術です。

プロだから面白いものが作れるのではないのです。そんなもの、毎週、
毎週、作れるわけありません。

誰だって発想なんて似たようなものなのですが・・・・・・プロだと、それ
を面白いものに変えちゃうんですね。

多くの新人がつぶれていくのは、「面白いものを作ろう」として潰れてい
きます。

そんなものは、年に一度のラッキーな出来事に過ぎないのに、毎回、
発想しようとして疲れちゃうんですね。(作れずに絶望します。当然です。)

アングルを変えたり、セリフを変えたり、キャラを変えたり・・・・・・・・・変
化させる事は無限に出来るのに・・・・・・・・・・!(可能性は誰にでも無限に
あるのに!)

ほとんどの人が「面白いものが出来ない」と諦めてしまいます。

 『 作れなくて当たり前! 作るのではなく、面白く変えるんです! 』

それが「仕事」なわけです。

 >上から見下ろす構図・・・・

これは、その状況(主人公たちが何処で何をしているか)を読者に明
確に示す技術です。

逆に下からのアングルを使うと、壁や天井が背景になりますが、ドラマ
チックな効果を生みます。

 >1作品で、1回が限度ですね

確かに、一般に多くの漫画作品が見開き(2P使う大コマ)は、1作品
で1回ですね。

もっとも、新人で2Pを1シーンで使ってしまう人はほとんどいません。

ストーリーを詰め込もうとすると、そんな「無駄」な事が出来なくなる
のです。

私は、見開きが大好きな方ですから、セリフやストーリーを削ってで
も見開きを多用していました。

(以上、授業で話していた内容はこんな感じでした)

背景について・・・・・

すべてのコマに背景を詰め込む必要なんてもちろんありません。

でも、作家によっては好きな人もいるから・・・・・・・それはそれで良いと
思います。

編集のほとんどはバカ(知性は高いですが、感性はゼロです)ですか
ら、受けている漫画のパターンをマニュアル化して新人に提示します。

そのため、背景を白っぽくする事が流行ると、それに同調し、背景を
詰め込む事が流行ると、それに同調しているだけで「創造」とは無関
係です。

ただ、私の様なアシスタントの立場からすると、精密な背景画が重視
される様になった事はまんざらでもありません。(映画「君の名は」の
影響でしょうか)

私が、ジョージ先生のところで働いた40年間は、緻密な背景画をクソ
の様にゴミあつかいされていました。

昔は、背景画の技術なんて無価値に近いものでした。

実際、漫画家志望者の多くが背景画を描けませんし、興味もありません。
(だからこそ私の様なものに仕事があるのですが)

背景に気を使う志望者はほとんどいません。

師匠であるジョージ先生も才能はあっても、背景はデタラメでしたの
で、デビュー前は編集員にアシスタントになる事を勧められたのだと
思います。(師匠はデビュー前に森田拳次氏に師事)

背景は、キャラクターがいる「世界」を表現する事が主な目的ですが、
演出として画面やキャラの演技を盛り上げる事も大切な要素になります。

例えば、読者にキャラクターを注視して欲しい時には、あえて背景を
真っ白にしても良いのです。

背景が詰め込まれると重たくなりますので、白っぽいコマとのコント
ラストが出て、より演出効果が高くなります。

黒っぽいコマ、白っぽいコマ、黒っぽいコマ、白っぽいコマ・・・・・

アップ、ロング、バスト、アップ、アップ、アップ、ロング、バスト・・・・・

大コマ、小さなコマ、小さなコマ、大コマ、小さなコマ、見開き・・・・

基本的には、「単調にはならない様にする!」・・・・・・・ってのがコツです。

 >”マンガ家に挑戦しよう”と思い、退職しましたが・・・・・・

無茶ですね。

やっぱり、それは無理があります!

無鉄砲・・・・・・ってもんです!

