『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

読書感想168  中途半端な密室

2015-03-15 11:59:09 | 小説(日本)

読書感想168  中途半端な密室

著者      東川篤哉

生年      1968年

出身地     広島県尾道市

 

★感想★★★

 

 本書では密室ミステリーを5編収められている。題名は以下のとおり。それぞれに素人や玄人の探偵が謎解きに挑む。

1.   中途半端な密室

ホームズ役は無職の青年、十川一人。ワトソン役は新進気鋭、つまり売れていない小説家、片桐圭一。

事件は夜間内側から鍵のかかったテニスコートの変死体。

2.   南の島の殺人

ホームズ役は山根敏、岡山の大学生、古本屋でアルバイト中。ワトソン役は七尾幹夫、岡山の大学生。

事件はS島の全裸殺人事件。

3.   竹と死体

ホームズ役は山根敏、岡山の大学生、古本屋でアルバイト中。ワトソン役は七尾幹夫、岡山の大学生。

事件は地上17メートルの首吊り死体。

4.10年の密室・10分の消失

ホームズ役は山根敏、岡山の大学生、古本屋でアルバイト中。ワトソン役は七尾幹夫、岡山の大学生。

事件は10分で消失した丸太小屋。

5.   有馬記念の冒険

ホームズ役は山根敏、岡山の大学生、古本屋でアルバイト中。ワトソン役は七尾幹夫、

岡山の大学生。

事件はカツ丼屋の主人に対する傷害窃盗。

 著者らしくテンポのよいユーモアのある会話が続く。今回は岡山弁を駆使している。ワトソン役による抱腹絶倒の語り口がおもしろい。一例をあげると以下のごとく。

 「ほーかい。そりゃありがとさん。ん?」橘さんは敏ちゃんにねぎらいの言葉をかけ、そして返す刀でおれに暴言を吐いた。「なーんや、ミキオ君、遊びにきとったんか!。相変わらず暇人じゃのオ」

 おれの労働に報いる言葉が《遊びにきとったんかー》とは、実にショックだった。もう金くれたって雪掻きなんかやるもんか。

にほんブログ村 写真ブログ 東京風景写真へ
にほんブログ村

 にほんブログ村 写真ブログへ
にほんブログ村