私も漫画家になりたくて大学を辞めて、バイトを始めましたが・・・・・・・

学校や、仕事を辞めて漫画家になれるものではありません。

そのつなぎにアシスタントやバイトをしながら投稿に励む時期があるん
だと思います。

漫画が描けないから仕事を辞めるなら、漫画を描く時間がたっぷり取れ
る仕事を探さなくてはいけません。

その場合、給料は安くなりますので、生活は最低の生活をする覚悟が必
要になります。

普通のバイトで、一日9時間働いていたら、漫画を描く時間はほとんど
ないと思います。(無理すれば死にます)

ただ、漫画作品ではなく、アシスタントになるための背景画のサンプル
なら描けるかと思います。

仕事を辞める前にそのサンプルの原稿を持って漫画家を訪ねてみるの
が良いかと思います。

アシスタントも忙しい所もあれば、ヒマな所もあり、色々です。

たくさん勉強できますし、業界に接している事で情報や仲間などとの
接点もできて有利だと思います。

絵を描く事自体がお好きなら、すぐにアシスタントを始める事をお
奨めします!

 ps:バイトに集中してお金を貯めても漫画家にはなれないと
    思います。


返信する
安い物を高く売る (B・INABA)
2019-03-13 22:15:48
漫画を「面白く魅せる」技術という発想は、なるほどですね。「面白いものを描こう」と意気込んで企画倒れするパターンは私も思い当たる節がありすぎて、何でかどうして良い物を作ろうという考えが頭を支配してしまいます。

ベテラン漫画家が背景デタラメというのは驚きました。全てがそうではないと思いますが、黎明期の漫画家さんたちは人物も背景も達者だと思っていたので、これは意外でした。
返信する
B・INABAさん、コメントどうもありがとうございました! (yes)
2019-03-16 02:56:51

「面白くないとダメ」「面白い作品を作らなくてはいけない!」・・・・
・・・・・・・誰でも、そう考えて漫画を制作していますよね。

私も、デビュー前から、中年のアシスタントになるまでそう考えて
きました。

いつも「面白い作品を作れねばならない!」と自分を追い詰めて、
追い詰めて・・・・・・・・結局、何作も没原稿を作り、誰からも評価さ
れる事もなく終わってしまう。

元々、運次第なんですよね「作るれる」のは。

重要な事は、つまらないものしかできなくても、それをガッチリ「面
白いもの」に変えていく「実力」なんですね。(50過ぎてからです、
それに気づいたの)

若い頃に、その事に気が付いていれば、人生変わってたんじゃな
いかと思います。

 >ベテラン漫画家が背景デタラメというのは驚きました。

ベテランといっても、デビュー前はハナ垂れの漫画少年ですし、ま
ず背景なんてまともに描けてる人なんていません。

極々、たまに背景の上手な人もいますが・・・・・そんな人ほど、アシ
スタントになる事を勧められて、プロのアシスタントになっちゃった
りするものです。

私も学生の頃は、漫画家先生の方がアシスタントよりも絵も背景も
上手なんだろうなぁ・・・・・・・なんて漠然と思っていましたが・・・・・・・・

アシスタントよりも背景画が上手な「先生」なんてほとんどいません。
(いる事はいますが、とても少ないです)

返信する
シャングリラ (ねこねこ)
2019-03-20 17:11:03
日本では、今月ピエール瀧という芸能人がコカイン使用で捕まりましたが、そのおかげて、NHKの大河ドラマが差し替えになったり、過去の映像の多くが、再使用自粛になったりと、騒いでいます。
タイでも、禁止薬物で同じような騒ぎになるのでしょうか。


https://www.youtube.com/watch?v=tRfqWOOmNXk
返信する
ねこねこさん、コメントどうもありがとうございました! (yes)
2019-03-22 23:13:05

ヘロイン、覚せい剤、ガンジャ・・・・・・・・日本よりもかなり広く流通し
ているのですが、量刑は日本よりも厳格です。

麻薬取引で死刑や終身刑といった重罪になる人もいます。

当然、タレントの麻薬犯罪も多かろうかと思いますが・・・・・・・その
処罰規定は、なぜか日本よりも緩めです。

有罪判決後も、テレビの出演や映画、コンサートなどの芸能活動
も、ほとんどみんな半年ほどもすれば平然と復帰するそうです。

返信する
境界石 (ももりん)
2019-03-24 22:12:49
新築中の家の周りには、境界石のような隣地との目印になるようなものはありますか。
また、日本の住民票や戸籍簿のようなものはありますか。
https://www.3-kai.jp/tochikaoku/tokusuruchishiki.pdf
返信する

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